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人狼物語 三日月国


99 【身内】不平等倫理のグレイコード【R18G】

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【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
「だから僕は、君の与える救いを受け入れよう。
そして、僕の中に君の求めるもの、つまりは魂があったなら
その時はどんな形でも良い、君と共に在る事を許して欲しい」

そうして尊い重みの花冠が完成に近付いた頃。
『ユーサネイジア』は、あなたの友は、もう迷う事は無い。
あなたから与えられる死を受け入れ、
そして同時に、あなたに自らの魂を譲り渡す事を望む。

「何も遺さない死は、消滅と何ら変わりない。
けれど遺り続けるものがある限り、死者は君達と共に在る。
思い出ばかりでは寂しいと そう言う君が、寂しくない形で
『僕』という個体が此処で死ぬにせよ、死を免れるにせよ
確かに『シロ』から君へ、何かを遺させてほしい」

それから。
結わえた髪を飾っていたリボンをするりと抜き取って、
預り物であった金貨と共に、あなたの方へと差し出した。

「そして仮に、『僕』が死を迎えたその後に
『ユーサネイジア』が、未だ君の友足り得ると思ったら。
君が、君の尊ぶものを贈っても良いと思えたとしたら。
その時は、君の手から もう一度贈って欲しいんだ」

そうでなければ、どちらもただ持ち主へと返されるだけ。
何れもたったそれだけの、単純な事。
(-57) 2021/10/13(Wed) 17:59:36

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

沈んでいくぼんやりとしたあかりの中、君に綺麗なものを教える。
右手に右手を、左手に左手を重ねて、花を繋ぐ。
言葉に肯定を、肯定に言葉を重ねて、話題も繋ごう。
君の言う事に静かに頷いて、花冠を半ばまで編み上げる。

目は相変わらず伏せ気味かもしれない、が、
自分は暢気に穏やかに囀るのが在り方だと思い出したのが
置き去りだとか喜ばしいだとか そんな言葉に普段通り微笑んだ。
陽が沈んでいくのもあるし 後ろから手を回していた状態だから、
表情なんて見えやしないんだろうが それでも、一応。

「君が置き去りにするのが嫌だというのであれば、
 僕は君に置き去りにされないように出来る限り上手くやるよ。
 それと許さない訳がないだろ、シロ。僕はそれを望んでいる。
 必ず尊い重さを見つけ出して、誰にも取られないところへ隠す。
 カンマにも触られないようなところへ。…時間が掛かっても。」

君の中には必ず綺麗な概念が隠れている筈だ。
君の連続性を摘み取り、共に在るべく善処し、それで。
あの日の安楽死のように何も問題はないな。
君も僕も救われるのならばこれがきっとハッピーエンドだ。

その後はもうこれ以上囀る必要なんて見当たらないから、
ただ黙々と君の体温を覚えながら手を動かすばかりだった。
その内に甘えて顎先を君の肩に乗せるなんてこともしただろうが
そいつだって綺麗な重さの花冠を完成させるまでのこと。

白い輪っかを作り終える頃、漸く。
不出来な君の友は身勝手に寄せていた身体を離す事になったな。
恐らく抜き取られた髪飾りと金貨を受け取るのはその直後。
(-58) 2021/10/13(Wed) 21:07:16

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

花冠は君の膝上に託し 受け取ったものは上着の中へ。
ゆるゆると三つ編みが解けていく髪を指で梳いてしまおう。

「ねえ、君は覚えてる?僕は君を友だと思っているんだよ。
 ユーサネイジアであろうと、ユーであろうと、僕でも私でも。
 勿論、シロである君も、全て。相容れないものじゃないさ。
 だから僕は変わらず君に同じように、同じ重さを贈る筈だ」

もう日は暮れが過ぎ 周囲も暗い。
解け掛けの電子データと信号の群れでも、
亀裂が入っていても星と月が見えたならばいいのだけれど。
どっちにしたって暫くは口を閉ざす予定の愛玩用は、

「―― 僕達の友である君が、満足するまで星を見てから
 綺麗なものを記憶にめいっぱい叩き込んで満足してから。
 殺すのはそれからにするよ。…満足したら声を掛けてくれ。
 今日の僕は何処かに行かずに、君の傍にずっといるから。」

