人狼物語 三日月国


170 【身内RP村】海鳴神社の淡糸祭

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到着:闇崎 宵稚

【人】 闇崎 宵稚

― 序 ―

[安物の軽自動車でも、窓を開けていれば
潮の匂いを感じるのは然程難しくない。
茹る暑さは都会よりマシだし、ある程度風に流され
ドライブするには最高の夏と言えよう。

けれど今の俺にとって。
夏なんて、季節なんて、どうでもよかった。
この時期に帰ってきたのは偶然だった。

耿耿と反射する海の光の粒と、
ラジオのノイズが呼応して、パーソナリティは俺の気分とは裏腹に陽気な声で次のナンバーを紹介する。]
(3) 代食 2022/08/15(Mon) 0:44:59

【人】 闇崎 宵稚

『――それでは本日ラストナンバー!
今年の夏のミュージックランキング第一位!』


[ラジオから流れる音楽に興味がないわけではない。
爽快なトランペットとギターがメインのポップス。
歌うのはデビューしたての若手アイドルグループ。
突発的な人気を掻っ攫うには十分なヒットチャート。

青く爽やかな歌声が右耳から左耳へ筒抜ける心地は、
今の俺にとっては寧ろ不快感に近い。
故郷の潮の匂いだけが、感情を誤魔化している。

曲が終わり、パーソナリティがトークに入る。
その言葉を遮るようにして、俺はラジオのスイッチを
切り、以降ただ黙ってハンドルを握っていた。]
(4) 代食 2022/08/15(Mon) 0:45:38

【人】 闇崎 宵稚

「…………」

[途端に静まり返った車内には、
窓から通り抜ける風の音が小さく響いている。
車の速度を少しだけ緩める。

波の音が聴きたかった。
]
(5) 代食 2022/08/15(Mon) 0:47:17

【人】 闇崎 宵稚

「…………」

[すぐ物足りなくなって、速度はさらに遅くなって。
安い駐車場を見つけては、適当に停める。

村の中でも都市部に近いこの海浜公園は、
殆ど入り口・・・で、村の中とは言い難い。
都合のいい観光地――海水浴場だった。

今なら叔父叔母に連絡する事は可能だろうか。
あの人達に会うだけなら。
僅かに、憧れる未来を想像して携帯を取り出す。]


[……でも、
万一、復縁・・でもしていたらどうしようか。
会わせる顔が無いのは自分の方だ。]

(6) 代食 2022/08/15(Mon) 0:50:43

【人】 闇崎 宵稚

「………………いや、」

[そんな事、あるはず無いか。
心の中の否定が声に漏れ、目を伏せる。
携帯を雑にポケットに突っ込んで、
軽く荷物を纏めて車を降りて、愛用のサンダルに履き替えた。

砂浜を歩くなら此方の方が楽で良い。]

*
(7) 代食 2022/08/15(Mon) 0:51:51

【人】 闇崎 宵稚

[少し歩けば、寂れた防波堤が見える。
漁師の船は既に仕事を終えて静かに並んでいた。
普段なら閑古鳥の鳴く干物屋に、珍しく客がいる。

地元の人間じゃないと直ぐに理解出来たのは、
若い真っ白いワンピースの女と、
これまた若く派手な茶髪の男だったから。

あんな奴ら、興味本位か冷やかし以外で
田舎の干物屋なんかに来るものかと、内心呆れた。

旅先の旅館で食べた刺身が美味しくて、つい
干物を土産にと思う気持ちは理解出来なくもないが。

この地元が嫌いというわけではない。
寧ろ、それなりに愛していると自負している。

だからこそ正直に言って、
海鳴はつまらない田舎村だと断言できる。
>>n3 唯一誇れる神社も、鳥居を見れば
それ以外に珍しいものがあるかと言われれば、無い。

つまり、あのカップルの目的といえば
さしずめ浅い縁結びの噂を聞きつけたのだろう。]
(8) 代食 2022/08/15(Mon) 0:53:59

【人】 闇崎 宵稚

[神社に願ってはいけないから。>>2
神社に願う代わりに、『お守り』に願えばいいと。
きちんと一年身につけてお焚き上げに来れば、
その身は守られながらも願いは叶うと。

そんな『迷信』から売り出されたのは、ここ最近。

――少なくとも、俺が高校の時にはまだなかった。
身近な所で、地元の都市化を感じてしまう。

そもそも『言い伝え』自体、現代に於いて
信仰深いオカルトマニアが知っているくらいの話だ。
かくいう俺も、さほど信じてはいなかった。]
(9) 代食 2022/08/15(Mon) 0:54:53

【人】 闇崎 宵稚

[…あのカップルが、この辺を歩くのに、お守りと
干物購入だけで用事を済ませるとは思えない。

緩慢な動きで空を見上げる。
害とすら思える陽光に目を細め、項垂れる電線に
明かりのない紅白の提灯が道に連なっている。

それをみて、ようやく合点がいった。]
(10) 代食 2022/08/15(Mon) 0:55:18

【人】 闇崎 宵稚

(観光客が、歩く時期……)


