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人狼物語 三日月国


150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】

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ロク日の中 フカワに投票した。
カジヤマ日の中 フカワに投票した。
フカワ日の中 フカワに投票した。
ライカ日の中 フカワに投票した。
コゴマ日の中 フカワに投票した。

フカワは村人の手により処刑された。

ロクがこっそりお散歩したようだ。

月が姿を変え、新たな一日が始まった。村人は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?

叢雲が月を覆い隠し、偉大なる影が真の姿を曝け出す。
風に吹かれた花たちは、ただ散る事しか出来ない……
そして、死の絆によって結ばれた二人は、もう決して離れることは無い。

名前ID生死勝敗役職
運命の輪 エマmaster襲撃死
(2d)
敗北村人陣営:村人
  村人を希望
死が二人を別つまで ナオアキ66111襲撃死
(5d)
勝利悪霊:恋未練、宝玉
  恋未練を希望
晴の再路 カナイunforg00処刑死
(5d)
敗北人狼陣営:凶狼、宝玉
  凶狼を希望
日向の再会 マユミshell_memoria処刑死
(4d)
敗北妖精:歪狐、宝玉
  歪狐を希望
猶大 ロクshionsou生存者敗北裏切りの陣営:鼠人、宝玉
  鼠人を希望
暗夜行路 ヌイバリNineN処刑死
(6d)
敗北人狼陣営:焔狼、宝玉
  焔狼を希望
恋心★ナオアキ
篝屋に来た カジヤマtoumi_生存者敗北村人陣営:陽動者、宝玉
  歪狐を希望
日がな向き合う フカワbackador処刑死
(7d)
敗北人狼陣営:智狼、宝玉
  智狼を希望
ひとがすきな ユウキもちぱい襲撃死
(3d)
勝利龍人族:童子龍、宝玉
  童子龍を希望
間近の焦点距離 ライカotomizu生存者敗北裏切りの陣営:悪辣姫、宝玉
  悪辣姫を希望
棕櫚の主日 コゴマredhaguki生存者勝利龍人族:輪廻龍、宝玉
  輪廻龍を希望

【人】 棕櫚の主日 コゴマ

探索を終え、資料室へと戻る。脱出路は、見つからなかった。
道中で虚空に語り掛ける人影vilを追い払った鉄パイプは血濡れで、されど誰を守ったわけでもない。
手応えとして残るもののないことを、ただただ見下ろして。
何が出来ただろうか、と考える。今、そして、あの場に居て。

「……状況はどうだ。なにか、変わりはあったか?」

いつしか目上への敬語も、脱げるように抜け落ちていた。
最良を選び、加担することができなかったことは、どことなく脱力させる。
ひとりひとり、顔を見るように前に立ち止まり、声をかけるものの。
さして状況にふさわしい言葉が、出てくるわけでもなかった。
(0) redhaguki 2022/06/12(Sun) 21:43:56



【人】 日の中 フカワ


「ん………う、うん…………?」

ちょっと記憶が飛んだような。
青い歌が聞こえる方に行って、
そこから、そこから───どうしたんだっけ?

なんだか針に刺されたみたいに痛む所を、
やっとの思いで手を伸ばして、撫でさする。

『よかった』

頭上から降り注いだ、女性の声。
呆気に取られているうちに、
矢継ぎ早に降り掛かる説明と。
手元に差し出された、“使ってない方”の薬品。

本当は説明してから打ちたかったけど、
間に合わなかったら良くないから、なんて。

マジか、と息吐く間もなく彼女は去っていった。
(1) backador 2022/06/12(Sun) 21:55:11

【人】 日の中 フカワ



もう歌は聞こえない。
自分から漏れ出す声もきっとない。

「──マジかあ………………」

そんな急に終わるんだ。これ。
こんなに覚悟決まってるのに。
怪物達の仲間入りしてもよかったのに。

つくづく、終わらせてもらえないものだ。
(2) backador 2022/06/12(Sun) 22:04:21
フカワは、手渡された薬に視線を落とす。
(a0) backador 2022/06/12(Sun) 22:04:32

