人狼物語 三日月国


114 【半突発R-18】Snow white Festival【飛び入り歓迎】

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【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 殆ど無意識に溢れてしまう涙を拭う温もりひとつさえ、
 女をどこまでも甘やかすものだ。
 ―――― ひとりでも大丈夫だと思って生きてきたのに
 …… 与えられる体温も甘さも、一度触れてしまえば
 後戻りが出来なくなりそうだけれど。
 例えそうなってしまっても良い、と思ってしまったのだ。

 兎は独りで生きていけないのだから
 ―― … 彼をもう、海の世界には帰してやれないし
 一生を縛り付けてしまって、
 綺麗な人魚を同じところまで堕としてしまおう。

 
(*0) 2021/12/14(Tue) 10:28:44

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 などと、この女は考えていたのだけれど。


  「 ッや、
     重い……から、降ろして… 」


 そっと抱き上げられれば、そんな思考も霧散する。
 魔術の研究に託けて食事を抜く方が多く
 体格も合わせれば女の身は確かに軽いのだけれど
 気にしてしまうのは、乙女心というものだ。

 己を抱き上げる彼の腕が、存外筋肉質であることにも
 この状態では意識せざるを得なく。
 ―― 兎は大人しく腕の中に収まって。
 
(*1) 2021/12/14(Tue) 10:28:50

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 …… ぁ、う……
    … 耳、触りたいの……? 」


 こんな耳を触っても、何も楽しくないのではないか。
 それともふわふわしたものが好きなのだろうか。
 ぐるりと疑問符が脳内を巡り、ちいさく言葉を紡ぐ。

 ローブを剥ぎ、白いワンピースにも伸ばされた手は
 どこまでも穏やかな手付きで。
 …… 時折体を撫でられれば、びく、と肩を揺らし
 咄嗟に足を動かすのだが。
 縫いとめるように足の間に彼の膝があるものだから、
 体を動かして微かな快感を逃すことは出来ない儘。

 
(*2) 2021/12/14(Tue) 10:28:54

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 ふにゃりと気恥ずかしそうに微笑めば、
 愛玩動物さながらの耳もぱたぱたと揺れる。
 彼の頬が耳へ寄せられ、そのまま触れ合うのなら
 女はシーツをきゅう、と握り締めた。


  「 ん、……ッ 」


 この程度の触れ合いならば発情には至らないとはいえ、
 耳や尻尾は兎族の弱点だ。
 零れ落ちてしまいそうな声を飲み込んでは
 髪や額に口付けが降るのなら、それも受け入れて。

 
(*3) 2021/12/14(Tue) 10:29:07

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 発情も何もしていない状態で、
 こんなにゆっくりと触れられるのは初めてだ。
 ―――― 壊れてしまうと錯覚する程うるさい心臓も
 撫でられるだけで奔る痺れも。


 手酷く抱かれる方が慣れているから。
 こんな状態が続けば理性も何もかも失う気がして、
 未知へ怯える子どものように瞳が揺らぐ。

 
(*4) 2021/12/14(Tue) 10:29:12

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 けれど、それでも
 ―――― 彼の甘さと優しさを手放すのは嫌で、
 女は何もかも曝け出すように
 身体から力を抜き、食べられるのを待つうさぎのように
 自分を縫い止める男の顔を見詰めた。*


 
(*5) 2021/12/14(Tue) 10:31:52

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 
          ―――― 夕刻/自宅 ――――



 呪いを 使ったことは無い ≠ニいう言葉に
 虚偽も嘘もなにも含まれてはいない。
 ―――― 高位魔術師らしく知識を豊富に持ち、
 一介の術師では手を出そうとも思わないような
 呪いに関することさえ識っている。

    少女の、女に対する認識は
    凡そそんなもので良いだろうと思ったのだ。
    …… それが正解とは呼べずとも。


  だから本当は、この少女に言うべきは ――――

 
(3) 2021/12/14(Tue) 11:58:00

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ―――――― 魔力を使わずに
    貴方に掛けられた呪いを …… 」


