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人狼物語 三日月国


124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】

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【赤】 灯守り 立春

[パパとお姉ちゃんと自分との少し複雑な関係を、
幼い頃の私は当然ながらまったく理解していなかった。

パパの独特のセンスで買い揃えられたおもちゃに囲まれた
ちいさな家の中が世界のすべて。
『灯りはとてもたいせつなもの』という
親から子へと誰もがみんな
口を酸っぱくして教え込まれる事柄以外、
私は何も知らず、知らされず、
芒種域に住まう他のごく普通の人々と同じように
もしかするとそれ以上に恵まれて、
何の不自由もなく健やかにすくすくと育った。

自分の暮らしている芒種域のこと。
統治域を守る『灯守り』のこと。
先代芒種様が大叔父さんであること、
親族一同が灯守りの役目に固執してきたこと。

大好きなパパがお姉ちゃんを置いて血筋から逃げたことも、
そうしてママと愛し合って生まれたのが私だということも。

蘭花様──師匠に弟子入りして
初めて知ったことは数知れず、
きっと未だに知らないことが、私にはたくさんある。]
(*64) rinto 2022/01/22(Sat) 9:38:47

【赤】 灯守り 立春

[大好きなママに抱かれて、大好きなパパの顔を見て
優しいお姉ちゃんも傍に居て。
安心してうとうとと夢路に旅立とうとしていた赤子は
いつもとちがう『空気』を感じ取ってぴくりと目を開けた。

パパとお姉ちゃんがよくわからない話をしている。
いつもは優しいママが黙り込んでこわい顔をしている。

パパの後ろに誰か、しらないひとがいる。その人は、
ママがいつも確かめるように眺めていた娘の腕輪──
──私の『灯り入れ』を一瞥して、
なんだか胸がざわつくような笑い方をした。

その人と一緒に背を向けて遠ざかっていくお姉ちゃんが
どこか途方もなく遠いところに行ってしまう気がして。
まだ名前を呼ぶことも、走って足に縋りつくことも出来ず
お乳を飲むか眠るか泣くかしか出来なかった妹は、
そのしらないひとを直感的に『わるいひと』と判断した。

お姉ちゃん、『いかないで』。
お姉ちゃんを『つれていかないで』。

まるでそう全身で訴えるように、堰を切ったように
母親の腕から転げ落ちそうな勢いで泣き叫んだ。
誰にも伝わらなくても、何の意味も成さなかったとしても
何もわからないなりに何かしたかったんだろう。]
(*65) rinto 2022/01/22(Sat) 9:38:52

【赤】 灯守り 立春

[誰かに連れられて出て行ったお姉ちゃんが
再び家の扉をくぐった日。
赤子は目に見えてご機嫌な様子を見せたが
またどこかに行ってしまうことを怖れてか、
どこに行くにもべったりで
お姉ちゃんから離れようとしなかったらしい。

以降もお姉ちゃんが家を出ようとする度に不安がって、
言葉を覚えだせば声に出して我儘も言うようになった。

隙あらば繋ごうと手を伸ばしていたのは
手を繋いでいれば安心していられたからだ。

あまりお姉ちゃんを困らせては駄目よ、と
ママに窘められてもなかなか言うことは聞かなかった。
お姉ちゃんは妹の"おねがい"を、
余程のことがない限り大抵は
なんだって望むままに叶えてくれたから。]
(*66) rinto 2022/01/22(Sat) 9:38:57

【赤】 灯守り 立春

[それまでパパの感性で選ばれた
玩具やぶかぶかの服しか知らなかった妹にとって、
お姉ちゃんがくれるものはどれもが輝いて見えた。

お人形、ぬいぐるみ、絵本、おもちゃ。
ぴったり身体を包んでくれる着心地のいいお洋服。

幼い頃から今日にまで至る
自他ともに認める可愛いもの好きの趣味嗜好、感性は
お姉ちゃんの手腕によって形成されたと言っても過言じゃない。

ただ、お姉ちゃんのくれたおもちゃをすっかり気に入って
そのおもちゃでばかり遊ぶようになった娘を見て
しょんぼりしている人が一人いた。パパだ。

幼いながらにちょっぴり父親に罪悪感を覚えた娘は
パパのくれたぬいぐるみたちも大切に愛でて、
時々はパパの選んでくれたおもちゃで遊んだ。]
(*67) rinto 2022/01/22(Sat) 9:39:03

