………………………。


［　真白な雪の上で 鮮血と共にある
　　人だったものを前に立ち尽くす一匹の狐。
　　面を深く、深くつけ直して、
　　溜息をついた。　］
　

［　紡ぐことが出来たのは
　　ただ後悔のことばばかり






　

　　　早く…はやく？
　　　どうしろというのだ こんな……


［　状況を瞬時に理解して、拒み続ける。
　　平和も、未来も、もうないものだ。
　　

　　けれどこのまま、焼け落ちていく山を
　　見ている以外に何が出来るだろうかと
　　心が一瞬蹲る。　］
　

　　　




　

　　　………言われずとも 役に立つのだ
　　　吾を誰だと思っている


［　鳥の後ろ、木々から飛び降りるようにして
　　現れると面に隠された表情をじっと見つめ。　］
　

　　　何をする気だ？
　　　封印？…
　　　

［　吾とお前でも五分がいいところだろう、と
　　言って含み笑う。



…が嫌いではない。　］
　

　　　わかった。気を引くのは吾がやる。
　　　その隙に動きを少し止められるか？


［　逃げるならこっちの方が今はいい、と
　　焼け落ちてきてはいるがまだ形残る
　　森を振り返って言う。


　

　

　　



　

　

［　鬼の前に立ち そう告げる
　　やがて木々の間を飛び回りながら、
　　ぽつりと呟いた。　］
　

　

　　怖気付いたのかと思いましたよ
　　もふもふの狐さん




　

　　勿論わたくしと貴方でやっと五分



　　全く、わたくしを使うなどと……

　　いいですか
　　封印は二人同時に
　　左右で挟みましょう

　

［　自身の羽根を引き千切る。　］


　　


［　数枚の羽根で納められるのなら
　　安い代償だ。

　　貴方も名を掛けましたか>>*9　］

　

［　神立が鬼と対峙している。
　　その後ろから白い羽根が舞い、
　　鬼の足元へ刺さる。

　　これで




　　


　

　

　　哀しみを、閉じ込めましょう**