人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ

こうして年下扱いされることも、甘えをそのまま許容されることも。
先に心配したのはこっちなのになあと思いつつ、眠気には抗えない。

「何回でも来てもいいんですよ。
 連絡さえもらえたら、俺はいつだって嬉しいです」

とん、とんと腹を叩かれるままに眼がすこしずつ開かなくなり、眠気に誘われていく。
手に力が入らなくなった代わりに、何かを探すように貴方の服に指先が引っかかった。

「……おやすみなさい……」

ほとんど吐息混じりのそれは、聞こえただろうか。
(-2) NineN 2023/09/20(Wed) 21:04:56

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

ぶつかった視線、先にある翠。
鏡で見た自分のそれとよく似ている気がしたのは。

「────」

願いを聞いたからこその思い込み、だろうか。
撫でてくれる手つきはとてもやさしいもので。
ねえさんやにいさんと呼び慕うその人たちとも、違うもので。
呆けた表情を浮かべながらもそうされている内。
掻き消えそうな小さな言葉を拾い上げた瞬間。

…………なんで、泣きたくなったんだろ。


ついと視線が落ちかけてしまう前に、口を開く。

「────"フレッド"」

逸らされた話題に乗りかかることもなく。

[1/3]
(-3) mspn 2023/09/20(Wed) 21:15:37

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ


「フレッドって、……呼んで」

貴方が遠ざけようとしたものを近づけるみたいに。

「…………オレの、ほんとの名前」

唐突に告げた。
今の名を渡されてから、昔を知らない誰かに教えたこともないし、伝えるべきでもない真実を……それでもだ。

『弟にして』、なんて。
そのまま伝えたところで、受け取ってもらえるかわからなかったから。

瞼を落として、頭を傾ける。
貴方の肩口に額を押し付ければ、よく似た金糸が揺れた。

[2/3]
(-5) mspn 2023/09/20(Wed) 21:17:03

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ



「教えたの…………とくべつ、だよ」



なんでもをしてほしいから、望んだんじゃなくて。
だいすきなあなたが、そんな笑い方をしなくていいように。


[3/3]
(-6) mspn 2023/09/20(Wed) 21:17:26

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「じゃあ来るよ。お土産持って」
「お前が良いって言ってくれるんなら、
 お泊りじゃなくて遊びにでも」

そうなったら、なんだか本当のただの友達みたいだ。
──マフィアだなんて大層な事を言って、
その中に混じるのはただのひと。自分も、きっと貴方も。
自分がひとだって? まさか。


