「
　…………え！？ちょっと出遅れた！？もうチャンドラ殿から放送あった！？いや今日から色々始まる日だしさすがに念入りに磨き上げようと思ってエステに勤しんでて……」

「……」


「……悼ましいものだね。」


トラヴィスはローズオイル香る指先で掲示物をぴんと弾いて首を振った。昨日よりも明らかに輝きが増した美貌は、凶器の一点に注目する。

「当て付けかな？これは」



……なんて切り替えているようだが遅刻したあたりの慌てぶりで完全に台無しであった。

>>26　ミズガネ

「すごく悲しい……
　全方向から見られても全く問題ないように磨き上げたのに……」

しょんぼりした。

「しかし蝋翼、貴様案外優しいのでは？あとで差し入れをやろう」

あ！文字通り気遣いとして受け取りやがったナルシストだ！
あとから美味しいマラサダ^sweetが贈られます。

「私も興味ないから見学はいい……というかね、流石に今日の主役の横に立って目立つような哀れな真似はしたくないのだよ。私の華麗な姿が死の印象を薄れさせるというのは、なかなか……相手が死人とはいえ心が痛む」

死人ダブルミーニングしつつ肩をすくめた。
自意識は今日も絶好調だ。

>>a16

「アンタレス。君、好きな色とかある？」

これほどまでに目的のわかりやすい質問、そうそう無い。

>>47　アンタレス
「あらゆる色が私に似合うとかそんな本当のことを言うな！
　流石に照れるではないか！」

似合う話、誰もしてないのである。
しかし答えを得られたワクワクはそのままメモに描かれる演出案にぶつけられたので、食事中の同僚をこれ以上追い詰めることはなかったのだ。

鏡に映る自分は今日も────美しい。

薔薇の香油はトラヴィスの身体に沁みるように香る。
目に見えない美しさまで兼ね備えているとは……

「我がことながら、賞賛せざるを得ない」

鏡の向こうの己と手を合わせた。賞賛、ありがとう。

フ……私の先輩パワーの見せ所だな。
後輩に奢ってやろう、はぐれジンジャーブレッドマン^vilとチュロス^vilを。

「…………」

>>75　の近くに座って静かにおやつを食べる集団を形成した。ダイス・パワーある先輩でなくてすまないね……
もっ……もっ……。

「ありがとう、ダビー…………ん？……案外上手いね君。どっかで習った？」

渋めの味を覚悟していたが裏切られたので、目を瞬かせて後輩の仕草を観察した。意外だねえ。