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人狼物語 三日月国


147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】

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【雲】 闇の精霊 アルカード



…は。
よくもそんな戯言を抜かせるものだ。


[柔く微笑む姿は他人の目からは美しいのだろう。
悪意などないようにみえるのだろう。


そこにある『害意』に気づけるのは、
その意志が自分自身に向けられたときで。
それに気づいたときには、既に手遅れになっている。
この女から感じられるものは、まさにそれだ。


少なくとも、我のハラワタを掻き回すような、
ずけずけと心の内側に土足で入り込むような
女の言葉と眼差しは、ただ、ひたすらに不快でしかない。]
(D9) 2022/05/30(Mon) 13:31:24

【雲】 闇の精霊 アルカード




貴様がその名を呼ぶな、女。
その名を呼ぶのを許されるのは、この娘だけだ。



[娘とマティルダのあいだに立ち塞がるように位置取ると
娘に背を向けたまま、マティルダを強く睨みつける。

…そうでなければ、立ち続けることも難しかった。

今は、娘に直接触れている訳ではない。
それでも、先程、娘を抱き寄せた腕から痛みが消えることはない。

それだけではなく、娘を守るため周囲に張り巡らせた触手が
ちりちりと縮れ、灰になって砕けていく。
内心、焦りと共に砕けた影の上から新たな触手を生やそうにも、
再生の速さを崩壊が僅かに上回っている状態だ。]
(D10) 2022/05/30(Mon) 13:34:13

【雲】 闇の精霊 アルカード



……ぐ。


[直に触れるどころか、近くに在るだけで
娘の光に自身が灼かれているのがわかる。

彼女を守るため招き寄せた、この闇の……我が身の内側から
彼女自身の放つ強い光に中てられている。

そして女の手の内がわからない以上、娘から迂闊に離れることも難しい。
そして恐らく女もそれを見越しているのだろう。

自身のほうからは全く動きをみせることなく、
ただにこやかに我らの様子を伺っている]
(D11) 2022/05/30(Mon) 13:36:00

【雲】 闇の精霊 アルカード



『義姉上!!』
『此処に居たか!無事でよかった!!』


……鼠共か。


[更に厄介なことに先程図書館で遭遇した者たちも
我らの騒ぎを聞きつけてやってきたようだった]
(D12) 2022/05/30(Mon) 13:37:39

【雲】 闇の精霊 アルカード



『すまないな。
 最初に闇の精霊がいると言われたときは疑ったが
 まさか真実だったとは……』
『人払いは既に済ませてあります』
『よしよし、それじゃあ手っ取り早く
 世界を救っちゃいますかね』
『さっき逃げられた奴が何を言っているんだ』


[いっそ、呑気ともいえる奴らの応酬に内心腹を立てる。
が、それを口に出せる余裕が今はない。

理由はわからないが、
娘の特性を利用して此方に不利な状況を作り出したことといい、
彼方は我と、娘のことを知り尽くしているようにみえる。

そう呻いている間に、マティルダを中心に
男たちによって戦いの火蓋が切って落とされた]
(D13) 2022/05/30(Mon) 13:38:00

【雲】 闇の精霊 アルカード



『すまないな。
 最初に闇の精霊がいると言われたときは疑ったが
 まさか真実だったとは……』
『人払いは既に済ませてあります』
『よしよし、それじゃあ手っ取り早く
 世界を救っちゃいますかね』
『さっき逃げられた奴が何を言っているんだ』


[いっそ、呑気ともいえる奴らの応酬に内心腹を立てる。
が、それを口に出せる余裕が今はない。

理由はわからないが、
娘の特性を利用して此方に不利な状況を作り出したことといい、
彼方は我と、娘のことを知り尽くしているようにみえる。

そう呻いている間に、マティルダを中心に
男たちによって戦いの火蓋が切って落とされた]
(D14) 2022/05/30(Mon) 13:38:00

【雲】 闇の精霊 アルカード



 ―――…。


[前衛の騎士と思われる者たちから繰り出される剣戟には触手によって応戦し、
大地から生み出される土人形や風による斬撃、打ちだされる水や氷、炎の矢には、それぞれ魔獣を召喚して戦わせる。