とん、とん、と一定のリズム。
これがいいと言われるのはなんでだったか。
母親か自分の鼓動に近いからだったか。

「ん」
「おやすみ。ダヴィード」

服に貴方の手が触れる感覚。
それを自分の手で包んでやって、握った。
かすかに聞こえたその七文字に、穏やかな笑みを浮かべて。

ロメオもそのまま瞼を閉じた。
あたたかい。

これでいい。これがいい。
金でもない。名誉でもない、
なんでもないような細やかな幸せがこんなにも。

じきに広い寝室に、二人分の寝息が聞こえるんだろう。
(-53) susuya 2023/09/20(Wed) 23:30:37

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「え」

微かな動揺。聞き慣れない名前。
翠の色はそれで揺らいで、空のグラスを静かに置いた。

少しばかりの訝しさを以て細められた目は、
続く言葉を聞いて幾ばくか瞼を持ち上げる。

「ほんとの、」

朝の日向の色が揺れれば、照明がそれを透かした。
癖のない貴方の髪。
癖ばかりで跳ねる自分の髪とわずかに重なる。

(-63) susuya 2023/09/21(Thu) 0:03:54

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「──フレッド」


名を紡ぐ。
貴方の本当の名前を口に出す。
大事に。

そっと手に包むように。



「フレッド」


そっと抱いて抱えるように。



握られた手を一度放した。
それから、自分が貴方の手を握った。



知らないうちに空いていた、心の穴のピースがそこにあった様な気がして。


(-65) susuya 2023/09/21(Thu) 0:06:20

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ



「オレでいいの?」
「オレで……」



無意識に漏れた問いの答えを、
貴方の口から聞かずとも知っている。
けれどこの自意識が、こんな。

ひとらしい、だいじなものを持つ事を拒んでいるから。
貴方の言葉で杭を打ってほしかった。
(-66) susuya 2023/09/21(Thu) 0:07:32

【秘】 路地の花 フィオレ → 渡りに船 ロメオ

アジトに来てはいるが、今は買い出しに出ている女からのメッセージ。
いつものように、また唐突に送られたもの。

『あとで、時間くれる?』
『少しだけ』
(-71) otomizu 2023/09/21(Thu) 0:23:51

【神】 渡りに船 ロメオ

情報整理、精査、それから諸々の隠蔽に操作。
相変わらずロメオはギルドの端でパソコンに向かいながら、
親指の爪をガリガリ噛んでそんな作業をしていた。
ノートパソコン二台とタブレットを併用して、
苛立たしそうにキーボードを叩きながら
据わった眼で画面を見ている。

「カンターミネさん捕まったのマージで痛ぇんだよな……」

ちらりとウィッグを被ったテディベアを見る。
それからドでかい溜息を一つ吐いて、

「──へえ!」

画面に戻した視線の先にあった、新しい情報。
名前は知らぬが『その顔に覚えはあった』。

「そりゃすげえ。会えて光栄だったな」

よかった〜、と場違いに嬉しげな声を上げる。

#アジト
(G17) susuya 2023/09/21(Thu) 1:03:59

【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ

『時間?』
『OK。いつでも』

すぐに簡素な答えが返ってくる。
この男の言う事だから、本当にいつでもいいのだろう。
(-80) susuya 2023/09/21(Thu) 1:12:15

【秘】 路地の花 フィオレ → 渡りに船 ロメオ

多少動けるくらいには落ち着いてから。
あなたをメッセージで別室に呼び付けている。
あまり使われていない予備の小さな会議室。
たまに昼寝だったり休憩だったりで使う人がいるくらい。

目はまだ涙で濡れて、おさまってはいないようだったが。
(-110) otomizu 2023/09/21(Thu) 3:05:17

【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ

「いた」

キィ、と音を立てて開く会議室の扉。
それを潜って貴女の姿を確認すれば、
何を言われるより前に、貴女の隣の椅子を引いて座る。

「食べな〜」

そうして唐突に、持っていた紙袋を1つ机の上に置いた。
中身を出す。ふかふかのボンボローニだった。

「疲れた時と、厳しい時と、とりあえず落ち込んだ時……」
「甘いもんって効きますからね。なんでか知らんけど」

買った時は揚げたてだったんだけどさあ、と
机に頬杖をついて。

「………………………………」
「話は落ち着いてからでいーんで……」

そう言って、貴女の言葉を待っている。
(-113) susuya 2023/09/21(Thu) 3:46:00

【秘】 路地の花 フィオレ → 渡りに船 ロメオ

「……」

本当はもっと軽い気持ちで、あなたに会うつもりだった。
気を許している人たちが軒並み捕まったり、いなくなったりして。心細かったから。
けれど今は……無念と、情けなさと、ぐるぐると濁った感情ばかりが渦巻いて。
口角を上げるどころか、目線も合わせられずにいたけれど。