ついでにどう殺されるのが望みか考えておいて。
普段通りの声色で穏やかに添えてから君の横に座り直す。

饒舌な愛玩用は宣言通り暫くは静かだ。
君の横顔を見るか、偽の夜空を見るか、それしかしない。
声が掛かるまでは綺麗な子と綺麗な景色を眺めているだけ。
(-59) 2021/10/13(Wed) 21:08:10

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

 
―― やはり殺されたくないと引き返すのなら今の内だ。
この時間が過ぎれば友の為に行動を開始する予定でいる。
 
分かっているとは思うが、救済の形は人それぞれなのだからね。
 
(-60) 2021/10/13(Wed) 21:11:07

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 探偵用 ジョシュア

全てが済んで日が明けた頃。
つまりは最終日の翌日に、君の部屋の扉を

こん、こん、こん、こん。
規則的に何度もノックする。

「ジョシュア兄ちゃん、居る?もう居ないかな?
 もしも居るなら戻ってしまう前に話がしたくて。
 ……君からの土産話と、君とのインタビューごっこ。
 まだしていなかったよね?記憶が確かならそうなんだけど」

君が扉を開けてくれるならば普段と変わらぬ微笑みを向けるし
君が仮にここにもう居なければ、再会を祈って帰るだけ。
仮にここに未だ居て、でも開けたくない気分であるならば……
互いの都合等もあるとは思うから無理に押し入ったりしない。
その場合もまた帰るだけだ。つまり色々君に任せた。頼んだぞ。

「後はそう、あの時の犬のお礼をきちんとしたいんだ」
(-61) 2021/10/14(Thu) 0:30:21

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
きっと辺りはもう随分と暗くなってしまったのだろう。
それでも、傍らに在るあなたが微笑む気配は感じ取れても良い。
そうしてあなたが『シロ』と呼ぶ者は、あなたの友は
ただ黙って、与えられるものを受け取る事とした。

あなたの体温を感じながら、与えられる言葉を聞いて
手を取り教えられた花冠の作り方も、
解けた髪を梳く優しい手だって喜んで受け入れよう。
それから、こうして再び訪れる事のできた景色と、この時間と。

それから。

「……ありがとう、ガル。
きっと僕にとって、君という友の存在こそが
君から貰った何よりのものなのだろうな」

暫くの後、徐にそう口を開いて
膝の上へと託された白い花冠をそっと掬い上げて、
あなたがそれを厭わなければ、いつかのように
けれども今度は反対に、あなたの髪の上にその花冠を贈りたい。
だってこれは、そういう約束だったのだから。
(-62) 2021/10/14(Thu) 2:07:31

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
「…あまり遅くなってしまってもいけないから、
そろそろ頼んでも良いだろうか」

そうして最後の約束を果たせば、後は。
与えたがりで優しい、無二の友の救いに身を委ねるだけ。
実の所、具体的な殺され方までは考えていなかったのだけれど
望む自由が与えられるのであれば一つだけ。

「僕は、叶うのであれば君の手で最期を迎えたい。
けれど僕もまた、僕の信じた救いを証明しなければならない。
生の苦しみへの特効薬は、安らかな死である。

それを身を以て証明する為に、
僕はできる限り君達と同じ条件下で死ななければならない」

自身の手に視線を落とせば、いつしかそこには注射器がある。
致死量の麻酔薬。
この数日の間に、何度も他者の命を奪ってきたもの。

「だから、僕がこの薬を打ってから
薬によって僕の意識が無くなる前に殺して欲しい。
この場所が君に与えた、君が殺す為の道具で」

『ユーサネイジア』は、あなたの友は、その答えを翻さない。
あなたが拒否か了承か、何れの答えを返すまで
ただ隣り合って座ったまま、あなたの答えを待っている。
(-63) 2021/10/14(Thu) 2:09:32

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

いつかの日とは逆。真白な花冠を友から贈られた不出来は、
少々子供じみた色に傾いたくしゃっとした笑みを浮かべた。
取り繕う様子もない、微笑みとはまた別の、心の底からの笑み。
退屈にしていた片手で数度確かめるように花の輪郭に触れ、

「僕達は君達の友だ。礼なんて必要ない。
 ああ、……君に星座を教えるには時間が足りないなぁ。残念。
 元の場所に帰ったら主人に我侭でも久々に言おうかな。
 綺麗な医療用の子をどうにかして攫えないか、なんて」