(……そう、か)



[ 祭りが、近かった。 ]

[ 祭りの時期すら、頭から抜け落ちていた。 ]
(11) 代食 2022/08/15(Mon) 0:55:58

【人】 闇崎 宵稚

[視線を降ろして、
波に目を向ける。音に耳を傾ける。]


[潮の音。]
 [波の音。]
  [
海の音
。]
(12) 代食 2022/08/15(Mon) 0:57:05

【独】 闇崎 宵稚

 


    
……かいと、



 
(-0) 代食 2022/08/15(Mon) 0:57:55

【人】 闇崎 宵稚

 ………、……。

[元気でやってるのかな。

海を凝望しそんな思考に行き着く。
叔父叔母より、両親より、顔が見たいと望むのが、
アイツ・・・になることは、もはや自然とさえ思えた。

ポケットにしまっていた携帯を取り出して、
メッセージの電話帳を下へ、下へとスクロールする。

もはや思い出せない人物達の間に、
鮮明に思い出せる人物の名前を見つけては。
不格好に文字を入力、しようとして。



……何を、今更と。
再び躊躇ってしまうけれど。]
(13) 代食 2022/08/15(Mon) 1:00:19

【人】 闇崎 宵稚

(……大丈夫)

(大丈夫、だよな?)



[あんなに話した筈の幼馴染に、親友に、
妙に緊張する意味が、自分の中で噛み砕けずにいて。


――否、客観的に見ればそれも当然といえば当然だ。
このメッセージどころか、高校卒業以来、
それこそ縁が切れたかの如く顔を会わせていなかった。



唐突に声をかける不安だけで心境を上塗りし、
勢い任せに数件メッセージを送っていた。]
(14) 代食 2022/08/15(Mon) 1:03:45

【人】 闇崎 宵稚

 

『 海音、久しぶり 』

『 俺。闇崎宵稚。 』

『 送れてるってことは、連絡先変わってない? 』


 
(15) 代食 2022/08/15(Mon) 1:05:36

【人】 闇崎 宵稚

[…なんて当たり障りない言葉なんだろうか。
俺が著名人なら詐欺を疑われてもいいレベルだ。

しかも、言葉が続かず。
──反応も怖くて。

それ以上送る事ができなくなっていた。

こんなに俺は言葉のでない奴だったっけか。
学生時代は、もう少しまともに振る舞えてたと。
……そうであったと、自負していたのだけれど、

その記憶すら、曖昧になっている気がした。]
(16) 代食 2022/08/15(Mon) 1:06:52

【人】 闇崎 宵稚

(……返事が、なかったら、)

(それは、それで。…・・いいか)

[今日一日、空虚を抱いて過ごすつもりだった。
予定通りに、事が進むだけだ。
何もなかった、メッセージなんて送ってなかった。


ただただ、旅路の果てに故郷に戻ってきただけ。


自身の胸中を騙して、過ごせれば良い。]
(17) 代食 2022/08/15(Mon) 1:07:31

【独】 闇崎 宵稚

 


[きっと「お前」がいなくても、
代わりに、この音がごまかしてくれるから。]


 
(-1) 代食 2022/08/15(Mon) 1:08:10

【人】 闇崎 宵稚

 
[数度、自分に思い聞かせて、車に戻る。
もう少しだけ、村の見知った方に近づくべく、

再び無音のまま、緩やかな速度で走り始めた。]**

 
(18) 代食 2022/08/15(Mon) 1:08:49
闇崎 宵稚は、メモを貼った。
(a0) 代食 2022/08/15(Mon) 1:11:32

【独】 闇崎 宵稚

/*
ペア村だっつってんのに2,000字近くソロルぶちかましてるのはだーれだ!!

俺俺俺俺俺俺俺俺!!!

勢いで村したーい!って強請った結果なので、
きちんと努めたいです!
きれいなロルをめざしたいです!
改めてお願いします師匠!!
(-2) 代食 2022/08/15(Mon) 1:14:24

【独】 闇崎 宵稚

/*
三日月の装飾すっごい 
隠れタグとか全然知らなかったゾ…

単語挿入機能にぶちこめるかな
(-3) 代食 2022/08/15(Mon) 1:16:02

【独】 闇崎 宵稚

/*
ばかくっそなげえ幼少期考えてたし
齟齬らないうちに連投すっか!とおもったら

名前が見えてヒュッ ってした 俺の俺の俺の海音!
(-4) 代食 2022/08/15(Mon) 8:23:41

【独】 闇崎 宵稚

/*
簡易メモに後ほどってある
なら先に回想連投しちゃおうかな
(-5) 代食 2022/08/15(Mon) 8:27:59

【人】 闇崎 宵稚

― 回想 ―

["アイツ"の知る俺は、
俺の思った通りの存在だっただろうか。>>16
比較的物静かだったけれど、無口なわけではなくて。]

 かいと。おうた、歌お?
 きょーはね、これ、これがいい!