「……わざわざ」
「買ってきてくれたの?」

砂糖がまぶされた、まだ温かいそれを。
言われるままに手に取って。暫く、そのまま見つめている。
少しだけかすれた涙声が、ぽつりとつぶやいた。

「……パンを持っていくと、すごく喜んでくれたの」
「スラムの子も、養育院の子も……」

ボンボローニを真ん中で分ける。中のクリームはまだ熱いだろうから、ふわりと湯気が出て。

(-115) otomizu 2023/09/21(Thu) 4:17:59

【秘】 路地の花 フィオレ → 渡りに船 ロメオ

「……この子達にも、私が救ってもらったように…素敵な未来がありますようにって」
「おもって、たの」

口が、止まらない。落ち着いてから、って言ってくれているのに。

「……私、馬鹿みたい」
「この法律で、子供たちを助けてくれている人に何かあったら……守ってあげようって、言ってたのよ」

「それより前から、あの子達は……苦しんでいたのに……、ッ…」

ひっく。肩が震えて。嗚咽が漏れる。
送り出した子達、ひとりひとりにお別れ会を開いたことも。一緒に遊んだ思い出だって残っている。
なのに。

「送り出した先に未来がないなんて、思わないじゃない……っ」


ぼた、ぼたと。大粒の涙がボンボローニの上に落ちる。
後悔の気持ちは、抑えようもないものだった。
せっかく気を遣ってくれたあなたの前で、みっともなく泣き喚いている。本当に、嫌な女だと思う。
(-116) otomizu 2023/09/21(Thu) 4:18:38

【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ

とん、とん、とん。

そのまま意識を手放した男は、夢も見ない深い眠りについた。
夜明けの時間まで眠り、一度だけ貴方より先に目を開ける。

貴方が安らかに眠れているのであれば、寝ぼけ眼のぱやぱやした頭で

「よかった」


とだけ呟き、己の服が乱れていないか
醜い傷跡を晒していないか
を確認して二度寝を決め込むだろう。
朝が来れば、貴方が買ってきてくれたお土産を朝食にしよう。
今度は味の違う方を、また二人で。
(-127) NineN 2023/09/21(Thu) 6:57:32

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ


ほんとうを呼んでくれる。
とても、やさしい声音だった。

呼ばれる度に、剥がれてゆく。

やっぱり泣きそうだった。
こんなにも貴方は"大事"をできるのに。

生涯、隠そうとしたこと。

手が離れるのが嫌で。
追おうとした、指先を。
よく似た体温が繫ぎ止めてくれる。

だから。

そうして落ちた問いがあんまりにも。

……ああ、"いじらしい"って、こういうことをいうのかな。

[1/2]
(-150) mspn 2023/09/21(Thu) 9:41:20

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ



「───あなたじゃなきゃ、やだ」

 
遠ざけないで。


「…………ロメオにい」


 
どうか、傍に置いて。



──ぬくもりを知る場所で、生きていて。


[2/2]
(-152) mspn 2023/09/21(Thu) 9:42:25

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

その日ルチアーノの部下から貴方の部屋へ白い猫のゲージが持ってこられた。『なーん』。

白い猫はもうわが物顔で貴方の部屋を満喫している。

『あの……ぐす、えぐ……ロメオさん、ルチアーノさんがっ、
 すんっ……、その……。迷惑かけて、
ずっ
……すみません……』

ちなみにこの部下は猫アレルギー。
マスクをつけながら涙目で距離を取っている。
(-155) toumi_ 2023/09/21(Thu) 10:18:44

【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ

「おう。オレも食べたかったんで」
「移動屋台で売ってたんだよ。ラッキーだな」

貴方が手に取れば、自分もお構いなしに
紙袋の中身を取り出した。

「…………うん」
「うん」

貴女の口からとつとつとこぼれる掠れた声は、
貴女の今まで抱いてきた祈りを、願いを、想いを。
そして、無念と後悔を。
ターコイズブルーから溢れた大粒と共に流していく。

ロメオはそれをボンボローニを齧りながら、
砂糖の付いていない方の手で貴女の背中を摩って聞いていた。

「泣きな〜」
「仕方ないよ。悪人ってウイルスみたいに湧くんだから」
「潜んで蝕むもんなんだよ。オレらみたいに……」

「抗体のない女子供から狙われていくんだよ。
 胸糞の悪い話だね……」

あんたは悪くないよ。
抵抗できない子供も悪くない。
悪いのは、わるいひとなんだよ。

そんなことを言いながら、貴女の背中を摩り続けた。
(-156) susuya 2023/09/21(Thu) 10:26:31

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

「おおすげえなお前」

朝から見えない姿に、何かしらを察していた。
それからあの猫の件はどうなったかと考えていた頃、
ゲージが持ってこられて少しほっとしたのは分かる。
まさか顔面グズグズの人間を
遣わせてくるとは思っていなかったが。
頭の中であの人が言ってたのってお前の事か、と納得する。

