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人狼物語 三日月国


125 【身内】実波シークレットパラダイス【R18】

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視点:


夜遊:蛇神 阿門_TARGET_

【独】 文字食う紙魚 蛇神 阿門

これは最後まで、衆目の内には暴かれなかった秘密。

蛇神阿門は"触手人間"だ。
とはいえ人外のものであるわけではない。両親は人間で、本人も人間だ。
隔世遺伝で受け継いだもので、祖母も同じく触手人間だったと聞いている。
体の大きくなった時に、祖母からどんなふうに振る舞うべきかを諭すように教えられた。

胸の真ん中の辺りから臍の下にかけて、古傷のように見えるスリットがある。
大きな臍のように腸管を押し上げるように器官が押し込められていて、
数十本ほどの触手が体の中に入っている。そのぶん、食は細く、腹が減りやすい。
触手を体の外に出す時に血液や水分が大量に持っていかれるため、水分補給が寛容だ。
体の内側の薄い皮膚まで洗う必要があるため、風呂の時間をずらして入っていた。

子供の頃から自分の体は人とは違うのだと、強く教えられてきた。
実際、明かしていい思いをしたこともなかった。
なるべく他人に体を見せないよう、触れないよう、距離をとっていきてきた。
仮病であったり理由をつけて、旅行行事は避けてきた。
はじめて修学旅行に行けたのは高校の時、去年。個室のホテルで過ごすことができたからだ。
こうして大人数との旅行に足を運んだのは、はじめてのことだったそうだ。
(-2) 2022/02/04(Fri) 21:52:59

【置】 文字食う紙魚 蛇神 阿門

個室にうつってから、皆の部屋に顔を出す回数も減ったそうだ。
この日の朝もひょっとすると、きっと。
(L0) 2022/02/04(Fri) 21:55:46
公開: 2022/02/04(Fri) 22:00:00

【秘】 あるがまま 一葉 梢矢 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門


肉球が扉を滑る音がいくつかして、
ちょっと止んだかと思えばノックの音が響く。

「蛇神、ここにいるのかな」
「……お節介なら悪いと思ってるが」

続く声は、平淡でいるけれども。

「今日は花火があげられるらしい。
 一人生徒が落ちていると聞いて、拾いに来た」

どことなく気にかけているようだ。
『気にしない』とはよく言ったものである。
(-7) 2022/02/04(Fri) 22:49:04

【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → あるがまま 一葉 梢矢

>>-7

扉が開く。どうやらシャワーを浴びて少したった頃のようで、
短い髪は初日のときのように湿気でぱさぱさとしていた。
機嫌のほうとみれば別段普段と変わりなく、いつもどおり。
平然と、遠巻きにしているような風合いで、何を気にしているようでもなかった。

「ああ、催しものの相談してたのか。そういうの、聞かなくなってたもんな。
 もう花火は買ってあるのか、それともこれから?」

寝間着代わりの厚手のパーカーとジャージに着替えてしまっていたが、
それもさして気にしたりもせずにスリッパを裸足のまま突っかけた。
買い物するなら、と小銭入れもポケットにつっこんで。
(-8) 2022/02/04(Fri) 22:55:10

【秘】 あるがまま 一葉 梢矢 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門


「もう買ってあるらしい。
 うん、だからフリーハンドで花火が楽しめる」

花火を持つ手は必要だが、それはそれとして。

「蛇神は……やはり秘密にしてくのか。
 いや、明かすべきとは思っていないけれどもね」

「俺さえ知らなければ隠し通せたかもって、
 終わってからちょっと思ったりするわけなんですよ」

申し訳なく思っている、ということはなさそうだが、それでも少しは思うところはあるようで。わざわざ提起してみせる。

「だから、意見は聞いてみようと」

意思を無視して気に掛けるのも不誠実だ、ということらしい。
(-11) 2022/02/04(Fri) 23:37:06

【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → あるがまま 一葉 梢矢

>>-11

「そうか」

短い返答。マフラーで首元を埋めて、外に出てもいいようにして。
コンビニで買い込んだ常温のペットボトルを、パーカーのポケットに突っ込んだ。
出かける準備だけはしながらに。
タイマンで会話できる今に、秘密の会話を詰め込んでるんだろう、という気遣いを感じて。
少しだけ、出掛けの準備をゆっくりすることにした。

「お前は誰かに裸を見られたこと、……は、あるか。
 なんだろう、そうだな。お前が毛皮のまま風呂に入ってても、多分誰も言わないんだよな。
 でも混浴の時の会話、覚えてるか。
 水着を着てても、男女で一緒の風呂に入るのはどんなに言葉を重ねても抵抗がある感じだったろ。

 俺の秘密っていうのはああいう感じなんだよな。
 不気味の谷みたいに、人間に近しいけど異質な、それも体に関する違いがある」

視線はなんとなく下に向いた。意識したわけではなく、問題が頭をもたげるように。
畳敷きとリノリウムの境に腰を下ろして、いつもより低い声が言う。

「お前たちに比べると、俺は半端なんだよ。
 コンプレックスをそういう不思議ですごい力で後回しにはできないし、
 取り返しのつかないようなものではないし、手術した人もいるって聞いてるくらい。
 俺は人間だし、でも、ずっと問題はついてまわる。
 みんなの秘密を見るたびに、自分もああして評価されるんだと思うと、嫌だった。
 だからこれからも、同じ様に秘密にしていく」
(-26) 2022/02/05(Sat) 7:04:24

