「あれマジだったんだ……
　へえ、いいなあ狐。もふもふでかわいいじゃん」

「あとでもっかい元の姿見せてくんない？撫でてみたーい」

もふもふにヒトは惹かれるものでして。

「びっくり人間ばっかり集まってきてるなあ」

魔法少女に狐、悪役令嬢に転生者、魔法少女に魔法少女。

「まぁ、時間の問題だったわよね」

ほぼ看板されていたということでは？

「うん…うーん………。」

可愛い事には頷くが複雑な気持ち。
なんだか暴露されたくない子が暴露されていってる気がする。

「……ｴ"、神様？
　何？雑司ヶ谷　あんたが一番面白い存在になっちゃってんじゃん。や、笑い事じゃないかもしんないけど」

山の神　はぇ〜……になっている。
何だか御伽噺を聞いているようだ。

「……もう何が来ても驚かないわよ」

気持ちの上ではそうありたい。

「そのうえ神と来ましたか。
　いやはや……いやはや…………」

「」



「」

「…けほっ…う、ん…。ごめん、ちょっと席外すね。」

口元に手を当て何度か咳込む。
もそもそ外に出ていった。

「…………！」

続けて貼り出されていた告知を見て、
僅かに表情が揺らいだ。

「偉智センパイが動物アレルギーとかじゃないといいんだけど……」
と、見送って。

「んんっ。…ええっと、累くん、そこまで怖くないと、思うよ…？
むしろ、あったかい方、かな。」

席を外してしまうのはごめんね。
テーブルにタケノコのお菓子とキノコのお菓子。
雑司ヶ谷にはキノコのお菓子を渡した。

火種にならない事を祈ります。仲良く食べよう。

「」

政府の事悪く言えなくなってきた。

「不思議だよね、きのことたけのこで争ってるの。ひとはいつだって争いをやめない」
キメラを一口で食べた。

「すごい、今この時から夜川が魔王に見えてきた。
　村と里を侵略する悪の魔王だ」

「今の所、政府は人の前世を知ることができて、魔法少女が孤独に戦ってるのも知ってるし、妖怪や土着神の行動も把握していて……。
え、こわいね」

「魔王になって村と里双方の敵になることで融和をはかろうとした不器用な善人にまからないかな？」

「出し方を誤ると露骨な点数稼ぎになってしまうやつね」

「ん、と…ちょっと喉痛いから蜂蜜キンカンのど飴…。
一応置いておく、かな。皆風邪には気を付けてね。」

マスクをしているのであまり説得力はないが、外は寒いので一応。

「しっかし、これ以上の秘密お出し出来る自信ないなあ〜」

「ハードル上がるよこれ」