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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【独】 郵便切手 フラン

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毎日狼死んでる………………。
(-4) dome 2022/08/17(Wed) 21:10:51

【見】 郵便切手 フラン

【街中】

バーで共犯を働いた後日。
青年は若干の寝不足を伴って配達業務に勤しんでいた。

「………眠いなぁ。」

帽子のつばで日陰を作って。
眠気覚ましのドリンクを一本飲み干してから、
荷物と共に石畳の上を歩く。
三日月島で足音を鳴らす人間の数が減ったことになんて、直ぐには気づかない。
或いはずっと。

「こちらへお受け取りのサインをお願いします」

配達員の日々は殆どいつも通りだ。
(@0) dome 2022/08/17(Wed) 21:19:37

【独】 郵便切手 フラン

/*
ブルー(紫)なヴィオレッタちゃん可愛いね………
(-84) dome 2022/08/18(Thu) 0:47:55

【見】 郵便切手 フラン

【街中】

「お届けものです。
 ……今日も賑わっていますね」

民家を訪ねて、慣れた手際でサインを受け取る。
薄っすらと漂う屋台の匂いを感じ取りながら、ぎこちない世間話で間を埋めた。
普段は一言、二言で社交辞令を終わらせて、そそくさと車に戻るだけ。
それが今日は珍しく、遠慮がちに言葉を続けた。
増えた手札は少ないけれど。

「あの、お聞きしたいことが」

配達員の日々は少しだけ、いつも通りではなかったようだ。
(@1) dome 2022/08/18(Thu) 3:53:46

【見】 郵便切手 フラン

【バー:アマラント】

ここ数日、毎夜のように配達員は仕事終わりにバーに現れる。
目的があるかなんてわからないし、
ありもしないかもしれないが。

「……今日も、開いてない」

提げられたままの『CLOSED』のプレート。
職場にアマラント宛の荷物が受取人不在で持ち帰られているのを見た。
だから此処は、先日来たときからこのままなんじゃないかと思ったりして。
店主の意味ありげな笑顔を思い浮かべながら、
青年は幾ら見つめようと裏返る筈のない板をじっと見ていた。
(@2) dome 2022/08/18(Thu) 11:56:44

【独】 郵便切手 フラン

【路地裏】

昼間の配達の時間帯。

「………」

表通りから一本外れただけで、人の気配がまばらになる。
やけに響く自分の足音が耳に残った。
続いていた石畳を叩く音が、唐突に止まる。

路地裏のゴミ捨て場。
ただゴミが積み上げられているだけのそこをじっと見つめて。
何か独り言を呟くでもなく時間が過ぎる。
脳裏に浮かぶ写真より鮮明な光景をかき消して、配達員はまた歩き始めた。
(-115) dome 2022/08/18(Thu) 12:18:00

【独】 郵便切手 フラン

【路地裏】

「………?」

暫し独りで思考に浸っていたら、
おぼつかない足取りで歩く少女
>>14
を見かけた。
その危うさがどうにも不安に思えたけれど、彼女を気にかけるのは自分の役目ではない気がして。
背中しか見えないものだから、回る瞳には気づかない。

青年は少女の後ろ姿が小さくなるのを見守る事しかできなかった。
(-128) dome 2022/08/18(Thu) 14:49:30

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

【バー:アマラント】

…………あ……


『CLOSED』のプレートを前に立ち尽くす女から
掠れた声を漏れる。

いつかの夜と異なり、整えたというよりは梳いただけの髪、
泣き腫らした目は化粧でも隠し切れていない。

 
……そう、でした。私は、なんで、ここに――


無意識のうちにどこかのバー最後に話した場所を避け、
辿り着いたことに気付かない女は。
暫しの間、呆然とプレートの前に立ち尽くした。
(-293) 968. 2022/08/19(Fri) 20:44:31

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

今日も青年は、開かないバーの前に来る。
どうやら先客がいたらしく、今日こそは開店するのだろうかと思いながら歩みを進めて。
随分第一印象と様変わりしていたものだから、その後ろ姿が、己の焦がれた花であるとは気づかなかった。

