人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


【人】 門を潜り ダヴィード

路地裏の逃走劇から一夜明けて。

借り物の電動バイクを操り、「頼まれた荷物」をどうにかこうにか積み込んで昨日までとは違う種類の混沌にあるアジトへと顔を出した。

「あだだだ」

「おだちん」の鍵を使うことなく運び出されたそれに首をひねりつつ、頬を腫らしながら。

昨日までの陰鬱な雰囲気をすべて忘れたような、晴れ晴れとした顔で。
(11) 2023/09/26(Tue) 22:22:55
ダヴィードは、落ち着く間もないまま車に詰め込まれた。無抵抗だった。
(a2) 2023/09/26(Tue) 22:55:06

【秘】 歌い続ける カンターミネ → 門を潜り ダヴィード

大騒ぎの中で、あなたの端末が鳴る。
それを確認するのはいつになるかはわからないけど。
数件のメッセージが立て続けに入っていた。
それは前日に送ったものへの返信だ。

『故郷の母ちゃんか子供みたいな文章だなおい』
『怪我:ある
 痛み:寝て忘れた
 休み:しばらく取れない
 ご飯:臭いメシ飽きた
 野菜:気が向いたら』
『歌はな、警察署で凄いのが聞けたぞ。
 近くにいたら面白かっただろうに。
 帰れるかは……まだちょっとわからんな。
 やる事が残ってるから、俺も残ってるんだ』

『ま、帰れたら遊んでやろう。
 なんたって俺は「先生」だからな』

メッセージはそう締めくくられる。
どうやら、口の叩き方からして元気らしい事は伝わるだろう。
(-10) 2023/09/27(Wed) 13:21:38

【秘】 門を潜り ダヴィード → 歌い続ける カンターミネ

おそらくきっと、男がその返信を見たのはペネロペの運転する車の中。
必死こいて汗を流したあとに車に詰め込まれて、端末が通知を発していることに気づいてからだった。

『帰りを待ってるけなげな後輩ですよ
 すみません ちょっと盛りました』

『しないでくださいって書いてあるの読みました?先生
 帰ってきたらめちゃくちゃ苦情入れてやる…』

帰ってきたら、あなたに会ったら、また明日。

貴方が元気でメッセージを返してくれたという事実だけで、男は安堵することができた。
だからその返信だけをぽちぽちと打ち込んで、送信する。
そのまま端末をしまい込んで、貴方のやる事とやらが万事平穏に終わればいいな、と思った。
(-25) 2023/09/27(Wed) 17:47:04

【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → 門を潜り ダヴィード


あなたをどこぞで拾って車内に詰め込んで。
それからアジトを離れ、
隠れていろと言われた手前隠れ家の一つへと。

そんな移動中の車内でのこと。

「見ないうちにずいぶん
男前
になったなあ?ダヴィード」

腫れた頬を横目に見て、不意に。

「こういう生き方をするって事がどういう事かわかったろ」

「お前は今岐路に居る。
 そのツラ見るにどうしたいかも、もう腹が決まってんだろ」

どうするかではなく、どうしたいか。
マフィアとして生きていくか、それとも違う道を選ぶか。

頬を腫らして、けれどどこか晴れ晴れとした顔で。
あなたは確かにそうしていた。
ならばきっと、答えは決まっているのだろう。

ちらりと横目に見た端末の中では、
情報チームの頭がようやくお帰りになるとの事だった。
(-42) 2023/09/27(Wed) 21:37:55

【秘】 Commedia ダヴィード → Il Ritorno di Ulisse ペネロペ

乗れと貴方に言われれば何処へと問うまでもなく、息をつく暇もなく。
とりあえず乗り込んでそれからどこに行くんだろうと考える。
男はいつだってそういう風に生きてきた。