純粋な戦況は、今のところ互角に持ちこめている。


現状、己の身に一番ダメージを入れられているのが、
我が身に抱えた娘自身というのが、気に入らないが]**
(D15) 2022/05/30(Mon) 13:39:51

【雲】 闇の精霊 アルカード



 ……貴様になど、わかるものか。


[直接脳内へ語りかけてくる女にそう返す。

理解される気もしないし、
それ以前に理解してほしいとも思わないが。]
(D17) 2022/05/30(Mon) 23:13:44

【雲】 闇の精霊 アルカード



 はじめての、ニンゲンだったのだ。

 我に、世界の破滅を望まなかった。
 我を、友と呼んだ。

 我にこの世界は美しいものだと知ってほしいと。
 我に、これからも傍にいてほしいと言ってくれた。
 ……そう、望まれた。

[永い永い時を生きた。
そのあいだに、数多の人の子と関わりを持った。

あの暗闇の中、我を喚んだ誰もが、この世界の破滅を――滅亡を願った。

いつだって、我に届く声は世界を、他者を呪うもの。
悲しみと憎悪と寂しさと苦しみに満ちた声だけが
我を此の地へ喚び寄せる道標。

―――…そのなかで、たったひとり。

風変わりで、弱々しくちっぽけで、今にも消えてしまいそうで。
だが、我が手の中で決して消えることなく、あたたかな輝きを放ち続けた、たったひとつの星。

この命を手離さないことに、
離れがたいと願いを持つことに、理由が必要だというのなら。
……それで、十分だろう?]
(D18) 2022/05/30(Mon) 23:14:51

【雲】 闇の精霊 アルカード



 ―――…。


[ああ、此れで終いか。
天に開いた"門"を見て思ったことは、そんなことで。]


 ……、すまないな。娘。


[また、召喚者の願いを叶えてやれなかった。
今回ばかりは……たとえ、我自身迷いこそあれど、叶えてやりたかったのだが。

いつだって、人の子の、より多くが願う想いには叶わない。]
(D22) 2022/05/30(Mon) 23:20:23

【雲】 闇の精霊 アルカード

[闇が、消えていく。
我の、人の姿を形作ることも、ままならなくなっていく。

今、我の身体は、あとどのくらい残っている?
どれほど人からかけ離れた姿になっているか、
今の我には、わからないが]


 ……。


[どうにかカタチを保っている左手で娘の頬に触れる。
灼けるような痛みと、白い手袋を濡らす、果敢無い雫。]


 泣くな、……アウローラ。

 泣かないでくれ。頼む。


[名前を呼んだのは、これが初めて、だったか。
今まで散々、名前を呼べという
娘の願いを叶えてやれなかったのに。

随分と勝手なことを言っていると。
わかってはいるが。    …それでも。]
(D23) 2022/05/30(Mon) 23:22:15

【雲】 闇の精霊 アルカード

 

  ―――…お前は、笑っているほうがいい。
 
 
(D24) 2022/05/30(Mon) 23:25:01

【雲】 闇の精霊 アルカード



 ……幸せになれ。
 お前は、こんなにもあたたかな生き物なのだから。

 お前が求める愛を与えてくれる者は
 ……きっと、この世界にも存在している。 


[我には叶えられない温もりを、
与えられるニンゲンは、きっといる。

この世界は、娘にとって、美しい世界なのだから。
そう娘が信じられる限り、いつか、娘の願いは叶う]
(D25) 2022/05/30(Mon) 23:26:26

【雲】 闇の精霊 アルカード

[ほろり、ほろり、と。
身体が崩れていくのがわかる。

懐かしく、そして慣れない感覚に、
自然、苦笑いが浮かんで。

頬に触れていた手を、そっと額に移す。
炭化し、崩れてつつあるその手の形をどうにか保つと。

その額に、掌越しに口づけを落とした。]


 ―――…さらばだ。
 短いあいだだったが、心地良くあたたかい旅路だった。


[唇を離すのと同時、いつかのように>>0:190
安心させようと微笑んだところで。


…その身体は灰になって、やがて、空の向こうへと消えた]*
(D26) 2022/05/30(Mon) 23:27:16

【雲】 闇の精霊 アルカード

[―――…落ちていく。



人の子が齎した光に砕け、その身は灰になって。
そうして、懐かしく悍ましい、あの虚無の海へと我は還る。
夢うつつに、遠い過去を垣間見ながら]
(D39) 2022/06/01(Wed) 7:06:15

