人狼物語 三日月国


120 【身内RP】森奥の工房 2nd【RP】

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視点:


 
[────…こんな日にも、あの時間は来た。]
 

 
[短くなった、右腕の先、
 失われた肘や、その先に、激しい痛みが生じる。

 神の怒りを買ったとでもいうのか
 いかづちが落とされ続けているような。
 無い血肉が掻き回され荒れ狂わされるような。

 そんな、痛みが。]
 

 
[額に脂汗が浮かぶ。
 眉間が寄る。]


  
くっ、 ……フーッ、フーッ……!



[人が近い。
 独りきりのユルタや幕屋の中で潜めるよりもっと
 声を押し殺して、
 彼に吐く息がかからないよう顔を背けて、
 苦痛が過ぎ去るのを耐える。
 耐える。
 ────耐えるしかないのだ。
 これには薬も酒も効きはしないのだから。]
 

 
[雷は軈て、存在する手脚にも落ち、暴れ出す。
 最後に襲われるのは、決まって首だ。
 どれもしっかりと繋がっているのに、
 そこになくなってしまったかのように
 身動きが取れなくなる。
 無い腕に生じるのが幻肢痛なら、
 これらの痛みは何と呼ぶのだろう……?]
 

 
[彼には稀に痛むと申告したが
 断った腕とそれに触発されるかのように
 残りの三肢と首が苛まれるのは
 殆ど毎夜のことだった。

 朝がやけに遠く感じられる苦しみ。

 ────それでも、
 自らの選択を誤ったとは思わない。
 最善の道を選んできて、現在いまという結果があるだけだ。]
 

 
[永遠にも感じられる夜の闇の中で
 すやすやと聴こえる寝息が
 時間を数えてくれる。

 愛しいひとの寝顔を盗み見た。
 ────かわいさに心が安らぐ。
 自分は決して独りではないのだと、教えてくれる。]
 

 
[彼を見つめながら、
 普段はしなかったことをする。

 動かぬ手足はそのままに
 存在しない右の手を動かして
 彼の輪郭を辿っていった。

 背を撫で、腕に触れ、
 柔らかな頬は、包むように。

 不可視の手のひらに
 彼の温度を感じた気がした。]