[ 調合の比率さえ間違わなければ、副作用も僅かな浮腫程度。
　間違えたとしても、
　せいぜい強い利尿作用が続く程度のその薬。]
　
　

[当然、プラチナは知らない。
ややこしい比率の計算式を一か所間違えていたことも、
……それに伴う、副作用の事も。**]

[ さて、成功した場合の効果は教えたが
　失敗した場合の効果はまだ口にしない。
　
　きっとそれはすぐに彼の体を襲って
　効果の程を知らせてくれるだろう。
　
　本来マナが体の中を循環して必要な水分を蓄えてくれる筈が
　比率を間違えてしまった事で効果の一部が反転し、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　強力で長い利尿効果を齎すなんて、
　今の彼は知る由もない。 ]

[プラチナの予想に反し、効いたのかどうかは
割合すぐに判明することとなった。
但し、本来の効能とは逆の方向で。

片付け中、
下腹部がむずむずとした感覚に襲われた。
気のせいだろうか、と思っていたが
それから十分も経たないうちに
はっきりと身体が生理的な欲求を訴え始める。]

(ーー...う、...っ)

[もじ、と腿を擦り合わせる。
尿意。
テレベルム曰く、薬が成功していれば
暫く感じなくなるはずのそれ。
ーーということはつまり、]