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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【秘】 愚者 フィオレロ → ”復讐の刃” テンゴ

「昼行灯の火が消えた時、あなたがどうなるか。
 ……心配だなぁ。

 燃え続けている間はいいんですよ。
 異国人なのに実力主義のノッテの顧問まで
 上り詰めたあなたの実力を疑っているわけではないんです」

「そのあとの話で。でも、テンゴさんは」

"そのあと"なんてどうでもいいと思ってるんだろうなぁ。
そう呟いて困った人だとばかりに笑った。
(-5) poru 2022/08/23(Tue) 22:40:59

【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 愚者 フィオレロ

「…なるようになるさ。」
「ただ、天寿を全うすることはないと確信はしている。お前を置いて早々に先に逝ってしまうかもな。」

なんて。縁起でもないことを言いながら。

「お前さんこそ、どうしてそこまで俺を心配する。直属の部下でもあるまいに。」

至極不思議そうに、その時は言っていた。
(-7) ぴんじぃ 2022/08/23(Tue) 22:59:58

【秘】 愚者 フィオレロ → Niente ラウラ

 
死んだと自覚するまでに、数刻かそれ以上に遥かに長い時間か。
2人程の死者と正者の手を借りて理解した後、
即座に消える身でもなく、地上で言葉を交わした事のあるファミリーの死を知れば、その姿を探して軽く歩く。

その間にもさらに死者や記憶違いでの正者が増えているかもしれないが、さてこの奇妙な空間内では今どの時空でもおかしくはないだろう。


「やあラウラくん。機会が再びできてしまった事を喜べばいいのか悲しめばいいのか。……一般的には後者かなぁ」

その姿が何処かしらに存在して認識できたのなら声を掛けるだろう。

己の目覚めた時は酷い精神状態だったから、いささか慎重すぎるくらいに潜めた声で。


「時間がないかもしれないから、聞きたい事を先に聞いてしまおうかな。あの後何か見つけることはできたかな?」
(-8) poru 2022/08/23(Tue) 23:01:04

【秘】 愚者 フィオレロ → デッド・ベッド ヴェネリオ

「あーあ。ヴェネリオさん、本当に死んじゃったんですねぇ。
 悲しむ人も多かったでしょうに。相変わらず罪な人だ」

死んだと自覚するまでに、数刻かそれ以上に遥かに長い時間か。
2人程の死者と正者の手を借りてフィオレロがそれを理解した後、
即座に消える身でもなく、地上で言葉を交わした事のあるファミリーの死を知れば、その姿を探して軽く歩く。
見つかればその背にすぐに声を掛けた。


「孤児院、どうなりましたか?」

と、真っ先に聞きたかったそれを最初に伝える。
(-9) poru 2022/08/23(Tue) 23:05:14

【秘】 愚者 フィオレロ → ”復讐の刃” テンゴ

「やめてくださいよ縁起でもない。
 俺は置いて行かれることが何より嫌いなんです。
 そんな事されるくらいならいっそ先に置いていきますから」

「……。ああ、わからないですか?そうですねぇ……」

どうしてそんな事を聞くんだろう。
とばかりに真顔の瞬きを数回し終えて、顎に手を当てながら指でトントン弾くように叩きながら思案した後に、秘密だとばかりに声を潜めて。

「じゃあ、」
「思い出話にしましょう」
「"そのあと"を語れる機会が訪れた時に、ね」

そんな日は訪れることはなかったのだけれど。
起きる事のない事を、秘めた思いごとこの日の記憶と共にしまい込んだままに。
これでよかったのだ。そう自分に今は無理やり言い聞かせた。
(-12) poru 2022/08/23(Tue) 23:15:29

