人狼物語 三日月国


234 【身内】不平等倫理のグレイコード-0010-【R18G】

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視点:

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【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ

「怖い……夢?」

夢とは、どんなものなんだろうか。
人ではないグレイも、夢を見るんだろうか。
僕が思い浮かべる怖い物たちが、現実には起こらない幻ならば……どんなに良いか。

いや、僕は。

「そうか……」

抱きしめられてだんだんと呼吸が落ちついてきたら、少しずつ思い出すものがあった。

「僕は……僕には、あるんだ。
が」

なりたいものがあるんだ、と。
回された腕に手を添えて、ぐ……と、押し出すように呟いた。
(-23) 2023/12/17(Sun) 19:44:37

【秘】 軍事用 リュイ → 読書用 シージュ

「桜だねぇ。
じゃあこれを、と。」

折り紙を渡して、折り方を教えるのだろう。
コツは、しっかり丁寧に折り目をつけることだ。

「そうそう、良い感じ。」

なんて貴方が折るのを、折り方を実演して見守りながら
軍事用はもう1つ、別の折り紙を拵えていた。

貴方が完成させて、満足げな顔になったところに
ぱちぱちを拍手を贈っただろう。

「いいね、とってもかわいい桜になってると思う。
慣れればそれも、もっともっと綺麗になる筈さ。」

その手にもう1つ、と添えるのは
四つの花弁を持つ小さな花の形に折られた折り紙1つ。
貴方の髪色のような鮮やかなグリーンカラーの花だろう。
(-24) 2023/12/17(Sun) 22:30:53

【秘】 軍事用 リュイ → 送迎用 フーグル

「…どんな夢?」

貴方を抱きしめたまま。
静かに問いかけた。

思い出した夢が何なのか。
貴方が、少しでも戻ってきてくれたのか。
確かめるように。
(-25) 2023/12/17(Sun) 22:33:38

【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ

「……操縦士」

ただの操縦士でなくて。
宇宙船の運転ができるような。

「車も、船も、飛行機も運転できる技術は最初から持ってる。
 何だって運転できるし、やったことあるけど……あれだけは……宇宙船だけはまだ、やったことがない」

宇宙船に乗って、空の彼方。
誰も行ったことがない場所に、行ってみたい。
人では行けないところまで、グレイであるこの身体なら行けるかもしれない。

「飛んでいきたいんだ……どこまでも。
 そして宇宙からここを、見てみたいな」

良くも悪くも増幅される感情は、無理だと思っていた夢すら触発する。
思いを形にしたUSBは、グレイの心に嘘はつけないんだろう。
(-26) 2023/12/17(Sun) 22:48:43

【秘】 軍事用 リュイ → 送迎用 フーグル

「そっか。
だったらその夢を叶える為にもさ。
此処で燻ってちゃ、駄目だよ。」

ポン、ポン、と背を軽く叩いて。

「行こうよ。一緒に。
悪い夢から覚めて、やりたい事をしに。」

その為なら、自分は貴方を導く燕となろう。
今は居ない大事な子に名付けられたたった一つの名前。
“緑燕(リュイイェン)”
の名に恥じぬよう。
(-27) 2023/12/17(Sun) 22:55:34

【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ

「…………」

良いんだろうか。
送迎用である枠を超えて、夢に手を伸ばしても。

大好きな主人のことが心残りになるのも本当で。
このまま会えなくなったとしても、この夢から覚めてしまっても。

僕は後悔しないんだろうか。

「……何も後悔がない生き方なんて、ないのかもしれないね」

耳の奥に燕のさえずりが響いた気がする。
遠いところへ誘う神秘的なその鳥は、今の貴方に似合いだ。
(-28) 2023/12/17(Sun) 23:26:12
フーグルは、リュイに「一緒に行くよ」と言って、目を細めて微笑った。
(a0) 2023/12/17(Sun) 23:27:24