「……ありがとございまーす。マジで大丈夫?」
「これ……お駄賃の代わりに持ってきな。ティッシュ一箱」

おそらくこれも今日中と言わず数時間のうちに
無くなりそうな雰囲気ではあるが。
はい、と新品を部下くんに手渡した。
ゲージから解放され、ベッドの上で丸まった白猫は
そんな事知った事ではなさそうだ。

「……あん人、どこ行ったの」

知らなくても良いけど、気になるから。
ダメ元で一つだけ尋ねてみた。
(-158) susuya 2023/09/21(Thu) 10:34:15

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「…………」

ゴト、とカウンターを伝うのは外した眼鏡を置く音。
遮る分厚いレンズは無くなって、
そのままの翠を貴方に向けた。

与えられた光だけを表面で返して、
その奥にはずっと奥まで深い洞があるような。
森の谷底のような、南の深海のような瞳。

「オレはお前が思ってるより善人じゃない」
「酷いものだよ。非道いもの……」
「……きれいじゃないんだ」

「……大丈夫かな」
「お前はきれいだから」


負い目がある。



「それだけが心配だよ」
「──ハハ」


(-162) susuya 2023/09/21(Thu) 11:02:17
ロメオは、矛盾を抱えている。
(a8) susuya 2023/09/21(Thu) 11:03:25

ロメオは、『人並み』にいつも背を睨まれている。
(a9) susuya 2023/09/21(Thu) 11:04:42

【秘】 セントエルモ ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ


ひとのかたちは喜んでいる。憂いている。
慈しんでいる。心の裏側が焼け焦げるような思いがした。

けれど、善い。
言葉は貰えた。

杭は打たれた。



「弟ができたな」
「フレッド。おいで」


繋いだ手を、グイと引っ張って。
バランスを崩して傾いた椅子の勢いで、
貴方を抱きしめようと思った。


吐き気がするほど、貴方家族を随分、大事に思ったから。
(-165) susuya 2023/09/21(Thu) 11:08:37

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

『あり、えぐ、ありがとうございます……
ずーーーーーー!!

 ルチアーノさんは散歩してると思いまず……。
 アッ!! ふざけてるわけじゃなくて、
 同じ場所に居ない方が足取りが掴まれにくいからって』

新品は新品でなくなった。

『それと執行役は全員見つけたから最後の奴にあってくると。
 場所はすみません、本当にわからなくて。
 お気に入りのケーキ屋の場所なら言えるんですが……』

お気に入りのケーキ屋。ルチアーノが部下や特定の人間と極秘のやり取りをしているときに使われる店だ。
一番最新の知らせを間接的にやり取りする役割を持つ。

『……あの』

『ルチアーノさん、最近調子悪そうで。
 何もない変な場所見たり、急に胸抑えたり、動かなくなったり様子が変で……』

『もしかして、……チュールでも食べたんですかね』

部下くんは真剣に上司を心配しているようだ。
決して馬鹿にしているわけでも猫扱いしているわけでもない。
(-181) toumi_ 2023/09/21(Thu) 12:19:34

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

何に遮られることなく、真っ直ぐと見つめた貴方の翠は。
不思議な色をしていた。
或いはどこか、寂しくも思えた。
重なっていく声に言いたいことはあって、けれどそれが形になる前に。

