「よー後輩、雪はなー。
　みんなのテンションが上がったらみたいだなー」

今みんなおなかいっぱいだし、結構バラバラな行動も目立つ。

「勝負か？　なんにする、どうぶつしょうぎにするか？
　俺が負けねー」

「しゃーねーな、じゃーポーカーで。
　……2本先取とかにする？
　ディーラーいないし、うまく決着つかないとおもうぜ」

数回戦って、二回勝ったら勝ち。簡単なルールだ。

「んー。え、まじで運ゲー？
　しかたねーなー」

ブラックジャックにかえさせりゃよかったとブツブツ言いながらカードを引いた。

「ツーペア。俺の勝ちか？」

同じマークが見えるのは幻覚か。
2組以上のカードをつかっていたに違いない。

「じゃあ素直に、――あー。ついでにかえておくか」

1回戦2ペア以上確定。KKAA+?

「変わらずツーペアな。」

▼１勝負目
結果：2ペア。

「二回戦やるかー。」

「悪い、センパイつよいみてーだわ」

本当にご機嫌なカードさばきをみせつけながら、貴方の手札を伺っている。

「お。負けてるな。
　んーじゃあ一枚引くか。」

QQ55+？

「おっしーあと1下がってくれたらな〜。
　はい、お前の勝ち。ラストバトルいくぞー」

いい勝負だと、中々どうも楽しい。
ハラハラしながらもまたシャッフルして、5枚引かせるだろう。

「先行はお前からな？」

▼2勝負目
結果：2ペア。（Q,5）

「むしろ俺たちが強いんじゃねーのこれ、
　いやだな、イカサマしていーか？」

五枚引いて熟考、さて。

二枚残して、三枚引いた。
ツーペア以上か、スリーカード狙いだ。

JJ＋？？？

▼3勝負目
結果：1ペア

「なんてこった、最後に運が向いてこなかったな。
　ざーんねん」

悔しそうに、だが愉快そうにてを叩いて勝利を祝う。
先輩にお願いってなんだ、言ってみ？
と、適当な飲み物を取りに立ち上がった。

「ははーん、この程度の戦いで俺の秘密を暴こうとは…」

「その心は？」

動揺はしていない、話してやっても良いかと思案する。。
好奇心だけというのも、味気ないがまあそんなものだろうかと思いながら。

「知っておきたい理由ぐらいはなせよ。
　３年萌えがお前の秘密じゃないんだろ？」

猫じゃらしを使ってやるまでもない。
跳び跳ねてどっか行くかと思えば近寄ってくる、そんな理由を聞きたくないわけがないのだ。

「俺もひどいやつじゃない、やむを得ない理由があるなら明かしてやるさ。
　ま、驚くのはお前たちで俺は困らないからなんだけどな。」

「あーもーしゃあねえな」

頭を乱雑にわしゃわしゃとなでまわす。
なんでこんなに小さな声になるんだか、いじめてるみたいじゃないか。

「バレても良いけどさ。
　距離感変えてほしくないから秘密にしろよ？
　ほらー耳貸せ」

手招きしてま隣に来るように誘う。
ちょっとした空き部屋で話しただろう、二人っきりなのを確認してから告げてやった。

「俺、死んだことある人間。これは人生二回目」


「年下に無茶させねぇよ、甘えてろガキ」

「なーんか未来の孫にタイムスリップの方が近いのかねー。
　俺は俺だぜ、高校三年生の久瀬真尋だ。

　んだば、名前も一緒のおじいさまが昔に居ただけっていう…先祖返りってか？」

説明を聞くと、100年ぐらい生きている感覚らしい。
少なくとも10年ぐらいはバブちゃんをやっていたが。天才バブちゃんだ。

「強くてニューゲームってやつかもしれねえ。
　田舎にすんでて都会に来てから"学校を建てた"俺の一生。
　俺の作った学校は今日も愉快なことをしている」



「ガキだよー。勝ち負けで一喜一憂して。
　俺はのんびり若々しい顔と体でモテモテになることしか考えてないってのに」