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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


コルヴォは、その夜を境に夜闇に消えて、何処へも帰る事は無い。
(c9) unforg00 2022/08/24(Wed) 1:55:49

コルヴォは、誰かとの口約束を果たす事は無い。
(c10) unforg00 2022/08/24(Wed) 1:55:57

コルヴォは、預けたものを受け取りに行く日は永遠に来ない。
(c11) unforg00 2022/08/24(Wed) 1:56:02

コルヴォは、次の会議に訪れたのは、その死を告げる書類だけで。
(c12) unforg00 2022/08/24(Wed) 2:00:16

コルヴォは、もう誰の元にも戻らない。きっと子守歌を聞く事も無い。
(c13) unforg00 2022/08/24(Wed) 2:00:23

コルヴォは、いつだって喪に服していた。
(c14) unforg00 2022/08/24(Wed) 2:00:29

コルヴォは、死んでいった人間と、それから死に損なった自分の為に。
(c15) unforg00 2022/08/24(Wed) 2:00:35

【秘】 天使の子供 ソニー → 鳥葬 コルヴォ

まだ僅かな陽のあるマジックアワーの中に浮かんだ、黒い輪郭を目にする。
足音のない生き物はゆっくりと近づく。相手の言う通り、さながら死人の影が揺れるようだ。
例えば拳銃の間合いであれば届くもの。ナイフであれば、もう少し。
その僅かな違いの手前で、爪先はぴたりと止まる。静けさの中に声はよく通った。
そのくせ風に流されてしまって、互いの距離から離れてしまえば、きっとなんにも聞こえない。

「……アンタは、金と手間さえ払いやすりゃ、やってくれるの。
 その名前の通りの、仕事っていうのをさ」

口の中に氷を詰めているように声音は冷え、されど鋭さも無く川底に落ちたよう。
少なくとも以前まで話していたような表稼業の柔らかさは持たず、けれど仕事中の張りもない。
いちばん、ペルソナの何もかもが剥がれた中央にあるもののような無防備さだ。
青年の、外装の無い振る舞いを目の当たりにした人間てのは、そう多くはないものだろう。

両腕は下がり、隙こそないもののその先に縋る刃はない。今こうしているうちは、傷つけることはない。
それを示すように、薄暗がりの中で手袋をした指がふらふらと揺れている。
冷えた唇から飛び出した言葉は、相手からしてみれば出し抜けに聴こえるものだろう。
昨日まではもう少しばかり、青年の姿には不穏当な意気があったはずなのだ。

「オレより先に、用事のあるのが、いるんだ。
 ……誰にも見せてやりたくない。死体を、処分してくれるんだろう」

手荷物があるわけではない。今この場に、"用事のある者"はいないのだろう。
一応は相手とは敵対する間柄の筈だ。どれだけ互いの素性を聞き及んでいるかは別にして。
それを戯言のままに聞き流すか、仕事、或いはお願いとして捉えるかは、相手次第だ。
(-84) redhaguki 2022/08/24(Wed) 20:17:33

【秘】 鳥葬 コルヴォ → 愚者 フィオレロ


結局は徒労に終わるとわかっている努力を、誰が続けられようか。
当然、他人からすればそんな事情は知った事ではないだろう。
だからこの腹の底は誰に話す事も無い。
片手の指の数にも満たない人間だけが、知っている事。

他人にとっては、誰に話す程の過去も無い、つまらない人間だ。

「……努力して、報われるなら。
 生きる事をやめようとしてやめられるのなら、
 きっと俺は、とうに終わっていた人間だよ」

とはいえ、今は回りくどく慎重すぎるやり方をしている。
その事だって今はもう嫌というほどわかっていて、
だから今後の進退を決めるなら、きっと今が岐路なんだろう。

けれど、それでも。

「人はいつかは死ぬ。死んだ奴に頼らなきゃならないほど、
 俺もやりようが無くなったわけじゃない。
 たとえいつかお前が引き金を引く時が来たとしても、」

「それは今じゃない」

死に損ないは、今を選ばなかった。

それが良い事だったのか、悪い事だったのかはわからない。
何れにしても、その賭けが行われる事は終ぞ無く。
それ故に、互いに淡く脆い期待を裏切られる事は無かった。
ただそれだけが、確かな事だった。
(-89) unforg00 2022/08/24(Wed) 20:44:55

【秘】 愚者 フィオレロ → 鳥葬 コルヴォ


長い長い沈黙の後、この手が貴方を基軸とした何もかもにも触れられる事は永遠に無いと知った。気付いた。

「…………そうか」

その上で、零れた言葉はそれ一つ。
薄々こうなる事をわかっていたのか、感傷が全てを塞き止めたか。

「振られに振られてここまで来たな」

「他人に何かをしてやるなんて事は烏滸がましいと理解していたが──それでも、何か一つでいいから、」

"お前の手助けがしたかったよ"

なんて、幼少期からずっと押し付け続けていた余計なお世話も、これで全部終わりだ。終わるからには立ち去らねばならない。
ああ、格好悪いしみっともないったらありゃしない。
結局己は不用意に労って、逆に昔馴染みを傷つけ続けただけだ。
『stronzo!!』なんて叫んでやりたくすらなるも、最後の最期だ。どうせなら嫌がらせの限りを尽くしてやろうとして、

「うまく死ねよ。そうでないと、」
「次に会うときは本当のfratelloになるよう願ってる俺の願いが叶うぜ。──じゃあな」

一番最初、本当に出会ったあの日に貴方に望んで。
再開した後の貴方をみて、遂に望みを言葉にできなかった"迷惑"を全部ぶち撒けてから──永遠にその場から跡形もなく、男は消え失せた。
(-93) poru 2022/08/24(Wed) 20:59:18