【雲】 闇の精霊 アルカード

[……昔の話だ。
それこそ御伽噺の中で語られるような、遠い過去の話。>>2:85


一番古い記憶に在るのは、白い天井。
白い服を着た、自分よりも大きなニンゲン。

自分を取り囲む黒い鉄格子。拘束具。
小さく音を立てる、大小さまざまな機械。
手足や首や胴体に、繋がれたチューブを流れる、
赤や、黒や、透き通った液体。

身動きなどできなかった。
いつからそうだったか、なんて知らない。
少なくとも、物心ついたときには既にそれが当たり前だった。]
(D40) 2022/06/01(Wed) 7:07:04

【雲】 闇の精霊 アルカード

[―――…自分が何者かなんて、知らなかった。

白い服を着たニンゲンたちは、此方のことを数字で呼んでいた。
その番号を、自分は覚えていない。

己を示す数字を呼ばれこそすれ、
ニンゲンたちは此方と目を合わすことさえしなかった。
いつも、決まった時間に現れては、
此方の身に異常がないかを確認して去っていく。

ただ、それだけの存在だった。]
(D41) 2022/06/01(Wed) 7:08:29

【雲】 闇の精霊 アルカード

[ある日、白い壁の向こう側から声が聞こえた。

『たすけて』『ここからだして』と。

あのときの我にはその声がなんなのか、
誰が発しているものか、そのときの自分にはわからなかったが。

――…彼らの声に、応えなければと思った。
故に、繋がれて身動きできない身体をどうにか起こしながら
彼らを助けようと、声のする方角の白い壁を叩き壊した。

……厳密には、自分は何もしてはいない。
壁に触れることなく、ただ、強く念じただけだった。

だが、それを見たニンゲンたちは明らかに顔色を悪くしていた。
あの、化け物を見るような眼差しは、今も朧気に覚えている。
そうして、数日後。 ]
(D42) 2022/06/01(Wed) 7:10:48

【雲】 闇の精霊 アルカード

[…ニンゲンたちのあいだで、何があったのか。
どのような議論があったのかはわからない。


覚えているのは、ただ。

それまで自分がいた場所から連れ出され、
真っ暗な、何も存在しない空間へと放り出されたこと。

そして、そのまま元居た場所へ戻ることはなかった。
それだけだった。 ]*
(D43) 2022/06/01(Wed) 7:11:40

【雲】 闇の精霊 アルカード

[――…あれから、どれくらいの年月が流れたのか。
今となっては最早、嘗ての自分を思い出すことも難しい。>>D7


永い永い時間、己の存在を糧に生まれてきた世界の外で
己は存在し続けた。
そのあいだ、幾度となく声が我が許へ届いた。

それは世界を呪う声。
悲しみや怒り、絶望。
世界の内にいるものには届くことも響くこともない、
そんな微かな声が我が許に届くたび。
我は此の地へと姿を現した。]
(D47) 2022/06/01(Wed) 7:17:43

【雲】 闇の精霊 アルカード

[特段、我自身が世界を滅ぼしたいわけではない。
否、我自身はこの世界のことなどどうでもよかったのだ。


それでも、我が許へ聞こえてくる声を
…暗闇の中、聞こえてきた小さな囁きを、
誰にも顧みられることのない嘆きを
捨ておくこと等、できなくて。
我はその度、その声の主に寄り添おうとして、
そしてそのたび、光に阻まれ続けてきた。


この世界を継続させようという、光の女神と、
より強い人の子の意志に、我は何度も退くこととなった。]
(D48) 2022/06/01(Wed) 7:20:28

【雲】 闇の精霊 アルカード

[数多の人間が、我にさまざまな破滅を望んだ。

我に知性を求めず、
ただただ純粋に破壊のみを求める者も居れば
恋人や失くした己の子の変わり、
都合の良い存在として己を求めてくる者もいた。

我に知性や意志など求められることはあまりなかった。
そもそも人の子は災厄に自我を求めたりなどしない。
だから、自分は他者に求められるまま、
己の在り方を変え続けた。
声も口調も人格も、己を呼ぶものの望むままに。