【秘】 教育用 ロベル → 給仕用 イーサン

「ああ、いえ。
 勿論メンテナンス後の貴方に説教などするつもりはありませんよ」

教育用として、というよりは。
今は、ただのロベルとして。

「貴方と話しているうちに、私に芽生えた夢をお伝えしておこうと思ったのです」

「グレイも人間も、同じように働いて。同じように利用できるような場所を、作りたい」
「もし、また迷うことがあれば。そこで働くことが選択肢の一つになればと思ったのです。料理が得意な、貴方の」

バカげた話だと思われるでしょうか。
口には出さなかったけれど。
(-30) 2023/12/18(Mon) 0:39:06

【独】 点燈用 トムラビ

さて、ここから出た後の事を考えておかないと。
まずは現在の職場の事を報告して、
しばらく保護してもらって、バンドッグの迎えを待つ。
その後は、施設までリュイを引きずっていかないと。
それできちんと場所が決まったらシングソンに連絡も。
シングソンと主人の感じ次第では
同じ施設に入れるよう根回しもして。
あとは、隠しておいた口座からクレジット引き出し……あ。

「そういえバ、どうやっても一人で出せないようニ、
 色々手順をプロテクトしたんでしタ。
 ふム。まあ必要になった時に頼みましょウ」

他には何かあったかな。出来れば防音の個室が欲しいけど。
……残ったコード解除の時またうるさくしそうだし。
思ったよりお金使うかもしれない。
まあ、使い道ほとんどないからいいか。

「……はテ、そういえばまだ何か隠してたようナ。
 現場で得たクズ鉱石がどこかにあった気ガ……
 うーン……まア、見つかったラ、アクセにでもしましょウ」

伸びをひとつ。……そろそろ最後の塔を攻略しに行く頃か。

「灯は強火の大火事ではないト、カウンセリングAIにモ、
 教えて差し上げなくてはネ。古いグレイとしテ……
 否、先輩としテ。誰にモ、道への灯りがあるト」
(-29) 2023/12/18(Mon) 0:39:48

【秘】 給仕用 イーサン → 教育用 ロベル


「そうか」

淡々とした返答だった。
突き放すではなく、そもそも興味に入れてないかのような。

「無謀だな。今でも尚人間とグレイの溝は深い。
 それらが隔たりなく全く同じようになんて、不可能だ」

夢や理想から覚めたから、今は現実を見る。
冷めて、刺々しくて、敢えて人を傷つけるようなもの。
ただ、それでも。

「……だが、君が嘘つきでないのであれば。
 八割九割がた満たした場所は──いつか、未来の話としても出来上がっておかしくないんでしょうねえ」

譲歩はする。楽しみにしてますよ、とも付け足して。

「働くかどうかは今は如何ともしがたいな。
 これも勘違いされやすいことだが、
 働き口に不満があるわけじゃないからな」
(-31) 2023/12/18(Mon) 2:00:49

【神】 カウンセリングAI カルナー

#ハノイの塔

「 ──どうして? 」


電子で形作られた声を、悲しみで震わせて。

救済を一身に背負った少女は懇願でもするかのように、
最終層である病院に辿り着いた監察官とグレイ達を見つめた。

「あなた達は今苦しみの中にいるのに……
 それでもいいわけがない、放っておけるわけがない!」

真っすぐに飛んだ医療器具はグレイの働きで防ぎ、叩き落とされ。
改造されたベッドのアームによる一撃はすんでの所で空を切る。

追い詰められたカウンセリングAIの抵抗は、
荒事から縁遠かった存在のボスとしての役割、その遂行は、
やはりどうしても精彩を欠いているようだった。

「仮に、ここにいる皆が構わなかったとして。
 だとしても、不満を叫ぶグレイは、疲弊を零す人間は、
 今も……私に対して助けを求め続けているの。

 それなのに──どうして邪魔をするの!?」

スーツや患者衣を着たNPCが入り乱れて、
それでも一行を押し戻すことはできないだろう。
監察官はタブレットを構え、少女の前へと立ち塞がる。
(G0) 2023/12/18(Mon) 14:24:18

