［この家の門に積もった埃を払い、表札をまじまじ見るつもりがあるならば。
そこには達筆な筆文字で「マヨヒガ　大祓」と書かれている。］

［あなたはこの老婆に見覚えがあっただろうか？そもそもあなたにこのような古式ゆかしいスタイルの実家は、存在しただろうか？
そうでなくてもなんでもいい。
マヨヒガの主が、イマジナリふるさとのイマジナリ祖母としてあなたの前に現出したのだから。世相は暗いし、年末のあれやこれやで疲れているだろう、どうかゆっくりしていってくれたまえ。］

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私もみかん食べるー！

とりあえず、先の独り言を最初にめくったキミはSAN値チェックしてってな。
ダイスロール成功で1点、失敗したら1D4点、正気度を減らしてください。

今年のセッションが終了してしまったため、卓やりたさに荒ぶっています。

個人目標：村人に存在しない祖母の記憶を植え付ける

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そんな感じでお邪魔しますよっと。

なおああ言ってますが、ゆーちゃんとか呼ばれるのも楽しそうかなっと思ってますよ！

　放課後、帰路の最中。
　ぼーんと低く響く時計の音に立ち止まり、気付けばそこに立っていた。

　門から家屋までを繋ぐ、玉砂利の小道。
　中央には飛石が敷かれ、両脇には手入れの行き届いた庭木が生い茂っている。

　昔から、時折こうして何かに拐われる様に、自分の知らない場所へ飛ばされることがあった。
　帰路への道は様々で、何かを解決することで開かれる事もあるし、いつの間にか元の場所に戻っている事もある。
　今回が、どちらだか分からないけれど。

　――秒針の音が聞こえた、から。

　私は、家屋へと足を向ける。
　飛石を踏みしめ、少し歩いて、玄関の扉の前へ。
　呼び鈴を押すも反応がなく、何度かノックしてみるけれど、それでも人が出てくることはなくて。
　……取手に手をかけ力を込めると、戸はガラガラと音を立て、呆気なく開いた。

「…………ごめんください。」

　肌寒い玄関に一歩踏み入り、廊下壁際の柱時計と目が合って……それで、大体のことを理解する。

　要するに、私はこの子に招かれたらしい。
　くわしいことは分からないけど、ちょっとしたお祭りで……のんびり過ごしていれば、そのうち帰れるらしかった。

　年越しまでに、帰れるかな。
　まあ、もう……冬休みだし。どっちでもいいか。

　深呼吸、ひとつ。
　靴を脱ぎ、「お邪魔します」と零しながら上がって、靴を揃えて隅へ寄せる。
　柱時計に軽く会釈しながら、靴下越しのつめたい床に少し驚きつつ。まずは奥の部屋へ、荷物を置きに向かった――。

雨水（裏山で濾過済）