 >>2:358 女がいよいよ露骨に眉を寄せたのは、
 彼女が腕輪を外した途端、
 決して軽くはない呪術のにおいがしたからだ。

 パイ屋で出会った時、強い魔術の気配がしたのは
 恐らくあの腕輪が原因かとアタリを付けて。
 緊張感と得体の知れなさに
 女の瞳がいよいよ強張った ―― ところで。

 
(4) 2021/12/14(Tue) 11:58:22

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 人魚の彼が温かい飲み物を届けに来てくれたなら
 そっと、女は眦を緩めるのだ。
 ありがとう、と微笑んで礼を紡ぎ
 わざわざ用意してくれたのだろう蜂蜜を紅茶へ入れて
 適温まで冷まされた紅茶をこくん ―― と飲む。


  「 …… 美味しい 」


 呪術への防御反応のせいか、すっかり冷えていた指も
 ティーカップのおかげで幾らか温かい。
 二人が知り合いらしき会話を交わし合うのならば
 女は邪魔することなくそれを聴いていよう。
 
 
(5) 2021/12/14(Tue) 11:58:32

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 いや、冗談が分かり辛いのではないだろうか。>>2:364
 物の見事に信じ込んだ少女の気遣いに>>2:366
 女は長いローブの袖で口許を隠し、肩を震わせた。
 

  「 ふふ、…………っ」


 何なら笑い声も噛み殺せてはいないのだが。
 深呼吸をし、なんとか肩を落ち着かせた女は
 は … っと息を呑んでは、ぷるぷると頭を振った。

 依頼主の前では、どんな時も緊張感と
 魔術師らしい威厳が必要である――という持論の元。

 
(6) 2021/12/14(Tue) 11:58:37

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 … テレベルムと知り合いみたいだし
    出来る範囲で、貴方の依頼を受けてあげる。

    そもそもどうして、貴方みたいな子に
    そんな呪いが掛かってるの?
    ―――― 恨みを買ったにしても…… 」


 些かその呪術は古すぎるのではないか、と。
 …… 世間一般が想像する魔術師のように
 つん、とした顔で、女は問いかけてみるのだけれど
 緩んだ顔の後では、手遅れだったかもしれない。*

 
(7) 2021/12/14(Tue) 11:58:45

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 


  「 垂れた耳なんて気持ちが悪い。 」
   そう言った同族に後ろ指を指された。
  
  「  こんな子供、扱い切れない。 」
   そう言って両親は私の手を離した。



    同じじゃない存在は恐ろしい。
    ――――  世界に私は必要無かった。


 
(8) 2021/12/14(Tue) 14:09:44

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 


       

          ……………… 。



 
(9) 2021/12/14(Tue) 14:09:52

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 最初に魔術を修めた。
 すごいね、と褒めてもらいたくて
 ―― だれかに存在を認めてほしくて。


    けれどそれが叶わないと知った時、
    私は次に呪いを学んだ。
    自分を捨てた両親も同族も、人間も
    殺してやりたいくらい憎かったから。


  結局呪いも殺すことも出来ずに
  私は、人間を造る魔術を編んだ。


 
(10) 2021/12/14(Tue) 14:09:59

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

   人間になりたいのは、本当。
   ―――― でも私だって理解ってた。
   器を変えても、なにをしても
   …… 愛されなかった過去は変わらない。


   人間になりたかった。
   そんなことをしなくても肯定されたかった。


   人間に為りたくなかった。
   そうしてまで、もう 生きていたくなかった。

 
(11) 2021/12/14(Tue) 14:10:08

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 



   私が、私を肯定されたかったから。
   ――――― 否定されるのは、


      ………… 行き場を失ってしまうから ……


 
(12) 2021/12/14(Tue) 14:10:14

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 抱っこして、と強請るほど幼い子どもではないけれど
 きっと彼はそんな我儘も叶えてくれる気でいるのだろう。
 ―――― つい昨日まで対等であったはずの彼が、
 何故だかすこし、……すこしだけいつもより大きく見えて
 女は微かに息を吐いた。