「それでね、幾つも星座を教えて、うんと長く過ごして ……」

長いようで短い時間を静かに過ごす前に 不出来な愛玩用は
独り言のように独り善がりで身勝手な空想を囀ったんだろう。

後はもう、空を見上げたり、君を見て、
何一つ言葉を発さずただ君の横に居るばかりであった。

―― 静かで穏やかな時間を区切るのは君の声。
言葉を聞き届けたら君の友は 頷きの後に注射器を手に取ろう。

返答代わりに君の片腕を取り、消毒なんて出来っこないけど
まあ、見様見真似で事を為すべく腕まくりだとか、以下略。
致死量の薬品を君にくれてやる前に ああ、そうだ、

「今日も僕がおやすみのキスをしよう。
 そして仮に君がメンテナンス後も連続した存在であるならば、
 またおはようのキスを僕に贈ってよ。あれ、嬉しかったんだ」

その場限りの癖に寂しがりの愛玩用らしく、我侭を添えた。
(-64) 2021/10/14(Thu) 3:13:40

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

君が拒まないならばそのまま注射をあの時のように打ち、
後は君の肩へ両手を伸ばして花畑へ押し倒してしまうだけ。
君は、何かをする時に拒んだ事はないから このまま甘えて、
君に跨るような姿勢で座ったら 薄っぺらな背中を丸めて、

―― 意識が曖昧になる前に、おやすみのキスを。
身勝手に唇に贈れたらいいのだが間に合ったかは分からないな。
結果がどうであろうと自分はもう 手術用のメスを握っている。

「おやすみ、……さようなら、シロ。
 この死がどうか大切な君にとっての救いでありますように。」

別れが済んだら、あとは君の望みを叶えるだけ。
救いがあるように祈りながら綺麗な花を手折るだけ。
君が無事に死ねるように祈りながら、銀を振り抜くだけ。
(-65) 2021/10/14(Thu) 3:16:31

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

―― 不出来な男が友を殺める為に狙った先は首筋だ。

無事に舐めるように銀を滑らせる事が叶ったのであれば
皮膚と肉と共に、太い血の管を裂いてしまうだろうな。

振るう軌道は真直ぐ。
互いに望んだものである以上、躊躇いなんて微塵もない。
(-66) 2021/10/14(Thu) 3:22:55

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
付け加えられた我儘には一つ頷いて。
薬品によって急速に齎される微睡みの中、
触覚がまだ生きていたかは定かではないけれど
それでも確かに唇と唇が合わさった、事を認識していた。

まだ眠るわけにはいかない。
あなたの手で、確かにこの命が手折られるその時までは。

だから、別れの言葉も、あなたの願いも
全てはきっと、聞き届けられた。

我儘も、空想も、それから初めて見たあなたの笑顔も
大切なものは、一つたりとも取り落しはしない。
(-67) 2021/10/14(Thu) 4:17:53

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
そうして人体を切り開く為の刃物を滑らせれば、
当然白い頚は簡単にぱっくりと裂けて血液を溢れさせた。
一拍間を置いて、初めはそれこそ堰を切ったように。
次第にその勢いは脈動に合わせたものになり、
そうして命が流れ出すさまは、徐々に弱まって行った。

もしも刃先が気管を傷付けたのであれば、
逆流する血の合間にでも
喉奥からは、ひゅうとか細い音が漏れたのだろう。

何れにせよ、苦痛など一瞬たりとも感じる事は無く。
闇に溶け始めた意識は、ただ与えられる救いのみを享受する。

真白な花と衣服を血に染めて、
それでもその表情は安らかなものだった。

『ユーサネイジア』は、『シロ』は、あなたの友は
そして、死に救いを見出した救済者は
こうして確かな救いを此処に得たのだ。
(-68) 2021/10/14(Thu) 4:20:29

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

綺麗な花の命を手折って意味を成すものに綴り合せるように
君の命を真直ぐに摘み取ってから一度メスを手離し ――

熱く赤い飛沫を厭わず君をぎゅっと抱き締める。
壊れ物を扱うような丁重さは皆無。遠慮無しに君を抱き留め、
零れる命の温度を忘れない為にも、流れ出るものが薄れようと
暫くの間は宣言通り君の傍に居た。間近を独占した。
…大丈夫、傍に居る。君と僕はずっと友達だ。離しやしないよ。
いつもの無責任にも聞こえる甘ったるい声で、何度も、何度も、
それこそ君の意識が完全に落ち、連続性を失うまで、何度も、
幾度も何度も。繰り返し。壊れた機械のように呟き続けていた。