だから―――…あの娘は、
我にとっては何もかもが初めての存在だった>>D18]
(D49) 2022/06/01(Wed) 7:24:39

【雲】 闇の精霊 アルカード

[娘は破滅を望まなかったが、
代わりに、我には望まれた役割があった。

娘の『友達』になれという願い。
知識として知ってはいても、具体的なところは我自身、
理解の及ばぬ概念であった。

だから、学ぼうとした。
書物から、娘自身の言葉から。
破滅を望まない、この世界にとっては
より多くの命が何を考え、求めるものか
我は、それが知りたかった。

そして娘にも此方から言葉をかけた。
己の物語を、己自身の選択を大切にしろと。

たとえ、この世界の誰に省みられることがなくても、
我にとっては、我を喚び寄せたその声のほうが
その想いこそが重要だったのだから。]
(D50) 2022/06/01(Wed) 7:25:37

【雲】 闇の精霊 アルカード

[そして、娘と共に在るようになって、
人の子の在り方を学ぶうちに。
我の心には次第に迷いが生まれてきた。>>3:43

我は愛など知らない。

もし、娘が求めるものが他のなにかであったなら
我は何と引き換えてでも、娘の願いを叶えようとしただろう。

だが、我は愛など知らない。
愛した記憶も、愛された記憶もない。
そも、己自身が他に愛されるような、そんな存在ではないだろう。
娘の願いは叶えたいが、己にそれを果たすことができるとは思い難い。

この世界を破滅させることには何の感情も湧かないのに
ただひとりの娘に幸せを与える方法には散々思い悩む。
こんなことは、初めてだった。]
(D51) 2022/06/01(Wed) 7:26:23

【雲】 闇の精霊 アルカード

[―――結局、我はまた、
何もできなかったということだろう。
嘗て我をあの世界に喚び寄せた者たちに、
何もしてやれなかったのと、同じように。

……。

暗闇のなか、こうして思い出すのは。
初めて娘と出逢ったときの涙と、
我があの世界から消失する直前の、
あの泣き顔ばかりであるのだから]*
(D52) 2022/06/01(Wed) 7:27:12

【雲】 闇の精霊 アルカード



 ―――…。


[暗闇の中、我を喚ぶ声がした>>D59


それだけで、十分だった。
いつだって、我は娘の光を見失ったこと等ないのだから。
初めてまみえたあの夜から、ずっと。]
(D60) 2022/06/02(Thu) 5:59:40

【雲】 闇の精霊 アルカード



 ……。


[虚空へと差し出された娘の両手に
己の手を重ねるようにして、その姿を現す。]


 娘よ……本気で、言っているのか?


 たとえ、光の魔力を持っていたとしても
 お前は、まぎれもなく人の子だ。

 他者から愛される資格も、幸せになる資格もある。
 それを、むざむざ捨てるというのか?
(D61) 2022/06/02(Thu) 6:00:25

【雲】 闇の精霊 アルカード

[―――…。]
 
 
 ……莫迦だな、お前は。
 今更、名前な、ど……。


[言いかけて、口を噤んだのは。
以前、彼女に勧められて読んだ絵本の1フレーズ>>2:141


―――…ぼくがずっとほしかったのは名前じゃない、
名前を呼んでくれる人なんだ、と。


名前など、自分にはなかった。
だから、どんな呼ばれ方をしても気にならなかった。

それでも、この娘にアルカード、と。
仮の名であるはずのそれを呼ばれるたび、
不思議とあたたかかったことを思い出す。]
(D66) 2022/06/02(Thu) 6:08:59

【雲】 闇の精霊 アルカード

[ため息を一つ吐くと、瞳を閉じて。
頬に添えられた手を軽く揺すって離すように促す。]


 ……アウローラ。


[名前を呼ぶのは、これで二回目か。
娘の肩に手を回して引き寄せると、唇を重ねた。
掌越しではない、はじめての口づけ。 ]
(D67) 2022/06/02(Thu) 6:09:34

【雲】 闇の精霊 アルカード



 ―――…これが、我が返答だ。


[伝われ。]
(D68) 2022/06/02(Thu) 6:10:08