#プールサイド昼の部

「おはようございます！
　今日も緑郷は絶好調！です！」

新しい朝が来た。希望の朝だ。少なくとも今日は。
そういうわけなので朝食は手早く済ませてプールエリアの方へ。
点呼場所が場所なので朝食時から既に水着着用です。

「このシーパラに来たからには一度はプールに入らねば！
　ですがよくよく考えたら緑郷は泳げないので……」

#プールサイド昼の部



やってきたのは流れるプールのエリア。
片手にはフロート型の浮き輪。それでいいのだろうか。
持参した浮き輪をプールに浮かべ、
その上で時折水に足を浸しつつ実に楽しそうに流されています。

#プールサイド昼の部

「多分潜るのは大丈夫だと思うんですけど、
　どうやったら水に浮けるのかがまったくわからなくて……」

ついでに流されつつそんな事を零していたとか。
……とかではなく。断じて。
その辺りはきっと外見相応になっています。多分。

#プールサイド昼の部

「あっネコチャン！
　榑林さんの浮き輪、かわいいですね！」

多分、ねこ浮き輪を装備した榑林(>>a2)が
近くまで流されて来たあたり。
遠目では判別できなかったイラストが漸く像を結んで、
そういえばそんな噂もあったなあと得心した。猫はかわいい。

なお緑郷の浮き輪はごく一般的なマット型……
のようなフォルムをしたジンベイザメモチーフの浮き輪。
デフォルメの利いた平べったいシルエットは安定感抜群。
もはやシャチやイルカの時代は終わったのだ。そんな事はない。

#プールサイド昼の部　>>19　榑林

「はい！ジンベイザメさんです！
　もしかしたら…この尻尾で猫さんが釣れてしまったのかも！」

もちろん浮き輪のサメの尻尾にそんな可動域は無いので、
これはそれぞれの浮き輪に合わせて冗談を言っているだけ。
スレンダーでクールな印象と浮き輪にギャップがあろうとも、
緑郷からしてみれば単に可愛いと可愛いの乗算だ。無問題。

「エヘ、こうして流されてるだけでも結構楽しいですね！
　榑林さんももう暫く流される感じですか？」


とはいえ流されるとしか形容できないものは仕方ない。
他にもウォータースライダーや様々色々あるはずなので、
浮き輪着用である程度水中に身体を慣らしたら
流れるプールからそちらへ向かうのもいいのかも。

#プールサイド昼の部　>>24　榑林

「緑郷もこういう所に遊びに来るのは初めてです！
　それこそ旅行でもなければ、
　なかなかこんな機会ってないものですねえ」

そのあたりは確かに社長に感謝できるんですが〜……と、
やや間延びした声を零しつつだらっと姿勢を崩した。
きっと普段はあまりゆっくりと雑談する機会も無い事だし。
こちらもせっかくだからと、あなたと一緒に
人工的な流れに揺られつつのんびりする事にしたらしい。

「そういえば、榑林さんはお昼どうするか決めました？
　緑郷は沢山お店があって、色々目移りしちゃってて！
　屋台のご飯はなんでも美味しそうに見えますし、
　カフェテラスのケーキがかわいかったりもして……」

贅沢な悩みですよねえ、とふにゃふにゃ笑いながら。
片手であんまり派手に飛沫が立たない程度に
プールの水面をぱしゃぱしゃとやって遊んでいる。

#プールサイド昼の部

「一見のんびりした雰囲気のように見えてここは戦場……
　むふふ……牧野瀬さん、油断は禁物ですよ？」

理性と誘惑のせめぎ合いの最中。その発言を聞いて、
流されている人（人？）その一が何やら言っています。
多分ちょうど近くを流れていたところだったんでしょう。
ジンベイザメの背中に載せられていた何かを徐に手に取り…

#プールサイド昼の部



と牧野瀬めがけて発射されたのは
大丈夫、なんてことない水ですよ。
水鉄砲の水量はちょっと大人げないかもしれませんが。

#プールサイド昼の部　>>29　牧野瀬



命中を確認してぐっと片手を握った。取ってない。
勝手にプールサイドを戦場、
もとい流行りのアレにしない方がいいとかなんとか。

「フフフ、男性陣の皆さんがプールへと入らないなら
　緑郷にだって考えがあるということですよ……！」

そんな考えは無い方がよかった。不明な供述を述べながら、
プールをどんぶらこどんぶらこと流れていくことでしょう。
何なんだ。

#プールサイド昼の部　>>33 >>34　榑林

「加点式で見れば良い社長……のはずです！」

日頃数々の変態行為で無数の減点が入ったとしても、
なんだかんだと他の部分で十分に加点を稼いでいるのだろう。
変な所できっちりしている人だろうから、
大抵本当に笑い事では済まないような事はしないだろうし。

「順番！いいですね、ご飯は逃げませんし！
　目指せコンプリート！……は難しいかもしれませんけど、
　一緒に行ってシェアすれば色々楽しめるかも…」

流れ行く景色の中、運悪く居合わせた誰かにちょっかいを掛け
榑林のサムズアップに笑顔でピースを返すなどしていたところ。

#プールサイド昼の部

牧野瀬の構えた水鉄砲から撃ち出された推定水の片方が、
隣に居たであろう榑林に見事に命中したのを見て
直後はわあ、と呑気に声を上げたりとかしていたのだけど。

「なるほど、そういうのもアリですか？」

榑林の様子を見て、ははあと何ぞや得心した様子。悪識。

もちろん水鉄砲をもろに喰らった二人が水から上がるのに
何らか手助けが必要だったなら手は貸した事だろう。

なんて下心が働いたなんてことはない。断じて。きっと。