【赤】 灯守り 立春



  うんっ!
  ままはおりょーりじょーず!
  まちゅり、ままのつくゆはんばーぐが
  だいしゅきなんだぁ。

  おいち? ねえね、おいち??
  きょうのは『じしんさく』なの! えへん!!
  い〜っぱいたびてね!



[目をきらきら輝かせながら何度も何度も飽きずに繰り返し
同じ素材から錬成された『おりょーり』を
提供する小さなシェフ。
お姉ちゃんはよく飽きずに付き合ってくれたなって思う。

もっとお姉ちゃんが喜ぶごはんを、
泥と草でできた食べられないごはんじゃなく
本当に食べられるごはんを作れるようになりたくて
積極的にママのお手伝いをするようになった。]
(*68) rinto 2022/01/22(Sat) 9:39:23

【赤】 灯守り 立春

[お姉ちゃんが持ってきてくれた絵本の読み聞かせをせがむと
お姉ちゃんが特に嬉しそうな顔をする気がして、嬉しかった。
物語をすっかり憶えてしまっても、
この絵本がお気に入りなのだと繰り返し繰り返し
同じ本を選び取ってはお姉ちゃんの手を引いた。

大好きな声をもっとずっと聴いていたいのに
重くなってしまった瞼を閉じるときには、
腕をがっちりとホールドして眠るのがお決まりだった。

眠っている間にお姉ちゃんが
手の届かないどこかへ行ってしまわないように。]
(*69) rinto 2022/01/22(Sat) 9:39:37

【赤】 灯守り 立春


  

 ねえね、あのね。こえ、もらってくれゆ……?
 ねえねのにがおえ。
 まちゅりがかいたんだよ。

 ねえね、だ〜〜〜いしゅき!!
 いちゅもまちゅりと
 あしょんでくえてあいがとお!



[ある日のこと。

いつも遊んでくれて素敵なものをプレゼントしてくれる
お姉ちゃんに、自分も何かを贈りたい。

そうママに相談して
『絵を描いてみたらどうかしら?』と言われたのを
素直に聞き入れた娘は、大きな画用紙に
自分と手を繋ぐお姉ちゃんの絵(のつもり)を
一生懸命クレヨンで描いて
押し付けるようにプレゼントした。

お姉ちゃんが喜んでくれることを期待して
期待どおりの反応に味を占めた妹は、
その後もせっせといろんな絵を描いては贈った。]
(*70) rinto 2022/01/22(Sat) 9:39:47

【赤】 灯守り 立春

[ずっとこんな楽しい日々が
続いたら良いなと思っていたし、その頃には
お姉ちゃんはずっと傍に居てくれるものと信じきっていて
連れて行こうとしたこわいひとのことも
綺麗さっぱり忘れていた。

私の知らないところで私を取り込もうとする
怖ろしい大人たちの思惑と、
お姉ちゃんがひそかに闘っていたことは
呑気にも欠片も知らないままで。]*
(*71) rinto 2022/01/22(Sat) 9:39:59

【人】 灯守り 立春

─ 会合前 ─


  そっか、良かったぁ。
  わっとと! ごめんね私ったら……!
  大丈夫? すぐ直る??
  帯締めるのお手伝い、する?


