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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【秘】 Ninna nanna ビアンカ → プレイスユアベット ヴィオレッタ

「ふ、ふふ」

そのすまし顔に、なんだかおかしくなったように微笑う。
今度はあなたの匙が進む様子を、楽し気に眺めるよう眸を細めた。


「――はいはい。 まったく、ちょこちょこ溜めた金も多分パアだし。
 財産とかいってのこせりゃいいんだけどね、身の安全にも何かと物入りだし……」

金を使ってまでするようなこと──"旅券"の手配やら、なにやら。
彼女が今まで、その体と女を切り売りして得た金は、それこそ彼女の血肉そのものだった。
普段の彼女はそりゃあもう、1ユーロたりとも無駄にしないと鼻息荒く節制に励んでいたものだ。
――……外見を保つようなことに関しては、必要経費だと惜しまず散財する傾向もあったが。

だけど、消えた。
それらも、全て、埠頭から投げ入れた小銭のように燦々と散って、沈んでいって、
彼女の人生も血肉も全て残らない。
あるのはただ、あなたの中。こうして過ごした記憶だけ。

↓[1/2]
(-21) 2022/08/25(Thu) 20:27:34

【秘】 Ninna nanna ビアンカ → プレイスユアベット ヴィオレッタ




「お願いね。
 
……ヴィー。

 ……ふふ

 ……ふふふ、あはは、…は、は、は
はっ!!


名前と視線が、酒精の熱に溶けていく。
あなたの目をじい、っと見つめ返して──
ビアンカはいきなり、甲高く鳴り響くクラッカーみたいに笑いだした。

涙まで浮かべて、グラスに僅かに残ったワインを揺らして。


「やっぱ今日デートってことにしない?」

少し身を乗り出して、にんまり、笑った。

[2/2]
(-22) 2022/08/25(Thu) 20:29:41

【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

>>フラン

「えぇ、その時は」

微笑ってみせる・・・

本音ホントブラフウソかを隠した顔で。
今、賭け金確固たる信頼もなく、配当受け取る資格もないのなら、
これはただのカード言葉遊び。

弱っていても、それくらいには応じることができる。
温かなミルクが、あなたとの他愛の無い話が、沈み切った心を
それができるくらいに引き上げてくれたから。



空になった皿にフォークを置く。

「美味しかったです。
 フランはよくこの店に来るのですか?」

軽く店内を見回しながら、尋ねる。
店に入った時は、そんな余裕すらなかった。

……そういえば、今日は何も口にしていなかったな、
なんて今更思い出しながら。
(-25) 2022/08/25(Thu) 22:09:10

【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ

>> ビアンカ

微笑いながら眺める視線に、
今度はこちらが唇を尖らせる番のようだ。

けれど、目が合えば。
ついくすくすと笑いが零れる。
 
もうそんな子供みたいな歳じゃないというのに

なんて思いながら。



「残してあげる気だったのですね」

今までは黙って聞いているだけだったそれを、指摘する。
理由なんて、分からない。気が付いたら口に出していた。

回ったワインの所為かもしれないし、
今日は素直なあなたが口を滑らせるのを
期待してかもしれない。



……あるいは、どこかで何かの予感を。
別れの予感を感じていたのかもしれない。
約束を結んだばかりだというのに。

[1/2]
(-26) 2022/08/25(Thu) 23:05:38

【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ

突然笑いだすあなたに瞬きをひとつ、ふたつ。
それから、溜息をひとつ。

「……。……遠慮しておきます。
 こんな酔ってばかりで、甘さの欠片もないデートなんて」

呆れの色も隠さずに、そんな事を言う。
本当は酔うのは嫌いじゃない。
酒に酔うのも、夢に酔うのも、楽しいから。
けれど、それは――

「それに私はただの飲み会が良いんですよ」

 
あなたと、ですから。

男たちだれかなんかじゃなくて、
友達
あなた
とだからこそ過ごせるひと時でしょう?
そんな贅沢は、口にした途端消えてしまいそうで。

だから、ただ笑みを。
鏡映しの笑みを、あなたに返す。

[2/2]
(-27) 2022/08/25(Thu) 23:07:05

【秘】 郵便切手 フラン → プレイスユアベット ヴィオレッタ

「……そうですか。……そうなるといいな」

気の利いたことがいつも言えるわけではない青年は、それだけを返した。
本音や建前を気にしない信頼が生まれる頃にも、互いに息をしているといい。
これからがあるかはあなた次第なんだろうけれど。

