人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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[犠牲者リスト]
該当者なし

本日の生存者:ラッコ、シャーリエ、リフル、小林 友、早乙女 菜月、アクスル、在原 治人、志隈、アジダル以上9名

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2020/10/05(Mon) 8:57:54

志隈は、メモを貼った。
(a0) 2020/10/05(Mon) 9:01:37

【人】 二年生 小林 友



  太郎は、少年と友だちになって、
  自分は少年から金の輪を一つ分けてもらって、
  往来の上を二人でどこまでも
  走ってゆく夢を見ました。
  そして、いつしか二人は、
  赤い夕焼け空の中に
  入ってしまった夢を見ました。

  明くる日から、太郎はまた熱が出しました。
  そして、二、三日めに七つで亡くなりました。

  ─────『金の輪』
          小川 未明
 
(0) 2020/10/05(Mon) 14:26:00

【人】 二年生 小林 友


  「ともちゃん、本当に大丈夫?」


[そう青柳が尋ねてきたのは
 また図書館に行こうとした矢先のこと。
 いつもみたいに話しかけるだけじゃなく
 後ろから俺の肩を強く引いて、
 青柳は真っ直ぐ俺を見つめている。

 今更なんだと言うのだろう。
 そんな嫌そうな感情が表に出ていたのか
 青柳の手に力が篭もる。]


  「何かあるなら、話して欲しい。
   クラスメイトとして、友達として」

  ……何も無いって。
  俺は、青柳がどうしてそんなふうに思うのか
  全然分かんないよ。

  「だってともちゃん、前なら俺に
   そんな風に言い返したりしなかった」


[なるほど。さすが周りに目を配れる男。]
(1) 2020/10/05(Mon) 14:26:28

【人】 二年生 小林 友


[強硬な青柳に促されるように
 人気のない教室の空いた席へ腰を下ろすと、
 青柳も俺の隣の席を引く。
 じっと覗き込むような目線から逃げるように
 机からはみ出たプリントの切れ端に
 視線を落として、俺は息をついた。

 何から話せばいい?
 目に見えない女の子と、放課後の図書館で
 便箋越しにメッセージやり取りしてます、
 俺はその子のところに行きます邪魔しないで?
 信じるわけない。こんなこと。

 時間をただ沈黙のために費やしていると
 青柳がそっと口を開いた。]
(2) 2020/10/05(Mon) 14:26:49

【人】 二年生 小林 友



  「俺のね、中学の時のクラスメイト。
   ひとり自殺した子がいるんだ。

   ひとりでいてもなんとも思わなかったし
   そいつが昼休みとかに逃げるように
   図書館とか保健室とか、行くの
   仲間と笑いながら見てた。」


[時々声を上ずらせ、静かに語る。]
(3) 2020/10/05(Mon) 14:27:38

【人】 二年生 小林 友



  「その子が死んだ理由、
   はっきりしないまま終わったんだけど
   ……もし学校で何かあったら
   力になれたかもしれない。
   逃げる道があげられたかもしれない。
   そう思うと、やりきれなくて。

   世の中には、その子だけじゃない、
   悲しいこと辛いことが山ほどあって
   覚えていられないくらいだけど
   もう辛いことが起きないように
   少しでも行動するのは、
   無駄な事じゃないのかな、って。」



[青柳の言葉も、心もひどく真っ直ぐで
 俺はまた何も言えずに口を噤む。

 また長い沈黙の後、俺は考えながら
 唇の隙間から言葉を絞り出した。]
(4) 2020/10/05(Mon) 14:28:16

【人】 二年生 小林 友



  ─────俺には、そんな勇気、ないよ。
  今傍目に死にたそうに見えてたとしても。


[それ以上、何も言えない。
 気まずい沈黙が教室の中に、
 澱のように溜まっていく。
 「そうか」と短く切って、
 青柳は足を組みかえた。

 俺は何か言わなくては、と
 頭の中を必死にフル回転させて……]


  青柳はさ、もし好きな女の子がいて
  その子が、手も届かない遠くにいたら
  ─────どうする?


[つい、そう、尋ねてしまった。]*
(5) 2020/10/05(Mon) 14:34:58

【人】 二年生 小林 友

[少しの沈黙の後、]


  「遠距離、的な?」


[青柳はううん、と唸って腕を組んだ。
 もし、俺が「いや、異世界の子」って言ったら
 今度こそ可哀想な奴扱いにされるんだろうか。
 それとも、青柳はそれでも俺を
 見捨てずそばに居てくれるのか。]


  「俺なら、ちゃんとメッセージ送って
   「逢えなくても好きだよ」って
   相手がちゃんと分かるように伝える。
   それでも会いたかったら……
   俺も会いに行っちゃうかなぁ。」


