人狼物語 三日月国


123 【身内RP】夜見の城で夢を見る【R18G】

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視点:


【墓】 こどもの アルレシャ

アルレシャが最後に目撃されたのは、スピカと別れた直後。窓から飛び出した絨毯と女の子を、庭師が見ていました。

けれども、それからアルレシャを見た人はいません。
もしかすると、遠くまで探しに行ったのかもしれません。

こっそり帰って来ている……なんてことは絶対にないでしょう。
だって、スピカと約束をしました。アルレシャは絶対に約束を破りません。

……小さな『ただいま』を、まだ誰も聞いていないのです。
つまり、アルレシャはまだ帰って来ていないのでした。
(+0) wazakideath 2022/01/22(Sat) 21:24:58

【秘】 こどもの アルレシャ → 彷徨民 ウミ

「もくもく……タバコっていうんだっけ。タバコのひとと、かくれんぼしてるのかなぁ」

アルレシャは悪意というものを知りません。ですからミズガネが犯人なのではなく、共にかくれんぼをしているのかと考えました。

「あれ、でもそうしたらアマノもかくれんぼしてるのかな……。
 おとなは、かくれんぼしないってきいたことあるけど……」

首を傾げました。

「きいてみる? もくもくのひとに」
(-1) wazakideath 2022/01/22(Sat) 21:48:08

【秘】 こどもの アルレシャ → 灯された星 スピカ

その言葉を聞いて、僅かな寂しさが瞳に滲みました。瞼に覆われたその眼差しは、アルレシャにだって見えません。
どうして寂しく思うのか、アルレシャにも説明ができないのですから。

「…………すてきよ、スピカ愛しい子
 きっとママアルレシャだってそういうわ」

アルレシャが、大人に酷いことをされた経験を持っていれば抱く想いは違っていたのでしょう。
しかし不理解と嫌悪はイコールではなく、時に敬意とも結び付きます。

伏せた目を開けると、そこにはもう幼い子供の姿がありました。ソファーから飛び降りると、ベッドへ一直線。

「じゃあねぇ、きょうはれんしゅーさせたげる!
 いつかスピカにこどもができたときの、ね!」

子供を産まない選択をする夫婦だって、勿論います。
それでも絵本に出てくる夫婦は大抵子供を作りますから……当然のように、スピカが子を産む前提で話を進めます。
(-13) wazakideath 2022/01/23(Sun) 15:51:06

【秘】 こどもの アルレシャ → 灯された星 スピカ

子供の憂いと大人の憂い。違うはずなのに何故か似ているふたつは、今だけ同じ時を過ごしています。
ベッドに小さな枕と大きな枕が並べられました。

「あしたもでぐちさがすから、アルはやおきするよ! スピカがねぼうしても、おこしちゃうんだから」

悪戯っぽく笑い、毛布を被ります。
添い寝をするならその晩……とはいえ、常に晩ですが。
アルレシャは、いつもより寝付くのが遅かったでしょう。ちゃんとスピカが寝ているのか気になって、何度も薄目を開けますから。
(-15) wazakideath 2022/01/23(Sun) 17:18:28

【秘】 こどもの アルレシャ → 彷徨民 ウミ

「――――あれ?」

空がぐんと遠くなります。自身に何が起こったのか、よくわかりませんでした。

「…………!」

思わず、目をぎゅっときつく閉じました。
木々の枝を折りながら落下し、地面に叩き付けられる……直前で、柔らかい何かに受け止められます。
立ち上がれば木よりも大きい、クマのぬいぐるみのお腹でした。黒々としたボタンの双眸が二人をじっと見つめています。
伸びてきたふかふかの腕が、アルレシャを庇う様に抱きました。

急に沢山の力を使ったからでしょうか。アルレシャは目を閉じたままでした。
(-35) wazakideath 2022/01/24(Mon) 10:24:44

【秘】 こどもの アルレシャ → 彷徨民 ウミ

ぬいぐるみはウミを見つめ返します。敵意を測りかねているようです。
結局、アルレシャを抱えたぬいぐるみは、立ち上がって歩き出しました。その巨体では木々を薙ぎ倒してしまうでしょう。
しかし、木も、鳥も、全て彼らをすり抜けていきます。
まるで透明になったかのように。


向かう先は城です。ただいまを言う為に、帰ろうとしているようでした。

きっと、次に目覚めた時――――アルレシャの目には、今まで見えなかった景色が映る筈です。
誰かの景色から、消えることと引き換えに。
(-40) wazakideath 2022/01/24(Mon) 13:14:34

【墓】 こどもの アルレシャ

「ただいま! ねえ、ただいまったら!」

ふと目を覚ますと、大きなぬいぐるみに抱えられていました。城の近くでしたから、そのまま一時帰宅をしたのですが……どうも皆の様子がおかしいのです。

「ね〜え〜……そーいうのはよくないんだよっ、ママもいって、た、もん……?」

使用人に触れようとするも、その手は空を切ります。
どうやら、人に触れないようです。まるで透明になったかのよう。もしもそうだとするなら、皆が無視をすることにも繋がるでしょう。
慌ててぬいぐるみを呼び出します。
……ぬいぐるみには触れました。
ぬいぐるみが人に触れます。
……ぬいぐるみも触れられませんでした。
ぬいぐるみも透明になったかのように。

「…………」

じわ、と目に涙が浮かびます。溢れる前に袖口で拭い、広間へ駆け出しました。
もしかしたら、アマノやラサルハグがいなくなったのは、こういう理由だったのかもしれません。
誰かに伝えなきゃ。アルレシャは、そう思いました。
(+1) wazakideath 2022/01/24(Mon) 18:23:28