「ええ。勲章・・が似合うようになったでしょう?」

こういう生き方。
暴力と血に塗れたいずれ必ず地獄へと至る道。
男は神に祈らないが、それでも己の生き方が神の愛に背く生き方であることは理解していた。

「俺はノッテファミリーのダヴィードです。
 これまでそう生きてきたし、死ぬまでそう生きる」

――ああ、やっと伝えられた。
だからそれは「こうありたい」という希望ではなく、「そう生きる」という決意として表された。
いつか貴方に頭を下げ、アジトの門を潜った日に、捨てた希望だったのに。
こうして言葉に出来るようになるまでには短くない時間が必要だった。
(-47) 2023/09/27(Wed) 22:46:52

【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → Commedia ダヴィード

>>-47
「おう、着いたら後で箔も付けてやるよ。
 湿布と消毒液って名前のな」

泣いて後悔したって、もう引き返せやしない。

──この門を潜る者は一切の希望を捨てよ。
一度その門を潜ってしまえば、神も法も助けてくれはしない。
神も法も助けてはくれない者の居場所。

この世界には、神も法も手を差し伸べないものが、
場所があるから。だからそれがある。

「───ふうん、そう。」

返答は短いものだった。
既に決意された事に、御託は必要無いと思ったからだ。
故にこの後に続くのは、単なる確認でしかなく。

「そんなら、こないだ言った事は忘れてないだろうな?
 自分の命には、行動には、自分で責任を持て。
 これまでも、これからも、お前の命はお前のもんだ。」

「使い方を決める権利はお前だけが持ってる。その上で、
 ノッテに、ボスに、俺達に胸張って誇れる
番犬
になれ」

「わかったな、Cucciolo子犬ちゃん

曰く、男は犬が好きだった。
自分がどれだけ姿形や振る舞いを変えても、見付けてくれるいきものだから。
(-51) 2023/09/27(Wed) 23:22:52

【秘】 Commedia ダヴィード → Il Ritorno di Ulisse ペネロペ

>>-51

うげ。

 ……あんまり沁みないやつがいいです」

そうしてまた、無理なことを言った。

一切の希望を捨てて進んだから、今の幸せがある。
その幸せが薄氷の上にあって、いつかぱちんとはじけて消えてしまうようなものであっても。
それを守ってくれた人間がいるから、自分はぬくぬくと温められていたと気付いてしまったから。

「覚えてますとも。俺は、俺がしたいことをします。
 俺の大好きな、大切な人たちを言い訳にしなくても。
 死ぬほどやりたいことがあったんです、ずっと」

「だから――
 
 これからもファミリー帰る場所のために働きますよ」

Bau bauバウバウ、と小さな鳴き真似が口から洩れた。
思ったよりは似ていた。

愛する家族の姿形がすこしばかり変わったからと言って、間違える犬はいない。
だってそれは、『貴方』なのだから。
(-55) 2023/09/28(Thu) 0:35:12

【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → Commedia ダヴィード

>>-55

「そいつは無理な相談だな」

なんとも薄情なこたえを返して、笑う。

斯くして、一切の希望を捨てた後に残ったのは
決意と幸福のかたちであった。

たとえそれがどんなに儚いものであろうとも、
たしかに今そこにある事には変わりない。

そして、それを守ろうとする者が居る事も。

「良い返事だ」

そう言ったのはあなたのこたえにだか、鳴き真似にだか。
何れにせよ、確かな事は。


勲章に箔が付けば、それはきっと
忘れられない思い出になるだろうということ。
(-59) 2023/09/28(Thu) 2:26:34

【秘】 Commedia ダヴィード → Il Ritorno di Ulisse ペネロペ

>>-59

いやだあ、と情けない声が上がった。
そんなことを言っても治療行為に抵抗など出来るはずもなく、ぎゅっと眉間に皺を寄せて耐えることになるのだろう。
ずるずると座席からずり落ちながらそんな未来を予想した。
本当に嫌だ。


「ん」

いつもより数段気の緩みきった返事を添えて、決意表明は終わり。
あとは貴方が車を走らせるままに外の景色を眺めていることだろう。

忘れられない思い出は、忘れたくない思い出にもなった。
この幸せと痛みを抱えて、子どもはまたすこし大人に近づいたのだった。
(-75) 2023/09/28(Thu) 9:31:24