フカワは、資料室に行かなくてはならなかった。
(a1) backador 2022/06/12(Sun) 22:04:43

村の更新日が延長されました。

村の更新日が延長されました。

氷肌玉骨を手に ナオアキは、メモを貼った。
(a2) 66111 2022/06/13(Mon) 1:12:09

氷肌玉骨を手に ナオアキは、メモを貼った。
(a3) 66111 2022/06/13(Mon) 1:12:28

ナオアキは、会議室で猫ちゃんとお喋り。
(a4) 66111 2022/06/13(Mon) 1:13:03

【人】 晨星落落 ヌイバリ

目を閉じて、しばらく後のこと。
部屋に皆が戻ってきて、無事な人もいれば無事ではない人もいて。
それは分かっていても、どうにも目を開けることができなくて。

指先だけが熱くて、頭が急速に冷えていく。
まだ息をしている。けれど、それだけだ。
側から見れば眠っているように見えるだろう。
寝ずに待ってる、という言葉を嘘にしないためにも、意識だけは保っていた。

このまま指先から燃えていっちゃったりしないかな。
そんな馬鹿なことを、熱に浮かされた頭で考えていたところ。

ぶす、と遠慮なく腕に針が突き立てられた。
そのまま薬液が体内に注入されていく。

「痛ぁ!?」


思わず声が出た。
と同時に、体の自由が戻っていることにも気づいた。

あれあれ、おかしいな。殊勝に覚悟を決めていたはずなのに。
目を白黒させながら、数日ぶりに会う女性の姿を見て。
ああ、結木さんのことを信じてよかったな、とだけ、
最初に思ったのだった。
(3) NineN 2022/06/13(Mon) 15:25:58

【秘】 日の中 フカワ → シャッタードグラス カナイ


間に合うかどうか、とかそういう問題では既にない。

間に合わなくなる前に自ら終わらせたのだから、
今からすることは単純な自己満足に過ぎないのだろう。

何かの慰めにはなるか、と思って。
薬を片手に貴方の身体の前まで辿り着く。

「……誰でもいい、ことは、いいんです。

 けれど、選択の余地なんてものを寄越されたら、
 結局、貴方のことしか思いつかなかったんだ」

今手に持つこれは決して幼い頃に見た蘇生薬とか、
そんなファンタジー的な代物ではない。
曲がりなりにも薬物に精通している人間が、
そんな夢想なんかするべきでもない。

ただそれでも、万能薬にはなり得る。
相手にではない。己の無様に足掻く心に対するパナセーア。

「……頼むよ、ホント」

祈るように。暫し瞳を閉じて。

手の震えが収まったので、
徐にそれを、脈の止まった血管に突き立てた。
(-0) backador 2022/06/13(Mon) 18:49:27

【秘】 間近の焦点距離 ライカ → ひとがすきな ユウキ

「……どこまでも。
 あなたは人間のことを考えているんですね」

一通り貴方の言葉を聞いて。最初に会った頃のままだなあとか。
頼もしい言葉だな、こんな時なのに。とか。

感じる事は沢山あったけれど。

「先輩が言った通り、僕は記録係としてここに呼ばれたのかもしれません。
 ここに呼ばれたこと自体が、死に引き寄せられる僕にとって 最適な役割だったと言える気がします。偶然じゃなかったんだ」

「僕は全てを記録します。
 この施設の最初の形、最初に見たあなたたちの姿、それから崩壊していく姿。
 全部全部、記録済なんですよ」

「此処でなくなったもの、なくなっていくもの、そして此処から続いていくもの。
 僕はこれからも、追っていくつもりです。
 任せてください」

此処で朽ちていく運命にある貴方に、毅然とした態度で応える。
迷いはない。青年はきっと、貴方の願いを背負って生きていくはずだ。
(-1) otomizu 2022/06/13(Mon) 23:03:52