[慌てて身体を離して改めてお姉ちゃんを見つめるも
着物は教本のお手本のようにきっちりと着付けられている。
素人目には着崩れはどこにも見当たらなくて
ほっと胸を撫で下ろすと同時に見とれてしまった。

妹視点、どこから見ても洗練された和装の淑女。
服装ばかり大人ぶってみても
中身が子どものままな自分とは大違い。

葵ちゃんに着付けてもらっても
お姉ちゃんの隣に並べるくらいに
着物を素敵に着こなせる気がしない。
数十年時が経ってお姉ちゃんの歳になっても、
自分が落ち着きというものを持てる気もしない。

そしてそんな自分のままで居て良いのだと、
全力で肯定してくれるような人がここにいる。]
(79) rinto 2022/01/22(Sat) 10:16:56

【人】 灯守り 立春



  えへへ、ありがとお姉ちゃん。

  優秀な蛍さんたちのおかげで
  今はなんとかやれてるけど……
  ……実は昨日の夜もいっぱいいっぱいで、
  またお姉ちゃんに頼ろうとしちゃったんだ。

  いつまでもお姉ちゃんに
  甘えっぱなしじゃいけないな、って
  一応、思ってはいるんだよ?

  思ってはいるんだけど……

  お姉ちゃんの顔を見たら安心して
  なんかそういうの吹っ飛んじゃった。


[甘えられるか、られないか、じゃない。
幼い頃から甘えるのが当然になりすぎていて
最早身体に染みついた習慣になっている。

あれこれ考えるより先に、身体が動いてしまうのだ。]
(80) rinto 2022/01/22(Sat) 10:17:10

【人】 灯守り 立春

何の不安も抱かず胸に飛び込めるのは
それだけお姉ちゃんを信頼しきっている証。

幾つになっても変わらず同じ振る舞いが出来るのは、
お姉ちゃんの方も変わらず妹に接してくれるからこそであり]


  そっちの心配してたの? 
  ふふ、やだなあ。

  お姉ちゃんに
  「みっともないからもうやめなさい」って
  止められない限りは甘えちゃうよ、きっと。
  

[ちなみにお姉ちゃん卒業の予定は妹には一切ない。

灯守りとして、統治者として経験と年齢を重ねて
風格と威厳ある大人になれる日が来たとしても、
やっぱりお姉ちゃんの前ではただの妹になってしまうと思う。]
(81) rinto 2022/01/22(Sat) 10:17:16

【人】 灯守り 立春

[成人して良い大人なのだから
もうお姉ちゃんに甘えるのはやめなさい、なんて言われて
突き放される日が来ようものならこの世の終わりだ。
けれど底抜けに妹に甘くて優しいお姉ちゃんは
妹を拒む台詞はまあ口にしないだろうと妹は信じきっている。

お姉ちゃんが『猫さん』を拾って
傍に置いていると知ったときには、
いつもお姉ちゃんの傍に居られる『猫さん』を
心の底から羨みながら、それでも
お姉ちゃんに甘えることをやめようとはしなかった。

真剣に自重を考えないといけない日が
もしもいつかくるとしたらそれは、
お姉ちゃんに子どもが生まれたときだと思う。
子どもの前でもお姉ちゃんに甘え続けていたら
きっとその子を不安にさせてしまうから。

子どもは、子どもの気持ちがよくわかる。
でもどうかな。
本当にお姉ちゃんに娘や息子が生まれても、
やっぱり大人げなく張り合うように
お姉ちゃんに甘えてしまうかもしれない。]
(82) rinto 2022/01/22(Sat) 10:17:25

【人】 灯守り 立春

[成長して出来ることが増えてゆくにつれて
お姉ちゃんが自分にいろいろとしてくれるように
自分もお姉ちゃんに何かしたい、と思うことも増えた。

泥と草のごはんはちゃんと食べられるお菓子になり、
ごっこ遊びの時間はお勉強の時間になり
お世辞にも上手いとは言い難かった似顔絵はいつしか
手作りのポーチやバッグといった実用品に姿を変えた。

最近では、紅茶を添えてお菓子を贈りつけたり
百貨店で可愛い小物を見つけては二つ買って
一つを贈って『お揃い』にしたりしている。

部屋中に溢れかえるぬいぐるみをはじめとした
ありとあらゆる雑貨やアクセサリー、衣類の
半分くらいはお姉ちゃんから贈られてきたものだ。

使い古してくたくたになってしまったり
サイズが合わなくなってもう着れない服だったりしても、
どうしても捨てられずに大切に取ってある。]
(83) rinto 2022/01/22(Sat) 10:17:32

【人】 灯守り 立春



  芒種域は蒸し暑いもんね。
  立春域は、芒種域に比べたら
  乾燥してて寒いはずなんだけど……
  最近はあんまり寒く感じないんだ。慣れたのかな?