【独】 Commedia ダヴィード

隠れ家に着いてから少々乱暴に消毒を受け、熱を持った痣には湿布を当てられ。
男はカウチに体を投げ出してうとうとと眠っていた。
丸一日追われていた精神的疲労と、単純な肉体的疲労によるものだ。

「通知うるさッ ……切ろっかな」

本来は許されないであろう行為だが、今日は『お祭り』なのだ。
横になったまま端末を操作し、もう一度惰眠を貪る前にざっと目を通して。
――脳が動作を停止した。

アレッサンドロによるアジトの襲撃。負傷者。爆発。失踪。

ばん!
と大きな音を立てて、端末を壁に放り投げる。

俺は今、何か、とても怖いもの・・・・・・・を見なかったか?
無意識に抑えた口が、体が、震えていた。

喉から音が出てこない。寝ている間にぐしゃぐしゃになったブランケットを痛いほどに握りしめて、被って、目を瞑って――

男はもう一度、夢のない眠りへと落ちていった。
(-121) 2023/09/28(Thu) 22:13:34

【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → Commedia ダヴィード


『お祭り』の日の夜が明けて。

きっと日もとっぷりと傾きかけた頃。
そこまであなたが寝過ごしていたって、誰も咎めるものは居ない。
寝転がったまま、ぼんやりとしていても。

隠れ家は静かなものだった。

「ダヴィードー、ダヴィード起きてっかあ〜?」

「飯行くぞ飯!ずっと家に籠もってんじゃカビ生えるわ
 後の事は一旦全部後回しだ」

一応の家主がいつも通りにやって来るまでは。

端末が床に落ちていてもお構いなし、
あなたを叩き起こしてでも連れて行くだろう。
何せきっと、昨日の夜からろくに食べていないだろうので。
(-134) 2023/09/28(Thu) 23:22:22

【秘】 Commedia ダヴィード → Il Ritorno di Ulisse ペネロペ

>>-134

はたして男は、昨日の夜からブランケットを被ったままカウチの上から動けずにいた。
気を失うように眠りに落ちて、目を覚ましてからも隠れ家の窓から入る光が色を変えていくのをただ見ていた。

おきてます、と答える声もどこか掠れている。

「めし……」

思い出したかのようにぐぅ、と腹が鳴る。
のろのろとブランケットをはぐって立ち上がり、靴を履く。
昨日は一仕事を終えてからそのまま隠れ家に来たので、服装は問題ないだろう。
腹が減るのも、今この時にそんなことを気にしている自分がいることも、なんだか冗談のよう感じられた。

「どこ、いきます?
 腹にやさしいのがいいな」

ついぞ隠れ家を出るまで、端末の方は見なかった。
見ないようにした。
(-142) 2023/09/29(Fri) 0:38:07

【秘】 Il Ritorno di Ulisse ペネロペ → Commedia ダヴィード

>>-142

どんな時であっても、腹は減るし明日は来る。
滑稽とも思えるほど当たり前に世界は回っていく。

「休みの連絡入れるついでにアマラントでも行くか。
 どうせしょぼくれたり他所行ったりで
 忙しくて行けてないだろ、お前」

これは根拠もない決め付けだ。
とはいえ慌ただしい数日だった事には間違いない。
一人で慣れない場所へ行く機を窺うには少し不自由な程度に。

「酒のあて以外に普通の飯もあるし……
 シチュー、よく作ってたんだと。
 腹にも優しいし傷にも沁みにくい、ちょうどいいだろ」

車は出さず、徒歩で向かう。ただ歩くだけでも、
何もせず助手席に座っているよりかは幾らかましだろう。
そのような考えがあってのことだった。
(-147) 2023/09/29(Fri) 1:26:19

【秘】 Commedia ダヴィード → Il Ritorno di Ulisse ペネロペ

>>-147

『世界が終わったような』気分になったって腹は減るし眠くもなる。
そんな当たり前に傷つく歳ではなかったが、代わりに両親のことを少しだけ想起した。何故だろうか。

「うーん、その通り。
 ごはんだけでもって聞いて行きたかったんですけど。
 もう……すぐにはちゃめちゃになっちゃったし」

忙しかったのは本当。迷惑を避けて近寄らなかった面もあるだろうが、わざわざ言うほどではない。
いつぞやに三人で話した時は、まだいつも通りが続いていたから、いつだって行けると思っていた。