【秘】 シャッタードグラス カナイ → 日の中 フカワ


取り返しが付くか、取り返しが付かないか。

今になってそれを論じる事に大した意義など無いのだとしても、
ただ仮定としてそういったものを問うのであれば。
両者がこれまでに歩んで来た路の、
おおよそ大半は取り返しの付かない事に分類されるんだろう。

死んだ事実は無かった事にはならない。
死んだ事を受け入れた。

殺した事実は無かった事にはならない。
殺した事を受け入れた。

自らの行いは無かった事にはならない。
自らの行いを受け入れた。

犯した罪は、無かった事にはならない。
犯した罪を受け入れた。


取り返しの付かない事を認め、受け入れた。


一度生じた瑕疵罅割は決して無かった事にはならず、
それに対してできる事と言えば、痛みを和らげる事だけ。

この痛みを和らげる為に、また痛みを重ねる。
傍から見ればそんな愚かな行いだとしても。
(-2) unforg00 2022/06/14(Tue) 2:16:07

【秘】 シャッタードグラス カナイ → 日の中 フカワ


逃げて、逃げた事が瑕疵となって、また痛みを重ねる。
そんな生き方は、もうきっと断ち切られたのだろうから。
これまでの自分に、決別できたのだとしたら。

たとえどれほど痛みが伴おうとも、これからは。
向き合って、乗り越える事から逃げない。

だから今なら、これもきっと。
自らが恐れる何もかもに見ないふりをして、
無かった事にして逃げる為じゃない。
向き合って、乗り越える為の一歩だと思えるんです。
(-3) unforg00 2022/06/14(Tue) 2:17:10

【秘】 シャッタードグラス カナイ → 日の中 フカワ


けれど死者の歩みは止まったまま。
西日の路は覚束なくて、一人では日の下を歩けない。

人を殺しておいて、人に罪を背負わせて、その報いを受けもせず
のうのうと生きて行くなんて、できるわけがない。

──ひゅ、と かわいた空気の音がして


でも、それでも。

人を殺しておいて、人に罪を背負わせて、その責任を取りもせず
一人安穏と死んで居るわけにだって、いかないじゃないか。

指先が、ほんのわずか、痙攣じみて身動いだ。


けれど生者の歩みは止まらない。
その手を引いてくれる誰かが居るなら、きっとまた歩き出せる。
(-4) unforg00 2022/06/14(Tue) 2:17:38
カナイは、いたい場所へ戻る為に。
(a5) unforg00 2022/06/14(Tue) 2:17:46

【秘】 クラックドグラス カナイ → 日の中 フカワ


──死者が一切の瑕疵無く戻って来る事は無い。

現実は絵空事のように自分達に都合の良いものではない。
突き立てられる針が、自らに何を齎すものであったとしても。

死せる愚者は、 の ・・・を享受する。



朝日と共に、涼やかな風が吹き込むような。
冷たくて、けれど心地よくて、微睡みを拭い去るような清爽さ。

色なんてあるはずもないのに、
なぜか清浄な
青白さ
を感じ、そう認識するその感覚に
安らかで、けれど抗いがたい眠りから意識が引き戻されて。
胸の内に蟠っていたものが氷解していくような、感覚。


「────、」

重たい瞼が震えて、死の眠りから覚めた者の時間は動き出す。

死の間際の記憶が、フラッシュバックのように想起される。
神経を灼く激痛、寒気、遠退く意識、それから、──それから?

