【人】 少年 編笠>>27 百千鳥 その祭りの最中にあって、 ……今ここだけはその祭りから一番遠い。 「…… 俺 もだ。随分歩き回ったせいかもな」 沢山の営みが目の前にある。 友人、恋人、家族、そして他人たちの。 そのどれもが、今はどこか遠い。 相手のりんご飴が赤く屋台の光を反射して光っている。 「……でも、俺は祭りに来て、 人間の腕が二本しかない理由が分かった。 多分……美味そうな屋台があっても、 どう頑張っても伸ばせる腕の数しか 持てないようにだろうなって」 「それ以上持つと服も顔も汚れてぐちゃぐちゃになるらしい。 ……知ってたか?」 (28) reji2323 2021/08/15(Sun) 19:38:12 |