「……ゎ、」


手を引かれる、バランスが崩れる。
そうしてそのままに貴方の両腕の中だ。
それは酷く恐ろしいこと……のはず、だったけれど。

「…………」

少し肩に力が籠ってしまっただけで、あとは。
ああ、貴方が望むものに手を伸ばしてくれたのだと。
理解し、うれしさに瞼を落としていた。

[1/2]
(-183) mspn 2023/09/21(Thu) 12:25:36

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

「……ぁの」
「きれいじゃないよ、オレ、だって。
 ……スラムで、生きてた」

そうして恐る恐ると形にしていく。
貴方の期待を裏切ってしまうかもしれないけれど。

「悪いこと、いろいろしてる。
 パン屋のパンだって盗んだこと、あるし」

「…………春だって、売ってた」


「ぜんぜん、きれいじゃないんだ。
 きれいじゃないのに、きれいのふりしてる。
 でも……だから」

控えめに、それでも確かに。

「ロメオにいがもし、きれいじゃなくてもね」

両腕を己よりずっと大きな背へと、回す。

「……だいすき、変わらないよ」

"心配しないで"を伝えるように。

[2/2]
(-184) mspn 2023/09/21(Thu) 12:27:20

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

景気の良い鼻かみ音に、ヨシ……と頷いた。
ティッシュは有用だったようだ。

「成程な。賢い。つかそこまでしてたんすね?
 ケーキ屋ね。ケーキ屋……」

一応聞いといてもいいすか、とその場所を尋ねるだろう。
教えてくれれば、携帯端末にそれをメモする。

「……」

疑問の果てに辿り着いたトンチキな心配は置いておいて。
その内容は、あまり聞き捨てならない物で。

「マジで具合が悪い……か」
「マジで心労がすごい、の二択すね。それ」

「もしあの人が帰ってきたら休ませてあげてください。
 あの人、頑張りすぎなんすわ。……」

「まあ……スゲー嫌そうだし。この件」

片腕で自分の肩を揉みながら、
ほとんど重たいため息みたいに言って遠い目をした。

「良い上司だもんな。心配だろ」
「あの人の邪魔にならないように様子でも見に行ってみるよ。
 猫、ありがとうございました」

「あとチュールは食ってないと思います。安心していいよ」
(-219) susuya 2023/09/21(Thu) 17:26:19

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「うん」
「うん……なんだ。お前も?
 オレも居た時あったな……」

「大丈夫。いいんだ」
「いいんだよ。それでもお前、きれいだよ」

貴方を腕の中で抱いて、きつくない力で抱きしめる。
懺悔のように零れていく過去の一つ一つを、
拾い上げては許していく。

「立派に働いてんだろ。今じゃ盗みもしてない。
 してたところでまあ、許すけど」

それでもあなたは綺麗だった。そう思った。
陽光の元で溌溂とした笑顔を自分に向けて、
それがずっと眩しかった。

「……ありがと。よかった」
「お前が許してくれてよかったよ。嬉しい……」

回された腕の温もりに目を閉じた。
伝えられた言葉の意味をしっかり飲み込んで。

(-221) susuya 2023/09/21(Thu) 17:43:13

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「……困った事があったら言いな。酷いことされた時も。
 助けてほしい時も。傍に居て欲しい時も」

「オレはあんたの力になるよ。フレッド」

『うまく使え』、といつもの癖で言いかけて。

「……兄ちゃんだし…………」

きちんとそう言い直した。
(-222) susuya 2023/09/21(Thu) 17:44:06

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

──あれから、お泊り会を終えて。
久しぶりによく寝たロメオは、
無事に次の日を迎える事ができた。
残りのお菓子を食べて、貴方にお礼を言って帰ったのだろう。

それから、数日経って。
ギルドで聞く声が少なくなり、いつもの顔が見えなくなった頃。
アジトで買い出しから帰ってきた貴方の後ろ姿を見つけると、
「よ」と横から現れて声を掛けた。

「ボンボローニ。揚げたて」
「食べる?」

うまそうでいっぱい買ったから、と紙袋を揺らす。
いつものおすそ分けに来たようだ。
(-227) susuya 2023/09/21(Thu) 18:31:58