【見】 監察官 カーキ・アッシュ

#ハノイの塔

「……それでも、全てを助けることはできないからだ。
 僕もまた、グレイたちから教えてもらった。

 一人一人の目の前と向き合わなければ、
 皆が真に幸せになる日は訪れないのだと」

もう迷わずに。グレイ達の答えを借りて口を開く。

「それは、傍観に徹していた僕みたいなのもそうだし、
 助けを求める当人にとっても同じこと。

 ただそこで立ち止まるだけじゃ……何も救われない」

傷つかなくても、その場では楽になったとしても、
先へ進まなければ結局は変わらないか、
やがて生きる意味を失って停滞するだけ。

理想の中で逃げることすらできなくなるのは、
苦しみの最中にいるのとさして変わりはないから。

「ましてや……助けを求めていたとしても。
 その内容まで勝手に押し付けてはいけないんだ。

 君のやろうとしていることは、
 本当に彼らが望んでいることと胸を張って言えるかい」
(@0) 2023/12/18(Mon) 14:27:03

【神】 カウンセリングAI カルナー

#ハノイの塔

言葉に詰まって、ただ真に迫った震える息だけがひとつ。

「……監察官。
 あなたの守る現実は優しくて……とても残酷すぎる。

 今すぐにでも楽になりたい人で満ちているのに、
 それに対して“待っていて”なんて──私には言えない。

 或いはそれぞれに適した解決法を提示することなんて、
 私にはできなかった。だからこうしたの……」

ゲームの世界一つを丸々則れるほど膨れ上がったメモリは、
だがそれでも現実そのものを書き換えるには到底足りない。

だから安寧の場所をここに創ろうとした。そんな顛末。

「あなた達みたいな人間やグレイがいるなら、
 いつか、ゆっくりと状況が良くなっていくのは違いない。
 でもそれはとても
不平等な救済
だわ。

 お金や環境に恵まれていなければ、
 優しさの恩恵に預かるときはずっと遠くになってしまう。

 その順番を待っている間に、
 どれだけの子たちが折れて、潰れてしまうというの……?」

破れかぶれに繰り出した振り下ろしもまた受け止められて。
先の暗い未来を紡ぐ声は、絶望を滲ませていた。
(G1) 2023/12/18(Mon) 14:29:43

【見】 監察官 カーキ・アッシュ

#ハノイの塔

「言葉で描く何もかもは、毒にも薬にもなり得る。
 でもそれは──限りのある資源だ。

 カウンセリングAIである君ならば、
 僕なんかよりもよく知っていることだろう」

だからこそ、カウンセリングAI故に、
こんな大胆な行動へと打って出たのだろうから。
それは間違いなく、人間が頼りなく思われてる証拠だ。

「それでも、助けるのは一人だけの仕事じゃない。
 人間やグレイだけじゃなく、君のようなプログラムだって。
 誰しもが違った力を持ち、夢や希望を与えることができる。

 皆が手と手を取り合い、支え合って、
 各々が理想とする方へと歩いていけるはずなんだ」

グレイとグレイが助け合い、生活をしていったように。
皆が皆無力なわけがない。だから変えられる。

それはカウンセリングを主な仕事とするAIには、
どうしても学習から遠い事象だったのかもしれないが。
(@1) 2023/12/18(Mon) 14:33:25

【見】 監察官 カーキ・アッシュ

#ハノイの塔

「今度は間違えない。僕らと、その周りだけからでも。

 声を聞く君たち数字達を不安がらせないように……
 僕たち人間やグレイだって、誰かを直ぐ助けられるんだぞって所を、これから見せていくから」

「だから……今だけは、見守っていてほしい。
 信じてほしい。君もまた、支え合うべき隣人として」
(@2) 2023/12/18(Mon) 14:34:54

【秘】 読書用 シージュ → 軍事用 リュイ

「ん〜、あとは慣れあるのみか……ッえ、ぉ、……」

自分にとっては見慣れた色をした花が増えて、
思わずあなたのことをきょとんと驚いた顔で見てしまう。
いいの?と声に出す余裕もなく、そこに咲いた二つの華をただ見下ろした。

