人狼物語 三日月国


98 【身内】狂花監獄BarreNwort【R18G】

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メモを貼った。

 誰かからの連絡を受け取って、もう一度だけ笑って。
 男は静かに扉を開けた。

 部屋の外に出た彼は、いつも通り機械のような無表情。

「あれ……何事ですやろ……? なんや、誰かが船の壁か床でも壊したんかな」

この囚人はゲームから除外されて以降、出来る限り割り当てられた自室で大人しくしていたが。
突如響き渡った警告音は無視できず、気になって出てきた。

「……は?」

 処刑室に向かう途中で顔を上げる。警告音を耳にする。

「…………」

 腰に下げた銃と刀を確認する。ニアの処刑を終えてからメンテナンスは行っていないが、すぐ壊れるようなものでもないから動くだろう。

「──」

 男は看守だ。例え中身が腐り歪んで堕ちていたとしても、与えられた役割は最優先で全うする。今はまだこの立場を手放す気はないから。

 殺気が、膨れ上がる。

「…………。」

青年は鳴り響くアラートにも特に動じることは無い。
自室から外に出て、じっとモニターを睨むように眺めている。

――彼はこの時刻に、この音が鳴る事を知っていた。

鳴り響く警告音。
これは……"普段通り"ならば、鳴らない物の筈だ。

檻にいた身体は浮遊を始め、外へと漂う。

知らない事は、知ってから定義をしたい。


それが、この聡い兎の答え。
起きている事象、その本質を探りに行こうか。

兎は、見定めたい。

漂う。人々は何処に集うのかな?……探している。

感情を削ぎ落とした顔のままトレーニングルームへ全速力で向かうだろう。

画面越しに行っていたカウンセリングが途中で途切れた。

警告音を聞いた。

不安げな表情で人が多そうな方に向かう。

「―――」

「チャンドラ様」

キンウはカウンセリング室を飛び出しました。
腕飾りで残した傷跡を隠し、戻ると言っていた方の下へ。
早足の背の上、何の役にも立たない羽がふわふわと揺れた。

アマノがルヴァに協力している事を知っていた。

ふよふよと漂う身体……最初は、そう。
きっと通路。廊下を通る事だろう。

「…………、おお」

そこには見知った顔   がふたつ。

「…………、喧嘩?」

純粋で素直な疑問がまずこれである。

トレーニングルームの扉を蹴破った。

しないのか喧嘩、とナフへ手を振り返した。 

 とある者に殺された直後であろうとも、全く気にせず強化された力を乗せてトレーニングルームの扉を蹴破った。

 美しい風景にそぐわぬ轟音が響く。

「──《雨よ》」

 同時に、血で満たされた容器を躊躇いなく握り潰す。

 
赤が舞う。


 銃と刀は自分の得物であり、所持する力を高める増幅器でもある。
 二度、周囲に見せた時よりも多く、そして鋭利な針へと形を変えて。

「殺せ」

 躊躇いなく針の飛ぶ先をトレーニングルーム内にいる者たちへ。
 殺意の雨は容赦なく降り注ぐだろうが、迎え撃つ者はこれを経験しているはずだ。直線的に飛んでいくことも、持っている力で容易く焼き焦がせることも。この挨拶代わりの血の雨は、雷を操る者であればエリアジャックを試みた二人を容易に守れるだろう。

/*
出会い頭の挨拶から「殺せ」と言うPCに平べったくなっている感度38000倍ドッコイ太郎です。

殺せとか言ってるし殺意満々ですが、ルヴァさんとアマノさんが死ぬのNGが出たら殺さないのでその時は連絡よろしくお願いします。連絡ないと多分殺します。助けてください。

「えぇ、どうしたらええんやろ……。
放っといたら看守さんに迷惑かかってまうやんなぁ。それは困るわぁ……」

不安げな顔で周囲を見回す。
脳裏によぎるのは、この船内で話した人達のこと。……きっと彼らはこのような事態を望まないだろう。

「……ごめんなぁ、ちょーっとだけ借りてくな」

近くにいた雑用係のロボを捕まえて、盾にするような格好で連れていく。向かう先はトレーニングルームだ。

/* 素敵な企画ありがとうございます!ミンは殺してもらっても大丈夫です!!ジャック側の方もそうでない方もご自由にどうぞ!!

「…………、!」

大きな音がした……気がした。
場所はそう、トレーニングルームの辺り?

