人狼物語 三日月国


147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】

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視点:


【人】 転生者 アウローラ

―― 数日後/学園内にて ――

[ それから数日後。
 体調のほうはすっかり良くなった。

 彼にも言われたけれど、
 自分でも気づかないうちに無理をしていたみたい。
 彼が部屋から消えた後、寮母さんが呼んでくれた
 お医者様からは結構なお叱りを受けた。

 それから二日ほど休養を取ってから
 授業に出てみれば、早々に積み上がっていた
 課題の山を頂くことになった。

 それをなんとか
 ――だけど無理のないペースでこなして――
 たった今、最後の課題を提出し終わった。 ]
(32) yuno 2022/05/23(Mon) 5:17:05

【人】 転生者 アウローラ

[ 失礼します、と
 教授室の扉の前で一礼してから
 足早にその場を離れていく。 ]
 
 
 アルカード、いますか?
 

[ 人気のない廊下まで出たところで
 小さな声で、彼の名前を呼ぶ。

 姿は見えなくても、彼はいつだって傍にいる。
 とはいえ彼がどこから姿を現すかは
 いつだって全く予測がつかないのだけど。

 時に部屋の隅に横たわる影から、
 ある時は至極普通に部屋の扉の向こうから
 或いはわたしの影そのものから。

 最後のは以前実演されたときに
 流石に心臓に悪かったから、
 正直、多用はしないでほしいのだけど。 ]*
(33) yuno 2022/05/23(Mon) 5:21:22

【人】 転生者 アウローラ

[ 人の背後へふわふわ浮かびながら現れるのは
 どう考えても普通じゃないです。 ]

 

 …もう!
 その呼び方はやめてくださいって
 言ってるじゃないですか。


[ わたしの名前は、
 どうやら女神様の名前から取られたみたい。
 「夜明け」を意味するその名前は
 あのゲームのタイトルにも通じていて、
 我ながら可愛らしいと思う。

 でも日本人としてはやっぱりその呼び方は
 お相撲さんみたいであまり好きじゃない。
 (その人に非があるわけではもちろんないけど) ]
(35) yuno 2022/05/23(Mon) 5:35:24

【人】 転生者 アウローラ

[ 咳払いと共に本題へ。 ]
 
 
 休みのあいだに堪っていた課題を
 ついさっき漸く全部提出できたんです。
 
 えっと、それでですね。
 
 先日、わたしが寝込む前に約束しましたよね。
 わたしと一緒に買い物に行きましょうって>>1:142

 わたし、これから一日何も予定がないんです。

 なので、もし、アルカードが何も問題ないなら、
 一緒に街にいってほしいな…って。

 だめ、でしょうか?*
(36) yuno 2022/05/23(Mon) 5:36:18

【人】 転生者 アウローラ



 つめた…っ。


[ 堪らず額に手を添えて。

 面白いものを見た、と言わんばかりの
 すっと細められた眼差しに
 ほんの少しだけ、恨みがましい視線を送る。
 
 あと、曙じゃなくて名前で呼んでほしいって言ったら
 ちゃんということ聞いてくれるのかしら、この精霊さんは]
(38) yuno 2022/05/23(Mon) 5:40:50

【人】 転生者 アウローラ


 もう…。
 でも、よかったです。

 じゃあ、一度部屋に戻って着替えてきますから。
 あとであの図書館で落ちあいましょう。


[ 頬の温かさと緩んだ表情はきっと隠し切れないまま
 彼の返事を待つより先に寮のほうへと歩を進めた。

 誰かと一緒にどこかに出かけるなんて
 まるで夢みたい。
 この学園に入学して以来、今までずっと、
 誰かと仲良くなることなんてできなかったから。 ]
(39) yuno 2022/05/23(Mon) 5:42:20

