人狼物語 三日月国

159 【身内RP】旧三途国民学校の怪【R18G】


【人】 チャラ男 ウラミチ

>>+14

「……!」

泣きじゃくっていた男がふいに顔をあげる。

「……──カナイ…?」


涙と鼻水で情けなく汚した顔をあげ、周りを見渡した。
聞きなれた声と気配が傍にあった気がして掠れた声で名を呼ぶ。

──けれど、そこに望んだ人物の姿があるはずもなく、
ジワリと滲んだ大粒の涙がぽろぽろとこぼれた。

なぜこんなことになってしまったのか、なぜ帰ることができないのか、今の今まで話していたカナイはいったい何だったのか。
そんなわかるはずもない当然の疑問は、今は男の頭にはなかった。

ただ、 "もう会う二度と会えない" 単純なその事実だけでいっぱいいっぱいで。

引っ越す時だって、皆ともう会えなくなるのはとても悲しかったけど、会いに行こうと思えばまた会えると自分を慰められた。
便利な都会から田舎に戻るのは嫌だったが、皆と会えるのは本当に楽しみにしていた。


カナイがくっついてきた時のぬくもりも、髪に触れた感触も、何もかもしっかり覚えているのに。
どうして………

「………っ」


男は再び膝に顔を埋めてしまった。
(33) kotorigasuki 2022/07/12(Tue) 19:22:03