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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【赤】 無風 マウロ

ソニー! 今日がお前の命日だ!
2022/08/24(Wed) 21:00:00

【人】 風は吹く マウロ

>>5 忠犬君
【ノッテアジト廊下】
会議が終わった後。
散々釘を刺されたからか、体に負担がかからぬよう所作に気を使って会議室を出たところ。
見覚えのある"忠犬"の姿を見つけて。
ああ、と口角を上げて口を開く。

「―――なあウサギちゃん。
 "死にぞこないの犬"が迷い込んでるみたいだぜ」

それは、孤児院にいた頃に見せた悪童の笑み。
もう一人の悪童に声を投げて、ゆっくり近寄っていくことだろう。
(6) 2022/08/25(Thu) 0:15:56

【秘】 風は吹く マウロ → 天使の子供 ソニー

舌を絡ませて、口内に残る酒気が混ざり合っていくのを感じる。
喉を鳴らす音に、ぞくりとした感覚。
自分のちょっとした支配欲のようなものが刺激されたような。
身体を触れさせる代わりに、口付けは主導権を握ってやると言わんばかりに 貪るように深く。
鼻を擦り付けるような様相には、まるで犬のようだななんて思いながら 耳から後頭部に移した手で口付けを深くする手伝いとしていた。
お互いの口端から唾液が零れていくのも構わず、浮かされたように暫くそうしているだろう。

「ああ、クソ……それも、そうだ」

納得させられてしまうのが、ほんの少しだけ腹立たしい。
その感情の矛先は自分なのか、相手なのかは分からなかったけれど。
そう思ってしまえば、この状況を受け入れるしかなくて。

青年のそれも、このシチュエーションと酒が入って興奮気味であることもあいまって。
口付けの高揚もあったものだから、常時よりも張って その存在を下着の下で主張し始めていた。
ボクサーパンツの中で窮屈そうにしているのが見て取れる。
君の物が擦り付けられるのなら、小さく声が漏れて。
お互いの興奮を感じ合う事で、更に下半身に熱が溜まっていく。薄らと下着も湿っていくのだろう。
君の見上げた青年の顔は、薄く目を開けてはいるけれど 眉間に皺を寄せて、先ほどよりも紅潮しているのがはっきりとわかるだろう。
自分のそれを誰かの前で触るのは憚られて、
だから、少しだけ君の張り詰め始めている性器の先の方を下着越しに触れる。
時折、爪の先で強く弄ってみたりして 殊更に興奮を煽ることが出来るだろうか。
(-9) 2022/08/25(Thu) 3:39:12

【秘】 天使の子供 ソニー → 風は吹く マウロ

「ん、」

きゅ、と眉根が寄せられる。抗議のようにも性感に落ち着かなさを覚えているようにも見える。
全てが演技なわけじゃない、得られた快楽を普段よりも深く受け取って、わざと弱気を曝け出している。
こんなところに連れ込んで、強気に出たところでそそらせることは出来ない、から。
自分から仕掛けたくせに文句の一つでも言いたそうな顔をして、深く深く息を吐く。
手先に誘導されて顎を上げ、絡み合う舌は相手に任せながらに時折顎の裏側をなぞった。
息の苦しいのをごまかすように、時折顎を引いて短い言葉を交わす。

「それ、好き、かも。もっと触って、マウロ」

甘えたように懇願して、時々額をこつりとぶつけた。堪らないものを伝えて、せがむよう。
布越しに擦れ合う陽物はだんだんと芯を持ち始めて、下着を引っ張る形の先に体液が滲む。
手の内で質量を増すごとにふ、ふ、と息が弾む。爪先が凹凸をなぞるとぞわりと背を震わせた。
恥じて怖気突いて、興が冷めてしまう前にと自分が先に下着の中から腫れた肉を取り出した。
充血して、亀頭は滴った先走りでじわりと濡れていて。望みを伝えるようにコツコツと腰を合わせる。
交差するように合わさった陰茎を片手で包む。筋張った指がふたつ、包み込んで擦りあげる。
互いの熱が混じっていくごとに、抑えが利かないみたいに腹筋に力が入った。