「……ええ。落ち着く場所なので」

ふくよかな中年女性が切り盛りしている個人経営のカフェは、洒落た印象よりは家庭的な雰囲気を感じさせる。
店内を見回せば他にも仕事終わりに立ち寄ったような客がいるだろうか。
入店時に『デートかい』、なんて聞かれてあたふたと否定する姿があったのを思い出すかもしれない。
会計用の伝票は青年の手元にある。
付き合わせたのは自分だから、それくらいは持つつもりだ。

傷だらけの心が、せめてひと時でも安らぎを得たことを願うばかりだった。
(-36) 2022/08/26(Fri) 7:19:11

【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン

>>フラン

女は肯定も否定もせず、にこり笑うだけ。

つかず離れずの関係。
他人というには互いに会うのを楽しみにして、
友人になるには女の抱えたものが多すぎる。

あなたが無理に距離を詰めない限り、
女が様々なものを棄てない限り、
この関係は続くことだろう。




「ここは……お酒も出るのでしたよね?」

視線があなたへ戻り、尋ねる。
伝票がそちらの手元にあることに気が付いて眉が下がる。

「それなら、暫くは通ってみることにします。
 タルトも美味しかったですし」

もし次の”偶然”があるのなら、その時には今日の礼を。
そう思いながら、バッグを手に取る。

「今日はこのあたりで帰りますね。
 フラン、おやすみなさい。良い夜を」

女はそう言って立ち上がる。
あなたが止めなければ、そのまま去るつもりだろう。
(-43) 2022/08/26(Fri) 20:30:23

【秘】 郵便切手 フラン → プレイスユアベット ヴィオレッタ

「? ええ、そうですが」

質問には肯定を返しつつ。

「そう、ですか。はい。
 おすすめ……です」

もう会わないかもしれない、なんて後ろ向きな予感があったものだから、少し意表をつかれた。
そのまま荷物を手に取る様子を視線で追って。
いつか偶然というカードを引き当てることができたら。
また話の続きをしたいと思った。

「……良い夢を。」

引き止めることなく、その後ろ姿を見送るだろう。
(-49) 2022/08/26(Fri) 23:47:04

【秘】 Ninna nanna ビアンカ → プレイスユアベット ヴィオレッタ

「――私がさ。
 金以外、何が残せる?」

子供みたいな笑顔の裏に、子供ではいられない現実がある。

「お金だけは、……お金だけは、……あげられるかもしれないじゃない。
 せめて、そのくらいは──……」

ゆるやかな肯定とともに、グラスがくるくると回った。
その表面に映った自分の顔を、ぼんやりと眺めている。
――素直だ。
きっと、酔いのせいもある。

どのみち、こんなことを彼女が言ったのはこれが最後。


「お金があれば、とりあえずは人生大分だし」


「…多分ね」

どこか自信なさげに、そんなことを言う。
その儚げな笑みを見るのも、その時が最後。


↓[1/2]
(-53) 2022/08/27(Sat) 0:39:30

【秘】 Ninna nanna ビアンカ → プレイスユアベット ヴィオレッタ



「そ。ざぁんねん」

上ずった呼吸混じりの笑い声。
そこに失意の色はなく、あなたの笑みと鏡映し。
――こうして酔い、浮かれるようななんでもない日々こそが、
 女たちにとって何よりも現実的で、何よりも大切な夢だから。