  「 ぅ、……はずかしいから、
    あんまり言わないで…… 」


 何せ耳は、女の意思関係なく動くもので。
 焦ればぱたぱた暴れるし、驚けばぴんと突っ張るし、
 ―――― 好きだと思えばふるりと揺れるのだ。
 そう、例えば、今のように。

 
(*18) 2021/12/14(Tue) 21:28:17

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 あやすように毛並みへ触れる指先には、
 不埒さも下心も無いと言うのに。
 シーツではなく、握る先を彼の掌に誘導された女の指は
 その誘い通り、絡められた指をぎゅうと握った。

 ―― ワンピースの釦を外されれば、
 顔をいよいよ真っ赤にして、自分でやると言おうとし
 結局睫毛を震わせ言葉を飲んだ。
 食べられる準備を進んでしているように思えて、
 ………… それがどうにも気恥ずかしくて …


  「 …… ッ、 」


 下腹部を撫でられる感触に、脚が跳ねる。
 
(*19) 2021/12/14(Tue) 21:28:21

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ………… ふぇ、 あっ、
    て 手伝う……? 」


 反射的に尋ねてから、あ、と思った。
 彼が服を脱ぐ手伝いなどしてしまったら、
 今からしようとしていることをより強く認識してしまう。
 誰かと肌を重ねることなんて、初めてではないのに。
 ―― 其れが例えどんな目的でも。
 女にとっては今更恥ずかしがることでも無ければ
 怖がるようなことでもないはず、なのに ――

 たどたどしい手で、彼が服を脱ぐのを手伝えば
 気まずげな声音の言葉に 小首を傾ぎ。
 
(*20) 2021/12/14(Tue) 21:28:26

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 彼に抱き締められるだけで早鐘を打つ心臓も、
 互いの隙間を埋めるように合わさる唇も。
 どうすればいいのか分からなくなってしまって、
 女は縋るように、自分を見下ろす彼を見詰めた。


  「 ひぁ、ッ!? 」


 覆うものも無くなり、彼の眼前へ晒された胸へ
 なによりも綺麗な生き物であるはずの彼が顔を埋め、
 ぬるりと熱が這う感覚に、甘い声が零れ落ちる。

 
(*21) 2021/12/14(Tue) 21:28:38

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ゃ、ン……っぁ、
    それ せなか、ぞわぞわするから、ぁ……っ 」


 発情状態でもないのに、
 どうして彼が触れるのがこんなに気持ち良いのだろう。
 分からなくて、未知の快感がこわくて、
 女は抑えられない声を零し、彼の手を握り締めた。

 たすけてほしい。
 でも、やめてほしいわけじゃ、ない。

 兎はぽろぽろとまた涙を流し、
 妙に熱を訴えては疼く下腹部を誤魔化すように、
 はふりと息を吐いて 潤んだ瞳で、彼へ縋った。*


 
(*22) 2021/12/14(Tue) 21:30:52

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 清らかさとも、彼の言う聖女らしさとも無縁の女は
 けれどその時確かに、
 何の穢れも知らなかった頃のような幼さを伴いながら
 白いシーツの海を泳いでいた。


  「 ……っこどもには、
    こんなこと しない、でしょ…… 」


 >>*26 男の言葉に反論を投げる余地は無く。
 けれども子どもでは無いことを言い返してやりたくて
 兎は耳を揺らしながらそう言った ―― けれど。
 …… まさにそれが子どもじみているのだろうなと
 思い至ったのもまた事実だ。

 
(*34) 2021/12/14(Tue) 23:08:19

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 甘やかに喘ぐ声は、子どもらしさからは程遠く。
 まるで生娘さながらに当惑していれば、
 人魚は胸の頂をやわらかに食んでしまうものだから。


  「 ッや、ぁ ああ……っ!
    ひぅっ、ン、んぅ〜〜〜……ッ 」


 いやいやとむずがる子どものように頭を振りながら、
 女はぎゅうと彼の空いている手を握り締める。
 快楽の海へゆっくりと沈めるように柔らかな胸を揉まれ、
 温かな舌で嬲られては、思考もどろどろに蕩けてしまう。