「あ〜〜、シチューいいなあ。俺シチュー好きです。
 お手製さいこーだしあったかいし、うれしくなるし……」

外で貴方と二人で歩いているというのに、子どもの口調はいつもより砕けたもののままだった。
会話の中身も無に等しい。
口も足もちゃんと動く。
生きている。
貴方と食事に行けるのは嬉しい。
貴方の企みはしっかりと効果を発揮したようで、当たり前がひとつずつ取り戻されていく。
(-172) 2023/09/29(Fri) 7:52:38

【人】 Commedia ダヴィード

>>62 ペネロペ

一人であれば少し気後れしそうな隠れ家だ。一緒に来てくれる先輩がいてよかった。
……いや、自分達は隠れ家から歩いてきたのだから正しくは隠れ家「風」か。
とりとめのないことを思うし、いくらかは口から出てきたかもしれない。

促されるままに着席するが貴方の頼んでいるカクテルが何なのかもわからない。
大人しく椅子に座って店内を見回しているうちに提供された一皿は、一日以上何も食べていない人間にとって魅力的すぎた。

「本当に……めちゃくちゃ美味しそうですね。
 え、これ、ねえもう食べていいですか?」

なので、我慢ができるはずもなく。
煮込まれても素材の食感を失わず、シチューの味をしっかり吸い込んだ具材たち。
ほどよくあたためられたパンを浸せば、しっとりと口の中の傷に障らない美味しさが口の中に広がる。
合間に口にしたカクテルはやさしい甘酸っぱさが特徴で、貴方がこれを選んでくれたのがじんわりと嬉しかった。

#バー:アマラント
(63) 2023/09/29(Fri) 7:54:29

【人】 Commedia ダヴィード

>>79

「へえ?ああ、じゃあ。
 習ったらおれにも作ってくれませんか、ペネロペさん。
 材料代も出すし片付けもしますから」

もくもくと食べ進めながら、貴方のそんな一言に反応した。
もとよりこの男は人の手がかかった料理が大好きで、外食にそこそこの給金を注ぎ込んでいる節がある。
それが貴方のお手製ならばもっと嬉しい。そんな単純さだ。

「いいなあ、それ。来年にもまたこうやって……
 俺に似合うお酒選んでくれますか?」

今回の選んでもらったカクテルは「傷に沁みないもの」という基準が大いに影響しているだろう。
それを抜きにして、18歳の自分に貴方が何を選んでくれるのかが気になった。
その時に貴方は別の顔をしているかもしれないけれど。

貴方のいつも通りに触れた、あたたかい時間。
子どもはなんだか、泣きたいくらいに嬉しかった。
(80) 2023/09/29(Fri) 21:01:15

【人】 Commedia ダヴィード

>>81 ペネロペ

「ペネロペさん」の手料理はきっと、初めてだろう。
貴方に作ってもらったものならきっとなんだって、それこそ消し炭だって無理矢理に口に詰め込んでから泣くような男だけれど。
これからあるかもしれない、ない話。

「あははっ、来年ですよ。言いましたからね。
 絶対一緒に来てくださいね」

もうすぐ夏が終わり、実りの秋と眠りの冬が来る。
この先にどんな苦難が待っていようと、未来に楽しみな約束があるのはいいことだな、と思う。

目の前の苦難を乗り越えるためにたくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん食べて。
すこしだけ貴方に甘えて。
そうして、日常は続いていく。


#バー:アマラント
(82) 2023/09/29(Fri) 22:58:24
ダヴィードは、平穏と日常を愛している。
(a19) 2023/09/29(Fri) 22:58:39