互いの頭のコントロールをすっかり相手に任せて、片手の指先を唾液ですっかりと濡らした。
片手は相手のベルトを緩めながらボトムの裾に入りこんで、さして自由の利かない空間の中で動く。
街路からのかすかな喧騒から隠れるように、ほとんど体勢は変えないまま。
そのくせこれからどうしたいか、表すように指は段々と裾から中へ、尻肉の間に入っていく。
尾骶骨を指が押し上げて、その下に捩じ込むように入り込んで。隠れた窄まりに、触れる。
長く、息を吐いた。

「……片足、ちょっと開いて」
(-28) 2022/08/25(Thu) 23:07:20

【人】 風は吹く マウロ

>>16 悪ガキ達
【ノッテアジト廊下】

「どの面で"無理するな"なんて言ってんだかな」
「人に説教する前に、自分を鏡で見てみろよ。箱入りの室内犬でももう少し自分の世話が出来るんじゃないのか?」

人に見せられないような顔で出歩くなんて本当にらしくない。
本来ならもう少し手心を加えてやるところだが。
なにしろ、君には言いたいことが沢山沢山あるのだ。

「とりあえず座れる場所に行こうぜ、会議の疲れもあるしな」
「"リック"の部屋でいいだろ、五体満足なんだから荷物くらい持ってやれよ ツィオ」

いつからか呼ばなくなった愛称を口にして。
先に部屋の方へ向かって歩き出すのだろう。
(17) 2022/08/25(Thu) 23:12:36

【秘】 風は吹く マウロ → 天使の子供 ソニー

自分を求められたことも、自分から誰かを求めたこともない。
青年は、ただ自分の主導権を手放さないために意固地になっている。
理性を失い、相手に全てを預ける事を良しとしない。
実際のところ、君の手の内なのかもしれないけれど。
経験に長けているのは君の方だから、乱暴に相手を壊さないようなそれをしないようにするのが精いっぱいだ。
不意に口内で遊ぶ舌にぞくりと背筋を震わせる。
君が口を離すと、混ざり合った唾液が糸を引いた。

「ハッ……く…」

年下であろう君に、慣れたように行われる緩やかな前戯は、青年の余裕を奪い取っていく。
脚に、体幹に力を込めて、身体を支えながら。君の下着の上から満足するまで。爪先で弾き、引っ掻き、刺激を与え続けていく。
下着の中かがそれが取り出されたのなら、その手を止めてしまうのだけれど。
喉の奥から呻くような声が、君の手で擦られる度に漏れ出しそうになるものだから、歯を食いしばって耐える。
時には、もう一度その唇を奪って、気を紛らわす。

「は、お前 何して」

入り込んで来た手。他人に許したことのないそこに触れる、湿った指先。
少しばかり仰天したような顔で、顔を離す。
こんなところで、という思いと、俺がそっちなのかという気持ち。
男を抱いたことも、抱かれたこともないから。
結局のところは、今は快楽が与えられるのならどちらでも事は進んでいくのだろう。
君のそれを強く止める事はないはずだ。
(-58) 2022/08/27(Sat) 1:22:42

【人】 風は吹く マウロ

>>18 >>19 馬鹿ども
【ノッテアジト廊下】

「誰が息子だ、気持ち悪いこと言うな」
「面倒掛けてんのはお前も一緒だろうが、自分は大人だとでも思ってそうだな?リック」

揶揄うように笑いながら。
横を抜けていくツィオの姿を横目で見て。
そして振り返った君が手を挙げたのならば。少し面食らったような顔。
ああ―――と、納得をしたように笑みを浮かべ。
何でもなさそうな顔で、君の元へ歩いていく。

「遅くなった。―――ただいま、兄弟」

奇しくももう一人の幼馴染と同じ言葉を乗せて。
開いた手を、君の右手にぶつけ。
ぱん、軽い音を響かせた。
(37) 2022/08/27(Sat) 1:49:06

【秘】 銀の弾丸 リカルド → 風は吹く マウロ

【アジト内のリカルドの部屋】

廊下で兄弟たちと再会して、それから。
リカルドに充てられた部屋で、上司と密かに眺めながら情報を得ていたパソコンについて話した後だろうか。
上司のために淹れるのがとても上手になってしまった珈琲を入れ振る舞ったりして、不意に話題を変えるように2人に声をかけた。