【人】 転生者 アウローラ

[ この学園に入学してから、
 攻略対象ではない、他の人たちとも、
 自分なりに仲良くなろうと努めてきた。

 でも、いつも上手くいかなかった。

 どうしてかはわからないけど、
 誰かと少し仲良くなるたび、
 どこからか噂が聞こえてきては
 周りの人たちから距離を取られる。

 攻略対象ではない人たちですら
 そういう状態だったから。

 ―――…だから、気がつくといつもひとりだった。 

 わたしは、不器用な人間だから。
 気がつかないあいだに、他の人たちが嫌がることを
 してしまってたのかな、って。

 そう思うと、とても怖くて、
 同時に今その場にいることが申し訳なくて、
 とても悲しかった。 ]
(40) yuno 2022/05/23(Mon) 5:44:52

【人】 転生者 アウローラ

[ でも、今は違う。
 わたしは今、ひとりじゃない。

 たとえ、彼が人間じゃないとしても。
 いつか世界を滅ぼす存在だったとしても。

 わたしは、彼の友達でいたい。
 それは、ただ、わたしの傍に居てほしいとか
 そういうことだけではなくて。

 …彼にも、知ってほしいと思った。
 この世界が、嘗ての「私」が愛した世界が、
 とても美しいものだということを。

 学園の背景も、イベント毎に変わる街並みも。
 この世界でわたしが見て、聞いて、触れてきた、
 いろいろなものを、彼に見せたい。
 彼と一緒に、思い出を共有したい。 

 今のわたしには、そんな夢がある。 ]
(41) yuno 2022/05/23(Mon) 5:46:20

【人】 転生者 アウローラ

[ そうして、部屋に戻って私服に着替えて
 準備を終えたところで
 そのひとの姿が遠くに見えた。  ]
 
 
 ……あ。
 
 
[ ちょうど午後の授業に出るところだったのか。
 友人(取り巻きなのかもしれない)に囲まれながら
 廊下を歩いてくるマティルダ。

 その友人たちのなかには、
 以前わたしから距離を置いた人たちもちらほら。 ]
 
 …………。
(42) yuno 2022/05/23(Mon) 5:47:09

【人】 転生者 アウローラ

[ その親しげな様子に、少し、胸が痛んだけれど。

 それでも、彼らと廊下をすれ違ったときは
 廊下の端へ寄せて、彼らにカーテシーをする。
 わたしと彼女たちの身分を考えればそれが正しい。 ]
 
 
 ……。


[ 頭を下げようとした一瞬、
 此方に気づいたらしいマティルダが
 目を見開くのが見えた。
 まるで、なにかに驚いたように。

 わたしの傍を通り過ぎるそのとき、
 「どうしました?」なんて、彼女の友人たちが
 声をかけているのが聞こえたから
 …たぶん、気のせいではないのではないかしら。


 「なんでもない」とマティルダが友人たちに応える、
 そんな遣り取りが少しずつ
 遠ざかっていくのを確認してから顔をあげる。
 さっきのマティルダの反応も
 気になるところではあったけど。
 
 今はそれより彼の待っているであろう、
 図書館へ向かうことを優先しよう。 ]*
(43) yuno 2022/05/23(Mon) 5:49:47

【人】 転生者 アウローラ

 
 
 む…そんなことは、ないですよ?
 
 
[ >>87珍しいとはいわれたけど、
 普段だって決して気にならない訳ではない。

 彼が日頃図書館に入り浸って読んでいる本には
 寧ろ、かなり興味がある。

 けれど、彼が読んでいる本の多くは
 わたしには馴染みのない古代語か
 異国の言葉で綴られていて。
 なかなか手を伸ばしにくいというのがある。]
(126) yuno 2022/05/25(Wed) 8:19:18