目の前に居るのは誰だ・・・・・・・・・・


定まらない視界、ぐらぐらと揺れる意識の中
目の前の誰かを混濁し混乱した思考のままに、
(-5) unforg00 2022/06/14(Tue) 2:19:07

【秘】 クラックドグラス カナイ → 日の中 フカワ

取り押さえようとして、けれど。
先まで死の淵にあった身体がそう言う事を聞くはずもなく。

「──ぁ れ、……?」

きっと伸ばした手はあなたの服を掴んだけれど、
逆に言えばそれだけがせいぜいだった。
力を入れ損ねた手足は身体を支えるバランスを崩して、
あなたに倒れ込むか、あなたと一緒に倒れ込むかの何れかだ。

「………ああ…」

視界が漸く像を結んで、
小さく掠れた声が零れた。

『私も……もう一仕事してから、そちらに行きますから。』

「…随分…はやかった、ですね……深和さん」

或いは、ずっと傍に居たのかもしれないけれど。
眠っている間の事まで把握しろなんて無理難題は言わないだろう。

ひどい悪夢を見て、飛び起きた後のようだ。
ずっとあなたから、あなた達からしていた嫌な気配がしない。
もう何も感じない。あの懐かしくも恐ろしい感覚も、何も。
けれど、けれど全てが些末な悪夢だったと思えはせず、
そして何より、そのようにしたくもなかった。

叶 西路にとって今自分が認識しているこの全ては現実で、
神も地獄も煉獄も天国も存在せず、比喩として在る概念だ。
つまりはきっと、今この現実こそが自らの歩むべき地獄なのだと。
(-6) unforg00 2022/06/14(Tue) 2:21:26
カナイは、針の路を歩く。
(a6) unforg00 2022/06/14(Tue) 2:21:33

【秘】 ラストリゾート フカワ → クラックドグラス カナイ


「───」

力の赴くままに押し倒される。

また映画か劇かを見ているようで、
それを現実のものと認識するには、暫し咀嚼が必要で。

最後の手段ラストリゾートに頼っておいて、なんとも情けない。

「ああ……思ったよりあっけなかった、な」

ここでの戦いも、ひとりで決めた決意も、
誰かの望みの、己の祈りも、その全てが、
実にあっけなく終わって、叶って、それだけ。

所詮自分は筋書きを変えられるほど強くなくて、
だから、ご都合主義とか、誰かの献身とか、
そんなものに頼らなくちゃならなかった。

日向と西への路を、遠くまで延ばした悪夢は、
冷たくて、苦しくて、怖くて、寂しい。

  ───だから この現実地獄で、貴方といたかったんだ。
(-7) backador 2022/06/14(Tue) 6:46:14
フカワは、ますますいたくなる。貴方のせいだ。
(a7) backador 2022/06/14(Tue) 6:48:18

