「ねェ〜エマちゃんスマホある？ アタシ持ってないのよォ」

　よいしょと軽く腰をかがめ、彼女に話しかける痩せぎすの男がいた｡どうやら日時を確認したかったらしい。教えてもらえば、「あー」だとか「んー」だとか少し唸り、礼を言う。

　それから、集まった人々の方に顔を向けた。

「自己紹介だったわね？
　奈尾 秋ですよ、好きに呼んでちょうだいな」

「科捜研の研究員なんだケド、どんなイメージある？
　ドラマは見たことないのよねェ、アタシ」

「皆がどういうイメージ持ってるかはわからないケド、
　お巡りサンじゃないから気楽に接してくれるとうれしいわ？」

「こんな状況ですもの、
　持ちつ持たれつで助け合って損はないと思うんですよ。
　無理強いはしないケドね、トーゼン」

「ああ、この格好？ 入院でもしていたんじゃないかしら。
　なんか直近の記憶が曖昧なのよねェ……
　…少なくとも三日前には働いていたと思うんだケド」

「ほら覚えてる？ 十日くらい前のー…
　…ああ、これは雑談になっちゃうわね。
　さ、お次の人どうぞ？」

名前：奈尾 秋（ナオ アキ）
性別/年齢：男/30
職業：科学捜査研究所の研究員
ひとこと：　
「逮捕しちゃうぞ〜☆って、冗談にしかならないのよねェ」