ついに仲間たちの反応が完全に掻き消えてしまった。
闇中で立ち続けるのは、こうも心もとないものなのか。

いつだって現実は厳しい。元より自分は弱者で、
誰かの庇護を乞わなければ生きていけなかったのに。

そもそも。
自分は早々に死んでしまうものだと思っていたのに。
いつから歯車は狂っていたのだろう。

どんなに苦しくても、望みが絶たれていようとも、
それでも生きていろ、というのは……
あまりにも酷な罰なのではないか？

いっそ殺してくれと願うことも、既に無くなった。

殺してくれそうな相手のアテすら、
もう無くなってしまったことだし。

(───最初よりも、ずっと、
　ずっと、悪い状況になってしまった。けど)


自分の責任だと認めることを、もう恐れない。

ひとりぼっちになってしまうことを、もう恐れない。

その身に代えてでも、
誰かを守ろうとした貴方達が、
貴方達自身を害することが、
何よりも、何よりも──痛かったからだ。

それを知るには少し遅すぎたが、
何もかもが間に合わなかった訳ではない。

少なくとも、前に歩くことはできる。
前に歩いて、罰を受け続けることはできる。

道が暗闇に沈みきって、途切れてしまうまでは。

日は、まだ確かにそこに登っている。

自分が終着点と思っていたところは、
とっくのとうに通り過ぎてしまった。
神様さえ知らない道の先。そこまで歩いてみたい。

(……頭が、痛い)

這って、タブレットと共に資料室を後にする。

例え自分が何に成り果てようとも、
誰かを生かして返したいと思う。

貴方達がオレに背負わしたのは、
きっとそういったものだ。

か細い生きる望みなら、より可能性のある方へ。
なんて簡単な話。