【秘】 Commedia ダヴィード → 法の下に イレネオ

それはこの一連の事件から数週間が経ってからのこと。
男はいつもより少し重い昼食が入った紙袋を持って、狭い路地裏を歩いていた。

「買っちゃったなあ〜……
 誰かに会えればいいんだけど」

お気に入りの店が貼り出していた期間限定商品のチラシに、
『本日最終日!!』の文言が上から貼られていたものだから。
さてどこで食べようか、また公園にでも行こうか。
街を歩いている間に知り合いでも見つければ、
押し付けて一緒に食べてもらえばいい。
そんなことを考えながら、近道に入った路地裏でふと地面を見る。
拭われた形跡のある、古い血痕。
注視しても判別が難しいようなそれに何故目が吸い寄せられたのかは分からない。

誰かが喧嘩でもしたか、派手に暴れたか。
はたまた――これ以上は、今考えることではない。


そのあたりで頭を振り、血痕を踏み越えて歩き出した。

足早に路地を抜け、数週間前と同じように公園の外れのベンチを陣取る。
違うのは、今日は一人ということ。
(-343) 2023/09/30(Sat) 20:15:06

【秘】 Commedia ダヴィード → 法の下に イレネオ

期間限定のチョコバナナとマシュマロのパニーニは表面がごく軽く焼かれていて、齧ると予め火を通されたチョコとバナナが蕩け、表面が炙られているマシュマロがサクサクとアクセントになる。
そんな甘いパニーニを口いっぱいに頬張りながら、今は姿の見えない人のことを思う。
毎日顔を合わせるほどの仲ではなかったけれど、こんなに長い期間会わなかったのははじめてだ。
喋る相手もいないものだから、咀嚼しながら思考は巡る。

イレネオさん、この街から引っ越しでもしたんだろうか。
この街がきな臭くなってしまって、治安も混乱していた。
故に家族に急かされたか、急な転勤を命じられたとか何かで。
お互い連絡先も知らなかったから伝える手段がなかっただけで、きっと別の街で今日も元気にしているはずだ。

貴方はやさしい人だった。
たとえ何処に行っても幸せに、陽の当たる道を真っ当に歩き、今日も大切な人と笑い合っているだろう。
だからきっと、幸せな生を全うして、ああいう人こそが天国に行くだろう。


当然のように、そう思った。
(-344) 2023/09/30(Sat) 20:15:52
ダヴィードは、買いすぎた昼食を、一人きりでは食べきれなかった。
(a34) 2023/09/30(Sat) 20:16:09

ダヴィードは、『イレネオ・デ・マリア』に、生涯出会うことはなかった。
(a35) 2023/09/30(Sat) 20:16:27

【置】 Commedia ダヴィード

昔、両親に言われたことがある。
「人を叩いたり、悪口を言ってはいけないよ。
 ダヴィードもそうされたら悲しくって泣いちゃうでしょう?
 誰にでも優しくしてあげるようにしようね」


その通りだ、と思った。
両親は優しかった。
今も甘ったれた性格のままなのは、どちらに似ていたんだろう?

昔、叔父に言われことがある。
「お前が居なけりゃ良かったのになァ。
 どうせお前の人生もこれからお先真っ暗だよ」


そんなはずない、と思った。
一年とすこしの間の叔父との生活は、積み上げられた酒瓶と気まぐれに押し付けられたアイロンの熱さしかもう思い出せない。

永遠に続くと思っていた日々は突然に終わった。
幸せな日常も苦痛の責苦も、等しく。
そして今回も、また。
未だ分からないままに、幸せに置いていく日々を開封する日が来るのかは、これまた分からない。

ただひとつだけ分かることは、
慕わしいものはすべて地獄へ堕ちると言う。
地獄とは永遠に許されることのない罪人が集められ、永遠に責苦を受けると言う。
ならばそれに倣って、己もいずれその場所に行こう。
(L4) 2023/10/01(Sun) 20:13:04
公開: 2023/10/01(Sun) 20:15:00

【置】 Commedia ダヴィード



「両親に二度と会えないことよりも、
 大切な人たちに二度と会えない方が怖いんです。
 アハハ、俺は親不孝な息子ですよ」
(L5) 2023/10/01(Sun) 20:14:51
公開: 2023/10/01(Sun) 20:15:00