人狼物語 三日月国

124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】


【人】 灯守り 芒種

​── 御手水 ──


[ 芒種になって最初の会合も、こうしていたな、と
  手洗い場の鏡の前、辛気臭い顔を眺めて思う。
  もっともあの時は実際に内臓が出そうな程
  ど派手に吐きまくっていたけれど。

  慣れぬ酒の加減を誤り気分を悪くした不出来な娘と
  若さ故の失敗を寛容に受け止め甲斐甲斐しく支える蛍
  なんて老いぼれどもが思い描いた構図は
  微塵もアルコールを受け付けなかったわたしの体質によって
  なかなか愉快な大惨事になったのは
  黒歴史でもあり、気に入りの笑い話でもある。

  今以上にただのお飾りとして、黙ってにこにこしていろと
  命じられるまま、逆らうこともせず、息を殺して過ごした。
  次々と知らない相手に挨拶をされ
  普段知る顔とは打って変わって愛想よく話す年寄りの後ろで
  文字通り、『黙ってにこにこ』し続けていれば
 『大人しい子』で『緊張して』いて言葉が出ないのだと
 『温かく見守ってやって欲しい』なんて
  年寄りどもが庇うふりをして代わりに挨拶をし
  勝手に会話に花を咲かせていた。 ]
(406) yahiro 2022/01/18(Tue) 5:19:50