 ―――― 気持ちいいことから助けてほしいのに、
 縋れる相手は、まさに女を追い込んでいる張本人で。
 
 
(*35) 2021/12/14(Tue) 23:08:24

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ………… くるしく、なぃ … けど、 」


 彼が胸から手を離す頃には、
 女の舌は普段の半分もろくに呂律が回っておらず。
 快感で潤んだ双眸と火照った白い肌を晒し、
 投げられた問いへ、くちびるを開いた。


  「 こんな、やさしくされたのも、
    …… きもちいいのも はじめて、だから…… 」


 自分がどうなってしまうのか分からなくて、
 ―― それがすこしだけ、こわいけれど。
 
 
(*36) 2021/12/14(Tue) 23:08:29

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ひゃんっ!? 」


 彼が女の両足を割り開くように身を差し込み、
 あろうことか下着の真ん中へ顔を寄せるのを感じれば
 兎は高い悲鳴を上げ、咄嗟に足をばたつかせた。


  「 ぅ、……ぁぅ……。
    なんで、ばか、きかないでよぉ…… 」


 本当に嫌だったら、彼の顔を押し退けてでも
 拒否しているに違いないのに。
 ―――― 触られてもいなかった蜜口が
 こんなにも下着を濡らしている理由、なのに。

 
(*37) 2021/12/14(Tue) 23:08:35

【赤】 魔術師 ラヴァンドラ

 


  「  いい、よ。
     ―――― テレベルムの、好きにして…? 」


 ふわ、と。
 彼を誘い入れるように、強張っていた体から力を抜き
 まるで初めての女のように羞恥に染まる頬のまま、
 女は男へ、ちいさく囁いた。*


 
(*38) 2021/12/14(Tue) 23:10:20

【人】 魔術師 ラヴァンドラ


           ―――― 夕刻/自宅 ――――



  「 …… 魔力を使わずに、自体は。
    出来ると言えば出来るんだけど … 」


 魔術師は基本的に、魔力がなければ何も出来ない。
 そして魔力の行使が身体に根付いているから、
 どんなに意識しても必ず微量な魔力は流れてしまう。

 けれども彼女の――己とは真逆の体質を思えば>>41
 極力使わないようにする、というのも毒だろう。
 微かにやわく笑う彼女を気遣おうとしたけれど、
 結局どれもが慰めにしかならないような気がして
 女は睫毛を伏せた。 ]

 
(69) 2021/12/15(Wed) 10:30:59

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ――――――― ……  、 」


 気を紛らわせるために紅茶を飲もうとした手が、
 ぴた … と止まる。>>44
 いないことになっている貴族の長女、
 簡単に解かせようとしていないだろう呪い。

 ―――― 記憶と知識の海をどれだけ潜っても
 彼女の呪いの解呪方法は見当たらなかった。
 個人が作り、生み出した呪いなどというものは
 それほど難解で、だから誰も扱いたがらない。

 
(70) 2021/12/15(Wed) 10:31:03

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 …… 貴方の、その呪い自体は
    私でも解呪方法は分からない。
    呪いは、世界を恨んだ人が選ぶ最後の手段で
    だから死ぬまで掛かり続ける。 」


 人を呪わば穴二つ、という言葉があるけれど
 あれは二人分の墓穴を用意する覚悟を持てということだ。
 呪えば相手を殺せる代わりに、
 自分にも同じだけのことが必ず返って来る。

 ―――― 願いには対価を。
 呪いの場合、命に命を捧げるのと全く同じこと。

 
(71) 2021/12/15(Wed) 10:31:07

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 そう、だから ――――
 私がここで彼女に「呪いは解けない」と言い捨てても
 それは当然の話なのだ。

 魔術師は誰かを救うために魔術を修めていないし、
 正しい筋道で解けないものを放り投げようが
 きっと誰も私を責められない。
 …… ……  魔術師としては、正解、だ。


      ローブの裾をぎゅうと握り締める。
      殆ど見ず知らずに等しいこの少女を
      あの方法で助ける義理なんて、――

 
(72) 2021/12/15(Wed) 10:31:21
 




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