「それじゃ、飲み会としてつづけまっしょー。
 ねえねえ、メインディッシュメインディッシュ!」

おなかへったー、と騒ぎながら、グラスの縁をネイルがこんこんと叩いた。
お行儀がわるい。


[2/2]
(-54) 2022/08/27(Sat) 0:39:40

【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ

>> ビアンカ

「えぇ、そうですね。
 お金があれば、穏やかな生き方ができるでしょうね」

期待通りの素直な答えに、目元を緩めて。
あなたらしい現実を見据えた答えに、僅かに苦笑する。
そしてその通りだとゆっくり頷いて。

「でも、きっと。
 あなたはもう色々なものをヴェルデさんに
 あげられていると思いますよ。

 そうでなければ、ひな鳥なんて
 すぐ親の元を去るものですから」

いつかその子から伝えられるだろうから、
余計なお節介だと知りつつも、言葉を注ぐ。
穏やかな笑みと声に、ひと匙だけ。敬意を込めて。

[1/2]
(-64) 2022/08/27(Sat) 14:30:11

【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ

少しも残念そうではない声に
口の端を僅かに上げる。

そう、この日々こそが辛い夜に見る、儚くも楽しい夢だった。


「はいはい、随分と賑やかなお客様ですね。
 すぐ準備いたしますので、少々お待ちください」

催促の声にくすり笑って、席を立つ。
ついでにグラスをその手から救い出した。

「次は少し時間をいただきます。
 その間に愚痴お話などあれば、聞きますよ?」

別のグラスに今度は赤ワインを注いで、手元に一つ。
あなたの前に一つ。こちらにはウィンクを添えて出す。


ここからはきっと、いつも通りの二人。
愚痴を零して、愚痴を聞いて、とるに足らない話をして。
慰めたり、笑い飛ばしたり、飾らない話を聞かせあう。

強くて弱い女たちの、
ささやかな、けれど大切な夢見る日常を語らう時間が今日も始まるだろう。

[2/2]
(-65) 2022/08/27(Sat) 14:36:48

【秘】 Ninna nanna ビアンカ → プレイスユアベット ヴィオレッタ

「そうかな」

自分でも、そうとは信じられなくて。

「……だと、いいけど」

――けれど、そう信じたくて。

「…飛べるなら、さっさと飛んでほしいものだけど。
 いつまでも籠の中にいたら、飛び方を覚えたって飛べなくなる。
 
 ………ここはここで悪くないなんて、ほんとは思っちゃいけないんだよね」

友の穏やかな笑みに、ゆっくりと沈みこむように。
胸いっぱいの後悔と、一匙の郷愁を。

ただ一言、嫌いだと言い切るには──……女は、籠の中に長くい過ぎたから。

↓[1/2]
(-95) 2022/08/28(Sun) 7:21:05

【秘】 Ninna nanna ビアンカ → プレイスユアベット ヴィオレッタ



「えっへへ、はあい」

グラスがその手をつい、と離れて。
ふらふらと頼りなく揺らしていた手は、
新しく注がれた神の血を待ちわびたようにくるくる回す。

「時間ね。それはもう、たっぷりと時間をかけてもらいましょうか。
 いつもみたいに閉店時間を気にしないでいいんだから、
 色々と話すことも聞きたいこともあるわけでさ──……」

ウインクには、ウインクを。
こちらの愚痴には、あなたの愚痴も聞きたいな、なんて嘯きながら、ワインを一口。
立場も生まれも違うけれど、今この時だけは、同じようにありたかった。

いつもどおり、いつも通り。

そのいつも通りこそが、
人生を賭して手に入れた最後の宝。


――どのような時間が流れたとしても。

その日、彼女は最後まで、笑顔のままだ。


[2/2]
(-96) 2022/08/28(Sun) 7:21:27

【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ

>> ビアンカ

「えぇ、きっと」

仕事道具を持ちだして自信ありげな笑みで頷く。
これまで聞いてきた愛情愚痴からの確信が半分。
そうであって欲しいとの願いが半分。

「……そうですね。
 少しばかり居心地が良くても、
 所詮は明日の見えない業界ところですから。
 今の騒ぎが終わっても、次に何があるかわかりません。

 できるのなら、この籠から飛び立つべき、でしょうね」
  
ひな鳥も、親鳥も


そう
叶うことのなかった
密やかな祈りを抱いて、微笑う。
飛び方なんてとうに忘れた自分とは違うのだから。

[1/2]
(-103) 2022/08/28(Sun) 21:15:21

【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ

「……それは盲点でした。
 下手をすれば朝まで話すことになりそうです」
 
こんな夜が二度と訪れないと知らずにあと何度過ごせるのだろうか
溜息交じりに――口元には笑みを湛えて――そんなことを言う。

まぁ……それも悪くないですけれど


続く本音は調理の音に紛れさせて――



お酒とお料理。悪戯心に、愚痴や喜び。
色々なものを共有して、色々なものを分け合って。
今この時だけは、二人は同じだったのだろう。

それはきっと。
二人にとって大切なありふれた日常。
それはきっと。
二人が望んで止まなかった”普通”。
それはきっと……
”Se”もしもが許されるならずっとずっと続いたもの。

ビアンカが笑っていたのなら、もう一人の女ヴィオレッタも笑って。
最後まで笑ったままで、”またね”と言って別れた。


今日と同じ明日が訪れると信じて


[2/2]
(-104) 2022/08/28(Sun) 21:18:46

【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタ

【アルバアジト】

 ――

まだ静けさに包まれた暁闇あかつきやみの中

扉を開く音が響く


こつ……こつ…………こつ


ゆっくりとした足取りが、部屋をめぐる


……罰せられ、ませんでした
引き金を引いた、と思っていたのですが見当違いのようです
黒幕の情報もとうにノッテあちら……
今はもう我々うち、でしょうか……が掴んでいて