「………え、」

掠れた声が耳に届いて、
漸く青年はあなたが誰であるかを認識した。

「ヴィオレッタ、さん?」

確認を取るように、その背中に声を掛ける。
振り返れば帽子を目深に被った姿があるだろう。
制服ではない所を除けば、配達員はいつも通りだ。

きっと泣き腫らした顔を見れば、目を丸くするに違いないのだが。
(-299) dome 2022/08/19(Fri) 21:07:10

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

「……え?フランさ……」

名を呼ばれ、髪に触れながら振り返る。
あなたの姿を目にして、腫れた瞼を一度下ろす。

「こんばんは、フラン。穏やかな夜ですね。
 残念ながら今日もアマラントはお休みみたいです」

あの夜と同じ微笑を纏って、挨拶をするだろう。
(-307) 968. 2022/08/19(Fri) 21:36:09

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

それが驚いたときの仕草だと、青年は知らなかった。

「……こんばんは」

挨拶が返れば、同様に。
彼女は"今日も"と言った。
少なくとも自分の知らないところで休業を知っていたらしい。

「…………」

いつも通りじゃない。
たった二度しか会っていなくても、
その表情が常である人はいないだろうと推測できた。
また会えて嬉しいだとか。
金平糖は美味しかったですか、とか。
言いたいことはたくさんあって。
でもそのどれもが、今言うべきことではない気がして喉が詰まる。
帽子の奥で眉を八の字にする様は、まるで道を失った迷い子のようだった。

「夜は、穏やかですが」

あなたの心はどうなのか。
やっとのことで選び取った問い掛けをあなたに示す。
(-311) dome 2022/08/19(Fri) 22:03:26

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

「……?」

口ごもるあなたを暫しの間待って、
それでも出てこない次の句に首を傾げて。
――この青年は多弁ではない印象だったが、だとしても。

その沈黙を破ろうと、口を開いた……瞬間。
投げかけれた言葉。
質問のような、断定のような、逆説。

少しだけ困ったように眉を下げて。
半分口を開き、閉じて、ゆっくり瞬きをひとつ。

「……仕事で。
 そう、仕事で、少しだけ大変なことがありまして。
 ちょっとだけ疲れているだけです。

 フランはお仕事、少しは落ち着きましたか?」

穏やかな声色で尋ねる。
(-316) 968. 2022/08/19(Fri) 22:30:45

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

「そう、ですか」

困らせてしまったろうか。
帽子のつばを引き下げて視線が落ちる。
穏やかな声色が、沈む心を少しばかり慰めてくれた。

「自分の方は、相変わらずです。
 でも、祭りの終わりも近いのでそろそろ落ち着いてくると思います」

街を賑わせている祭り関連の仕事がなくなれば
配達業務も落ち着きを取り戻すだろう。

「お疲れでしたら、あの。
 立ち話もなんですから、また甘いものでもと……思ったのですが。
 以前のご恩も、ありますし」

口下手な自分の話を聞いてくれたあなただから、同じように聞きたいと思った。
とはいえ、"仕事"の重みが違う。
青年に話せることは限られているのだろう。
(-319) dome 2022/08/19(Fri) 23:04:57

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

「それは……良かった、というべきか、
 残念、というべきか迷うところですね。
 危険なお仕事が減るのでしたら喜ばしいことと思いますが」

さっとあなたの全身に目を走らせる。
少なくとも大きな怪我を負っているようには、見えない。

「ふふふっ、やっぱり甘いものがお好きなのですね」

変わらずの甘党ぶり可愛らしさに小さな笑いが零れる。
この数日で、大きく変わってしまった身の周り。
その中で変わらないものを見つけて。
それが、嬉しくて。

誘いの言葉をかける青年をじっと見て、にこり笑う。

「折角のお誘いですもの、お付き合いいたします
 何処へでも、お付き合いいたします」

誘い返すように、笑う。
(-353) 968. 2022/08/20(Sat) 8:55:28

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

誘い返す笑みが、硬い面持ちを和らげた。
その笑みも甘いものに入ります、なんて言ったら笑われてしまうだろうか。
あまり眠れていなさそうなあなたを連れ歩くのも気が引けたのだけれど、それでもまた話せることが嬉しかった。

「遅くまで開いているカフェがあって」

此方ですよ、と踵を返す。
沈黙があまり続かないように、時折なんでもない話をして。
不慣れであることが手に取るように判るエスコートで店までの道を歩いただろう。

「酒類も提供していますから。
 ……でも、ヴィオレッタさんはホットミルクとかの、方が」

余計なお世話ともとれるのだが、強い酒で思考を誤魔化すよりはそちらが良いと思った。
歯切れ悪くそんなことを零しながらも、何もなければ、そのまま店に着いて席に通される筈だ。
(-362) dome 2022/08/20(Sat) 11:34:25