【人】 転生者 アウローラ


 
 寧ろ、此方が珍しいと思いました。
 もっと難しい本ばかり読んでいる印象があったから。
 

[ 世界の成り立ちに関するおとぎ話は>>84
 わたしも、小さな頃によく先生やシスターに
 お話を強請ったことを覚えている。

 何もなかったこの世界に、星が落ちて、
 そこから闇が広がって。

 そんな暗闇の世界に一柱の女神が降り立って
 光と、そこから派生する精霊が生まれ、
 女神の子である人間や動物たちが産まれた。

 だから、この世界に生きる者たちは皆、
 光の女神様の許に生まれた兄弟姉妹なのだという。
 ただ、ひとりだけを除いて。 ]
 
 
 …。
 
 
[ 考えるほどに、わからなくなる。
 彼は、闇の精霊とは一体なんなのだろう、って。
 遠い昔、「私」だった頃には考えたことのない疑問。 ]
(127) yuno 2022/05/25(Wed) 8:20:50

【雲】 転生者 アウローラ

[ ―――…同時に、思い出したこともあった。

 まだ、前世の記憶がぼんやりとしていた幼い頃。
 「真っ暗な夜の闇の中にも精霊がいる」と聞いて。

 「おとうさんもおかあさんも
 おにいさんもおねえさんもいなくて、
 さびしくないのかな? こわくないのかな?」って

 わたしにはお父さんもお母さんもいないけど
 先生やシスター、他にもたくさん兄弟姉妹たちがいたから。
 愛情を独占出来ないということはあっても、
 さびしい、ということはなかった。

 そういうひとがいなかったら、と。
 一人ぼっちの「闇の精霊さん」を想って
 泣いてしまったことを、思い出す。

 ……目の前の本人(?)に、
 話すのはちょっと気恥ずかしいけれど。 ]*
(D0) yuno 2022/05/25(Wed) 8:23:58

【人】 転生者 アウローラ

[それでも。]
  

 あ、はい。
 

[ 差し出された彼の手には、今までなかった白い手袋>>88
 その手に自分のそれを重ねても、少しも冷たさを感じない。

 ……此方を気遣ってくれているのだと、
 そんな小さな仕草の一つひとつに触れるたび。

 彼はゲームの中で見たような、心無い災厄ではないし
 …『友達』を、そういう存在にしてはいけないとも、思う。]
(128) yuno 2022/05/25(Wed) 8:30:22

【人】 転生者 アウローラ


 えっとですね、行ってみたいところは
 いろいろあるんですが…ってきゃっ!?


[ 此方の手を強く引かれると同時に、
 ふわりと視界が上昇する感覚>>89

 今、自分は空を飛んでいるのだと、理解するまでに数瞬。 ]
(129) yuno 2022/05/25(Wed) 8:31:00

【人】 転生者 アウローラ


 
 ……っ。
 びっくり、させないでください…。


[ 高所恐怖症というわけではないけど
 これは予想外すぎて。
 ぎゅ、と彼の手を握る手に自然と力がこもる。

 足元に見えるのは、いつもの学園の景色。
 だけどそこにいる誰も、わたしたちに気づかないし、
 視線を向けることさえしない。
 まるでわたしたちの姿が見えていないかのよう。

 「風と同じものに変じている」という>>90
 彼の言葉を受けて思い出すのは、
 「私」が昔、観た映画の1シーン。
 (状況だけで言うならば、猫の乗り物というより
 動く城の冒頭に近いけれど)

 紡ごうとした抗議の言葉は、
 結局、彼の笑顔のせいで続かなかった。
 ……あまりにもいい笑顔をされると、
 なんというか、毒気を抜かれてしまう。 ]
(130) yuno 2022/05/25(Wed) 8:33:06

【人】 転生者 アウローラ

[ それから数分後。
 わたしたちは、王都の街並みに降り立っていた。 ]
 

 えっとですね、
 確かこのあたりに…。


[ ひさしぶりの王都の人混みで逸れないよう、
 握ったままの手を緩く引いて、此方へと促す。

 彼はわたしの居場所がわかるらしいから>>86
 いつものように呼べば来るなんて、
 もしかしたら、言われるかもしれないけれど。
 …わたしのほうは、彼がどこにいるかわからないから。