【秘】 Niente ラウラ → 愚者 フィオレロ

これはきっと、道の途中。
誰に出会うのが先か、後か。

そうしたことをこの世界で考えるのは野暮だ。

聞こえた声に真っ直ぐに視線を向ける。
それは、いつかのように。

「……フィオレロ、様」

問いかけには、何かを考えるように空を見上げる。
それから目を閉じて、口を開いた。

「………………はい。……きっと、見つかりました」

あれがきっと、欲なんだろう。
なんとなく、そう感じている。

いつかに想像した貴方の反応を思って、閉じた目を開いた。
(-22) sinorit 2022/08/24(Wed) 1:10:45

【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 愚者 フィオレロ

「それは俺も困るな。未来有望な若者に先立たれたくはない。それに、気に入りが先に死ぬのを見るのも御免だ。」

「思い出話、か。良いだろう。そのあとが俺にあるのかは分からんが、もしあったなら、その時は。じっくりと聞かせて貰おうか。」

死ねないな、と独り言ちて笑う。
だが、そのあと・・・・は、来なかった。

本当に、思い出話になった。
男もまた、芽生えかけた感情に蓋をし、思考する。
そのあとが、あったなら。自分は受け入れられただろうか。

「…きっと。愛していたよ、心から。」
(-27) ぴんじぃ 2022/08/24(Wed) 3:06:34

【秘】 愚者 フィオレロ → Niente ラウラ

元気?と問いかける男の顔こそやや疲労の色が見えるものの、貴方の返答を聞くと最初こそ驚いたように目を瞠って。
どこかやり場に困ったような視線から貴方に視線を戻した。

だからきっとあなたが目を開いた時に見たものは、

「そう。後悔は、していない?」

憐憫でも喜びでもない。希望と絶望でもない。
笑顔ではなく微笑みを返して、"そう"なのかと頷く目は、同じ気持ちを抱いてしまった貴方をほんの僅かに心配するもの。
それはまるで、男は一度そう思ってしまったことがあることのよう。


「君が得た答えが不幸なものではなかったのなら、
 見つかったそれを、最後に聞いてみたいな」
(-28) poru 2022/08/24(Wed) 3:17:17

【秘】 愚者 フィオレロ → 家族愛 サルヴァトーレ

島の中の花屋を巡る。
これは男がまだ生前の話。

男は"あえて"ノッテの領土ではなく、島にある花屋を美術館でも除くように見て回るのが好きだった。

例えそれがアルバの息がかかった場所ででも、だ。
己が見極められる程度はさすがに遠慮するも、
そうでないなら知らなかったと答える気しかない。


どんな花屋でも、全ての花を仕入れられはしない。
だからこそ巡っている最中──
好きな花を見かけると、思わず声を掛けずにはいられなかった。

「──オキシペタルム」

花屋の前の貴方が持つ花に思わず声が漏れてしまい。
おっと、と気づいてからは誤魔化すようにはにかんでから、

「いや、失礼。随分と好みが似ていたもので。
 結婚式かお祝い事ですか?」

なんて、世間話とばかりに臆さずに話題を振ってきた。
(-29) poru 2022/08/24(Wed) 3:25:35

【秘】 Niente ラウラ → 愚者 フィオレロ

貴方に向かう菫色は、揺れない。
ただ真っ直ぐに向かい、貴方の瞳を覗くように。

「はい。……後悔は、しません」

その表情は変化こそ見えづらいものの。
声色は柔らかく、ほんの少し笑っているようにも思える。

あの日に後悔などない。……なかった。


「………幸せに なりたかった」

それは組織ノッテの人間としてではなく。
たったひとりの、女の言葉だ。

この意味はきっと理解出来ない。これだけでは、きっと。
けれどその詳細を語ることは無いだろう。

……その代わりに。

「誰かの何かが欲しい、というのは──立派な "欲望"でしょう」

もう一度空を見上げて、誰かを想う。
ほんの一欠片でもそれを願うことがきっと、欲の始まりだ。

生きていれば、その想いは大きくなり。
やがて、その全てを欲するようになっていたのかもしれない。
(-30) sinorit 2022/08/24(Wed) 7:05:37

【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 愚者 フィオレロ

祭りの少し外れ、閑静な街路で男は花を見ていた。
ここ数日、島の全体が文字通りお祭り騒ぎの雰囲気に包まれている。酷く活気に満ちて陽気なそれを嫌いではなかったが、浮き立ちすぎた空気は男の日課には不似合いだった。