「あぁ、そうだ。
 俺がマウロに手術を施した医療施設についてだが……、あそこは秘密裏に作ったものだから機密にしていて欲しい。
 もしもの時に活用してきたものだからあまり知られたくないし……それにだな」

「あそこに今、
テンゴさんを入院させて匿っている


このゴタゴタの中で、彼やヴェネリオを邪魔に思っていた身内の犯行と断定しながら、語る。
自分たちには、今すぐてっぺんを取る力はない。
個人的な事情をおいて考えても、ヴェネリオが居ない今、まだまだ彼に引退されるわけにいかない。
それが最大の機密にしたい理由だ。

「俺やマウロ以上の絶対安静の状態だ。
 ……そう言えば容態に関してはわかるだろうが……、よかったら時間を見つけて顔を見に行ってやってくれ」
(-75) 2022/08/27(Sat) 20:57:13

【秘】 天使の子供 ソニー → 風は吹く マウロ

触れる位置にあった顔の距離が離れれば、ようやく息がしやすくなる。
けれどもなんだかそれも寂しがるみたいにちょっとだけ追って顎に顔をくっつけた。
潤滑も足りず未だ浅く触れているだけの指は、感触で相手が初であるのは理解したらしい。

「ダメ? 体験、してみたくない?」

けれどもそれでは退かず、追い縋る。大した意味はないんだけれども。
どうせするなら、という欲求が半分ほど、
殺すのならば不利な姿勢は取りたくないのが半分ほど。

そんな我侭ぶったようなやりとりをしている間にも手の甲は動いて、ボトムの後部をずらす。
素肌に感じられる外気の気配だって、酒気に追いやられてあまり気になるものじゃないだろう。
指を動かしやすくなったのなら、ポケットから個包装のローションを取り出して封を開ける。
やたらにビビッドなピンクの液体を指先に絡めて、相手の下肢の付け根に押し込んだ。
この日の為に持ち歩いてるのだかいつもなのだかは知らないが、遊び慣れた様子なのは確かだ。

前は相手の手先にまかせて、指は肉の輪に染み込ませるように動かす。
柔く馴染ませて、その先の行いが苦しくないように。時折、違和感をごまかすようにキスを重ねる。
しばらく指が一本入るくらいまで捩じ込むと、片腕で相手の膝を担ぎ上げた。
後ろを向かせるよりかは恥ずかしい格好じゃあないだろう。背中は少し擦れるかもだけど。
男の方が背は低いから、相手が片足を調節してさえくれればさほど苦しい体勢ではない。

「……ガマンしてるんだったら、遠慮しなくって、いいよ」

どちらが女役かというのを変えるわけではない。けれどもし相手が何かこの交合に引け目があるなら。
それを弾き飛ばせるくらいには、何もかも忘れられるくらい楽しんだほうがいい、そうだろう。
(-83) 2022/08/27(Sat) 22:59:58

【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 風は吹く マウロ

【隠された医療施設】

いつかのこと。
悪友から施設と顧問の事を聞き、貴方は足を運ぶ機会があった。
見舞いか、それとも他にも用があったかもしれない。

施設のスタッフに話を通せば、貴方の悪友の手引きもあってか、なんの問題もなく面会の許可が下りるだろう。

さて、当の顧問であるカラス面とは言えば。
ベッドの上の住人になっていた。

点滴の管が繋がれたままであるし、体中と右目を覆うように施された包帯が何ともこの顧問には珍しいだろう。
(-84) 2022/08/27(Sat) 23:25:20

【人】 風は吹く マウロ

>>38 >>39 >>40 Tesoro mio
【ノッテアジト廊下】

「……いいじゃねえか、ツィオ。俺たちでこの街獲れたら最高だ」

混じった血では、届かなかった場所へ。
凝り固まった組織を新しく変化させて、夢見たあの景色を。
あの時、夢の中で見た烏に話したように。
3人で肩を並べて。そうあれたのなら、これほど幸せな事はない。