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

「カフェ、ですか?
 えぇ、ご一緒いたします」

”何処へでも”と言ったのに。
くすり、小さく微笑って、エスコートのままに着いていく。
初心なそれに、笑みを湛えたままに。

「お忘れですか?
 お酒は結構、強いのですよ。

 でも、そうですね……。
 フランが今日はお酒の気分ではない、というのでしたら
 それにお付き合いいたしますが?」

今日も喧噪に沸く街を歩いて、落ち着いたカフェへ。
席に着くとメニューも見ずに、あなたの様子を伺った。
(-372) 968. 2022/08/20(Sat) 13:35:31

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

「お強いとは承知してますが……それでも、心配……なので。
 体調が優れないときのアルコールは良くない、ですし」

口を出しすぎているだろうかと躊躇いつつも
隠しきれない腫れた目元をどこか痛ましそうに見ながら。
いつも一枚隔てた壁のように己を守る帽子は、屋内では外されて。
あなたを案ずる気持ちと一緒に未練がましくそれを抱えて今度はメニューに視線を落とした。 

「では、あの。
 お付き合いいただけると嬉しいです……」

遠慮がちに口元を緩めて。
青年はクロスタータとミルクセーキを頼む。
生地にジャムやチョコクリームなどのフィリングを詰めて焼いた定番のタルト菓子だ。
このカフェのものはブルーベリージャムを使っているらしい。
おすすめですよ、なんて言いながらあなたが注文を決めるのを待った。
(-376) dome 2022/08/20(Sat) 14:18:15

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

「お優しいのですね?
 疲れ切っていなくても、女を酔わせて……
 と考える方もいるのに」

テーブルの上に肘を立てて、指を組む。
そこに乗せた顔がくすくすと笑って言う。
腫れた目も、やんわり弧を描いて。

「えぇ。それではお付き合いいたします。
 ホットミルクと、そのおすすめを」

メニューを全く見ずに、あなたの望みに従った。

「そういえば……コンペート、でしたか?
 美味しかったです。仕事の休憩時間にいただいています。
 ありがとうございました」

今も鞄に入っている小瓶は、少し減っている。
(-400) 968. 2022/08/20(Sat) 16:57:55

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

「……そうですね。
 世の中、信じられないくらいの暴力が急に降りかかる。
 まるで嵐です。後には残骸しか残らない。

 自分には、そんなことをするつもりも度胸もありませんから」

テーブルを見つめたまま、帽子の生地に少し皺が寄る。
息を吸って吐いて、気分を切り替えた。

「………喜んでいただけたのなら良かった。
 また差し入れができれば嬉しいんですが」

願望を一つ呟く。
明日の命も不確かなことなんて知らないけれど。
少し待てば、注文はつつがなく運ばれてくるだろう。
(-405) dome 2022/08/20(Sat) 17:28:38

【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

――本当に、いい可愛らしい人です。
  こういう人が、幸せな家庭というのを作るのでしょうね。


少し、羨ましくて。
少し、悔しくて。

だから少しの意地悪を。

「今日は……よくお話くださるのですね?」

また、くすくすと笑う。
注文の品が届くと、テーブルから手を下ろして
ホットミルクのカップを両手で包んだ。
夏の最中にホットミルクを、と思ったけれども
手から伝わる温もり、ほのかに甘いミルクの香り。
それらにどこかほっとして。ゆっくり口へ運ぶ。

「そう何度も貰ってばかりは。
 今度、お店を探してみることにします」

少し申し訳なさげに断って、
ゆっくりカップをテーブルに戻した。
(-414) 968. 2022/08/20(Sat) 18:37:56

【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ

「……妹を思い出してしまって」

疲れを覆い隠して笑む姿が。
口説き文句には到底ならない言葉だ。
ともすれば、自信なさげなこの青年の方が年下に見えそうなものだし。

「だから、かもしれません」

不思議といつもより言葉が多くなるのは。
ホットミルクを飲む姿の方が、この人には似合っている気がして安心した。
断りの言葉にはこちらも少し申し訳無さそうな顔を見せて『すみません』と返しただろう。

「お仕事、あまり無理はなさらないでください」

上手い言い方なんて思いつかなくて、だからそれだけ。
帽子は膝に置き直してフォークを左手に取り、
一口分の大きさにタルトを切り崩してから口に運んだ。
薄く、表情に明るい色が乗る。
(-432) dome 2022/08/20(Sat) 19:24:46