[長く立春の土地に身を置くことで馴染んだのか、
灯守りを継いで魂が変質したことで平気になったのか。
どちらの要因で寒さを感じにくくなったのか
自分でも判別は付かないけれど]

  
  幾つまででも。
  幾つになっても、私はこのままだよ。


[不意に浮かびあがった不安に蓋をして
自分に言い聞かせるように手のひらを握り返す。

妹を気遣って先手を打とうとした、
お姉ちゃんの意図にも相変わらず気付かないままに]


  だから、お姉ちゃんも
  ずうっと元気で私に甘えさせてね。

 
(84) rinto 2022/01/22(Sat) 10:17:47

【人】 灯守り 立春

[いつまでこんな風に甘えていられるんだろう。
私は幾つまで生きられるだろう?
お姉ちゃんはいつまで私に甘えさせてくれるだろう。

考えても仕方のない問いは、それでいて
一度考え出してしまったら果てを知らない。

大先輩の灯守りさんたちみたいに
ずっと長く生きるのかもしれないし、
力の影響で早くに灯宮に還るのかもしれない。

師匠が居なければ、私はここには居なかった。
本来あるはずのなかった与えられた今だから
力を使って灯りを削ることに何の抵抗もない。
必要と判断すれば止められても力を使うし
要請があればなおさら躊躇はしない。

自分の身を顧みずに人々を笑顔にしていく師匠は、
大好きだった絵本の王子様に重なって見えた。]
(85) rinto 2022/01/22(Sat) 10:17:54

【人】 灯守り 立春

[
サファイア
の瞳や身体を覆う
金箔
を惜しみなく分け与えて
街の人々を幸せにしていく心優しい王子様。
持てるものすべてを与えきってすっかりみすぼらしくなって
行いを誰に知られるでもなく心ない人々に捨てられて、
王子様の願いを聞き届けようとしたつばめも
渡りの季節を逃し力尽きて死んでしまう。

悲しいお話なのに、
最後に満足したように微笑むふたりが
子ども心にとても美しく思えた。

小さな頃からお姉ちゃんに憧れていた。
お姉ちゃんみたいに強くて優しい大人になりたかった。
灯守りになりたかったわけじゃないし、
芒種を継ぎたいと望んでいたわけでもない。

ただ、お姉ちゃんの喜んでくれそうなことを
お姉ちゃんの役に立てそうなことをいつも探していた。
だから師匠に出逢って命を救われたときに、
『僕の弟子にならないか?』という師匠の提案を
悩むことなくすんなりと受け容れられたのだと思う。

たとえそれが単なる自己満足に過ぎなくても、
一番笑顔を見たかった人の表情を曇らせる結末を
迎えてしまう日がいつか訪れるとしても。

信じて進む道に、迷いはなかった。]
(86) rinto 2022/01/22(Sat) 10:18:16

【人】 灯守り 立春



  うん、急がなきゃ……!
  やった〜! お姉ちゃんの役に立てて嬉しい!


[早く早く、と急かすように手を引く妹は
草履であるがゆえの歩幅の小ささや
つい先刻気にしたばかりの着崩れの可能性を考えない。

昔と変わらずぐいぐいお姉ちゃんの手を引きながら、
ママ譲りの天真爛漫さで春の陽だまりのように笑う。]


  もし誰かに何か言われたらそのときは
  素直に白状するよ。
  緊張が止まらなくて不安だから私が頼んだんだ、って。
  だって本当のことだもん!

