［でろでろになってるえまちゃんは
　それはそれはかわいいんだろうな。］
　

　
［それで、大人しく待てずに
　おねだりをしたら
　えまちゃんはすぐに叶えてくれた。

　眼鏡が揺れたのは気にならない。
　えまちゃんがすごく近くにいる、って
　もう、それだけで……。］


　　　んん……っ


［向き合うために浮かせてた身体は
　シートの背凭れに逆戻り。

　えまちゃんのあったかい唇が
　僕のを食べてる。

　実際されてる訳じゃないけど
　食べられてるって思っちゃうくらい
　激しく求めてくれて、……うれしい。］
　

　
［キス、どうやって応えたらいいのか。
　僕だってえまちゃんを食べたいけど
　情熱的な勢いに圧倒されて
　殆どされるがまま。

　女の子を喜ばせる方法、本で読んで
　少しは勉強して来たつもりだけど
　全然出てきてくれない。］


　　　ん……ちゅ、……っっ
　　　……っは、……はぁ、ぅ……っ


［だって、ただ……、気持ちいいんだ。

　えまちゃんの柔らかいところに
　僕の柔らかいところが擦られて
　互いの呼気がまじって
　背凭れに押さえ付けられる手すらも……。］
　

　
［思い出のかわいいえまちゃんに相応しい
　格好良い男になりたいって
　ずっと思って来たけど、……ダメだぁ。

　もういいやって思っちゃってる。

　息が苦しくなるのだって、
　僕の方が早かった。
　息継ぎさせて、って顔を引いて。］
　

　

　　　っはぁ、はぁ……
　　　キスって、こんな気持ちいいんだね……

　　　えまちゃ……はぁ……
　　　相変わらず、かわいくて
　　　かわいくて……

　　　めぇ……っちゃくちゃ
　　　かっこよくもあって……

　　　ずるいよぉ……

　　　……、だいすき……


［眼鏡のすぐ向こう側を見つめる顔は
　困りげに眉間を寄せて
　目をとろーんと蕩けさせて
　発情した雌の表情を晒してる。

　えまちゃんが格好いいから
　どろどろに溶かされてしまった。］
　

　　
［ジーンズの前はお揃い。
　前立てを押し上げて、
　苦しいほど張り詰めてる。

　……昔、屋台で当てたサングラス。
　えまちゃんはハート型で、僕は星型の。
　とってもかわいくて似合ってたのを覚えてる。

　今回も行くのすっごい楽しみにしてたけど。］


　　　お祭り、見に行く約束してたけど……
　　　明日でも良いかなぁ……？

　　　これじゃ人前、行けそうにないし……


［いまの愛おしくてえっちなえまちゃん
　誰にも見せてあげたくないよ。
　独り占めしたい、なんて思ってしまってる。*］