[……そんな風に無邪気に手を取った事もあったけど、
さすがに、今は見る影もない。
両親がまだまともで、
普通で、在り来りといえば、そうなのだが。
成長するにつれ、様々なものに目を向け始めて、


やがて『歌が好き』であることは──自分でも、忘れてしまって。
素直さと一緒に影を潜めていって。]
(19) 代食 2022/08/15(Mon) 8:30:23

【人】 闇崎 宵稚



 ……海音、運動部と文化部、どっち入る?
 …俺、決められなくて。……海音と、一緒がいい。

[小学生や中学生の時、
自我が弱くなって度々そんな風に問うて、
もしかしたら困らせていたかもしれない。

心の内を比較的明かせたのは、両親と"アイツ"だった。
なんとか、アイツの背中を追って人並みの成長をした。

在り来りに歪が生じたのは、高校の時だった。]

 
(20) 代食 2022/08/15(Mon) 8:31:07

【人】 闇崎 宵稚

 ……軽音同好会…

[高校一年、部員募集の広告で埋まった掲示板をじっとみる。
聞けばソコは先輩達が引退して、部員数が足りなくなり、
顧問も寿退社で離れたとかで、軽音部というには静かだった。

けれど、先輩たちの残した楽器たちだけが、
倉庫にひっそり残っていて。

先生や残っていた人間に、触ってもいいかと訪ねて。
ホコリを被っていたひとつにふれた。
学生が扱ったに相応しい安っぽいアコースティックギター。

弦の爪弾き方も、譜面の読み方も知らなかったけれど、
幼少期に感じた高揚感が体の奥底から湧き上がって、

テストの成績も運動能力も少し衰えたけど、
関係なく、音楽というものに没頭した。]

(21) 代食 2022/08/15(Mon) 8:32:06

【人】 闇崎 宵稚

[俺は好きなものを『音楽』と言えるようになって。
元々友として慕っていた"アイツ"に、共有したかった。]

 なあ海音、あの…笑わないで、聞いて、くれるか。
 ……曲、作ったんだ。作ってみたんだ。

 歌って……みても、いい?

[ほんの少し前向きになって。
アイツの目を昔より見れるようになって。
気持ちを、歌に乗せるという手段を思いついてからは、
できた稚拙な曲を、聞かせた、聞いてもらった。

たくさん、たくさん。
どの曲だって、一番に聞かせたのは、お前だけなんだ。


ヘタと思われてもよかった。でも、上手いと言わせるまで、
何度だって曲を作り直して、披露した。]
(22) 代食 2022/08/15(Mon) 8:32:48

【秘】 闇崎 宵稚 → 鳴海 海音

[没頭していった理由には、もうひとつ。
その頃、家に帰宅すると、
両親が家に居ないことが増えていた。

テーブルには『2人で食事に行ってきます、適当にやってください』と。
些細なメモ書きと千円札が置かれる事から始まった。

それが歪の始まりとは知らず、
ほんの少し留守を務める程度にしか感じていなかった。

長い違和感というものは神経を鈍らせるもので。
書き置きがなくなり、お金がなくなり、
昼夜問わず家に両親がいない時間が増え、
それが『ネグレクト』と言われるに値するに、
十分であると、気づいたのは、いつだっただろうか。

引き取ってくれた叔父からそう伝えられても、初め、信じがたかった。
バイトを始めたことによる自立を見ての事だと思ったのだけれど、
一週間家を開ける違和感に早く気づけと叔母に叱られたものだ。

俺からすれば。
世間的にいう虐待よりは、比較的まともで、甘くて。
中学までは当たり前に世話をしてくれた両親の態度の急変。

人間の土台っていうのは三つのときには出来上がっている。
在り来りに、愛されている人間だと思っていた。


──思いこんでいたんだ。だから、]
(-6) 代食 2022/08/15(Mon) 8:34:25

【人】 闇崎 宵稚




[ …その頃には。
 他に聞かせるべき相手がいなくなっていたのだ。 

 客観的に、依存と思われることもあったかもしれない。] 



 
(23) 代食 2022/08/15(Mon) 8:35:14

【人】 闇崎 宵稚

["アイツ"は、どんな目で俺を見ていたんだろう。

後ろからついてくるばかりの俺の事を
『変わった』と思ったのだろうか。
『昔の姿に戻った』と思っていたのだろうか。

──それとも、気が触れたとでも思われていたのか。


 当時の俺には、わからなかった。

 俺の言葉の何が琴線に触れてしまったんだろう。
 …卒業式の日、どうして、アイツは──]



 **
(24) 代食 2022/08/15(Mon) 8:36:43
 




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