  お姉ちゃんの手を握ってると落ち着くの。
  本当は会合中もずっと握っててほしいけど……


[座席は変えられないし、
夏至さんと小満さんに交代してほしいなんて言えないし
立春席と芒種席とじゃちょっと距離があるしね。

席は離れていても円卓だからほぼ正面。
顔を上げればすぐお姉ちゃんの顔が見えるとなれば
こんなにも心強いことはない。]
(87) rinto 2022/01/22(Sat) 10:18:27

【人】 灯守り 立春



  あっ、でもね、今回はちゃんと
  しっかり準備したから大丈夫なはずだよ!
  資料作りはお姉ちゃんも葵ちゃんも手伝ってくれたし。
  
  
[穏やかなやすらぎのひとときはあっという間で
会合の開かれる部屋と開始時間が刻々と近付いてくる。
いつも通りの平静に見える姉を
凄いなぁ流石お姉ちゃんだなぁと改めて尊敬する妹は
当の姉が、会合ではなく別の理由で
平常心を失っていたことにはまるで気付かない。]


  そうだねぇ、最後に一緒に入ったのは
  師匠に弟子入りすることになって家を出る前……かな? 
  弟子入りした後も一度だけ
  師匠に連れられて一緒に温泉に行ったっけ。

  お風呂楽しみだな〜!!
  私がんばるから、見ててね!


[どうかなって思った提案は想像以上にあっさり受け容れられて
久し振りに会っても変わらないお姉ちゃんに胸が軽くなる。

会場の前まで辿り着けば名残惜しむように手を離して、
周囲の目を気にせずもう一度むぎゅーっと抱きついてから
円卓の定められた座席へと向かった。]
(88) rinto 2022/01/22(Sat) 10:18:38

【人】 灯守り 立春

[会合が始まる前には両隣の雨水さん、大寒さんに一礼して
挨拶しそびれていた春の統治域を持つ皆様にも
改めて心を込めたご挨拶をした。

その姿だけを見れば、灯守りとなった
妹の成長ぶりを感じ取れたかもしれない。けれど、
席に着いて資料が配られてやがて会議が始まっても
円卓を挟んでほぼ反対側に座るお姉ちゃんと目が合えば
小さく手を振ったり目配せしたりしただろう。

立春に向けての諸連絡は
手帳にメモを取って頷きながら真剣に聴き、

その後の中央から見た世界情勢報告も、
聞き取れなかったりわからなかった単語は飛ばしながら

ふんふん、と真剣に聴いて……

いざ立春域の報告の番となれば
気合を入れて作ってきた資料を手にきりっと背筋を伸ばして、
練習通りにすらすらと途切れなく
報告書を読み上げてみせた。]**
(89) rinto 2022/01/22(Sat) 10:18:56

【独】 灯守り 立春

/*
>>81
冒頭の『[』が抜けちゃってるうう(:3_ヽ)_

春分さん大寒さんありがとおお!
冬至さんのご要望も承りましたっ

ご挨拶にヾ(:3ノシヾ)ノシゆきたいヾ(:3ノシヾ)ノシ
(-42) rinto 2022/01/22(Sat) 10:56:24

【人】 灯守り 立春

[前日ぎりぎりまで準備していた書類と
優秀すぎる蛍さんのおかげで、
昨年よりはずっとまともに統治者らしく出来たと思う。

一番の緊張の種は自統治域内の近況報告だった。
だから、それさえ無事に終わってしまえば]


  ──立春域の報告は以上です。

  来たる立春の祝いに際しましては
  皆様方の御協力を賜りたく、
  ご不便ご迷惑をお掛けすることもあるかと存じますが
  何卒よろしくお願い申し上げます。

  何かご希望やご質問がありましたら……


[一気に、肩の力がすとんと抜けた。]
(96) rinto 2022/01/22(Sat) 17:11:38

【人】 灯守り 立春

[抑揚のない小難しい単語の羅列は
子守歌よりも強力に抗い難い眠気を誘う。
緊張が解ければ忘れていた食欲を思い出して、
お腹の虫がそこはかとなく元気になってくる。

大先輩方の前で新人が船を漕ぐわけにはいかない、
ましてやお腹を鳴らすわけにもいかない。
この場にあるお茶でなんとか堪えきらなければ。
起きなきゃ。そう、例えば指をペンで刺してでも。