その 
不死兎
 の特性として。
耳を立てれば、遠い音を拾えるのだ。
……警告音がなった後は、ずっと"それ"をしている。

「…………、そう」

ナフが主犯でないのはまあ、当たり前として(ゴメンね)
『カンシュサマ』の言葉と彼の動きを察するに。
彼は囮?足止め役かな?彼の瞬発力の高さだ。
実に……適任な役割だと、感じた。

だとすると、音がした方に……"居る"のだろう。
そう、思考して。漂う身体は移動を始める。

 トラヴィス
声に、足を止めて顔を向ける。
飾りの上から左手を握った。

「トラヴィス様。……キンウは大丈夫です。
傷も治りましたし、カウンセリングもきっと、いつも通りです」

―――キンウの指すカウンセリングとは、定期的に囚人に対して行われるものを指す。
キンウは今回、初めて死んだ故に。
蘇生後のカウンセリングを受けた事は、まだない。
それでも大丈夫だと言い切った。

 チャンドラ

「……いってらっしゃいませ。そして、ただ今戻りました。
お茶会は、この騒ぎの後で致しましょう」

首を横に振る。

「いいえ。キンウは無理をしていません。
キンウは……チャンドラ様達が無理をなさらないかと、来ました」

看守という立場であるが故に。
……何もない、なんて事はないだろうと。

「…………、あ」

去る前に一言。

「ナフ、アンタレス、はしゃぎすぎて…………、
 あんまり大きな怪我を、しないようにね」

その兎、お節介不死兎と化す。
いやなんだ、見たところなんか空間遮断?されてるし。

大きな怪我をした場合……
直ぐに治療が受けられるとも限らないぞ?の顔をした。
念も送った。ほどほどにね、と。多分無理そうだが。

そして……トレーニングルームへと、向かうのでした。

主役ルヴァ』に渡した分の他に、持ちだしている拳銃はもう一つ。
それは己の服の懐の中に。能力を持たない己が、それ一つで何処まで身を守れるかは分からないし、彼らに敵対するつもりもない。が、この様な状況だ、念の為の保険である。

青年はジャック犯達に完全に協力している訳では無い。
しかし、相談を受けた身として。そして同志叛逆者として。
彼らの武運を祈っている。

アマノ

「もうその挨拶は要らない。好きに話せ、アマノ」

 番号ではなく名前で呼ぶ。その呼び方は、もうすっかり慣れたものだ。

「……いくら無礼講とはいえ、これは看守として見過ごすことは出来ない。
 これはBarreNwortへ害を与える行為だと判断し、よって──貴様達を殺してでも止めることにする」

 淡々と告げる。そこに表情は無く、役割を全うする看守としての姿があった。自分の愛するものを貪る歪な欠落者としての一面はどこにもない。

 ただ──

背を向けた後に手を振った。分かってて言ったんだ。……頑張ってね  

アマノ

「……なあ。

 ただ内側にあるものを話しただけで淘汰され、殺されることになった俺と。
 こうして罪になり得るだろう行為を実際にやってのける貴様。

 どちらが悪いんだ?

 貴様のそれは、知性を守る為なのか?知性を守る為なら、何をしてもいいのか?
 ……ああ、守る為に貴様は罪を犯したものな。なら、いいのか。

 俺が悪いことを話す事は駄目で、貴様が実際に傷をつける事はいいことなんだな」

「…………もう、俺にはよく分からないよ」

 胸に湧いた疑問を呟く時だけは違った。
 分からない事だらけで生き続けてきた欠落者の……

 ……初めて浮かんだ、悲しみが浮かんでいた。

 チャンドラ
きっと無理をすると、わかっている。
行かないでとは、言えない。
頑張らないでとも、言えない。

「……勿論です、チャンドラ様」

声を聞いた。
駆けていく背中を、見送った。

「…………、さて?」

バンを抱えたままに。
その不死兎、トレーニングルームの前まで辿り着こう。

「嗚呼、…………最初は、"これ"の音だったのか」

蹴破られた扉を捉える。思考、完了。
そして扉の奥を捉える。人を見る。把握、完了。

「…………、これは純粋に……、
 囚人の叛逆を、看守が止めている図、ぷらす野次馬?」

という事かな?首を傾げた。修羅場なのはなんとなく察した。
自分は野次馬というより、野次兎なのかもしれない。

そして、その場で一番、気になるは……

「…………、ダビー、」

できる事が決められている。祈る事と、命じられた仕事をこなす事だ。

……私は、何ができるのでしょうか?