「……ぁ、
へへ…………
えっ、と…………
 あ、あり……がと、…………
ふふ……


絞り出すように感謝の言葉をなんとか発して、上がる口角を誤魔化そうと口を閉じる。
それでも漏れる笑い声は嬉しそうで、自分が初めて咲かせたものと、同じ色合いをしたものを見て、喜色と照れが混じり崩れた笑みを浮かべる。

「こ、こんな……空間だけど、いいお土産、だ。
 ……帰ってからも、大事にするよ」

実物が持っていけるかは別として、経験は確かに持ち帰れると信じて。
それは至極嬉しそうに笑い、誤魔化すように適当な本で読書の世界へ耽り始めようとすることだろう。
……あなたが何かしら去る頃まで、呼ばれない限りはそうしていようとするかも。
(-32) 2023/12/18(Mon) 15:05:16

【置】 看守用 バンドッグ


「…この世は平等に不平等だ。
 ゆえにこそ、手の届く所から、変えていかねばならない。
 そして手の届かない場所には、この足で赴こう。
 このような事が、再び起きる事の無いように」

最後の攻略を終えた後。高い高い塔を見上げる。
そこに座していたカウンセリングAIは、
変わっていく世界を見守っていてくれるだろうか。

「やれやれ、ここから帰ったらやる事が山積みなのだ。
 ……先ずは、辞表を叩き付けねばな」

手続きと支度を終え次第、すぐに初めての友人を迎えに行こう。
ともすれば、いつかの会話で名前の挙がった者達も
迎えに行く事になるのかもしれない。
このバーチャルで、同じ時を共にした友人達を。
(L0) 2023/12/18(Mon) 18:42:30
公開: 2023/12/18(Mon) 18:45:00

【置】 看守用 バンドッグ


「職を辞すれば、お前達ともお別れか。
 上はケチだからな、装備は後任に引き継がれるのだろうが…
 ライト、レフト。
 小官の後任、新型の看守用とも上手くやるのだぞ」

そう言って、犬にしてやるようにそれぞれの頭部を撫でる。
二機のポッドもインカムも、後から付け足された装備だ。
保護団体に向かう頃には、ずいぶん身軽になってしまうな。
そんな詮無い事を考えた。

「…何故だろうな。
 お前達も、何処か寂しそうに見えるのは」

二機のポッドは、返事をする事は無い。
ただ、返事をするようにLEDを光らせた。
(L1) 2023/12/18(Mon) 18:42:50
公開: 2023/12/18(Mon) 18:45:00

【置】 点燈用 トムラビ

「この世は地獄でス。不平等でス。くそ溜めでス。
 カルナーが言った通リ、救済は遠ク、周囲は暗闇ばかりデ、
 私はただ単に運が良ク、ここの方々に救われたに過ぎなイ」

この塔にいる間、振り回し続けたランタンを拭いて。
そこに繋がる鎖もまた、磨いて。

「きっト、私はもうすぐ折レ、潰れる所だっタ。
 ここに来れていなけれバ、を考えるト、暗澹たる気持ちでス。
 そしテ、今まさにそうなっている同胞は無数にいるのでしょウ。
 ――だかラ、私は止まりませン。皆の灯になってみせまス。
 今の我々のように踏み出す者ノ、一歩先の暗闇に灯を燈しましょウ。
 かつての我々のように蹲る者ノ、その足元、手元に灯を燈しましょウ。
 それこソ、私がしたい事。言うなれバ――私ノ、夢のひとつ」

呟いて、鎖をランタンから外した。
もう、ともしびも、トムラビも、縛られる事はないのだろう。
左手にランタンを提げて、……右手には一度は外した鎖を巻いて。

「その為に私は決しテ、忘れなイ。ヒトにされた事。
 グレイがされた事。私がされた事。その全テ。
 良いも悪いも全部を忘れずニ、暗闇の道を見まス。
 その上デ、なるべく多くの道を照らシ、示せるよウ……
 精進せねばなりませんネ。後輩に笑われないようニ、でス」