実際、ただの無責任なのかもしれない。
不出来極まる贈り物で、自己満足で、独り善がりな行動なのやも。
不思議と喪失感を覚えるよりも満たされた気分のまま、ずっと。
ずっと。君の心臓の音が失せるまで不出来にそうしていた。

いつの間にか落ちた花冠も淡い色の髪も衣服も、褐色の肌も
全てが鮮やかにで染まり切った頃に、君から離れる事になるな。

―― 真赤に染まった白い花畑と、麗らかな草原。
君の白い衣服と帽子。草原に似た紙の色。
君自身の赤に染まった安らかな表情を確かにデータに刻んでから
君に染められた不出来な狂人は手術用メスを改めて手に取った。
(-69) 2021/10/14(Thu) 5:16:31

【秘】 カンマと ドゥーガル → 救済者 ユー

「ああ、… またあの時と同じだ。
 僕は元々の体重を測るのを忘れているし、覚えちゃいない。
 …カンマ。大切な友に救いと贈りものをする手助けをしてよ。
 君を開いたあの時のように、手を取って、握っていてね。
 シロは僕と君からの贈り物も望んでいたはずなんだよ。
 だからいつかを今にする。この観測と検証をあの子に贈ろう。
 二人きりなら僕達は完全。不出来で上出来な存在になれるよ」

―― 抱き締めて傍に居るので必死だったし、盛大な出血もあり
尊い重さが失われたのかどうかはただの愛玩用には分からない。

だからこそ君の上着を取っ払い、再度メスを振るう。突き刺す。
君の表皮の先の中身を断ち、主軸となる白いものへ当たったなら
その純粋な輪郭をかりかりと銀で撫でて裂いて開いていこう。
 
食堂でパンケーキを切り分ける時よりも丁寧に確かめる。

 
不出来の癖に、二人で刃物を振るう腕だけは確かだった。
 

…………
………



随分と長い時間を掛けて、君を均等な重さに分け切った。
分けられていないのは三つ編みをしていた筈の髪の毛と
ハッピーエンドに似合いの表情を浮かべたままの頭だけ。
(-70) 2021/10/14(Thu) 5:21:00

【秘】 カンマと ドゥーガル → 救済者 ユー

白い軸は強引に折って分け、鮮やかな果実は切り分けて
無二の友である君に見合う分だけ綺麗な重さを作り上げた男は、
その内の幾つかを口に運んだ。咀嚼した。詰め込んだ。
躊躇いなく呑み込んで、体内へ隠してしまった。

吐き気を催したりはしない。
君が望むものを見合うだけ。自分達が欲しい分だけ、食らった。

―― さて。
尊ぶべき重さの幾つもを奪われない場所にしまいこんでから、
友の上着を羽織って帽子を拾って掴んだら 自分の頭に花冠を。

真赤になった花冠を乗せた狂人達は、君の首を大事に抱えて、

「ではシロ、帰ろう。僕達に任せて、迷子になんかならないよ。
 ――それにしても皆仲良くしてるかな? してるといいなぁ。
 そして僕達を出来る限り甘やかしてくれるといいなぁ。
 君の事もうんと甘やかしてくれたらいい。髪を梳いてさ、…」

普段通りの調子で生首へ話し掛けつつ立ち上がり、
二人と一人で帰路を行くべく、ゆっくり歩き出した。

君をちゃんとメンテナンスの場所へ送り届けなければならない。
だから、迷子にはならないし、今は攫ったりはしないよ。
(-71) 2021/10/14(Thu) 5:26:45

【秘】 救済者 ユー → カンマと ドゥーガル

 
だらりと脱力した身体を抱き竦める事は容易だっただろう。
その頚から溢れる生暖かい液体は、至る所を染めただろう。
何処までその意識が連続性を保っていたかは定かではない。
けれど傍らに在る友の、鼓膜を揺らすその声は
きっと醒めない眠りへ落ち行く意識に安らぎを与えた事だろう。