ダビーの顔を見て。どこか寂しさを覚えた

傍観者。箱庭の外から、見守っている。

トレーニングルームの扉の近く、物陰にて。息を殺して待機している。

トレーニングルームの入り口に辿り着いた。が、空気が重くて乱入できない。

ルヴァ

「……俺の思想は悪いものらしい」

 らしいというのは、自分では完全に決められないからだ。

「それでも俺は思想や好みを変えるつもりはないが、それ以前に俺は看守だ。
 看守でいたいのであれば、役割を全うする義務がある。俺はこの船を守る義務がある。
 だから、貴様の話には乗れない。例えその真意、思考が好みのものであったとしてもな」

 庇われた少年に向けて告げた。

「ただ……見たいものを見れなくても。貴様と言う存在については興味が湧いたがな」

ミンに手を振った。兎は入口付近で見守ってるからな。

ニアとミンにちらりと目線をやった。思えば初日もこんな面子だったな。

分からない。どうして胸がこんなにぐちゃぐちゃなのか、分からない。

何となく視線を感じて後ろを振り返った

…………

? 気のせいかなあ。

駆け出した。トレーニングルームへ。その入口へ。

分からないから……ただ役割を果たすことだけを、考えた。感情を、殺し直した。

ニアに控えめに手を振り返した。

朱の混じる黒檀を―――へ向けた。

実は、めちゃくちゃに質問タイムがしたくて此処に来たのだが。
……話してる余裕、無さそうじゃないか?それもそうか。

そして兎は、兎の雑念が入る事で、この場が乱れる事を。
決して望んではいない。


「…………、嗚呼、」

ならば。やはり今は見届けようか。見定めようか。
傍観者として、この箱庭の全てを。

話を聞くくらいなら……全てが終わった後でも、出来るからね。

ミンから手を振り返してもらえて嬉しいになった。

もしかしなくても入口付近の人口密度、すごい事になってないか?

物陰に隠れつつもニアに同意した。

アマノ

「…………そうだな。そうだった。裏で行われる工作でどんな人間も転げ落ちる。ああ、ただ指示に従い続けていた俺では気付けないはずだ」

 男は最早眉一つ動かさない。その顔からは何も伺えない。
生まれて初めて、泣いて叫びたい"何か"が渦を巻くことすらも無視をした。


「見たいと言うのなら見せよう。
 ただし、対価は貰っていく。その血、その命で払ってもらおうか」

 男は武器の柄に手をかける。
 その刀に刃は無かった。ただ、この期間中何度か見せた容器がくっ付いていることが分かるだろう。

「《刃》よ」

 告げる。
 男の声に呼応して、その容器に満たされた血は変化する。

 根本から切先まで全てが
に染まる刃。
 男の最後の得物が、姿を現す。


「貴様からは色んなことを学んだ。その点は感謝しよう。
だが、共益関係はとうに崩れている。

 アマノ、──この手で決着をつけよう」



1日目の夜、あなたはアマノと運命を分かち合いました。
あなたはアマノと運命の絆を結んでいます。
つまり、あなたは殺意満々なのです。

入口で大人しくしているが何かあればカチコミを入れる気満々だ。羽がバサバサしてるのでよくわかる。

ただし、蚊も殺せなさそうなパンチをするしかできない。無力。ぺちん……

>>チャンドラ

 戦闘態勢に移りながら、男は先輩看守を一瞥した。

「……チャンドラ様。俺は貴方の怒りを買ったと思いますが。
 今は看守として、この企てを止める事にお力添えさせていただいてもよろしいですか?」

 淡々と貴方に問いを投げるだろう。

キンウの羽がバサバサしているなあ、となった。どこかやる気満々だね?

