[こそり、こそり…もふり。
性懲りもなく布団おばけは今日も現れた様だ。

やっぱり背中にくっついて。
邪魔にならないように、殺した息が
寝息にかわるまで、じっと…]

……ねぇ、背中じゃなくて前に来なよ。
背中だけ暖かいより全部暖かい方がいい。

[なんでこんなに恐る恐るなんだろう。
振り返って頬をぶにっと掴みじっと見つめれば、
自分でやったくせに変な顔だと笑って。
ほらおいでと片手を広げて、内側に招き入れようと]

にぃぃいいいいぃ！
にゃんれしゅぎゅちゅぶしゅろおお！！

[ぴぃぴぃ鳴いてほっぺを掴む手をタップタップ。
不貞腐れながらもそんな風に誘われてしまえば
逃げ出せないからぼくのまけだ。]

………ん。

[前に行ったら前だけ温かいに変わるだけじゃないのかな。
全部って、全部…って、ええと。
ない頭で必死に考えて、そろりと腕を背中に回す。
おずおずと見上げる視線で、あってる？って尋ね乍ら
そっと抱き締め返してみようか]

ん、正解。
全く君って子はかわいいなぁ。
……あったかいよ。

[背に腕を回してぽんぽんと軽く叩いてやれば、
そのまま……少し迷って、額に口付けを落とした。
嫌がられるようならやめるけれど]