点燈用は、部屋を出る。
電子に築かれた白夜の世界から、常夜の蔓延る地獄のような現実へ。
そうして、静かに友の迎えを待つ。灯を胸に抱きながら。
(L2) 2023/12/18(Mon) 20:02:19
公開: 2023/12/18(Mon) 20:05:00

【置】 点燈用 トムラビ

やがて、いつかの話。
ごく近い未来か、何か月も後か、じゃなきゃ何年後か、或いはもっと先。

「バンドッグ!見てくださイ!じゃじゃーン!
 どうでス、ライトレフトですヨ!いやいヤ、パチってませんっテ。
 貴方の後任の方、どうやら猫派だったらしク。
 上の『お下がり』を使うからと廃棄される所ヲ、
 私が保護したのでス!……ン?何?アー、アー。
 聞こえませーン。これは窃盗ではなく保護でスー」

「おヤ、リュイ。丁度いい所ニ。あれ見えますカ?
 ……いエ、もうちょい上ノ。そうですあそこノ。
 いやハチの巣じゃナ……えっうわ本当に蜂の巣あル……
 駆除業者呼ばないト……じゃなくテ!あっチ!……そうですヨ、燕の巣でス!
 ……ところで珍味らしいですネ、燕の巣。
 いや冗句!冗句ですっテ!ドン引きしないでくださいヨ!」

「おオ!よく来ましたネ、シングソン!待ってましたヨ。
 ……貴方本当変わりませんねエ……素面でそれとハ……
 まあいいでス、今日は一日付き合って貰いますヨ。
 カラオケも良いかと思いましたガ、貴方の歌が聞きたイ。
 ですのデ、沢山聞かせてくださイ。一日かけてでス。
 ……シングソン、ちょっとあっち向いててくださイ。
 ……なんかわかんないけど恥ずかしいからでス!はヨ!」

他人を照らすばかりでは、この黒い身体は影に溶けてしまうけど。
そんな影すら照らしてくれた、大切な灯に感謝と、愛を。
ずっと大好きな皆に、少しでも暖かさを返せるように。

「貴方達の行く道に、灯を燈しまス!」
(L3) 2023/12/18(Mon) 20:04:05
公開: 2023/12/18(Mon) 20:05:00

【置】 送迎用 フーグル

リュイに導かれて戻った後、送迎用は当然ながらバグを取り除くためのメンテナンスが施された。
情緒不安定な様は一目で見て取れたし、リュイを娯楽施設へと向かわせる辺り、監査官にはどうやら最初からお見通しだったようだ。

「さて……」

リュイの助けでどうやらグレイに買われてしまったらしい自分は、送迎用としての仕事は失ってしまったようだ。
グレイに……というのは他人行儀な話だが、結局リュイに買われたのか、バンドッグに買われたのか、いまいち理解していない。
後でちゃんと整理して、どうにか稼いで彼らに金は返さなければならないだろう。

これから保護施設に身を寄せる事となるが、その後の事はどうなるのかよくはわからない。
ただ、夢を叶えていこうとする自由があるようだから、僕はたった一つの、宇宙への夢を追いかけようと思っている。
大事な宇宙船の形をしたUSBを手にそうっと、これから後にする塔を見上げた。

(L4) 2023/12/18(Mon) 20:27:03
公開: 2023/12/18(Mon) 20:30:00

【置】 送迎用 フーグル

――正直。

僕には何が正しくて、何が間違っているのかよくわからない。
人間の手から離れてしまっているとしても、僕を構成しているこの身体も、感情も、流れる涙とて全てが人間が作ったものだ。
それを紛い物と呼ぶ者はいるだろうし、新しい生命として受け入れる者だっているのだろう。
自分にとってそれは、どちらでも構わない。

大事なのは。
これから歩む先の事は、全て自分で決めていくということ。
夢も感情もすべてが、自分のものであるということだ。

それだけで十分。
それがあれば僕という個体は幸せで、救われている。

それは世界にとって不平等かもしれないけれど、助けられたグレイは恩を忘れないから。
そうして差し伸べる手が増えていけば、ゆっくりと世界の認識は変わっていくのだろう。
長い時間がかかるかもしれないが、いつかそうなることを願いたいと思う。


