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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


ストレガリカルドを蘇生させた。

【神】 冷たい炸薬 ストレガ

【ノッテアジト】

「なん、だって?」

もう、随分静かなアジトで。
二枚の資料を見る。
両方共に、関わった顔。
特に、その片方は。

「冗談にしちゃ笑えないよ」

ストレガは、椅子を蹴倒したりしない。
静かに立ち上がり、俯いて、机に手をついた。

「なあ」

広くなった会議室で、僅かに震えた声が
ぽつりと虚空に吸い込まれていった。
(G0) shell_memoria 2022/08/23(Tue) 21:55:35
ストレガは、海色の瞳が波のように揺らめく。
(a1) shell_memoria 2022/08/23(Tue) 22:00:09

【神】 冷たい炸薬 ストレガ

「嘘だって言ってくれよ」
「誰でもいいから……」

机にすがるようにして、崩れ落ちて、
否応にも資料が目に入り。
(G1) shell_memoria 2022/08/23(Tue) 22:07:01

【神】 冷たい炸薬 ストレガ

「レヴィア……ッ」

小さな呻きと共に、涙の粒がひとしずく。
それで、当分静かになった。
(G2) shell_memoria 2022/08/23(Tue) 22:07:54
ストレガは、瞳から海が零れている。寄せては返す、波のように。
(a2) shell_memoria 2022/08/23(Tue) 22:09:26

【神】 冷たい炸薬 ストレガ

――少しの間。微かな嗚咽が残っていた。
それをかき消すように、ごつ、と頭がテーブルに落ちる。
1度、2度。……間をあけて、強く、3度。
そして、ゆらりと立ち上がる。端末を指先でなぞり、
ソルジャー以下数名の手勢に向けて。

「ストレガだ」
「暗殺屋の所に転がっていたゴミとその仲間の身元を調べろ。
 徹底的に。全て調べあげて、まとめて報告しろ」
「気取られず、そして決して殺すな。
あたいがやる。

 ……安心しな、自爆みたいな古臭い方法は使わないよ」

ビッ、と親指の腹で目元を払う。
家族の死を嘆く、年相応の女は消えた。
(G5) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 2:18:43

【神】 冷たい炸薬 ストレガ

海は涸れ、煮え滾る溶岩が流れ込む。
ともすれば血涙を流しかねないほどに鬼気迫る――微笑み。

「恐怖の味ってモンを、教え込んでやるのさ……
 連中の、根の部分まで。骨の髄でもまだ足りない、奥底に」

女は、今や本物の魔女となった。

「ちょっと、行ってくる。
 ああ、安心しなよ。テンゴさんの手は煩わせないさ。
 あたいが欲しい首は、そんな上等なモンじゃない」

「もっと下等な、屑の首だ。手柄も、何も要りゃあしない。
 その代わり――横取りしたら、誰であっても、
 喰いついてやるから。覚えておきな」

ごつ、ごつ。床をブーツが叩く音。
魔女は、会議室を後にするだろう。
(G6) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 2:29:59
ストレガは、路地の店には向かわない。
(a8) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 2:44:25

ストレガは、あの店に向かうのは、清算をしてからと決めている。
(a9) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 2:46:47

ストレガは、だから、もう少しだけ待っててよ、Piccolinaお嬢ちゃんto
(a10) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 2:48:09

ストレガは、呟く傍ら、掌に隠れるような、小型拳銃を手にして街へ消えた。
(a11) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 2:49:00

【置】 ノッテの魔女 ストレガ

――下手人は、至極あっさりと見つかった。
それは一仕事終えた安堵からか、或いは
底冷えする魔女の号令に部下が奮起したからか。
ともあれ。彼らは、見つかった。
見つかってしまった。その報告を聞けば
魔女はきゅうっと口の端を吊り上げて、笑う。

「ああ」
「いまいく」

左手には暗殺用の小型拳銃を一丁。
それはいつだか、整備したあの銃と同じ型。
同じ改造を施したもの。

右手には最も扱い慣れた物が詰まった工具箱。
仕事の時に使う物の内、幾らか錆が浮いた古いもの。

ごつ、ごつ、と。あの子の軽い足音に比べれば、
ずっとずっとうるさくて、重い音。
やがてそれは辿り着き、訝しむ者を前にして、
微笑みながら呟いた。

Chi semina vento raccoglie tempesta.風を撒き散らす者は嵐を掴む

嵐が、吹き荒れた。
(L0) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 14:26:59
公開: 2022/08/24(Wed) 14:25:00
ストレガは、生け捕りの代償に、右の頬と耳が少し欠けた。
(a13) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 14:31:33

