>>+38　神谷
鏡沼とて、あなたの反応を見て、対応を失敗した気はしている。
……が。それはもう最悪、後で何とかすればいい。
そう思い、一旦脇に置いておく事にした。

「ええ。アンタの異能が、他人に自分を見間違えさせるって
　感じのものじゃねぇかって聞いて────」

響く悲鳴。
そして、あなたの縋る様な言葉。
今までの反応を加味すれば、鏡沼も流石に気付いた。
全ては繋がっているのだと。

「今、『なんでも』って言いやがりました？
　……なんて、お約束の返しをしてる場合じゃねぇですね。
　問い詰めようと思ってねぇってのは、マジだったんですが。
　そうも言ってらんねぇんみたいですね。この様子だと。
　アンタ、」

そう、微笑んだまま訊ねた。
あなたの口下手も相まって、状況（>>+20）を聞き出すのには
相応の時間が掛かるだろう。

下手したら、聞き終えるのは被害が拡大した後かも知れない。

「……しっかし、参っちまいましたねぇ。
　異能抑制剤は手持ちがねぇですし、アクセはありますが
　これ貸すと、それはそれでえらい事になっちまうんで。
　アンタを気絶させてやれる様な手練れでもねぇですし。
　誰か呼んじまっても、構わねぇですね？」