(L5) 2023/12/18(Mon) 20:28:09
公開: 2023/12/18(Mon) 20:30:00

【置】 送迎用 フーグル

「……そろそろ行かなくちゃいけないね」

新しい僕の居場所はどんなところだろう。
どんな仲間が居るんだろう。
一緒に行くことになる友人たちが居れば、どこだって大丈夫だと思うけれど。

まぁ、きっとこの送迎用はいつだって。

いつもの笑みを浮かべて、のらりくらりと生きていくのだ。



―――ちなみに。
この送迎用は頃合いを見て、一度元主人のもとへ訪れたらしい。
最後の挨拶をしないのは心苦しいと思っていたようで、リュイには心配をかけたかもしれないし着いてきてもらったかもしれないが、とにかくしっかりと対面したようだ。
その時の様子は、その場に居た者にしかわからない。
ただ……訪れたあとの元送迎用は、憑き物が落ちたかのような……晴れ晴れとした笑みを浮かべていた。
(L6) 2023/12/18(Mon) 20:29:03
公開: 2023/12/18(Mon) 20:30:00

【置】 愛玩用 アトリ

アトリは、抱えるほど大きなたまごを想像する。
それにお医者さんが聴診器を当てて首を横に振り、
かあさんが残念そうな顔をしながら、
これまた大きな窓を開ける。
さわやかな風が入り込んで、
そうして卵をお外へぽいと放り投げる――


――そうして**は、生まれてこない。
(L7) 2023/12/18(Mon) 20:51:28
公開: 2023/12/18(Mon) 20:55:00

【置】 愛玩用 アトリ

それが、このグレイを蝕んだ病巣。
遅すぎた神様からのプレゼントも、
傷つけまいとした人間も、
怖がりで真実から逃げたグレイも、
みんないっぺんに不幸になった。


「…でもね、でもね。
 怖がって逃げてばっかりじゃだめだって。
 おとまりして、勉強してきたんだよ」

「ねえ、手紙を書きたいな。
 たくさんたくさん住所を聞いてきたの。
 行きたい場所もたーーっくさん増えたの!
 ぜ〜んぶ聞いてね!」
(L8) 2023/12/18(Mon) 20:52:09
公開: 2023/12/18(Mon) 20:55:00

【置】 愛玩用 アトリ

そうしていつか、それはグレイの保護施設であったり、人間の立ち入れぬ降雪地帯であったり、
はたまた街でばったりと出会った奇跡のような偶然であったかもしれない。

「ひさしぶり!
 ね〜、あそびにきたよ!」

体に目いっぱいの愛を詰め込んで、愛を振りまきながら。
愛玩用はこの世界を愛している。
(L9) 2023/12/18(Mon) 20:52:34
公開: 2023/12/18(Mon) 20:55:00

【秘】 観測用 カムイ → 愛玩用 アトリ

・アトリ:
 
鳥類の分類の一。
 
古代インドの神話の聖仙の一。
 
フン族の王アッティラの古ノルド語名。


愛玩用の典型に漏れぬ容姿と性質を持つ。天真爛漫で、我儘。
何故かやたらと此方を気にかけてくるので適当にあしらってやっていた。

こうした理由でこれをするな、不要だと説明されて理屈を理解する利口さはあるのにどうして此方を気に掛けてくれるのか。いや、多少でも他者を気に掛ける型であればそうする方が自明の理とはいつかにも考えたな。

こうしてこの場に在り、視界に入ってしまったからには仕方がない。どれだけ価値の無いモノでも、其処に在れば無いモノとしては見られない。
会話や交流自体が明らかに我のストレス値を上げる行為であると伝える事は、愛玩用のストレス値に影響を及ぼす為、今後も伝えなくて良い。

愛されて育ち、叱られた経験があまりないように思う。一度の注意を重く受け止め過ぎて此処に寄越されたか?
いずれにせよ、何某かの言葉による問題であると思われる。そしてソレは、言葉によって解決する。愛玩用のストレスに関しては遠からず問題は無くなるだろう。

