かつ、かつ。
硬い靴底が床板を鳴らす音。

「嗚呼、嗚呼！
　これはこれは新たな来客と言うことかね。
　素晴らしい！　歓迎するよ我が舞台へ。愛しき舞台人達よ。」

さらり、髪を掻き上げる。

「なんて、私も勝手に滞在している訳だがね。
　それよりも、さあ、さあ！
　今宵は誰が……私と戯曲の上で踊ってくれる？」

「―――相変わらず喧しい挨拶でした。
　彼らのことは酒でも飲んで眺めるのがいいんじゃないです？」

座長の方を向きため息をついて。
戸惑う彼ら、悪態をつく彼らを見る。
珍しい顔ぶれと思いつつ反応があるなら手を振った。

「それにしても、珍しく賑やかな連中が集まってきたな。
　一騒動、起きてもおかしくない気がするぞ」

「ただいま！今日も収穫がなかったアタシよ！！！

ねぇねぇ、さっきお酒って言ったのが聞こえたわよトゥラトゥラ！トラっちゃん！
お酒飲むならアタシも混ぜなさいよね！」

バタバタと騒がしく、二人のいる方にビュン！

なお、この賑やかな女は呼び方がコロコロ変わる。
今の気分はトゥラトゥラとトラっちゃんだそうです。
今朝まではシーちゃんとヴィヴィでした。