人狼物語 三日月国

113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】


【人】 仮面の役者 フランドル

>>23 アイシャ

きっと率直な賛辞を受けて、眉を下げて笑った後。
貴方が両手で差し出した花を、役者は片膝ついて受け取った。
その光景は宛ら舞台のワンシーンのよう。

「どうにもね、改めて言われると気恥ずかしいものだ。
 けれど、きっと君の言葉に恥じない私で居ようとも。
 ……さて、さて…」

役者は徐に立ち上がり、提げていた短杖を手にとって。
かつん、と床を一度叩いた。

「──皆へと花を贈る君にも、贈られる花が無ければね!」

舞台の上ほど声は張らず、けれど淀みなく謳い上げる。
そうして貴方の前に舞い降りるのは、一輪のカランコエ。
その花言葉は、貴方なら知っているかな。

「たった一時ばかりの幻、心ばかりの贈り物ではあるけれど。
 どうか受け取ってくれるかな、小さなレディ?」
(28) 2021/12/11(Sat) 0:28:58