そうしてあなたがその死を観測した後の事。

死人は黙して語らない。
刃物を突き立てられ、その内側を曝け出す事になったとしても
それらを折り、或いは切り分けられたとしても。
それが身動ぐ事など無く、ただあなた達の行いを享受するだけだ。
死後に遺体の筋肉が痙攣を起こす事は確かにあるけれど
麻酔に侵されたこの死者は、恐らく決してその限りではない。

とはいえ意識の連続性を失い、主観的な生が途切れた今は
もはやその生を担保し得るものは客観性しか無い。
つまりは観測者たるあなたがそこに何かを見出せば、
恐らくそれは、きっとそこにあるのだろう。
(-72) 2021/10/14(Thu) 6:42:56

【秘】 救済者 ユー → カンマと ドゥーガル

 
そうしてあなたは尊ぶべき重さを見出した。
そうしてあなたは、それらと共に在る事を選んだ。
であればこの場では、きっとそれこそが真実だ。

死人は黙して語らない。
あなたの掛ける言葉に返事は無かったけれど
或いはあなたには聞こえていたのかもしれないな。
だってあなたの『シロ』は、あなたの友は、そこに居るのだから。

きっと皆は今頃、帰ってからの話をしている所だろうか。
僕は結局家事の当番をすっぽかしてしまったから
先ずは謝らないといけないな。許してくれるといいのだけど

あなたの友は、あなたのすぐ傍らに。
それは今あなたの懐にある友の貌かもしれないし、
ともすれば、あなたが身体の内に収めたもの達かもしれない。
或いはその両方。

何れにせよ、
それらはあなたが送り届ける間に消えてしまうなんて事は無い。
きちんと送り届ければ、その後は客観的な死も保証される。
ほんの少し人間様達は騒然とするかもしれないけれど、それだけ。

『ユーサネイジア』は、きっと明日には
そっくり元通りの姿で、いつものように挨拶をするだろう。
少しだけ、何かは変わってしまっているかもしれないけれど。
結局の所、それを判断するのは観測者たるあなた達だ。
(-73) 2021/10/14(Thu) 6:52:37

【秘】 探偵用 ジョシュア → カンマと ドゥーガル


「律儀に覚えてるもんだな、我が弟よ」

 あの時と同じように、その律義さを、
 嬉しそうに。喜びながら扉から顔を出して。

「いやさ、言い訳するつもりじゃないんすけど、
 みんな忙しそうだったからさ。
 休暇中の探偵用は、むやみやたらに首を突っ込まず、
 のんびりと束の間の慰安を愉しんでたワケでさあ」

 そしてまた同じように、扉を開け放って、
 中へと招き入れる。部屋の散らかりようもまた同じ。
 服も本も、空のタッパーも変わらずそこにある。

「いいのに、礼なんて……つっても、
 ありがとうを言わせるようにしたのはオレの方か。

 それでもいいんすよ。気の迷いみたいなもんだから。
 ゲームだから。そーいう軽い気持ちでやったんで」
(-74) 2021/10/14(Thu) 9:09:31

【秘】 カンマと ドゥーガル → 救済者 ユー

流れ出る血液が無ければ、傍から見たら恋人同士の逢瀬。
至る所を君から噴き出す液体で汚して浸して、
それでも抱き締める腕を解く事は無かった。
何度も子を寝かしつけるように囁いて、
無責任に君を肯定し続けて ――

抗議の声を上げず、普段のように自分を受け入れてくれる君の
肉体を、他を、強引に均等な重さへ変えていったのだろう。
主軸の境に頼りなく細い銀を割り込ませ、大きく分割する。
新鮮な赤が何処かを汚せど躊躇う事は無かった。
生きているかのように微かに動く事があれば都度抱き締めよう。
寂しがりは他人が寂しがることも善しとしない。
君の意識がないとしても 若しかしたら寂しいのかもしれない。
そんな無意味な思考を膨らませ、君をまた肯定して甘やかした。

――…人間様が見たら異様だ、殺人だと言う迄場面を進めたら、
幾つも口に運んで、誰にも片付けられない場所へ隠してお終い。
綺麗な友は綺麗なものだけで構成されていると思ってはいるが、
収められるものにも限界がある。だから、君の綺麗な破片は、
上着のポケットや他に捻じ込んで持ち替える事にしよう。

