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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【人】 誰も殺さなくていい レヴィア

>>21 ストレガ

猫が好きだった。
死を悟り、誰もいない場所に消えるその生き物が好きだった。
死を見るのが嫌いだった。
どうしようもなく悲しくて、泣きそうになってしまうから。
だから、猫が好きだった。

猫のようになりたい、と誰かに言った。
死んだ時、どこへでも消えて、無くなって。
誰も悲しませないように、そんな生き物になりたかった。




女は、店の中にて。
2匹の猫を抱いたままの体勢で、そこに居た。
猫になれなかったのか、ならなかったのか。
烏はまだ来てないのか、置いてあるだけか。
何もかもわかることはないけれど、ただ。
女がそこに居る事だけが、確かだった。

店は散々な状況だった。
撃ち抜かれて止まる時計、割れたランプ。
壁も窓も、扉だって傷だらけ。
激しい戦闘が行われたのだろうことが分かる。

女は、無防備に眠るような顔で。
横たわっている。
(22) arenda 2022/08/26(Fri) 17:38:52

【人】 誰も殺さなくていい レヴィア

>>24 ストレガ



「馬鹿ね、そんな事で住処を吹き飛ばすなんて。」
「貴女がどこに住もうと、興味がないわ。勝手に─────」



(25) arenda 2022/08/26(Fri) 19:16:26

【人】 誰も殺さなくていい レヴィア

>>24 ストレガ

そんな声が聞こえてくるわけもない。
死体は何の音も立てない。
もう口から冷たい言葉を吐くことも。
細い指先がグラスを撫でる事もない。
何もかもが終わってしまった、ただの肉の塊。
もう少しすれば死の匂いが強くなり、やがて腐り。
きっと見るに耐えない姿になっていく。

黒猫を、胸に近い側に。
白猫を、その一つ外側に。
そうやって抱きかかえていたから、死後に固まる腕の中、
黒猫の方は随分ぎゅぅ、と抱きしめられていた。
まるで離さないとでもいうような、いいやきっと、
それはただの現象でしかなく、そこに意味などないのだけれど。
それでも何となくそう思えるような、抱きしめ方で。

白猫は、すんなりと取れる。
黒いリボンが一つ増えている。
女の頭のリボンが一つ減っているのも、貴方にはきっとすぐわかる。
足の付け根には拙い刺繍。
L..v...と、少しぐちゃっとした文字のようなもの。
殺すだけの女の手では、針子の才能はなかったようで。
手袋の取れた指、何度か針の刺さったような傷がその証拠。

背中にも、目立たない縫い目がある。
中に何かを入れて、また閉じたのか。
やはり拙いそれは、糸を切ればすぐに開いてしまうような
縫合だったけれど。
(26) arenda 2022/08/26(Fri) 19:24:18

【人】 誰も殺さなくていい レヴィア

>>27 ストレガ

教えてやる、と言われて返す言葉は、きっと決まってる。
いつもと同じ温度で、同じ抑揚で、きっと頭の中に響く。

猫の胸の辺り、心臓の代わりに入っていたのは、
小さな紙きれ。
少し丸い文字が並んでいる。口語体の文章。

『貴女がこれを読んでいるなら、きっと私は死んだのね。
 そして貴女は生きている。そういう事だと思うわ。』
『件の抗争は決着がついてるかしら。
 ついてたらいいわ。そうしたら、死から少し遠くなる。
 怪我はしてないかしら。治さなきゃだめよ。
 貴女、ただでさえ目立つって自分で言ってたもの。』


『貴女が今どんな感情でいるか、なんて知らないけれど。』
『私、濡れるのは嫌いなの。』
『貴女の雨で濡らさないで頂戴ね。』


『手紙なんて、書いたことがないから、
 何を書けばいいのか分からないわ。
 何事もなく終わって、ずっと後にこれが見つかったら、
 どんな顔をすればいいのかしら。』


『そうね。』
『伝えたい事があるの。それを書いて終わるわ。』
(28) arenda 2022/08/26(Fri) 20:41:18

【人】 誰も殺さなくていい レヴィア

>>27 ストレガ

『私、誰でも殺せる女なの。』
『敵も、味方も。殺せと言われたら殺せるわ。』
『つい最近も、ノッテの人を殺したもの。』
『誰を殺せと命令されても、その通りにしてきたわ。』