「どこまでも―――最高だな」

そのための準備はもう始まっている。
この2人が一緒にいるなら、無敵だ。壁なんて、壊して進んでやろうじゃないか。

あの時のような景色を、あの時とは違った目線でもう一度眺めて。

悪戯を思いついた子供のように、笑ってみせるのだ。
(41) 2022/08/28(Sun) 0:26:21

【秘】 風は吹く マウロ → 天使の子供 ソニー

一瞬、性器に触れていた腕を上げて 唾液に汚れた口元を袖で拭う。
そうしたところで、再開されればそれは意味を成さないのだが。
甘えるのが上手な男だ、と顔を摺り寄せる君を見て思う。
何となく、後頭部を支えていた手で襟足の辺りを撫でつけた。

「……チ…1度だけだ。終わったら、忘れろ……」

素直に頷くには、羞恥心とプライドが許さなくて。
口からはそんな言葉が出るけれど、君の触りやすいように少し足を動かしてやる。
何処に触れたいのか、どういった体勢でいれば楽になるのかくらいはわかる。
羞恥は酔いに任せることで紛らわせて、君が用意周到すぎるくらいである様子に 元々それ目当てで誘ったのかと思うくらいだ。

はあ、と熱くなった息を吐きだして。君のしたように、2つのそれを握って気分をたかめていく。
前に気を向けて、後ろに力が入りすぎないように。
時折貪るように自分からも君の唇を奪って、男は行為を止めろと言うことはない。
どうせこの昂りを治めるのは容易でない。であるならば、もう好きにしろと君に体を許している。


だから今は 互いに、満足するまで。
(-107) 2022/08/28(Sun) 22:33:21

【秘】 風は吹く マウロ → ”再び灯された昼行灯” テンゴ

「よう」

仏頂面の青年が、いつもあなたが見ていた時よりも重ための足取りで近付いて。
ベッド傍の椅子に腰かける。
一度は来たことのある場所だ。勝手知ったりといったところ。

「あんたもリックもおれも、散々な有様だな」
「でも、生きてる」
「変な話だよな」

あなたが聞いていても居なくても、青年は話しかけていただろう。
(-109) 2022/08/28(Sun) 22:51:52

【秘】 ”再び灯された昼行灯” テンゴ → 風は吹く マウロ

「…全くだな。」

面に阻まれて見える事が無かった目が貴方を追い、そっと閉じられてはため息を吐く。

「あれだけのことがあって、これだけの傷を負ってなお生き延びたことは、奇跡であり、不思議な心地だよ。」

「変な話といえば、お前さんが俺の見舞いに来るのもまた変な話ではあるとは思うが。何か用でもあったか?」

なんて軽口を叩く。元気ではあるようだ。
(-110) 2022/08/28(Sun) 22:59:14

【秘】 風は吹く マウロ → ”再び灯された昼行灯” テンゴ

「別に」

それは同じファミリーのよしみ、でもあっただろうし。
死ぬ前に話をしたから、顔を見せたかったのかもしれない。

最後の会議では、どうも落ち着いて互いの顔も見られなかっただろうから。

「あんたの死にぞこなって落ち込んでる様子でも見ようと思ってたんだけどな」

元気そうだし、無駄足だったか?なんて笑って。

犠牲の多い戦いであったから、こうして生きているだけでもほっとする。
ただでさえ、上の者を多く失った。
指導者が減らなかったことは、不幸中の幸いだろうか。
(-111) 2022/08/28(Sun) 23:09:44