[少し照れくさそうに笑って。]
(6) 2020/10/05(Mon) 19:01:03

【人】 二年生 小林 友




  「てか、遠距離の話とかだったら
   恋バナ、全然聞くからさ。
   ……あっ俺すごい深刻な話しちゃった?
   だとしたらともちゃんめっちゃゴメン!」


[謝り出す青柳を宥めて
 俺は内心、今の言葉を噛み締める。

 例えば、今図書館に向かっても
 いるのは菜月の影で、俺は手を繋ぐどころか
 声も、顔も知らないんだ。
 他のカップルが当たり前みたいに到達してる、
 その出発点にすらいない。

 会いに行くにはどうしたらいいんだろう。
 俺はもう、そればっかり考えていて。]
(7) 2020/10/05(Mon) 19:01:32

【人】 二年生 小林 友




  青柳、聞いてくれてありがとう。
  ごめん、俺なんかの恋、バナ……?
なのかな

  つまんない話だったと思うけど、ホント。


[にっこり、出来る限りで微笑んでみせて
 俺はカバンを手に図書館へ向かう。

 今度は、青柳は咎めなかった。]
(8) 2020/10/05(Mon) 19:02:00

【人】 二年生 小林 友



[そうして、図書館の宵闇の中
 俺は菜月と逢瀬を交わす。]*

 
(9) 2020/10/05(Mon) 19:02:25

【人】 花の名 リフル



  あら、
  もう弾ける様になったの。


[可愛い妹の、嬉しい嬉しいお誘い。>>2:0
「やっと」を「もう」に変えて笑う。
嬉しそうな笑顔と、ついていく軽い足取りが私の返事。
何度もピアノのある部屋へ入っていく様を見掛けていたし、懸けている時間の多さも知っていた。
頑張ってるのねって日々気にかけていたら、
達成迄の時間は短く感じられた。

招かれた部屋にお行儀よく座って、
よく聴こえる様に髪をふわりと耳に掛けた。

視覚でも彼女の音色を捉えようと、
じっと、瞬きの回数すら自然に減って見つめた]
(10) 2020/10/05(Mon) 21:13:20

【人】 花の名 リフル

[曲を聴いていられる時間も──短く感じられた。

彼女のつくりだす音>>2:1が揺さぶるのは、
鼓膜だけではない。
この胸に、皮膚に、脳髄に入り込んで、
ふわふわと肌を粟立て、
じわじわと目尻を湿らせ、
どくどくと心臓を打ち鳴らす。
私の意思を越えて私の身体を変えてしまうのに、
心地良く夢を見ている気分──

見つめていた筈なのに、
いつの間にか視界は閉じてしまっていた様だ]


  ……あぁ、 メグ


[曲が終わっても、曲に浸っていた。
人間の言葉を発した彼女の、その声すら曲の一部の様にうっとりと聴いた後、用意されていた椅子から立ち上がって、ふわりと彼女に手を伸ばした。

返事のかわりに、抱き締めようとしたんだったと思うけれど、
それは届いたんだったか、どうだったか。*]
(11) 2020/10/05(Mon) 21:13:26

【人】 在原 治人

 
[在原が標本を作り始めたのは中学の頃だ。

 昆虫フェスで
 二束三文で売られていた
 B級品と呼ばれる子らとの出会いがきっかけだった。

 扱いが雑なせいで
 鱗粉が剥げていたり
 翅に体液染みができていたり。



  (命を摘み取られたあげく
        これは酷すぎないか…!?)



 補修の仕方を必死に調べて
 少しでも美しく、元の状態に戻せるように
 尽力したのが最初だった。]
 
(12) 2020/10/05(Mon) 21:13:32

【人】 在原 治人

 
[あの頃に比べれば
 己の技術も格段に上がり、
 このくらい敬意を払って扱ってやれよ…!と
 手本として見せられるくらいの出来にはなった。

 だが、
 蝶の作品を売り出す時に
 インセクトブリーダーとしての通り名「AlberT」を
 名乗らずに居るのは


 ────命を全うさせてやれなかった


 という、後ろめたい気持ちが
 拭い切れないからだ。]
 
(13) 2020/10/05(Mon) 21:15:17

【人】 在原 治人

 

[この命への拘りは、男の生い立ちに起因していた。]

 
(14) 2020/10/05(Mon) 21:16:05

【人】 在原 治人

 
[ぱらり……、ぱらり……

 大きな病院。
 個性のない真っ白な病室でひとり
 小さな手が熱心にページを捲る。

 祖父が与えてくれた
 古めかしい昆虫図鑑だった。

 虫と一括りにするには
 あまりにも様々な色と形を持った彼らに
 すぐ夢中になった。


   ほかのみんなとは
   どこか
   なにか
   ちがっている
   ”こんな”ボクでも
   いてイイんじゃないか?