【秘】 ラストワード フカワ → クラックドグラス カナイ


「後悔していることが、沢山あるんです」

「やらなくちゃいけないことが、まだ沢山あるんです」

もう心の音が勝手に代弁してくれるわけじゃない。
あらゆる考えを、自ら言葉にしなくてはならない。

ああなんて恐ろしくて、わくわくすることなのか。

「何からやればいいかわからなかったけれど、
 やはり、真っ先に貴方を起こして正解だった。

 ひとりじゃないから、怖くないと思える」

「叶さんが守ってくれたから、
 あの後……誰も欠けることが無かったんですよ。

 貴方のせいです。
 貴方のせいで、隠し事なんて出来なくなっちゃいました」

「だから───ありがとう。

 既に取り返しがつかなかったのだとしても、
 これ以上失わずに済んで、本当によかった」
(-8) backador 2022/06/14(Tue) 7:01:20

【秘】 クラックドグラス カナイ → ラストワード フカワ


倒れ込んだ先、その肩にとんと額をつけて。
ぐるりと目眩く視界に耐え切れずまた暫し瞼を閉じた。
死の間際の痛みも、寒気も、まだ名残のように身体に蟠っている。

「…………」

深く息を吐いて、その間も確かに鼓膜が音を拾う。
あの時と違って、けれどあの時と同じに。
その声が、その体温が、どうしようもなく安堵を齎すのは。

それで、いいんだろうか。

「……どうして、…」

なんて、それこそ愚問なんだろうけど。

「どうして、おれなんですか……
 …どうして、ありがとうなんて言うんですか。
 おかしいですよ……ほとんどは、おれのせいなのに」

あなた達を守ったのは、結果としてそうなったに過ぎなくて。
誰かを傷付け、不安を広げる者が居なくなったなら
その後誰も傷付く事が無いのは当たり前の事。

ここであった悲劇の大半はきっと、自分のせいなのに。
それじゃあまるで、ただそれだけじゃないみたいじゃないか。

自らの愚かな行いの、その責任を負う為に。
その為だけに起こされた、だけじゃない、みたいじゃないか。
(-9) unforg00 2022/06/14(Tue) 18:00:28
カナイは、いたいけれど、いたいだけではなくて、
(a8) unforg00 2022/06/14(Tue) 18:00:55

【秘】 クラックドグラス カナイ → ラストワード フカワ


赦されたみたいだとは、思わない。
罪が帳消しになったとも、思わない。
幾度も過った後悔や罪悪感、後ろめたさ。
それらが無くなったとも、思わない。

ただ、それだけじゃないように感じた、それだけ。

「………ねえ、深和さん。
 おれは……このまま生きていたら、きっと。
 いつか、また人を殺します」

一度踏み越えてしまった一線は、得てして抑止力を失うもの。

これが強さなのだとしたら、それは実に間違ったものだった。
恐れるものを、自分に不都合な筋書きを遠ざけようとして
ただ闇雲に猜疑と爪を振るい、牙を剥いていただけだった。
それが死の間際、漸く悔悟に至っただけの。

「そうならないように……そうしなくていいように。
 どうしたらいいか、今度は一緒に考えてください、ね」

自分達は同罪で、一人ではない、
互いに頼る事のできる仲間。そんな関係が、今も続いているなら。

もう一度、ゆっくりと息をして、緩慢に身を起こす。
調子も気分も良いとは言えないけれど、幾分ましになった。
であればこれ以上寝ているわけにもいかなくて。
(-10) unforg00 2022/06/14(Tue) 18:05:10

【秘】 晴の再路 カナイ → ラストワード フカワ

──この意思はそれらの疵を戒めとして残す事を選んだ。

あなたに疵だらけの右手を差し出して、引き起こす。
こんな疵と血に塗れた両手でも、もう嫌とは言わせない。

「あなたが生かしてしまったんですから」

あなたが再び同じ日の中へと手を引いたのだから。

「それもこれも、おれのせいだから」

あなたに同じ罪を背負わせてしまったのだから。

「責任を持って……責任を取らせて、くださいね」

きっと、まだ。
終わっていない事も、叶っていない事も沢山あって。

だからきっと、この路の先は、長く遠く。
(-11) unforg00 2022/06/14(Tue) 18:06:40
カナイは、晴の路を歩く。
(a9) unforg00 2022/06/14(Tue) 18:06:47

カナイは、いつかその中で、同罪とか、同族とか、責任とか。
(a10) unforg00 2022/06/14(Tue) 18:06:53

カナイは、それら建前が無くとも、同じ路を歩めたなら。
(a11) unforg00 2022/06/14(Tue) 18:06:59

カナイは、あなたを、あなた達の事を、正しく好きになれるのだと思う。
(a12) unforg00 2022/06/14(Tue) 18:07:06

【人】 棕櫚の主日 コゴマ

――エマの助けを受け、暗澹たる状況は晴れ始めた。
今まで混乱のために見えなかったものも、少しずつ見え始め、
互いに向けられた不安も、ひとつひとつ解消されてきた。
自分たちで協力しあったなら、今度こそ欠けることなく外に出られそうだ。

>>3 伊縫
彼が治療を受けている様子を見て、ほっとしたように歩み寄る。
顔色はまだ悪いかもしれないが、今なら安心できるような、気がする。
以前にもこうして様子を確かめた気がする。その時には、今よりもずいぶんひどい状態だったが。