【秘】 ”再び灯された昼行灯” テンゴ → 風は吹く マウロ

「ふん、ほざけよ。」

そんな言い草にそう吐き捨てる。

「部下の前で泣きっ面を見せて溜まるものかよ。晒すのはこの無様だけで十分だ。そういうお前さんこそ、多少はマシな顔になったじゃないか、ええ。」

片目だけで貴方を見ては、笑みを浮かべた。
何かを思いついたような顔だ。

「整理がついたとは言い難いが、区切りはつけてきた、といったところか。」
(-113) 2022/08/28(Sun) 23:26:47

【秘】 風は吹く マウロ → ”再び灯された昼行灯” テンゴ

「まあな」

自分一人ではどうにもならなかっただろう。
同じファミリーの、同じ志を持った仲間がいたから。
喪ったものがあっても、前を向けている。

親代わりボスの事も、部下ラウラの事も。
大事だったものを忘れないで、でも重荷にはしないで。

「アルバとノッテが統合することになるんだってよ」
「在り方も変わっていくのかもな、色々と」
(-117) 2022/08/29(Mon) 0:38:35

【秘】 ”再び灯された昼行灯” テンゴ → 風は吹く マウロ

「ほう。よく上の連中が首を縦に振ったものだな。いや、互いに此処まで疲弊すれば致し方ないか。」

些かの驚きを含みながらも納得した様子で貴方の報告を聞く。
どうあれ考えられた結末だっただけに、現実味が薄い。

「変わらない訳がないだろう。アルバのやり方とノッテのやり方、双方の折り合いをつけねばならないのだから。俺はこの様だからな、暫くは動けそうもない。」

「故に、お前さんたちに先は任せたい。
お前さん自身に任せたい事もあるが。
(-118) 2022/08/29(Mon) 0:51:55

【秘】 天使の子供 ソニー → 風は吹く マウロ

狭い路地の、他人の視線が通わないうち。
遠くに聴こえる花火の音が大気を震わすたびに息を詰まらせる。
担いだ足を揺すって体を合わせるたびに上がった息が混じり合う。
身動きの取れないなりに押し付け合うように擦り合わせて、抱き合った体がぶつかり合う。
時々かつかつと当たる鼻っ柱に浮いた血の気であったり、腹筋を掠る熱の感触だったり。
混ざり合う熱を確かめるたびに荒く息を吐く。夏の夜気に、浮かされたみたいだった。

息を詰まらせ、吐き出して。互いに上り詰めて、その後だ。
余韻の残る内に胴をぴったりと寄せて、名残惜しむみたいに服越しの肌を重ね合う。
視界を奪うためであるなんてのは、今までの様子からしたら想像し辛いかもしれない。
身じろぎして、視界の外で腕を動かす姿もここまでのことがあったら、他にも想像の選択肢があった。
あちこち動く手は貴方の着衣を正す様子もあったし、納得させるに足る理由があってしまった。
少しまだ鼻の天井の方から甘ったれた声で鳴きながら、ぽつぽつと口を開く。

「……オレはさ、昔友達がいたんだ。四年くらい前かな。
 この街で殺された。本当は、行方がわからなくなったって聞いてたけど。
 そんなわけないだろうって調べてる内にさ、誰だかにやられたってわかって。
 しんどかったな。何も知らずに過ごした時間があるのが余計にしんどかった。
 アイツが苦しんだことを無視して生きていたような気がしてさ」

ほんの僅か、眉をひそめて囁くような声で語るのは己のことだ。
この路地を訪れた時にほんの少しだけ話したことの続きなのだろう。
同情に足る話ではあるんだろうが、けれどもどうして今口にしないといけないのだろう。
片足は担いで、壁を背中に押し付けたまま。貴方よりも背の低い男は言う。

(-119) 2022/08/29(Mon) 1:11:51

【秘】 天使の子供 ソニー → 風は吹く マウロ

「数日前、アイツの仇が死んだ」

ありふれた自動拳銃が胸に突きつけられる。貴方の組織が取り扱っているものだ。
一番値段と性能のバランスがよく、下っ端にも持たせるような手頃なタイプ。
言い切る前に銃口が宛てがわれ、言い終わる頃にトリガーが引かれた。
サイレンサーを通した音はやけに滑稽に聴こえた。

「身勝手な話だと思わないか? あの男はジャンニを消したことを清算していないのに。
 アウグストが居なくなったなら誰がそのツケを払ってくれるんだ?」

担いだ膝を相手に押し付けるようにして距離を離す。半ばパワーボムみたいに相手を突き飛ばした。
代わりに反動で路地の向こう側へと後ずさって、相手の様子を確認する。
これだけ見たらそう、一見通りすがりに単純に襲われたように見えるだろう?
酒の匂いも火照った体も、急速に現実感の内へと引き戻される。
少しの時間、手応えを確認したなら手にした銃は元持っていたようにしまい込まれる。