朱の混じる黒檀を向けている。ずっと、ずっと、

羽が周囲に当たらないようバサバサをちょっと控えめにした。バサ…バサ…

キンウ……キミも素直でいい子だね、になった。羽、綺麗だね。

ルヴァ

「思想はあるが……。…………。
……もう、いいよ


最後の言葉は、消え入るような声でこぼれ落ちた。庇われるほどに距離がある貴方に聞こえただろうか。

「単純に、貴様が何を考えているのか、何故この犯行に及んだのか。それくらいだ。ただの知的好奇心。好みのものが見れないのなら、その程度だ」

触ってもいいですよとふわふわの羽を向けたかもしれない。ふわっ…バサッ…

そして、なんだかお話をしても良さそうな雰囲気を感じ取った。

ソワ……キョロ……視線を配る。
それぞれの感情を"今"は捉えない。頑張れ、とは思うが。
ただただ、この現場の在りのまま。その"事実"を捉える。

アマノがルヴァを守る、その光景を見て。それならば。

先ずは……そう、何かを作業中のルヴァ  からだ。

「人形のキミ〜〜〜! ニアから質問、い〜い?」

あ!入口付近でなんか素のまま話し始めちゃった!
好奇心を持つ傍観者は、少女の振る舞いのままに雑談のお誘いだ。

キンウの羽が実はちょっと気になっている。ふわ……

キンウに、いいの?……恐る恐る触ってみた。ふあふあだあ…… 

メサに手を振った。あなたを真似て、いつもより元気そうにぶんぶん!

ニアにふあふあされた。ふあ…

触ってもよいのですよ…?と羽をそちらにもちょっと伸ばします。ふわ…

ふあふあに触れてまんぞく。ありがとう、とても良い羽だ。

キンウの羽の魅力に何とか耐えつつ状況を伺っている。

おお……よしよし……元気だね、メサ。

「仰せのままに」

 星屑が集うのを確認し、
 男は柄を握り直す。

 けれど……すぐには、その恩恵に乗らず。

「《霧よ》」

 男は再度、力を行使する。
 増幅器を兼ねた得物がなければ使えない、制御の難しい変化の一つ。

 唇を震わせたその瞬間、刀身は──その身を崩した。


  赤。 

赤。

  赤。  


 晴れ渡る青空は、澄んだ草原は、血の霧によって穢された。
 空間を侵す霧は濃く、たちまち男の姿は掻き消えることだろう。霧は維持できても7秒ほど。すぐに元の光景に戻る。けれど、それくらいの時間があれば十分だった。

 兎の魔法で決闘者は、霧に包まれた宙へ。

「──っ」

 続いて、ガラスの割れる音。
 その数五発。
 霧の中を赤い銃弾が突き進む。狙うは対峙する相手の肩、胸、腹、両足。

 ただ突っ立っているだけなら噛み付かれるだろうが、警戒して動くのならば避ける事は容易い筈だ。

ミズガネに羽をふわふわバササ。撫でても…いいのですが…? 

静かに戦闘を見守っている

キンウの羽に、少しだけなら……ふあふあ……

あっミズガネそんな所に居たの!?

ふあふあに釣られて隠密状態が解けた。あーあ。

メサの方にも羽をふわ…と向けた。メサ様もいいのですよ。

計画通り。 なんでもありません。いっぱいふわふわしてくださいませ

ふわふわ!もふもふ!

先程の射線は……致命傷になるように

メサがもふついてきたのを見て、!??

アマノ

 男はその胸に何を沈めていようとも、切り離した人を殺す術を振るい続けた。
 放った弾丸の一つは、ルヴァに当たるように仕向けられていた。だから、首謀者を庇った貴方の腹を赤い花が食い破るだろう。

 同時に放たれた神の裁きを思わせる雷撃。
 模擬戦闘と同じ状況であれば、なす術なく空へ駆ける雷に焼かれ戦闘不能に追い込まれていた筈だ。放たれるまでの動作を見ただけで、男はそう確信した。ああ……やはり厄介な相手だ。

 兎の魔法に願いを託す。雷撃を避けるように、物理法則を踏み躙りながら空を滑走する。

 銃をホルスターへ。刀にカートリッジを再装填。もう一度刃を顕現させて、そのまま──

「チャンドラ様。援護を願えますか」

 月に乞い願う。自分が相手の懐に飛び込めるよう援護を求める。
 それだけを口にして、柄を握り直した。構える。間合いに入った瞬間振り抜けるように。

 ──赤の流星は、月を信じて真っ直ぐ神へと堕ちていく。

「…………、?」

これは、やっぱみんな忙しいでは?になった不死兎。
墓守から溢れる音を聞きつつ、人々の音を聞きつつ。

不死兎は耳を立てている。
言葉、戦闘音、そして……滾る鼓動、その
たちの音を。
ここ以外の音も、全て拾えるように。

耳を立て、思考を続ける。

 




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