君の首を持ち上げれば、まあ、当然だ。
断面から点々と落ちる色が 花畑に赤い花を咲かしていく。

真白な花を君の色で曖昧に染め上げながら、二人の一人は、
(-75) 2021/10/14(Thu) 16:07:54

【秘】 カンマと ドゥーガル → 救済者 ユー

真白な花を君の色で曖昧に染め上げながら、二人の一人は、

「シロの髪を誰かが梳くのはやっぱりなし。
 この子の髪を三つ編みに整えて飾り付けるのは僕の役目だ。
 然しまあ、カンマ。他の子は夕飯の支度をしていると思う?」

白い花を踏んで越えて、白い色だった上着の裾を揺らしながら、
残された片割れは幻聴と物言わぬ友に語り掛けつつ、
さっき君に花冠を贈られた時のように不出来に笑んだ。

「片付けられぬように隠すので一生懸命で、満腹だなぁ。
 シロはこの状態になれば食べる事は叶わないだろうからさ。
 食事好きのカンマが上手に食べて済ませてくれない?」

赤い花と草を悪戯に増やしながら、帰路を行く。
時折君の頭を抱え直して、星座の位置を囀りながら、
壊れ掛けの仮想の世界をゆっくりと 友と進んで 歩いて ……

友である綺麗な君の事を責める輩が居たら
僕は部屋を荒らされた時のように容赦しない。
だから今は安心して、シロは眠っていればいい。
(-76) 2021/10/14(Thu) 16:10:06

【秘】 カンマと ドゥーガル → 救済者 ユー

―― 君の首をメンテナンスの為の場所の前に置いて、翌日。
変わりなく君が挨拶をするのであれば


「おはようのキスは処方してくれないの?」



愛玩用は冗談めかした約束を強請って普段通り笑んだのだろう。
変わっていたとしても大丈夫。
君達と僕達は友達のままだ。

不出来な愛玩用は君にまた飽きずに散歩を提案し、
金貨の価値を説き、三つ編みを教えて髪飾りを贈るだけ。

―― さよなら、またね。
シロ。ユーサネイジア。ユー。私、僕。
いずれ綺麗な君を攫いにいくよ。待っていてね。
(-77) 2021/10/14(Thu) 16:11:28

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 探偵用 ジョシュア

「当たり前じゃないか。土産話、楽しみにしていたんだよ?
 ……確かに色々不穏な気配が漂っていたりしたものね。
 休暇中の探偵は頭を休めるに限るだろうし、
 何かを楽しんだり労られるべきなんだろう。
 あれをただのデータとして捉えていたとしても助かったから
 一先ず礼を言うとして ―― ゆっくり休めた?」

君の部屋に招かれたらあの日と同じように、……いいや。
君が座る場所の、とっても隣。傍に座ってしまおう。
会話をするなら近い方がもっと親しくなれる気がするからね。

部屋の中に置かれたタッパーやら他。
それらに関して言葉を投げ掛けたりインタビューをするよりは、
愛玩用は先に土産話を強請って、微笑みと視線を君へ向けた。

「綺麗な場所や楽しいこと、気晴らしになることは起きた?
 温泉という場所は脱衣しなければいけないのでしょう。
 僕とは縁遠い場所だから実に気になるのだよね。」
(-78) 2021/10/14(Thu) 16:28:48

【秘】 探偵用 ジョシュア → 愛玩用 ドゥーガル

「んー……──心は休まらなかったっすね。
 身も頭も全部日ごろの疲れを癒すことに専念しても、
 どーしても、落ち着かないとこがあったっす」

 だけど、諦めもついているのか、
 或いはもう何も起きないことが分かっているのか、
 どこかすっきりとした表情で笑いかける。

「どこでも気に食わないもの全部サクっとすっ飛ばせたし、
 普段ならできないくらいたっくさん火薬使えたし、

 んでー……温泉、すごい気持ちよかったっす。
 景色は今の季節、綺麗に紅葉が色づいてて。
 そ、公衆の場で脱ぐのも無い文化にはなかなか、
 馴染みが薄い行為っすよねえ。