『でも最近、命令をされるのが怖かったの。』
『あなたのせいよ。』
『貴女が懲りずに話に来て、律儀に飲みものを用意して』
『贈り物なんて考えて、いってらっしゃいなんて告げて』
『怖がりもせずに、当たり前のように接してくるから。』
『怖かったわ。』
『怖かったのよ。』


『───命令で貴女の名を呼ばれる事が、怖かった。』



『だって、私、そうなったら。』
『きっと』
『きっと、命令に添えなかったもの。』


『私、貴女だけは殺せそうにないわ。』
『あなたのせいよ。』
『馬鹿。』

(29) arenda 2022/08/26(Fri) 20:49:50

【人】 誰も殺さなくていい レヴィア

>>27 ストレガ

『……それだけよ。』
『ねぇ、これを読んでるのが、殺せない貴女なら。』
『どうか、祝福してくださらない?』

『貴女を殺さずにすんだ、殺すしか能のない女の事を。』
『祝ってほしいの。』


『文字を書くというのは疲れるわね。』
『ここまでにしておくわ。』
『じゃあね、唯一人の貴女。』
『Arrivederci.』



『PS:』
『リボンは貴女がつけなさい。』
『嫌そうな顔をしないの。』
『その方が』


『目立って見つけやすいかもしれないじゃない。』




そんな拙い文章の手紙が数枚、
ぬいぐるみLevia心臓部こころに入っていた事だろう。
(30) arenda 2022/08/26(Fri) 20:55:52

【秘】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ → 誰も殺さなくていい レヴィア

Ti voglio beneだいすきだよ、なんて
 多分今後言わないよなあ……。
 全く、本当に"唯一人の貴女"じゃないか。
 ……ま、大事に取っときな。あたいのそれは貴重だからね」

……なんて言うのは、心の中だけ。
誰かに唇を落とすような事も、初めてだったわけだから。
やれやれ、なんて笑っていた。
(-46) shell_memoria 2022/08/26(Fri) 22:07:29

【人】 貴女の友達 レヴィア

>>33 ストレガ
結局、一つだって約束を守ってくれない貴女。
それでも女が怒ることは、きっとない。
たとえ頬を突かれたって、怒ったりしなかったのだから。

だから、女は。
もうあなたに見える事も、触れる事も出来ない、
曖昧な存在のまま、
雨が降るのをただ見ていた。
まさか見られてる、なんて貴女は思わないだろう。
貴女もそんな顔するのね、なんて言葉も、届かないだろう。

「友達、そう。」
「………馬鹿ね、人を見る目もないなんて。」

「リボン、やっぱり似合わないわね。」
「見つけやすくて助かるわ。」

伝わらずとも、そんな事を呟いて。
ぬいぐるみに刻まれる名前も、閉じられていく傷も見届けて。
全部、全部、全部。
その最後まで、見届けて。

額にキスされたのを見れば、そっと、顔を寄せて。
ぐっと背伸びして、同じようにして。
きっと貴女の額には、届かなくて、それより下になったけど。

「Anche io.」

そんな言葉を、呟いて。
(34) arenda 2022/08/26(Fri) 22:24:37

【人】 必ずまた会いに行く レヴィア

>>33 ストレガ

最後に黒のぬいぐるみを傍に置かれて、
立ち去っていく貴女を、その背中を眺める。

「……必ず、見つけに行くわ。」
「だって私、暗殺屋だもの。」
「必ず、必ずよ。」

だからそれまで、待っていてちょうだい。
次に会った時、それが貴女とは違う姿形で、
私も違う姿形だったとしても。
絶対に見つけて、また、同じように。
貴女に同じ言葉を言わせるわ。

だって、私は暗殺屋。
暗殺屋は、狙った標的を絶対に逃がさない。


レヴィア暗殺屋が狙う、最後で、最初の標的は────
(35) arenda 2022/08/26(Fri) 22:32:59
レヴィアは、指鉄砲を、貴女のに突き付けて。
(a2) arenda 2022/08/26(Fri) 22:34:23

レヴィアは、くすり、年相応に、楽しげに笑って。
(a3) arenda 2022/08/26(Fri) 22:34:52

【人】 暗殺屋 レヴィア





BANGばーん




───暗殺屋と魔女の物語、つづく遠い未来に
(36) arenda 2022/08/26(Fri) 22:38:45