花を選ぶ。菓子を選ぶ。装飾品を選ぶ。
愛する者たちに贈る様々を手に取る。それを手にした、口にした、身につけた彼ら彼女らの顔を思い浮かべる。笑う声を耳に思い出し、ぴったりのものがあればそれと決める。
心に寄り添うように、言葉を交わすように、なるべく雑音がないのがいい。
だから男はそこにいた。青のオキシペタルム​────ブルースター​────をその手に持って。
声をかけられれば緩慢にそちらを見、それから柔和に笑うだろう。

「Ciao.」

もう一度青い花に目をやる。

「そうなんだ。知り合いに子どもが生まれたもので」
(-33) rik_kr 2022/08/24(Wed) 10:06:46

【秘】 愚者 フィオレロ → 家族愛 サルヴァトーレ

Ciao、とあいさつ代わりに返答しながら、

「そりゃぁ、おめでたい。
"家族"が増えると言うのは喜ばしいですね。

私は家族に憧れてそう短いですが、
知り合いの子に花を授けるくらい愛されているのは羨ましい。
 
 そんな人なら、その花を選んだ理由が何か他にも?」

小さくどこか儚げな美しさのそれを綺麗だけで選ぶのも
何一つおかしな事ではないけれど、この伊達男めいて見える
彼なら他に考えでもあるのかと興味をつい抱いてしまう。
(-38) poru 2022/08/24(Wed) 14:02:54

【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 愚者 フィオレロ

「孤児院……?」

前半の言葉はあまり聞けなかったのか、寝ぼけ眼で答える背があった。確かに死んでいる同士、こんな夢もまたどこかにあってもおかしくないのかもしれない。

「さあ、引き継ぎはまともにしてないがテンゴがやってくれるとさ。残ってる奴等が何とかしてくれるだろ」

「その本当に死んじゃったってやつはなんなんだ。
 俺は死ぬつもりなんてなかったぞ」
(-53) toumi_ 2022/08/24(Wed) 18:36:27

【秘】 愚者 フィオレロ → Niente ラウラ

「そうか。ここまで来てそう思えるなら本物だね」

零れた彼女の呟き貴方だけの言葉に答える術を持たない男は、
何も肯定も否定もせず、ただ一度だけ相槌のように頷いた。

もしその言葉に反応できる人がいたとして。
それはきっと自分ではない。そう思ったから。

「……だと思うよ。欲望が、自分には過ぎたものだとか、
 思われる価値がないとか考えた先の自我の芽生えなら──
 ある意味、聖書などに謳われる"人間"にようやくなれたのかもしれない」

あなたの視線につられたのか、感傷が勝ったのか。
空に見えるそれを見上げて、その相手が誰だったのならと少し無粋な思案を仕掛けたのを止めた。

「"何か"でよかった。死を望むほどでなくて」
(-56) poru 2022/08/24(Wed) 18:44:34

【秘】 愚者 フィオレロ → デッド・ベッド ヴェネリオ

「……ああ、そうなんですか。テンゴさんが。
 最初からテンゴさんに任せていればよかったのでは?」

シノギみたいなものなら猶更と。
最も生きていた頃だと余りいい顔のしなかった提案だ。
なんせ、そちらの世話を比較的楽しそうに焼いていたの
だからその機会が減るのは目に見えていたので。

「残念です。ご愁傷さまです。
 いやあ、なんだか死に血肉沸き立つみたいな心地で
 当時も会話されていた気がしましたので。

 俺も死ぬつもりはなかったですよ本当に。
 ……まあ、許されなかったって事ですかね」

せめて継げていればな、と未練だけを零す。
(-58) poru 2022/08/24(Wed) 18:50:02

【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 愚者 フィオレロ

「あいつはよそ者だし、死ぬ覚悟ができすぎていた」

コンシリエーレをよそ者扱いする幹部は非常に多い。
だからあいつはあの地位になったのだ、いきさつをよく知っている男は何でもないように友をこき下ろす。

「ああ。できればできるだけ殺して、無事ですみたかった。
 だが敵の数も知れないからな。
 最悪のことを考えるだけ考えて……、
 大人しい行動をするに至らないのが俺だっただけだ」

もっといきたかったような、死ねてせいせいしたような。
後悔はないのだと、上司であった男は溢した。

後悔を作らずに常に生きていこうとしていた男は、それはもう何処かからは死にたがりに見えていたようだったが。

「いつも残酷だよな運命ってやつは、お前誰にやられてたんだ。
 最後までわからなかったぞ、身内か?」
(-60) toumi_ 2022/08/24(Wed) 18:56:55