 はっきりと自覚していた訳ではないけれど
 その多様性に
 密かに励まされてもいた。]
 
(15) 2020/10/05(Mon) 21:17:02

【人】 在原 治人

 


   いつか、ほんものが見たいなー



[その思いで
 命を繋ぎ止めるための
 たくさんの不自由と
 たくさんの痛みに耐えて。]*
 
(16) 2020/10/05(Mon) 21:17:49

【人】 花の名 リフル

[またある日は、私が怪我をした様だ。
彼女が声を掛けてきて>>2:34、視線を落とした先で、私が腕を押さえていた。言われてから気付く程度を越えて血が出ていたのに、おかしいわね、って笑った]


  メグ……優しい子。


[それは無垢なおまじないだった。
"私"は「子供じゃないんだから」って笑うところだったかもしれないけれど、私は彼女に崇拝のまなざしを向けた]


  いたいと かなしい
  おちゃも おいしくない ……


[オウムよりも抑揚のない声で繰り返して、
ゆっくり、彼女が手を振った空を見上げる。
眩しい青色に無垢な白が泳いで、それがまた少しずつ小さくなって、次に見た青の色は、先程よりも優しく視界を満たした]


  そうね………

 
(17) 2020/10/05(Mon) 22:17:11

【人】 花の名 リフル



  私のいたいの きっととんでいくわ。


  だから、



[血に濡れた腕を押さえて、
おまじないをしてくれる彼女に向き合う。
顔は穏やかに微笑んでいるのに、
腕からは血が止まらなくて、指先を伝って草を染めてゆく]


  だか、ら………


[口が動かなくなって、
言いたい事を押し込んでしまう。

彼女に不審に思われるのが先だっただろうか。
なんでもないわって、本当になんでもない様に笑って、私はちょっとばたばたと、お屋敷ではない方へ駆けていった。*]
(18) 2020/10/05(Mon) 22:17:16
[幸いなことに、図書室はあれからも
 私たちを繋いでくれた。

 友君の文字をなぞる。

 本当、映画みたい。
 2020年とんでもないなって、
 改めて思う。

 今の状況だって十分映画みたいだけど。]

[続く優しい言葉を、何度も読み返す。]


 ……ありがとう


[ぽつん、と落とした言葉は届かない。
 他にももっと言葉があるはずなのに、
 どれだけ友君の言葉が沁みてるか、
 声が、表情が届けば、もっと伝えられるはずなのに。
 私にできることは、ただ友君の言葉を指でなぞるだけで。

 友君の文字がかすれなくたって、
 滲んだ視界では見えにくかった。]

[私は友君に何でも話した。

 チアの魅力、息がぴったり合って、
 会場の観客と一緒に演技を作り上げていく達成感。
 だけど、去年は銅賞になってしまったこと。
 リベンジしたくて必死に練習したのに、
 すべてのイベントが消えてしまって。]

[アキナを落としてしまったことも。]

[空気を乱さないか、興ざめじゃないか、
 そう怯えて飲み込んでいた柔らかい心も、
 友君なら受け入れてくれる気がして、
 優しさに甘えて、話してしまう。

 だけど、どれだけ心を寄せても、
 私たちの距離は遠い。]*

在原 治人は、メモを貼った。
(a1) 2020/10/06(Tue) 2:15:06

在原 治人は、メモをはがした。
(a2) 2020/10/06(Tue) 5:05:10



 ……とも、くん


[友君の影が、私に近づく。手が伸ばされて、耳を撫でた。
 耳にかけてくれた髪は、一本だって動かない。
 いくら筋肉をつけたって、輪郭までは女のままだ。
 その丸い胸と腰を、友君がなぞる。]

[友君の声も、顔も見えないのに、
 気遣うような声が、表情を、感じる気がした。

 嫌じゃなかった。
 ただ、なんの感覚も無い愛撫が悲しかった。]


 ……ふ、


[影に口づけられると、じんと唇が痺れた。
 
 無いはずの感触に戸惑って、
 ほんの少しの期待を込めて友君を見上げる。
 だけど、鼻先に指先をかざされると、
 触れられなくても痒くなることを思い出して、
 そうだよね、これ以上の奇跡は起きないよね……
 なんて、すぐに落胆した。

 友君はそうやって甘い痺れをもたらして、
 私の緊張をほぐしていく。

 だけどやっぱり足りない、
 友君に触れたい。
 友君に触れてほしい。]

[私は友君の手を取る。
その手は、空を掴む。

 そのまま、カーディガンのボタンに導いた。
 ハート形の可愛いボタンを、
 私の、
 友君の 
 指が、
 一つずつ外していく。]


 ……ともくん、見て。
 私をもっと、みて。


[衣擦れの音が図書室に響く。
 私の影は、布の厚み分、小さくなった。
 友君に知ってほしい。
 早鐘のように鳴る鼓動も、
 乱れた息遣いも、
 夕焼けの色に染まった頬も、
 何一つ触れられなくたって。

 そのほんの欠片だけでも伝えたくて、
 友君の手を、裸の心に導いた。]

【置】 二年生 早乙女 菜月



 こうして、じっとしているうちに、
 あざらしはいつであったか、
 月が、自分の体を照らして、
「さびしいか?」といってくれたことを
 思い出しました。

 そのとき、自分は、空を仰いで、
「さびしくて、しかたがない!」
 といって、月に訴えたのでした。

──「月とあざらし」    


 
(L0) 2020/10/06(Tue) 6:29:00
公開: 2020/10/06(Tue) 6:30:00
 




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