19:50:15

人狼物語 三日月国


147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

[メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ

視点:


到着:    インタリオ

【人】     インタリオ



[ 街の景観を華やかに保つ為、全ての陰りを受け入れたかのように。
  路地裏は暗く汚れ、何処か淀んだ空気を漂わせていた。

  素早い動きで入り込んできた野良猫は、痩せ細り毛並みが悪い。
  足取りにも靭やかさは無く、時折引き摺るようですらある。

  国を襲う貧しさが民から心の余裕を失くし始めている時代。
  ――人間の行き交う表の通りに、その居場所は無いのだろう。
   
  捕らえた鼠は彼もしくは彼女にとって、
  漸くありつけた久しぶりの食事だったのかもしれない。
  皮肉にも、哀れな小動物のほうが捕食者より肥えているようだ。

  その大切な肉を取り落し毛並みを逆立て威嚇した先には、
  二匹が背を向け一心不乱に逃げ去ったその空間には
  入り組む建物やゴミ箱以外何も存在しないかのように見えた。 ]
(14) ガラシア 2022/05/17(Tue) 15:04:51

【人】     インタリオ



[ 動物達すら何処かに消えた廃れ場に巻き起こる変化、
  科学と神聖では説明不可能の奇怪かつ冒涜的な現象。
  人間が鉢合わせることが無かったのは、彼らにとって幸福である。

  虚空から生じ落下していく“沈み彫りの装身具“インタリオ・ブローチは、
  硬質な音を立て転がる前に、黒い靄を噴出し始めた。

  やがてそれは人体を縁取り、より精巧に男性的な形を作り上げ、
  派手な髪型をした、全身を黒で包む背の高い男へと完成する。

  黒髪と黒服と異様な白肌で構成される彼が所有する色彩は、
  爪と両眼に宿している、鮮やかな黄色ただ唯一のみ。

  だが、表通りの方へと注ぐその丸い瞳にすら黒が含まれる。
  ――まるで狩猟の時を待つ猛禽類のようであった。 ]
(15) ガラシア 2022/05/17(Tue) 15:05:11

【人】     インタリオ



[ 不意にそれは細まり、何処か嬉しそうに笑顔を作る。
  血の通うようには到底見えない頬を薄紅に染めすらしている。
  年齢を定かとしない見目が、不気味な程一気に幼さへと傾いた。

  建築物で挟まれた狭い道から続く先の広い街並みなど、
  行き交う人々と、通り過ぎる車しか見えはしないというのに。

  何かを見出し光の元へと歩き出す彼の頭上の空を、
  夥しい程の数の烏の群れが飛んでいく。
  そのどれもが煩く喚き鳴き、一身に同じ方向を目指している。
  仲間達と共に、逃げようとしている最中かのように。

  猫、鼠、烏。
  今、この世界への“彼”の体現を知るのは動物達だけ。 ]**
(16) ガラシア 2022/05/17(Tue) 15:05:53
    インタリオは、メモを貼った。
(a2) ガラシア 2022/05/17(Tue) 15:08:19

【人】     インタリオ



[ 装身具の行方など知る由も無いだろう。>>126
  教会の走狗如きが重要性を分かりはしない。

  かつては別の形で悪魔の愛し仔が、
  現代では翠の星とその協力団体が各国でばらまいたことを知れども
  表向きには、愛し仔と志を同じくする者の証なのだから。

  どれ程優秀な才覚を持った細工師であろうとも、
  ただの人間ならば真の意味で完成は出来ないブローチは
  ゲヘナに縛られる悪魔の依代となり、体現を手助けする。

  神の使徒の預かり知らぬ陰で、幾度も男は現世に現れた。

  契約関係にある人間が永らく生き続けている為に、
  儀式を伴う召喚に応じることは無いのだけれど。
  持ち合わせた“嗜好“により活用される頻度は高い。 ]
(191) ガラシア 2022/05/19(Thu) 2:48:24

【人】     インタリオ



[ 軽快な足取りで表通りに姿を現したなんとも非現実的な男を、
  幼い子供が指を差し、母親は不思議そうに我が子を見つめる。

  殆どの人間達は反応すらしていない。
  時期にそぐわない肌寒さを感じた者達でも敏いほうだ。

  自分の信じる常識しか見れなくなってしまった自覚も無く、
  妄言に覆われた哀れな現代の人間達。
  彼らを全く気にもせずすれ違い、並び歩き、時にすり抜けて
  男はやがて車道へと歩み出た。

  向かって来る警察車両を見つめる表情はやはり笑顔だった。
  対し緊急の停止を試みけたたましく地を擦った車。
  つまり、少なくとも運転手は見えている。

  瞬間、男は跳ね虫のように跳躍した。 ]
(192) ガラシア 2022/05/19(Thu) 2:48:38

【人】     インタリオ


ヤッホ!

[ 巨大な棺桶に車輪を着けたようなその乗り物――護送車は>>125
  正面から見ると飛び出た丸いライトが、まるで虫の触角のようで。

  ボンネットの上に着地した悪魔に、親近感を抱かせた。
  ガラス越しに見える人間達は恐怖の表情で何が叫んでいるが、
  悪魔が関心を持つのは唯一人顔すら見えない敗北者のみ。>>123 ]

ねね、その後ろの仔ってアレイズ・クロウリーだよね?
君達よく捕まえたじゃないか、凄い凄い!

[ 間延びしたやけに愛想良く明るい声の主は、
  一度は停止しようとした筈が運転手の狂乱で暴走を始めた車の上、
  張り付いたように一向に振り落とされない男。

  運転手の喚きは悪魔と目を合わせて以降、
  恐怖を示すものから「見えない」と繰り返すように変わっているが
  理由について詳しく考える余裕がある者が果たしていたかどうか。
  
  布袋越しの籠もる声が何か反応を示しても、示さなくとも。
  形ばかり国僕の制服を纏った神の犬は、
  悲鳴ばかりで喧しく、再会の語らいを難しくさせている。

  おまけに銃まで抜いて、狙い始めるものだから。 ]
(193) ガラシア 2022/05/19(Thu) 2:48:53

【人】     インタリオ



ああ、もういいかぁ

[ やはり笑い混じりで場に不似合いな響きを持っていたものの、
  明らかに声の温度が変わる。
  元より猶予でしか無かった時間は望み通り短縮される。

  再び生じた黒色は靄というには歪に蠢き実体がある。
  それらは隔たるものなど無いかのように車両へ入り込み、
  哀れな人間達を車外に転がり出ることも許さず
  “音”と集合で包み込み逃さず、喰らいつく。

  未だ捕らえられたままの異端の主宰もまた、同じく黒に襲われる。
  ただし彼の身に立てられる歯は無い。

  視界を奪われたまま、無数の音と絶叫で聴覚もまともに働かないまま
  何処かへ落ちていくような感覚が、
  懐かしさがアレイズの全身と脳に齎されただろう。 ]*
(194) ガラシア 2022/05/19(Thu) 2:49:15