【秘】 愚者 フィオレロ → デッド・ベッド ヴェネリオ

「まあ、それはもう。考えてみたら……
 それこそ俺が更なる交代先探す羽目になってましたね。

 その癖、あの人だけ生き残ってるんですよ。
 あれだけ覚悟もできてるのに理不尽なんだかなんなんだか。

 せめてどっちも死ぬか、どっちも生きるにしておいてください」

この発言こそ理不尽の極みである。
あなたほど彼に詳しいわけではないけれど、それでもあなたと彼の親しさは当然のように知っている。
だからその言葉に不満もなければ、乗っかるくらいである。

「やんちゃですねぇ。
 後悔がないって言いきれる人が多いの本当に不思議ですよ。
 俺なんて後悔の塊なのに。

 ……まあ。ノッテの家族がそう思う人たち
 ばかりなのは俺にとっても幸福なんでしょう」

前向きにとらえるか、後ろ向きにとらえるかの差だろうか。
こんな場所に来て男は議論する気もないため苦笑でとどめたが。

「……一年前のアルバとの件が気に食わない、
 幹部の誰かと思っていましたが。その様子ですと違いましたか」
(-63) poru 2022/08/24(Wed) 19:07:36

【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 愚者 フィオレロ

「へえ。憧れて?」

君の言葉を聞いて、気になる単語を掴みあげる。それはある意味センシティブな問いだったかもしれないが、男が臆することはなかった。

「ああ、」

君に注がれていた視線が手元の花へと移動する。わざとらしく逸らしたのではなく、単純に話題のきっかけへと目が向いただけらしかった。その証拠に先程まで花屋と向き合っていた男の身体は今、開け放ち、受け入れるように既に君の方へと向いている。

「そうだね。月並みだけど」

男の口元が笑みを形作る。愛する者を思って、自然に零れたのだろうか。

「生まれた子が男の子なんだ。ベイビーブルー、男の子のラッキーカラーだよ」
「それから花言葉は幸福な愛……だっけ。ほら、この青。マドンナのヴェールの色をしているだろう」

そこで、もう一度視線をあげる。
弧を描く口元、やや眇られた瞳。いたずらっぽい笑いがそこにあった。

「……なんてね?」
「こんなこと、君も知ってるんだろ? わざわざオキシペタルムなんていうんだもの、ブルースターじゃなくてさ」
(-64) rik_kr 2022/08/24(Wed) 19:11:25

【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 愚者 フィオレロ

「正直俺もお前をやったのはあいつらかと……。
 それでも荒立てるわけにはいかなかったから、言わなかった。
 全部終わったらテンゴが片付けてくれるだろ。
 あいつもただじゃ死ねない男だ、いつか追っかけてこっちに来てくれるさ」

ひと欠伸しながら思い出すのは、生きていた頃の貴方たちの姿と家族たちの姿。やりたいことはあったが、そこまで顔は歪めるに至らず。

「若いなあ、お前は。
 あー、例の件だが。すまんな改めて死んだ人間を俺は嫁にとれん。
 だがめいいっぱい甘やかしてやる。
 抱きつくだの何でもしてこい。どうせ忘れるし泡になって消える思い出かもしれんが、この瞬間だけ俺が叶えてやったことにさせてくれ。部下を褒めなすぎていたのは気にしていたんだ」
(-66) toumi_ 2022/08/24(Wed) 19:17:37