「……ああ。案外気分は晴れないもんだな。……やっぱ本人じゃないとダメだ」

独り言のように呟いた男は、身支度を整えながら路地を出ていく。
今までの親しげな様子が全部別人によるものだったみたいに、淡々とだ。
通りでファイヤーワークスの打ち上がる音が聴こえる。
砂利を踏む足は音も無く、白けた夜闇に消えていく。
(-120) 2022/08/29(Mon) 1:13:42

【秘】 風は吹く マウロ → ”再び灯された昼行灯” テンゴ

「せざるを得ないってところだろうよ、シマを荒らしにきた馬鹿どもに報復するにも数が減りすぎた」

このまま一つずつ潰される可能性もある。故に止むを得ずといったところだろう。いずれ、離反者が出る可能性は捨てきれないが。

「おう。……幸い、俺たち3人が残ってる。
 どうにだってしてみせるさ。こんなとこで躓くようなら、どこにも行けやしねえだろ」

得意げに笑ってみせる。しょぼくれた顔は姿を消し、希望を取り戻したような。
前に進もうとするものの顔だ。

「あん?なんか言ったか?」
(-133) 2022/08/29(Mon) 15:27:43

【秘】 ”再び灯された昼行灯” テンゴ → 風は吹く マウロ

「少し見ない間に随分と頼もしくなったものだな。」

つい最近までは子猫のようだったのに、と零しつつ。
内心はその成長に舌を巻いているのだ。

「全く持ってその通りだ。まあ体は動かせんが、まだ俺も現役だ。折れそうになったならば、その時は手を貸してやろう。」

その為にきっと自分は生かされた。
未来を見届ける為に。

「ふ、いや何、ひと段落したら、お前さんにわが親友ヴェネリオが大事にしていた孤児院置き土産でも譲ろうかと思っているんだ。」

勿論受け取ってくれるよな、という言い方をする。
しかし、それを受け取るかは貴方次第だ。
(-134) 2022/08/29(Mon) 15:50:13

【秘】 風は吹く マウロ → ”再び灯された昼行灯” テンゴ

「アンタの発破も効いてんだよ」

死にかける前のことだって忘れちゃあいない。
いつまでも塞いでちゃあ、おっさんに見せる顔もないってものだ。

「おう。ま、あんたの復帰した時にゃ俺たちの色に染まりきってるかも知れねえけどな」

なんて鼻で笑うのだけど。要は、心配すんな。ということを言いたいのだ。

「…リカルドといい、あんたらでけえもん託しすぎなんだよ」
「子供の扱いに自信はねえけど、折角だ。受け取っておく」

かつての自分達と同じ境遇のこどもたち。
気持ちを少しはわかってやれるはずだ。

「書類とかなんかは良くわかんねえから、リカルドに頼むわ。
 かいつまんだ話はあいつから聞くよ」

よ、と立ち上がり。
本当に顔を見にきただけの男は「じゃ、そろそろ行くわ」と背を向ける。

その背中にはまだ言葉をかけられるだろう。
何か言い忘れたことがあるなら、今のうちだ。
(-158) 2022/08/29(Mon) 20:09:17

【秘】 ”再び灯された昼行灯” テンゴ → 風は吹く マウロ

「そうか、そりゃあ何より。」
「染まってるならそれはそれでいいさ。いつまでも古い色ばかりじゃあ組織も廃る。お前さんたちの色に染めてやれ。」

それをきっと、親友も望んでいた筈だから。

「それくらい期待しているという事だ。胸を張っておけ。ああ、細かい事は奴に伝えておこう。」

「精々気張れよ、若人。お前さんは他の二人と違って、俺に近い生き方をするかもしれないからな。」

老兵は此処から先、去るのみとなる。
しかし、変わらず貴方たちの味方だ。
昔も、今も、これからも。

特に貴方は、純粋な血筋を持たない。
自分と同じく、余所者扱いをされる事だろう。
まだ離れるわけにはいかない。
彼らが確固たる地位を得るまでは。

だからそう貴方に声を掛けて、此方は見送る。
一刻も早く傷を癒さねばならない…まだ未来は始まったばかりなのだから。
(-163) 2022/08/29(Mon) 20:43:11