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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【秘】 愚者 フィオレロ → Niente ラウラ

 
死んだと自覚するまでに、数刻かそれ以上に遥かに長い時間か。
2人程の死者と正者の手を借りて理解した後、
即座に消える身でもなく、地上で言葉を交わした事のあるファミリーの死を知れば、その姿を探して軽く歩く。

その間にもさらに死者や記憶違いでの正者が増えているかもしれないが、さてこの奇妙な空間内では今どの時空でもおかしくはないだろう。


「やあラウラくん。機会が再びできてしまった事を喜べばいいのか悲しめばいいのか。……一般的には後者かなぁ」

その姿が何処かしらに存在して認識できたのなら声を掛けるだろう。

己の目覚めた時は酷い精神状態だったから、いささか慎重すぎるくらいに潜めた声で。


「時間がないかもしれないから、聞きたい事を先に聞いてしまおうかな。あの後何か見つけることはできたかな?」
(-8) poru 2022/08/23(Tue) 23:01:04

【秘】 Niente ラウラ → 愚者 フィオレロ

これはきっと、道の途中。
誰に出会うのが先か、後か。

そうしたことをこの世界で考えるのは野暮だ。

聞こえた声に真っ直ぐに視線を向ける。
それは、いつかのように。

「……フィオレロ、様」

問いかけには、何かを考えるように空を見上げる。
それから目を閉じて、口を開いた。

「………………はい。……きっと、見つかりました」

あれがきっと、欲なんだろう。
なんとなく、そう感じている。

いつかに想像した貴方の反応を思って、閉じた目を開いた。
(-22) sinorit 2022/08/24(Wed) 1:10:45

【秘】 愚者 フィオレロ → Niente ラウラ

元気?と問いかける男の顔こそやや疲労の色が見えるものの、貴方の返答を聞くと最初こそ驚いたように目を瞠って。
どこかやり場に困ったような視線から貴方に視線を戻した。

だからきっとあなたが目を開いた時に見たものは、

「そう。後悔は、していない?」

憐憫でも喜びでもない。希望と絶望でもない。
笑顔ではなく微笑みを返して、"そう"なのかと頷く目は、同じ気持ちを抱いてしまった貴方をほんの僅かに心配するもの。
それはまるで、男は一度そう思ってしまったことがあることのよう。


「君が得た答えが不幸なものではなかったのなら、
 見つかったそれを、最後に聞いてみたいな」
(-28) poru 2022/08/24(Wed) 3:17:17

【秘】 Niente ラウラ → 愚者 フィオレロ

貴方に向かう菫色は、揺れない。
ただ真っ直ぐに向かい、貴方の瞳を覗くように。

「はい。……後悔は、しません」

その表情は変化こそ見えづらいものの。
声色は柔らかく、ほんの少し笑っているようにも思える。

あの日に後悔などない。……なかった。


「………幸せに なりたかった」

それは組織ノッテの人間としてではなく。
たったひとりの、女の言葉だ。

この意味はきっと理解出来ない。これだけでは、きっと。
けれどその詳細を語ることは無いだろう。

……その代わりに。

「誰かの何かが欲しい、というのは──立派な "欲望"でしょう」

もう一度空を見上げて、誰かを想う。
ほんの一欠片でもそれを願うことがきっと、欲の始まりだ。

生きていれば、その想いは大きくなり。
やがて、その全てを欲するようになっていたのかもしれない。
(-30) sinorit 2022/08/24(Wed) 7:05:37

【秘】 愚者 フィオレロ → Niente ラウラ

「そうか。ここまで来てそう思えるなら本物だね」

零れた彼女の呟き貴方だけの言葉に答える術を持たない男は、
何も肯定も否定もせず、ただ一度だけ相槌のように頷いた。

もしその言葉に反応できる人がいたとして。
それはきっと自分ではない。そう思ったから。

「……だと思うよ。欲望が、自分には過ぎたものだとか、
 思われる価値がないとか考えた先の自我の芽生えなら──
 ある意味、聖書などに謳われる"人間"にようやくなれたのかもしれない」

あなたの視線につられたのか、感傷が勝ったのか。
空に見えるそれを見上げて、その相手が誰だったのならと少し無粋な思案を仕掛けたのを止めた。

「"何か"でよかった。死を望むほどでなくて」
(-56) poru 2022/08/24(Wed) 18:44:34

【秘】 Niente ラウラ → 愚者 フィオレロ

本物か、偽物か。本当のところは分からない。

ただきっと、分からないなりに考えたこの答えは。
ラウラという一人の人間を、己を救うだろう。

「……ずっと、過ぎたものだとは 思っていました。
ラウラは、役立つだけが価値だと 思っていました」

死ぬことに恐怖も後悔も抱かず。
終わり行くことだけが生きていく道だと。

けれど今は。……今は、貴方の言うように。
確かな"人間"として、答えが出せた。

「死は、望みません。
ラウラは──生きて、幸せを"知りたかった"のですから」

菫色に映る空は眩しくて、少し目を細め 息を吐き出した。

「…………フィオレロ様、話を聞いてくださり。
ありがとうございます ね」
(-68) sinorit 2022/08/24(Wed) 19:26:54

【秘】 愚者 フィオレロ → Niente ラウラ

「……そっか。
 何もかもが過去形にばかりなったこの空間で、
 一番聞けて嬉しい "だった" かもしれない、な」

果たして、例え話の人間になる事が幸せなのか。
死後にその欲望を知ってしまったが故に後悔を経験した己には、
終ぞ最後まで答えを出すことができなかったが。

「ラウラくん。君が人となったこともあるけど、それ以上に。
 その答えを選んだ上で俺と違う道後悔の有無を歩んでくれた事が
 俺が理由を言う何よりの一番の理由だ」

本当は、それこそを一番望んでいたのかもしれない。
なんて恩着せがましい言葉はそっと胸の内にしまって。

「……こちらこそありがとう。
 その結末を見せて話してくれて」

貴方が知れた答えに、昔は祈りだったから今度は祝福を。
それから空の色を見て、何かを思案するようにして、

「夜が来る前に帰らなければならない時間だが、さて。
 ──それじゃ、"また機会があったら飲もう"、か」

これから送り迎えの有無を聞くよりも、きっとこの方が自分達らしくていい。
(-80) poru 2022/08/24(Wed) 20:03:07