【人】 おかえり 御山洗>>171 清和 思わず両手を挙げる。レッサーパンダの威嚇に似ていた。 撃つ気がないのだとわかれば腕を下ろすが、ほっとしたような寂しそうな、なんとも言えない顔をしていた。 「そんなことはないよ、いつも楽しかった。二人がいなけりゃ外で遊ぶこともほとんど無かったろうな。 今は、こうして……次の世代に遊びを受け継ぐってのも、大事なことだしさ」 炭火を起こすと川辺の匂いに煙の匂いが混じった。火力を調整しながら、炭の一つを今度はバーベキューセットの下に入れる。 丸めた地域新聞を寄せて少しずつ火を大きくしていくと、そこだけいっそうに夏の暑さ深めていくようだ。 「さて、もう少しだな。学生達にも声かけてくれるか」 (179) redhaguki 2021/08/12(Thu) 18:31:42 |