「……なるほど。確実なシロを潰しに来たな」

「ちゃんとパンが焼けて本当によかった。
　死んでたら焦げていたところだ」

「………時間、が…」

小さな子供が死んでいく様を思い出して、声が震える。自分が死ななくていいのなら、何も怖がることなんてないはずだったのに。

「ゲームの規律に従うだけ、ゲームの規律に従うだけ、規律違反は認められない」

何度も同じ言葉を繰り返し自分にそれを言い聞かせていく。

「……さて、行きましょうか」

いつも通りと何も変わらない表情、姿勢、振る舞いで。
処刑室へと向かう。ヒールを鳴らしながら。

アラームの音。
己が指定した通りの結果。
次にやるべき事は、決まっている。

「向かおう」

一言告げて、迷いなく処刑室へ。

「あっ……あ……」

震えながら誰か縋れる人間がいないか探している。

「もう時間か……　処刑室に、行かないとだな……　」

小声で弱音を吐きながら、処刑室へと向かう。
後で蘇生すると分かっていても、つい先ほどまで生きていた知り合いの血を見るのは堪える。

ゴーグルをつけて周囲の人間を確認。
ついてきそうにない人間がいれば背を押すくらいはする。

無言で処刑室に足を進めます。
声を出せば震えてしまいそうでしたから。

それでも足を進めます。規律ですから。

「えっ、もう行くの……」
ついていけばいいのか。この後起こることは、まだ説明でしか知らない。
参加者の顔を見回し、伺って、

>>6
「……大丈夫？」
そちらへ近づいた。

「手順通り、処刑室に向かおう」

真面目くさった顔で焼いたパンたちにかるくラップをかけて処刑室に向かった。

>>10　カストル
「あ、ああ……大丈夫だよ。これは規律……ゲームの規律……」

青白い顔でふらふらと処刑室に向う。
背中に添えられたシェルタンの手の暖かさが嬉しかった。

「ほら、やらなきゃいけないのよ。なんのために投票したの？あれだけ話し合ったの？やらなきゃ全て泡になるのよ、ハマルの覚悟も、シャトの痛みですらも」

喝を入れる、声は大きくはないが。凛と張って。

「アナタの死亡条件を教えて、ハマル。出来るだけ痛めつけたくはないわアタシ」

誰も前に行きたがらないのならば最も前に。
そうでないのならば最後尾に。

「あ、俺もやるわ。そういうゲームなんだししっかりやろーぜ。な、俺達どうしたらいい？」

シトゥラが平気そうなので普通に前に出てきた。

「･･･ええ ええ そうにございますね」
シトゥラ様の隣より離れるわけではございませんが、覚悟を決めましょう。

「私も 頑張ります」
誰に伝えるわけでもございませんが、そんな呟きを落としました。

武器を構え、前に出る姿勢を取る。

「やらなくてはならない。
　どれだけ恐ろしくとも受け入れなければならない。
　己が業から目を背けてはならない。
　それが本能を思い出すという事だ。
　それが精神を殺さず生きる為の手段だ。」

「…………。」

今日もレーザーガンを手に。ここにはたくさんの武器がある。勿論、力の弱い物が使えるようにできるものも沢山。
ただ、選り好みするぐらい、武器に興味があるわけでもない。

「処刑、行くよ、よ。」
嫌な気持ち、怖い気持ち、迷う気持ち、そして規律への義務感。それが誰からかわからない程度に抑えても感じ取れるのだ。それを感じる度に、同じような気持ちになる。

大きければ、釣られて自分も更に。

だから願う。処刑される貴方が怖い気持ちでありませんように。

「おっけー。んじゃやるか、手っ取り早いのはどれだっけ？射殺のイメージあるんだけどどれが一番早く死ねるか調べるの忘れてたわ、いっけね」

いつも通りの声で適当に武器を選んだ。リボルバーを手に取る。

>>12
「……うん」
それだけ返して、向かうシトゥラとシェルタンについていく。

処刑室に着いても、何の武器も手にしない。戸惑ったまま……これから行われることに、ほんのりと怯えたまま。

「そう。……わかったわ」

なんでも通る、と聞けば、手にするのは大きく刃の厚い短刀とも言えそうなナイフ。
グ、と握り締めて。

「じゃあ、そうね……一旦、さよなら、ハマル」

静かに一言言い置いて、処刑に臨んだ。

「わ……私から行っても、いいかな！！！」

震えながらも挙手をする。
自分が知っている一番苦痛を与えない方法、それをするためには一番最初でなくてはだめなのだ。

「おおよそどれでも通るのか。
　なら……これ、かな」

棍棒を装備した。

つまりおおよそ一般的な弱点を持つ、と。
頷いて引き金に手を掛けようとして――聞こえた、震える声に振り向いてそちらを見る。