ストレガは、それを引きずって、塒へと帰っていく。
(a14) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 14:33:48

【独】 ノッテの魔女 ストレガ

【寂れた時計塔】

垂れた血の跡が、時計塔に伸びている。
何かを引きずった跡も。

それらは錆びついた扉へは近づかずに、
脇に積まれた箱の方へ。その陰に隠された入口へ続く。

『中は廃墟の割には小奇麗で、幾つかの机と椅子がある。
 動く事もないはずの歯車たちは錆びも埃もない。
 床も入口付近は草が侵蝕していたが、
 そこ以外はワックスのきいた床板が張られている。
 発電機でも持ち込んでいるのか、壁にはコンセントの口が
 幾つもあって、電動ドリルやはんだごてなど
 電機工具のコードがいつでも挿せるようにぶら下がっていた。』


「本当はね」

今は、そこに工具はない。すっかり取り去られている。
家具の配置は変わらないまま、仕事の痕跡が消えていた。
部屋の壁際には、中身が空っぽの金庫がひとつ。
それと、金庫に片腕を下敷きにされた男がひとり。

「ここには、誰も入れるつもりはなかったのさ。
 あたいの物を勝手に触られたくないし、
 仕事の邪魔もされたくなかったしね」

何の話をしている、と睨む男の、固定された腕を
強く踏みつける。骨の軋む音がした。
(-52) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 18:35:29

【独】 ノッテの魔女 ストレガ

「ところがだ。ある時どこで見つけたのか、
 猫が入り込んできてね。毛並みはいいのに、
 なんとも態度が可愛くない奴でね。
 その癖、賢い奴で場所を荒らしたりしないのさ」

もう一度、強く踏む。折れる前には、足を離す。
男は、既に片手と両足をガムテープで巻かれ、
身動きが取れない状態になっていた。
狂ってんのかよ、と僅かに汗をにじませた男に、
ハ、ハ、と。それこそ狂ったように、笑う。

「はーぁ。ま、そんな猫が何度かここに来てね。
 その度ちょろっと様子を見ては、帰っていくのを見てた。
 いや、別に深い話がある訳じゃない。
 ただそいつの事が気になってたのさ。
 今頃どこで何してんだか、ってね」

傍らに、大きなリュックを下ろす。中から工具を引き出して。
壁際のコンセントは、きっと増設したものだ。

「そんな猫がな」

魔女は、そこにはんだごての電源を接続した。

「あたいが、気まぐれにちょっと見送ったらさ」

魔女は、凄絶に微笑んだ。

「死んじまったんだ」
(-55) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 18:44:24

【独】 ノッテの魔女 ストレガ

「なあ。なんでその猫は死んだんだろうな?」

知るかよ、と返す口をガムテープで塞ぐ。
口元から、後頭部。また口元。4周ほどして、止める。

「そう考えてた時、小耳にはさんだんだよ。
 『猫を殺した奴がいる』って」

ちり、ちり、赤熱しつつあるはんだごてを見下ろしながら、
黒ずんだ指先に軍手を嵌めていく。

「あんたからさあ」
「するんだよ」
ねこのちのにおいが


熱し切っていないはんだごての先端を、
金庫に挟まれた腕に押し当てた。
(-57) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 18:49:35

【独】 ノッテの魔女 ストレガ

「なあ」

封じられた身体をうねらせる男の、腕を焼き続ける。

「あの子は、暗殺者だったよ。
 正直言って、最近までどんな子か知らなかった。
 工房に来るでもなし、会話が得意でもない。お互いね」

はんだごてを離して、灼けた痕を眺める。

「いざ会話してみれば、かっわいくない子でさあ」

ガムテープ越しに、ゆっくり押し付けて脛を灼く。
くぐもった呻きが、暴れる向こうから聞こえてくる。

「でもね」
「あの子は、……いい子だったと、あたいは思ってる。
 はは、聞かれたら『馬鹿ね。』って言われそ」

似てない声マネを、男は聞けていただろうか。
金属を溶かす熱に、腿の裏を服の繊維ごと灼かれながら。

「あーあ」
(-59) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 18:57:58

【独】 あなたを想う ストレガ

「……死んじゃったんだなあ、レヴィア」
(-61) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 18:59:29