ゆっくりと霞みだそうとする意識と闘いながら
円卓に着席する錚々たる面子を改めて順番に眺めてみた。

お隣の雨水さんはちゃんと卒なく会合に参加している。
流石巷で大物と噂される雨水さん、謎の貫禄が既にある。
啓蟄さんと蝶さんの才色兼備な御二方は安定したお仕事ぶりで
要点もわかりやすくて得るものが多かった。

春分さんと雀さんの可憐で華やかな御二方には、元々
カフェ『陽だまり』で度々お会いしていた。

春分さんは春の統治域全体のお姉さんのような存在で
灯守りとしてはもちろん個人的な相談までお世話になっていたし、
雀さんとも、歳が近そうということで
顔を合わせる度に会話を試みていたから
こうして畏まった場で同席させていただくと
改めて凄い方々なのだと思い知る。]
(97) rinto 2022/01/22(Sat) 17:11:50

【人】 灯守り 立春

[──ところで、小満さんをはじめとして
思ったより眠そうな方が多くないですか?
気のせいかな??
私も寝ていいかな???

小雪さんが私を落ち着かせようと話してくれた
先代様のお話が頭を過ぎる。

こういう会合に真面目に参加しそうな葵ちゃんさえ
後半に差し掛かるにつれて心なしか眠たそうに見える。
円卓を挟んでちょうど真向い、
自然と視線のゆく立秋さんとは何度か目が合っただろうか。
立春立夏立秋立冬、同じく"はじまり"を冠する立場同士
会合の場以外で何かとご一緒する機会も多いから
お顔と名前は一致してもらえているものと信じている。

そのお隣の処暑さんはいっそ
清々しいほどにやる気が見当たらない。
その更にお隣、今は白露域を治めているローザちゃんが
居住まいを正すのが目に留まれば慌てて背筋を正した。

親友をお姉ちゃんと慕うローザちゃんは
僭越ながら私にとっても妹のような可愛い存在だ。
今回が会合初参加という彼女の前で
情けない姿は晒したくないと思ったら、
自然と眠気に打ち勝つことができた。]
(98) rinto 2022/01/22(Sat) 17:13:32

【人】 灯守り 立春

[そんな折、不意に号を呼ばれて>>1:219
声の主の方へと視線をやれば]


  はっ、はい!! …………っ
  …………!!


[それまで緊張のあまり視野が狭くなっていて、
大寒さんの影にもなっていて見えていなかったのだ。
まあるい、ぽてぽてすべすべの、
いつか餌付けして捕まえようとしてしまった

抱きしめたくなるような愛くるしいボディが。]


  灯りの融通ですね、たしかに


[じいい。
じいいいいいいい。
じいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。]


  ……たしかに、立春承りました。


[ぴょんと跳ねたゆきうさぎに釘付けになって
お返事が94秒ほど遅れた。]
(99) rinto 2022/01/22(Sat) 17:13:49

【人】 灯守り 立春

[冬至さんのお隣の方もお可愛らしい。
初めて見るお顔だけれどお可愛らしい。
可愛い×可愛いすなわち最強、今ばかりは配席に感謝したい。
座席から察するに大雪さんかな?

残りの会合は、お姉ちゃんを中心に
皆様のお顔を眺めているうちに終わった。]


  あっ、あの……!!
  今度のお祭りで振る舞う予定の和菓子を
  皆様に味見していただきたくて。

  もし甘い物が苦手でなければ、よろしければ
  召し上がってご感想をいただけると嬉しいです。

  こちらに置かせていただきますね。


[そう言って取り出したのは
春らしい桜色が綺麗な桜餅、
桜餅と似ているけれど椿の葉で道明寺を挟んだ椿餅、
邪気を払うとも言われる黒豆をふんだんに練り込んだ大福。

どれも師匠直伝のレシピで作った
立春特製、新春を祝う定番のお菓子だ。

どうか皆様のお口に合いますように。
祈るように和菓子の行方を見守りながら、
自分はオレンジジュースdrinkを手に取った。]**
(100) rinto 2022/01/22(Sat) 17:14:28

【独】 灯守り 立春

/*
>>101
見てま〜〜〜〜す!!
見てますよ……!!!!!

