端末と船内の案内図に従って歩き、自分にあてがわれた部屋に着く。
部屋のロックを解除して中へ入り、部屋を見まわして目を輝かせた。

「うわーーーーー……！すっげえーーーーー！！」

荷物を放り出し（どうせ大した物は入っていない）、子供のようにベッドにダイブする。
調査船の簡素で実用性重視の自室とは違う、娯楽船のくつろぐための部屋は彼女の目に大変魅力的に映った。

「ここに毎日泊まって、旨い飯も食えて、終わったら娯楽船の優待コードまでもらえるんだろ？　っはー、サイッコーーーーー！」

ベッドに仰向けに寝転がり、両手足を思いっきり伸ばす。
占星術の師匠に勧められて申し込みをしてみたが、人狼ゲームの会場がこんなに素晴らしいところだったなんて！
開始期日までまだ間がある。それまでにこの船の中もあちこち探索してみよう。ああ、楽しみだ。

/*
NGチェックリストで顔見知りの方々にはすでに中身がバレている気がするし、
なんなら初対面の方にも感づかれてるんじゃなかろうか。
どうも、NGがやたらと多いPLの千草はるです。よろしくお願いします。

……これちゃんと独り言になってるよね？不安。

たんたん、たん……たん。
ふと、足が止まる。
娯楽船の中は歩いているだけで楽しいし、ゲームも別に怖くはない……今のところは。
けど正直なところ、見知らぬ参加者達と上手くやっていけるかは少し不安だ。

「……他の奴らのこと、好きになれっかな」

別に他人が怖いわけじゃない。人見知りな方でもない、と思う。
ただ、科学技術が高度に発達した世の中では、卜占というのは理解され難いものだから。
他人にどう思われるか、距離を取られないか。ほんの少しだけ、怖くなったりする。

（……ま、娯楽船で職業の話なんざする機会ねえよな）

気を取り直して、また元気に歩き始めた。