【独】 ノッテの魔女 ストレガ

「なあ」

ガムテープに押し付けた熱が、少しずつ男の頬を灼く。
ビニールの溶ける匂いが、肉を焦がす臭いに変わる。

「あたいは、あんたを苦しめたい。
 けど、そんな事してもあの子は帰ってきやしない」

ぱっ、と、はんだごてを離してやる。
電源を抜いて、コードを纏めて。

「だから、代わりにあの子を弔いたいんだ。
 なあ、あんた。手伝ってくれるよな?」

痛みに涙を流しながらも、男はガムテープの向こうで
イタリア語のスラングを幾つも幾つも垂れ流していた。

「ああ。ありがとう。じゃあ、頼むよ」

ぽんぽん、と男の頭を軍手越しに軽く撫でる。
そして、魔女は二階へ姿を消した。
(-62) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 19:04:38
ストレガは、時計塔の歯車を撫でた。それは、別れの挨拶のよう。
(a15) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 19:06:16

【独】 ノッテの魔女 ストレガ

「待たせたね」

魔女は、少しして降りてきた。
両手には旅行鞄を1つずつ。
きっと、その中には止まった時計と、動いている時計。
そして、この魔女の得意とする爆弾が満載で。
けれどそのいずれも、ここで使う気はないようで。

旅行鞄を抱えて、工具の入ったリュックも背負って。
最後に、欠けた頬と耳から血を流しながら、
男に近づいて微笑んで。

「なあ。あんたみたいな野郎でも、息子はいるだろ」

痛みに血走った目を向ける男は、狂った女め、
という視線しか返さない。実際男に家族がいるか?
そんな事は、この魔女にとってはどうでもよかった。

魔女は、釘打ち機を取り出して。
(-65) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 19:15:56

【独】 ノッテの魔女 ストレガ

Voi e i vostri figli soffrirete per il resto della vostra vita.テメエのガキ共々、未来永劫苦しめよ


男の股間へ押し当てて、制止の声が出る前に、
きっちり3発。男を、床材と縫い付けた。
(-67) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 19:20:33
ストレガは、釘打ち機をしまうと、「Addio.」と呟いて時計塔を出た。
(a16) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 19:20:53

【人】 ノッテの魔女 ストレガ

「あーあ」
「……。あいつ、怒るかな。
 ……いや、絶対こうだな」

「『興味ないわ。』」
「はは。」

ごつ、ごつ。
時計塔から足音が離れていく。
旅行鞄を二つに、リュックサックをひとつ。
女だてらに銃器を散々振り回したから、
これくらいは持ててしまうのが恐ろしい。

それからふっと、思い出したように。
寂れた時計塔を見上げる。
天辺には、鳴る事のない大鐘が釣られていて、
時計塔の中の歯車が動いていれば、
きっと時を報せる鐘の音を、島中に響かせたのだろう。

「――なあ。中を修繕しといて、なんだけどさ。
 悪い、あたいの友達の為に……」
「空のずっと向こうまで届く、盛大な花火をあげてくれ。
 それから、あんたのデッカい音をさ、響かせてくれ。
 あたい、グラスハープとか当分弾けないから、
 それまでの代わりとしてさ」

キン、と、銀色から欠けたリングが落ちる。
頬と耳が欠けた魔女は、時計塔に瞑目して、背を向けて。

銀のスイッチを、押し込んだ。
(13) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 19:29:30

【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ

Buona notte.Sogni belli.おやすみ、良い夢を
「レヴィア」

寂れた時計塔が、基部から爆発した。
いくつも、幾重にも仕掛けられた爆弾が、
連鎖的に爆発を起こす。
背中に熱と風を感じながら、魔女は去っていく。

最後に、天辺の大鐘の真下が、特大の爆発を起こして。

カラァーーーーン、カラァーーーーン……


大きな鐘が、何十年かぶりに、その音を天へと響かせた。
(14) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 19:34:22
ストレガは、ため息をひとつ。猫を迎えに、あの店へ向かった。
(a17) shell_memoria 2022/08/24(Wed) 19:35:42