 万が一、逸れてしまったときに怖い気持ちと
 
…ほんの少しの名残惜しさで

 握ったままの手を離さないでいる。
 
たとえ彼のその手が冷たいままでも
 わたしは手を離さなかったろうなと思う
]
(131) yuno 2022/05/25(Wed) 8:34:45

【人】 転生者 アウローラ


 
 あ、ありました。
 
 
[ ここです、と
 空いたほうの手で示したのは、王都でも比較的大きな書店。
 複数の階にそれぞれ専門の売り場が設けられていて
 一番下の階には筆記道具を扱う場所も併設されている。 ]


 アルカード、本がお好きみたいだったので。
 此処にくればなにか気に入る本が
 見つかるかもって思ったんです。


[ わたしが彼について知っていることは
 本当に少ない。
 それでも、彼について何かを知る切欠に
 なれたらいいなと思って、この場所を選んだ。
 もし、彼が古書の類が好きだと言うのなら、
 ここからもう少し離れた場所にある古書店街にも
 足を運んでみようか。
 彼方も古今東西さまざまな書籍が集まるらしいから
 その中には、彼の気に入る本もあるかもしれない。 ]*
(132) yuno 2022/05/25(Wed) 8:35:41

【人】 転生者 アウローラ


  ええ……?


[ 唐突に前へ押し出されて>>135
 つい困惑の声が出てしまう。 ]
 
 
 あの、いちおう言っておきますが。
 わたし、平民なのでアルカードみたいに
 難しい本なんて読めませんよ?


[ 故郷の村にいたとき、先生やシスターが
(わたしたちが暮らしていた地方の領主様の方針でもある)
 大人になってから孤児院を出ても困らないよう
 基本的な読み書きや計算、裁縫や家事、
 礼儀作法を教えてくれていたけれど、

 それでも、学園に通う貴族の子女たちには
 到底敵わない。
 だから、大好きな人たちと一緒にいられるためには
 他の人たちの何倍も、努力しなければいけなかった。

 
――それでも敵わないと理解したときの悲しさは
 今も少し、言葉にできないものがある。
 ]
(136) yuno 2022/05/25(Wed) 8:59:24

【人】 転生者 アウローラ

  
 
 んー……。
 お気に召さなかったら、ごめんなさい。
 
 
[ 先に謝罪を口にしてから
 彼に背を押されるまま 哲学書に歴史書、
 美術書や数学等の参考書、
 巷で流行りのロマンス小説や冒険小説。絵物語。
 一通り、書店の中を見て回ってから。

 立ち止まったのは、子供向けの本が置かれた一角。 ]


 ……。
(137) yuno 2022/05/25(Wed) 8:59:59

【人】 転生者 アウローラ



 やっぱりわたし、
 こういう本のほうが好きです。


[ そういって手に取ったのは、
 数十年前から出版されている古い絵本の物語。 ]
 
 
 この本ね、
 わたしが育った孤児院にもあったんです。
(138) yuno 2022/05/25(Wed) 9:00:29

【人】 転生者 アウローラ


 わたし、小さい頃はこの本がとても好きで
 よく、シスターや兄さん姉さん…あ、
 本当のきょうだいではないのですけど。

 一緒に育った年長の人たちに、
 よくこの本を読み聞かせてもらっていました。
 大きくなって字が読めるようになってからは
 今度はわたしが、弟や妹たちに読み聞かせてました。
 
 それから、こっちの本は
 故郷の村の本屋さんにあった本ですね。

 本屋さんと言ってもここのような立派なお店ではなくて
 村に一軒だけある小さな貸本屋さんでした。

 村長の叔父さんが半分道楽でやってたお店なんですけど
 わたしもたまに本を借りにいってたんです。


[懐かしいなぁと、ついつい目を細めてしまうが。]

 あ、えっと。
 面白くなかったら、すみません…。
(139) yuno 2022/05/25(Wed) 9:08:06