【秘】 Niente ラウラ → 愚者 フィオレロ

本物か、偽物か。本当のところは分からない。

ただきっと、分からないなりに考えたこの答えは。
ラウラという一人の人間を、己を救うだろう。

「……ずっと、過ぎたものだとは 思っていました。
ラウラは、役立つだけが価値だと 思っていました」

死ぬことに恐怖も後悔も抱かず。
終わり行くことだけが生きていく道だと。

けれど今は。……今は、貴方の言うように。
確かな"人間"として、答えが出せた。

「死は、望みません。
ラウラは──生きて、幸せを"知りたかった"のですから」

菫色に映る空は眩しくて、少し目を細め 息を吐き出した。

「…………フィオレロ様、話を聞いてくださり。
ありがとうございます ね」
(-68) sinorit 2022/08/24(Wed) 19:26:54

【秘】 愚者 フィオレロ → 家族愛 サルヴァトーレ

「孤児だったものですから。
 その上で幸せな"家族"を見てしまうと憧れませんか」

よくある話だろうとばかりに。もうひとつ、あなたはどうですか?を込めた笑みが貴方を見やる。

こんな花屋の店先で出す単語でも返す話題でもないにも拘らず、
気にしていないのか、あるいはそう見せているだけか。
何の躊躇もなく会話のパスを返す。

「はは、いやまあ」

最初のワードで"結婚式"を単語にも出していた時点で、元々知っていたことは明白だろう。

隠しもしない緩い笑いから、小首を傾げて貴方の目を見つめる。
貴方が変えた姿勢に無意識に敵意はないとばかりにそれとなく腕で覆っていた姿勢を、開けたものに変える。

「あなた自身にもご家族がいるように見受けましたが。さて。

 それに、好きな花家族のように愛しい についての話は幾らでも聞きたくて。
 特に品のある貴婦人ならよく見かけるんですが……情に厚そうなお兄さんが知っているのを見ると、つい尋ねたくなったんですよ」
(-71) poru 2022/08/24(Wed) 19:40:31

【秘】 愚者 フィオレロ → デッド・ベッド ヴェネリオ

「そうですよねぇ。まあ十中八九……でも気にしないでください。そもそも俺からすれば、そう言って貰えるだけで十分ですから」

言葉通り、誤解なんて一言で済ませられる問題でもない。
何より前ボスの判断だってあってこそだ。
己は一切の噓を語ったつもりはなくとも、こうして肩を持ってくれる人の存在がどれだけ大切だったかは理解している。続けて頭を下げた。

「いつか、かぁ。いつになりますかねぇ。
 極東のハチコウとやらにならなきゃやってられないくらい待たされる気がしてなりませんよ俺は。そういうペースの人ですもん」

「若いですよ。なんたって享年23です。
 若さを求められてもいましたし、それで許され……」

ません?と言い切る前に、突然流れとして出るには不自然すぎる単語を聞いて、おう。うん。とばかりに頷いた。
そも、先に単語を出したのはこの男なんだがそれはそれ。

「…………死後一番驚いたかもしれませんね。
 覚えていらしたとは。てっきり俺がしくじった時点でゴミ箱に投げ込まれていたと思っていたので、今結構に動揺していますね」

していますね、と言っている顔が無表情なのが動揺に拍車をかけているのはとっくに知られていることかもしれない。

「甘やかす……甘やかされる……」と譫言のように呟いてるのは、逆に言えばこんな行動を録に起こした事がなかったのだろう。
(-73) poru 2022/08/24(Wed) 19:47:24

【秘】 愚者 フィオレロ → Niente ラウラ

「……そっか。
 何もかもが過去形にばかりなったこの空間で、
 一番聞けて嬉しい "だった" かもしれない、な」

果たして、例え話の人間になる事が幸せなのか。
死後にその欲望を知ってしまったが故に後悔を経験した己には、
終ぞ最後まで答えを出すことができなかったが。

「ラウラくん。君が人となったこともあるけど、それ以上に。
 その答えを選んだ上で俺と違う道後悔の有無を歩んでくれた事が
 俺が理由を言う何よりの一番の理由だ」

本当は、それこそを一番望んでいたのかもしれない。
なんて恩着せがましい言葉はそっと胸の内にしまって。

「……こちらこそありがとう。
 その結末を見せて話してくれて」

貴方が知れた答えに、昔は祈りだったから今度は祝福を。
それから空の色を見て、何かを思案するようにして、

「夜が来る前に帰らなければならない時間だが、さて。
 ──それじゃ、"また機会があったら飲もう"、か」

これから送り迎えの有無を聞くよりも、きっとこの方が自分達らしくていい。
(-80) poru 2022/08/24(Wed) 20:03:07

【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 愚者 フィオレロ

「なんだ、真面目に考えてやってたのは俺だけか」

なんともないように、いいつつ。頭をかく。動揺していたのは同じだ。
まともに関係性を求められて言葉を言われたのはあなたぐらいだったから。

「テンゴに押し付けてやろうかと思ったらあいつも、俺にお前を渡そうとしやがった。
 あっちにも惚れてるならやめておけよ、恋愛感情じゃなくてペット扱いで終わるのがおち。コルヴォも、ありゃだめだ。
 だからノッテにこだわるのは……リックならましだったかぁ? わからんな。」