[じいいいいいいいいいいいいいいいいい]
(-50) rinto 2022/01/22(Sat) 18:32:18

【赤】 灯守り 立春

─ 回想・大寒さんとの出逢い ─


  はっ、初めまして……!

  ああありがとうございます!
  お気遣い痛み入ります恐悦至極でありますですっ!
  この度先代立春から立春を引き継がせていただきまして
  不束者ですがこのとおりこちらこそ是非とも
  なにとぞなにとぞよろしくお願い致します!!


[ご挨拶周りのために用意した台本が、
ご本人を前にして綺麗さっぱりすっ飛んだ。

緊張しなくてもいい、と優しい言葉を掛けていただいても
高速で脈打つ心臓を落ち着かせることは簡単にはできなくて。
自分でも何を口走っているのかよくわからなくなりながら
恐縮しきりでご挨拶したのを憶えている。

ただ、先代の立春──師匠が大寒さんのことを
とても気に掛けて可愛がっていたのを知っていたから。
師匠が大寒さんにさえ別れの言葉を告げずに去ったことを
淋しそうにしてくださる様子が見受けられたなら、
弟子の私は師匠の分までもっとしっかりしなくては、と
少しばかりの落ち着きを取り戻せた。]
(*103) rinto 2022/01/22(Sat) 20:25:10

【赤】 灯守り 立春


  
  『様』などとつけないでくださいどうか……!
  西も東もわからぬ若輩者ですゆえに
  ご指導ご鞭撻のほどをっ

  私の方が様をつけるべきでして
  なんとお呼びすれば!
  大寒様でよろしいでしょうか!


[そんなごく普通の(?)ご挨拶から始まって
鍵の使い方、灯りの送り方、手続きの仕方といった
基本的なお仕事のお話をうかがっていたはずが
気付いたらお姉ちゃんの話を聴いてもらっていた。>>*19

なぜだ。なにがおこった。おかしい。
いくら緊張して我を見失っていたからって
当初の予定ではこんなはずじゃ……

一度語り始めればどこまでも枝分かれして
延々と伸びていってしまう最愛の姉語りが
ひと段落ついたところで漸く、本来の目的を思い出した。

貴重なお時間を割かせて無遠慮に付き合わせてしまったのを
申し訳ないと謝ろうとしたら、
大寒さんは心から楽しんでくださっていたようだった。]
(*104) rinto 2022/01/22(Sat) 20:25:16

【赤】 灯守り 立春

[その時に、初めて知った。
大寒さんは物凄く聴き上手な御方なのだ。
きっと師匠も大寒さんを可愛がるように見せかけて
他愛のない話を色々と聴いてもらっていたんでしょう。

それをきっかけに度々お話を聴いてもらうようになり
私も大寒さんのお話も聴きたがるようになって、
文通をされているとの情報を得てからは
折に触れて立春域の絵葉書や押し花を送るようになった。

今日の私が無事にお役目を
果たせたかどうかはご存知の通り。

練習通りに一度も噛むことなく読み上げられたのは、
すぐ隣の大寒さんが会合の直前に
そっと私の背を押すように
微笑みかけてくださったおかげでもあるんだろう。]
(*105) rinto 2022/01/22(Sat) 20:25:57

【人】 灯守り 立春


[大寒。


    冬を越え、春が来る。
    おわりがあるから、はじまりがくる。

    どんな希望も終着点がなくては叶わない。
    あなたがいるから、私は新年を寿げる。]*

 
(113) rinto 2022/01/22(Sat) 20:26:30
 




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30回 残----pt

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篠花
40回 残----pt

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雨水
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雪はいつか溶ける

大雪
4回 残----pt

( ・ω・)

シャーレン
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小暑
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小満
16回 残----pt

みまもり

春分
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コーネリア
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お仕事こねこね

月輪
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夏至
7回 残----pt

 

大寒
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立秋
13回 残----pt

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立春
26回 残----pt

やがて春が来る

冬至
33回 残----pt

雪のとける頃に

雀始巣
11回 残----pt

 

芒種
11回 残----pt

 

立夏
9回 残----pt

д゚)いるー

白露
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すりーぷ

麦秋至
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ヒイラギ(2d)
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