 オレは割と、そーいう大衆文化?っつーのに慣れてるから、
 普通に楽しめるんすけれども。
 やっぱりそういう気遣いが欠けてるってことは、
 このゲームはそもそも欠陥だらけだったってとこか」
(-79) 2021/10/14(Thu) 20:32:05

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 探偵用 ジョシュア

晴れやかな笑顔と裏腹に落ち着かないとか君が言うものだから、
数度の瞬きの後に眉を下げたかもしれない、が。
それだって続く話題への興味で早々に引っ込む。

此処での時間も終わりに近付いているだろうし、それならば
明るい話をした方が良い。心が休まっていないなら尚更だ。
足を組んで頬杖をしいしい君が見た景色に思いを馳せる。
赤い葉に見知らぬ温泉。きっと穏やかでのんびりできる場所。
馴染み云々には緩く頷きを返し、

「大きな浴槽みたいな場所なのだよね?野外にある、のかな?
 文化に馴染みがないというよりも主人に人前で脱ぐな、と
 言い付けられているからねぇ、…行きたかったから残念。
 でも君からこうして聞くのもまた楽しいから良かったのかも。
 ……気遣い?欠陥?」

鈍い頭の持ち主は はて、と。首を傾いだ。

「そこでの文化がそうならば郷に入りては郷に従えではないの?
 強制的に入れと言われた訳ではないのだろうし、僕は……
 いや、これは僕の頭が緩いだけか。成程、君は思慮深いなぁ。
 ……他にも誰かが温泉に居たりした?楽しい話は出来たかな」
(-80) 2021/10/14(Thu) 22:55:54

【秘】 探偵用 ジョシュア → 愛玩用 ドゥーガル


「ははは、こっちの話だ」

そうあれ、と作られ、育てられた者もいる。
それを否定することも憂うことももうない。
反感を抱くこともなければ、幸福でいるのなら、
それを変えようとすることはなんと愚かしいものか。

「ただ、まあ……ヒトもグレイも頭の回路は複雑でね。
 此処では“そう”。だから“そう”するってのは、
 意外と簡単にはできないものなんっすよ。

 話を戻して。あっちではシェルタンと出会したっすね!
 特に他愛無い話をして、仲良くのんびり湯船に浸かって。
 ──てっきり規定通りの男性型だと思ってたから、
 びっくりしたところにもあるにはあったっすけど……

 ゲームから出たら、その辺りも聞けたらいいなあ」
(-81) 2021/10/15(Fri) 13:21:50

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 探偵用 ジョシュア

首を傾いだまま足先を二度揺らし、
けれどもそれ以上何かを聞きたがることもしない。
考えは人それぞれ。どの考えも基本的には尊重すべきだ。
だからこそ君の言葉に数度頷き、不出来な愛玩用は目を伏せた。

「きっと僕よりも君の方が世間に詳しい。
 ということはその考えもまた正しいものなんだろうなぁ。
 ……あ、シェルタン。そうそう、僕も少し驚いちゃった。
 あるべきものがなかったから、つい、ね。予想外でさ。
 でもあの子は穏やかだから楽しい時間を過ごせたんだろうね。
 ―― ゲームから出たら、かあ、…」

そう、そう。ゲームが終わるまで間も無くな予感もする。
伏せていた視線を其方に戻し、君の顔色を窺うような、
いいや。どちらかと言えば期待の視線を向けた。

「なあなあ、物知りなジョシュア兄ちゃん。
 此処から出ても君を兄と呼んで慕ってもいいかなぁ。
 君と話していると楽しいんだよね。…つまりは、その。
 また会えたらいいなっていう前向きな話なんだけど、だめ?」
(-82) 2021/10/15(Fri) 16:17:07

【秘】 探偵用 ジョシュア → 愛玩用 ドゥーガル


「もちろんっすよ」

快く応える。
他でもなく、家族関係に憧れていたから。
勇ましい冒険譚を、話をせがむ弟に聞かせるなんて、
何ともらしいことじゃあないか。

会いに行くことも、きっとそう難しくはない。
互いにそういった悩みからは無縁のはずだから。

「ゲームの中で話せなかった分だけ、現実で話そう。
 オレの詳しい世間のことも、
 我が弟の知る不思議な価値観の話も、
 なんだって、外で会ってから話そうじゃないっすか」

