人狼物語 三日月国


123 【身内RP】夜見の城で夢を見る【R18G】

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視点:


【墓】 こどもの アルレシャ

>>17

スピカが封を閉じると、何者かが軽く手紙を咥えるような感覚がしました。手を離せば手紙は宙に浮いたまま動き出します。四つ足の何かが、手紙を咥えて運んでいるかのように。
手紙が動く度に、かろん、かろん、とベルの音が鳴りました。細い糸もその後を追います。

暫くして、階段の踊り場で手紙は止まりました。糸もその場に留まります。
ひとりでに手紙の封が開きました。途端に手紙は姿を消し、括り付けられていた糸が床に落ちてゆきます。
(+6) wazakideath 2022/01/26(Wed) 19:16:39

【秘】 こどもの アルレシャ → 灯された星 スピカ

踊り場に足を投げ出し、階段に腰掛けていたアルレシャはベルの音色に顔を上げました。
山羊の郵便屋さんが、アルレシャ宛の手紙を持って来てくれたのです。糸が括り付けられている理由はわかりませんが、そっと手紙を受け取ります。

「……スピカ!」

封筒を見て直ぐ、差出人に思い当たりました。
糸がはらりと床に落ちます。意にも介さず手紙を取り出しました。

――――わたしが、わたしたちおとなが、がんばるから。


――――少しさびしいかもしれないけれど、どうか待っていてね。


――――あなたをちゃんと、守るから


「…………」

視界が霞み、涙が頬を伝います。瞳から溢れ落ちた雫は、手紙をすり抜けて床を濡らしました。
(-32) wazakideath 2022/01/26(Wed) 19:18:29

【秘】 こどもの アルレシャ → 灯された星 スピカ

「……スピカ」

名前を呼びます。透明な声では届かないと、知っていながら。

「……スピカ」

何年も、何年も、何年も前から探し求めていた
何か
が、見えた気がしました。
知らない筈の感傷に、ただの文字が染み渡るのです。訳もわからず、背中を丸め泣きました。

「スピカぁ……!」

アルレシャは、待ち続けます。
再びみんなと、話せる刻を。
(-33) wazakideath 2022/01/26(Wed) 19:19:00