「……大丈夫か?
 だいぶん調子がよくなかったようだが。
 エマの説明までは、聴こえていたか?」
(4) redhaguki 2022/06/14(Tue) 18:13:13

【人】 海底撈月 ヌイバリ

>>4 古後

しばらくはあちこち体を確かめたり、眉間に皺を寄せてなにごとやら考えていたようだ。
顔色はまだ万全とは言えないが、それでもあなたを見るとぱっと破顔した。

「愛施!おかえり!
ん〜…………ちょっと熱っぽかったんだけど、薬打って貰ったら楽になったよ。気が抜けたのかなあ。
あ、ちゃんと説明は聞いてたからな!目閉じてただけで、寝てたわけじゃないからな!」

少し考え込むような、誤魔化すような物言いだった。
死の予感は実際のところすぐ間近までやってきていてものだから、あれは薬の副作用だったのだろうと青年は考えている。
去った危険については知らせない方がいいだろう、と判断して、自分から言い出した約束は決して破っていないと必死にアピールする。

「あれ、そういえば愛施はもう注射したのか?」

なんだか予防接種もう行った?とでも言うような、気軽〜な問いかけが飛んだ。
(5) NineN 2022/06/14(Tue) 21:28:14

【秘】 日がな向き合う フカワ → 晴の再路 カナイ


「貴方がそうならないように。
 今度は決して取りこぼさないように、
 オレももっと、しっかりしていきます。

 お互いに大事なことを突然頼んだり、
 あるいは一人で抱え込んだりしなければ、
 きっと───もう繰り返さないはずです」

勿論全てが上手くいくわけじゃないだろう。
やはり当たり前のように悲劇的な事は起こるだろうし、
また、追い詰められてしまうことだって、きっと。

それでも、過ちを認めて、逃げずに立ち向かい、
頼るべきものに頼るなら、同じ結果には絶対にならない。

掴んだ手をあの時のように両の手で握って、
確かにそこにある人肌の熱が、こんなにも嬉しくて。

「オレだって……結構、頭がおかしいんだと思います。
 ええ、貴方の言う通り。間違いはなくって。
 だから、だからこそ必要なんですよ、叶さんが」

思わず、皮肉気に言う。何を言っても、
我々は端から一人では生きていけない、強くない人間で、
力を合わせればそれなりに頑張れる、弱くもない人間。

分かってしまえば、やはりそれだけの簡単なことだ。
(-12) backador 2022/06/15(Wed) 12:48:10

【秘】 晴の再路 カナイ → 日がな向き合う フカワ

「おかしな人ばっかり」

そういう約束、ではあったけれど。
この罪ばかりを重ねた手を必要として、
こんなどうしようもない人殺しに『ありがとう』なんて言う。

罪人として西へ行き着く絞首台へ上る事よりも、
その罪咎を背負って、なおも日の下で生きて行く事を望む。
気付けば周りはそんな人間ばかりのようだった。

「…真っ当じゃないのは、同じなんです。
 だからまたあなたを間違った事に巻き込むかもしれないし、
 暗闇の中で咄嗟に進んだ方向が合ってるとも限らなくて……」

結局のところ、叶 西路は歪な人間だ。
けれど正常な道徳観は持ち合わせていて、
モラルに反した行いを咎める良心や理性もある。

やりたくない事を、それでもやらなければならないと
そう思い詰める事さえ無ければ普通の人間で居られた。
そんな、何処にでも居るような、運の無い人間だ。

「だから……おれにできる事は、過ちを認めて、向き合って
 もう繰り返さないように。それを忘れない事と、…」

「これからも、あなたと一緒に。
 二人で同じものを背負って、分かち合う事だけです」

結果として、やる事は初めから何も変わらない、簡単なこと。
一人で抱えるには重すぎるものを、二人で抱えるだけ。
(-13) unforg00 2022/06/15(Wed) 21:08:19