[がたん、と台所から音がする。
暖かな鍋をよそい、振舞って。

ああそうだ。]

ところでお前たち、蕎麦と海老は食べられるのか？

[アレルギー筆頭みたいなところがあるこの食材は、事前に確認しなければ。
それでうどんに変える必要も出てくるし。]

そうか、砂糖をうまく飲めるようになってから名乗ってくれ。

[あれはものすごく資源を無駄にした。]

だから溶かしたと言っただろう。

だが物事には限度があった。それだけだ。

[溶かしてなかったら、今頃ジョッキなみなみの砂糖だよ。]

どれだけ肉を食いたいんだお前たちは？
牛肉から話が発展しすぎだろう。

[プレートよいしょっと。
網で食べたい？外でやれ。]

ちゃんと野菜も食べるんだぞ。

[やれやれ、と溜息つきつつ白菜を口に運んで


………]

………………ッ

[で じ ゃ ぶ]

う、胡乱な与太話世界とはなんだ！！
お前の作った世界だろうあれは！！
にゃあ！！

[普通に作った鍋なのにどうしてこうなった！！]

属性とはにゃんだ？？？！？！？
そんにゃもの覚えがない！！！
野菜は食え！！

[にゃー！]

つんでれでもにゃいし、これは不可抗力だ！！
盛るってにゃんだ！！
豆腐だけでにゃく食え！美味いんだからにゃ！

[そういう屁理屈は許さん]

[プリティとやらでも、キャットでもない！！
にゃ！！]

[にゃんこでもぷりてぃでもにゃいんだにゃん。
尻尾が幻視できるとかそんにゃこと断じてにゃいんだにゃん。
にゃん。]

[ポカポカポカポカきしゃーっ
なんだその無駄に長い名前は。
誰も彼もお前のキラキラネームに巻き込むな。]

[猫ではない。
尻尾たしんっ]

野菜も食え。

十手？
……知らんにゃん。

[なんでやろね？]

[E-でもやらねばならぬときがある！
それが今だ！！にゃん！！！
ぺちぺちぱしぱしにゃんにゃんたしんたしん]

どれだけ食うつもりだにゃん！
タコ？勝手に食え！！

知らんにゃん。
何故か語尾が離れなくにゃった。

[年末の魔物かな？]

[野菜で口内さっぱりして、新鮮な気持ちで肉を食う。
その方が礼儀ではないか？

バランスよく食え。]

[半々で食え。]

………………うわあ

[2mの大男の髪が触手になっている。
やばい。
写真撮っとこ。]

[もしかしなくても、ここにいるのでまともなの自分しかいないんじゃないかなあ。
とかぽつり。]

[馬刺しを所望されているのかこれは？
電話1つでデリバリー。ここはなんでもある日本の首都、東京。

ええー、英霊という時点で。]

やはりまともなのは私だけだな。
……ああ、馬刺しが届いたようだ。

[ぴんぽーんとチャイムの音がする。
迅速な手配最高だね。]

ついでに、夕飯もつくるか。

[本日は魚介鍋です。
味噌ベースの味付けでね。]

…………クリスマスベルみたいな音がするな……

[しゃんしゃんしゃーん]

子なのか……。

[ともかく。
蟹や鱈、たくさんの海の幸をご賞味あれ。]

破壊されたらすべて本人に直させる。
そいつはその程度は容易だからな。

[でも触手騒ぎとかご近所付き合い的に嫌ですね。
もうひっそり暮らしたいんだ。]

屋根もいいわけあるか！！
雪玉ぶつけるぞ！！

[しゃー]