見つめられた表情には、心からの笑み。
何もかも諦めてきたグレイ生ではあったけれども、
より楽しそうな方向に転がっていくなら、それがいい。
(-84) 2021/10/15(Fri) 19:16:39

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 探偵用 ジョシュア

「嫌がらず良い答えをくれてありがとう。
 僕は現実ではあんまり、その。グレイの知り合いが皆無でね。
 世間の事も互いの事もまだまだ知りたいことばっかりだし、
 それでも時間は過ぎるもので、終わるものだから。
 ―― ならばインタビューはその時がいいかな?
 無事に出会えた際はよろしくね。……でも、」

互いにそういった悩みは皆無。
それは確かではあるが、ふと気になった事があるのだ。

明るい笑みにくしゃっと取り繕わない笑みこそ返したが、
次の瞬間にはちょっと眉が下がったぞ。懸念事項があるね。

「僕と君が住んでる場所って近いかな…?
 もしかすると文化の話とかからするに…わりとその…
 ……まあ、その場合は僕がそちらに行けばいいか。
 主人に我侭を言うのも愛玩用の務めだろうからね」
(-85) 2021/10/15(Fri) 20:11:50

【置】 愛玩用 ドゥーガル

【ドゥーガルの日記】

あの子の魂は僕の中へ。
綺麗に分割されたものも出来る限り持って帰ろう。
雪兎のように虚構の胃に収め、片付けられないように。

さて、此処での時間も残り僅かなのは不出来な頭でも分かる事だ。よって残りの時間は食堂でのんびりと過ごすとして …問題はその先。すべき事が幾つかあるな。

先ず帰ったらカンマの身体が片付けられていないのを確認後、再度3/4オンスを探さねばならない。彼の魂がそこにあるのならば、それでも彼が動かないのであれば、死んでいる。魂が相変わらず見つからないのであれば、彼は生きている。
よって、僕は改めて確かめる必要があるだろう。

その次。
シロ、もとい綺麗な重さが似合うあの子を現実で探しに行く。主人に我侭が通るのならば、存分に甘えよう。あの子がどういう反応を返すかは分からない。
拒絶されたらそれまでだが、まあ、
いずれにしても顔を見に行かなければ。
現実のあの子にも、綺麗な重さをあげたい。

その次。
此処で親しくしてくれていた子に会いに行く。これに関してはここで名前を挙げるとキリがなくなるので省略するが、帰る前にメモを取ろう。主人はグレイの友人を作るなと言っていたが、少しぐらい。
……何より今更だ。少しぐらい、外を見たっていいじゃないか。
ものを知った不出来になっても、構わないだろう。

―― さて。
僕は帰った後もきちんと廃棄されず不出来な愛玩用のままでいられるだろうか。主人の教えを守り続けているから大丈夫だとは思う、が、…

まあ全てが分かるのは帰ってからだな。
攫いに行く時に顔を見間違えてはいけないから、食堂へ出よう。

あの子に、三つ編みを。そして髪飾りを。3/4オンスを。
これは僕達の独り善がりな約束だ。必ず迎えに行くよ。
(L8) 2021/10/15(Fri) 20:50:23
公開: 2021/10/15(Fri) 21:00:00

【置】 愛玩用 ドゥーガル

そうして不出来な男は食堂に出たら、親友の元へ駆け寄った。

綺麗な重さが似合う子が、相容れないものではない存在が
仮に初期化されていたように見えたとしても普段通りだ。

おはようのキスを強請って、髪を梳く。
あの時とそっくりそのままの言葉を囀って、髪飾りを贈ろう。

草原の色とよく似た、綺麗な髪の尾を飾ろうじゃないか。

あの子がどんな反応を返したとしてもこれはただの独り善がり。
一方通行にも程がある行いだ。
それは十分過ぎる程に分かっているから、何だって構いやしない。

ただその後に一言

「友達の君を必ず迎えに行くよ」

そんな事も、告げたのかもしれないな。

全ては相手任せ。未来任せ。反応次第。
未定に未定、不安定を重ねた、
電子データのように曖昧に揺らぐものでしかない。

―― いずれにしても此処から追い出されるまで、不出来な男は
ぼんやりと普段通り食堂で過ごし、微笑んでいたのだろう。
(L9) 2021/10/15(Fri) 20:55:30
公開: 2021/10/15(Fri) 21:00:00
 




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大丈夫。

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