ぶつぶつ呟きながら手を伸ばせば伝わらない熱を掴む。
夢なら腰ぐらいどうにかなってくれや、と。
思いっきり貴方の脇をつかめば高く上へと持ち上げてやる。
そのまま重力に逆らわず地面に足をつかせれば髪の毛を乱すように掻き回してやった。

「適当な子供たちにはこれをやったら喜んだ。
 俺はその理由を知っててやったり、やらなかったりした。

 いつまでもその体を支えてやれない。
 一緒に居続けるっていう約束もしてやれはない。
 泣いたときに慰めるのは、俺じゃない。

 そういい聞かせてるのに、喜ぶもんだから。
 それが欲しいもんなんだって知ってた。

 最期で悪いな、生きてたらもっと他のもんも考えられたが
 ……どうせこれ以上やれないんだ。
 未練なんて消して楽になっちまえよ」
(-81) toumi_ 2022/08/24(Wed) 20:05:22

【秘】 鳥葬 コルヴォ → 愚者 フィオレロ


結局は徒労に終わるとわかっている努力を、誰が続けられようか。
当然、他人からすればそんな事情は知った事ではないだろう。
だからこの腹の底は誰に話す事も無い。
片手の指の数にも満たない人間だけが、知っている事。

他人にとっては、誰に話す程の過去も無い、つまらない人間だ。

「……努力して、報われるなら。
 生きる事をやめようとしてやめられるのなら、
 きっと俺は、とうに終わっていた人間だよ」

とはいえ、今は回りくどく慎重すぎるやり方をしている。
その事だって今はもう嫌というほどわかっていて、
だから今後の進退を決めるなら、きっと今が岐路なんだろう。

けれど、それでも。

「人はいつかは死ぬ。死んだ奴に頼らなきゃならないほど、
 俺もやりようが無くなったわけじゃない。
 たとえいつかお前が引き金を引く時が来たとしても、」

「それは今じゃない」

死に損ないは、今を選ばなかった。

それが良い事だったのか、悪い事だったのかはわからない。
何れにしても、その賭けが行われる事は終ぞ無く。
それ故に、互いに淡く脆い期待を裏切られる事は無かった。
ただそれだけが、確かな事だった。
(-89) unforg00 2022/08/24(Wed) 20:44:55

【秘】 愚者 フィオレロ → 鳥葬 コルヴォ


長い長い沈黙の後、この手が貴方を基軸とした何もかもにも触れられる事は永遠に無いと知った。気付いた。

「…………そうか」

その上で、零れた言葉はそれ一つ。
薄々こうなる事をわかっていたのか、感傷が全てを塞き止めたか。

「振られに振られてここまで来たな」

「他人に何かをしてやるなんて事は烏滸がましいと理解していたが──それでも、何か一つでいいから、」

"お前の手助けがしたかったよ"

なんて、幼少期からずっと押し付け続けていた余計なお世話も、これで全部終わりだ。終わるからには立ち去らねばならない。
ああ、格好悪いしみっともないったらありゃしない。
結局己は不用意に労って、逆に昔馴染みを傷つけ続けただけだ。
『stronzo!!』なんて叫んでやりたくすらなるも、最後の最期だ。どうせなら嫌がらせの限りを尽くしてやろうとして、

「うまく死ねよ。そうでないと、」
「次に会うときは本当のfratelloになるよう願ってる俺の願いが叶うぜ。──じゃあな」

一番最初、本当に出会ったあの日に貴方に望んで。
再開した後の貴方をみて、遂に望みを言葉にできなかった"迷惑"を全部ぶち撒けてから──永遠にその場から跡形もなく、男は消え失せた。
(-93) poru 2022/08/24(Wed) 20:59:18