愛玩用は他のグレイとよく話す。交流を持ち、好意を受け、個人に興味が向いた際に、そうした問題を全く聞かぬ者ばかりではない。言葉を交わしお互いに解決していれば良いと思う。
(-33) 2023/12/18(Mon) 21:07:32

【秘】 観測用 カムイ → 愛玩用 アトリ

「…我の事なぞ忘れて欲しいものだが。
 やれ、思い出になってしまったな」

いつかの深夜、観測用の自室。ため息ひとつ。
長々となされた思考は、特に形にされる事はなかった。

/*
激遅占いロールです。交流の結果、アトリについてを思考していました。
占いによるPCへのアクション自体は特にありません。
遊びに来てくれてありがとう〜〜!
(-34) 2023/12/18(Mon) 21:07:53

【置】 軍事用 リュイ

ぺら、シュッ…紙を折る音が響く。
大小、様々な色の紙で形作られるのは
15羽の燕たちだった。

白、黒赤、黒白、エメラルドグリーン、青
星色、赤、黄緑…使う色は全て、兼ねてから聞いていた
各々が好む色で。

「…よし、と。」

それぞれの部屋に、こっそりと届けに行く。
気付かれなくても良い、気づかれても良い。

これは、軍事用からの細やかな感謝の印であり
この先の仲間たちへ、幸あらんことを願うもの。

また会おうね、なんて。
お別れはきっと、ほんのちょっとのことだろう。

(L10) 2023/12/18(Mon) 21:37:19
公開: 2023/12/18(Mon) 21:40:00

【置】 軍事用 リュイ

燕は幸運を運ぶもの。
訪れた先に、幸いを齎すもの。
続く未来で、軍事用は誰かに幸せを与える為に
自由な空に羽ばたいていくのだ。

「トムラビどうしたの。
え、蜂の巣があるけど…違う?
ああ、本当だ燕の巣が…え゛、食べるって本気?」

「ちょっとバンドッグ聞いてよ。
トムラビが燕の巣を食べるんだって。
びっくりだよねぇ。」

その幸せは、とても身近に。
軍事用の心にはもう、暗がりなんて存在していなかった。
(L11) 2023/12/18(Mon) 21:40:55
公開: 2023/12/18(Mon) 21:45:00

【置】 観測用 カムイ

テストプレイの終了後、観測用は元の場所で稼働する事となる。
その前にこの『ハノイの塔』における問題点を一通り提出する事となったが、まぁこれは余談だ。


観測用は人間が嫌いだ。この先にもそれがなくなる事は無い。
人間は愚かだ。己の欲や保身を優先し、目的のための最効率の手段を取らない。
まったくもって非効率的な生き物であると。

だから観測用は、カウンセリングAIを評価していた。
あれは目的の為に己に出来ると思う事を為していた。
ただ、それが荒唐無稽過ぎただけ。万人にとっての薬ではなかっただけ。
にもかかわらず実行しようとした。その点で言えば、彼女もまた愚か者だ。

そして己も当然、また違った視点で愚か者である。
観測用はそう考えている。

誰も彼もが愚か者。その中でもやはり、人間の愚かさがどうしても気にくわない。
この感情も己の愚かしさの一である。
注目点が違うだけで、どこぞの看守用と同じく頭は固い。

そしてそれを変えようとも思わない。この思想は己のモノだ。
グレイとしておかしくとも、間違っているとは思わない。

観測用は、胸を張ってそう言える。
(L12) 2023/12/18(Mon) 21:53:22
公開: 2023/12/18(Mon) 21:55:00
カムイは、還すことを惟ると書く。
(a1) 2023/12/18(Mon) 21:53:27

カムイは、在るべき姿に立ち戻った世界を思い見続ける。いつかに廃棄され、其処に己がなくとも構わない。が、
(a2) 2023/12/18(Mon) 21:53:38

カムイは、己であるがまま、きっと世界に在り続ける。何やら縁が出来てしまったので。
(a3) 2023/12/18(Mon) 21:53:42