【秘】 あるがまま 一葉 梢矢 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門

>>-26

「毛が浮くから、人によっては怒るかも」
「狐の俺とタオルは温泉において変わらない扱いだ」

流してもいいコメントだ。ただ良識を持つ狐なだけ。

「……ただ、そうだね。
 俺がどうでもいいと言えるのは、根が人間じゃないから」
「細やかな差も、俺にとっては大きく違うものだからかな」

「人間たちがその“差”を強く意識してしまうなら、
 きっと蛇神はそれを内緒にしていたほうがいいのだろう」

姿勢を低くして、出かける準備を粗く目で追う。
それはまるで、単純な興味を示しているようにも見えるし。
あるいは──学習のために熱心に読み込んでいるようにも。

「なんにせよだ。蛇神は蛇神。他人でもない。
 人間以前に君はそれに変わりない。その秘密を悪いと言われることはもちろん、良いと言われることだって蛇神の考えを変える理由には足らないと思われる。ならそうか」

最後に、胡乱気な双眸を真っすぐに顔へ向けて。
興味のあるものにしか向けなかったそれはまた同じように。

「向き合えるだけの強さがあるなら、明かされなかった今があるなら、やはり俺が端から考えることでもなかったかもしれない」

それだけ言って、瞬きひとつすれば、移り変わっていく視線の先。妖狐はどこまでもいつも通りだ。
(-27) 2022/02/05(Sat) 7:56:35

【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → あるがまま 一葉 梢矢

「自分のことは自分で考えるよ。それでいいと思ってる。
 他人の手を借りなきゃいけないときが来たら、俺はきっと困るんだとも、思ってる」

自分一人で解決できることではない、解決できることばかりではない。
多分蛇神の言う事は悪あがきだし、子供の癇癪でしかないのだろう。
それでも明かされなかった今は、明かされなかったことに安堵してやり過ごすだけ。
機会を逃したと、誰かはかわいそうがるのかもしれない。

「最初のうちはそういうことも忘れていられたから楽しかったけれど、
 秘密を知って、みんな秘密の話をしてるのがさ。思ったよりちょっと、苦しかった。
 いや、わかってる。そうした秘密を分かち合って負担を軽くするための催しなんだ。
 だからそれにまごついてる方が天の邪鬼なんだってのは、そうなんだ」

立ち上がって、隣に並んで。
ぽんと背中を叩いたかもしれない。大丈夫、気にしてない。
誰に惜しまれても、今はこれでいい。

「花火いくか。お前、火とか怖かったりしないの。
 けっこう派手なの買ってきてると思うぞ、音出るやつとかさ」
(-28) 2022/02/05(Sat) 8:30:56

【秘】 あるがまま 一葉 梢矢 → 文字食う紙魚 蛇神 阿門


「なら時間が解決するだけだ」
「人間は妖狐ほど寿命が長くもないが、かといって十数年で死ぬほど短くもない。そうじゃなきゃ困るってもんですよ」

探し人には積極的ではないが、それでも漠然とした希望を抱くことくらいは咎められることもないだろう。それと同じで。

「人間のことは全然知らないが、独りでは生きられないとして、一人一人で生きていくことはできるんじゃないかと思う。狐と違って、あんまり群れが必要としていないからね」

「ただ、困ったときには手を貸すよ。これは山の神から知ったことではあるけれど。たまには強引に引っ張る人も必要らしいから。困っているとき限定ではあるけれども」

他人の手を借りるのに困らないなら別にいい。
人間以上に、狐が人間に手を貸すのも、それはそれで妙な話ではあるから。必要としているか決めるのは狐本人でもあるが。

「実は花火、間近では見たことがない。
 住んでた方ではあんまりそういうことしなかったから、
 ……もしかしたらすごくびっくりするかもしれない」

背を叩かれれば、緩慢な仕草で歩き出す。
(-30) 2022/02/05(Sat) 9:22:25

【秘】 文字食う紙魚 蛇神 阿門 → あるがまま 一葉 梢矢

「そうだな。今解決しなくてもいいこと、だって思いたい。
 今はやるべきことがあって、俺にとってそれは、秘密より優先したいから。
 ……自分に邪魔されるわけにはいかないんだ」

秘密があってもなくても、知っても知らずとも。
こうして同じ時間を過ごすことには、どうやら困らないらしいから。

「そう、じゃああんまり筒の花火には近づいたりするなよ。
 単純に危ないし。突き回したりする遊び道具じゃないからな。
 ああでも、手持ちのやつとかのがビビるかも。
 ……これ俺のIDでさ……」

個室から部屋までの道のりで、気軽に連絡をとりあえるSNSのアカウントを出す。
そういう、離れてもやりとりのできるやつを持っていないのなら、導入の仕方から教えるかもしれない。
少なくともここで得た縁は、誰かに言われた通りの一度きりではなくなったかもしれない。
(-31) 2022/02/05(Sat) 9:37:53