……ふふっ、ただの道化、ですね 私は


溜息がひとつ、薄闇に零れた
(L17) 2022/08/29(Mon) 4:13:36
公開: 2022/08/29(Mon) 4:45:00

【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタ


こつ……こつ……


足音が止まる


薄闇の中、壁に掛けられた額縁に触れる
これは確か家族を題材にした絵、だっただろうか


”家族”を愛し、家族に愛されたひと

私も彼が嫌いでは……いえ、いいえ 好き、でした
最初はそれに面食らって、曖昧な笑顔しか返せなかった私にすら
愛を向けて、与え続けてくれたひと



「……トト―」

虚空に声が 溶けた

――彼の椅子を 見る
(L18) 2022/08/29(Mon) 4:16:37
公開: 2022/08/29(Mon) 4:50:00

【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタ

こつ……こつ……


足音が止まる


薄闇の中、花瓶の花が目に入る
色とりどりの花は夜の帳の中でも華やかに


遺された華達を守ろうと誰よりも苦悩したひと

事態に真剣に立ち向かい
絶望の中でも冷静であり続けようと、苦しんでいました
これからは少しでも助けになれるでしょうか



「……ソニーさん」

虚空に声が 溶けた

――彼の椅子を 見る
(L19) 2022/08/29(Mon) 4:18:17
公開: 2022/08/29(Mon) 4:55:00

【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタ


こつ……こつ……


足音が止まる


薄闇の中、感じたのは甘い香り
それはほのかに残ったショコラータの甘くて苦い

互いのためと尽くしあった親子


隠すことのない愛情を拾い子に向けたひと
その愛を受け止めて、それ故に尽くそうとしたあの子
誰がなんと言おうと素敵な親子でした



「……アベラルドさん、ルチアさん」

虚空に声が 溶けた

――彼の椅子とその後ろを 見る
(L20) 2022/08/29(Mon) 4:21:27
公開: 2022/08/29(Mon) 5:00:00

【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタ


こつ……こつ……


足音が止まる


薄闇の中、聞こえたのは鳥のさえずり
まだ暗い空に自由な歌声が響く

不器用な、でも想いあっていたふたり


誰よりも案じているのに表向きは隠し続けたひと
きっとそれに気が付いて、それ故に去れなかった子
あなたたちに自由をあげられたら、よかったのに



「……ビアンカ、ヴェルデさん」

虚空に声が 溶けた

――未だ暗い空を 見る
(L21) 2022/08/29(Mon) 4:23:02
公開: 2022/08/29(Mon) 5:05:00

【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタ


こつ……こつ……


足音が止まる


薄闇の中、伝う雫の塩辛さが舌を痺れさせる
あの夜にすべて零したと思っていたのに、今も……まだ

誰にでも優しくて、誰よりも眩いひと


遺された手帳には色々なことが書いてありました
努力の跡、誰にも見せなかった悩み……私のことも
私はどれほどのものをあなたに返せたでしょうか



「……先輩。…………せんっ……ぱい」

虚空に声が 涙と溶けた

――彼の椅子を 見る
(L22) 2022/08/29(Mon) 4:24:53
公開: 2022/08/29(Mon) 5:10:00

【置】 プレイスユアベット ヴィオレッタ

こつ……こつ……

扉の前で足音が止まる



窓の外 空が白み始めた

間もなく夜は、暗く長い夜は、明けるだろう

悪夢は終わって、新たな始まりが訪れる



けれど、夜に溶けた者たちが戻ることはない



「Arrivederci.
 皆さま、どうぞ良い夜をお過ごしください」

虚空に声が残る

――部屋を 見回す


そして、扉の閉まる音

もう誰もいない
(L23) 2022/08/29(Mon) 4:27:20
公開: 2022/08/29(Mon) 5:20:00

【秘】 永遠の夢見人 ロッシ → プレイスユアベット ヴィオレッタ



それはきっと二輪とも、黄色の花だった。

おまかせのカクテル、
片隅の花瓶に生けられた花、
他にも気を向けていればちらほらと。

何の好みを聞かれても曖昧に返す彼だったけれど、
何色でもいいところには気持ち程度に、
実はその色が多かったものだから。

あくまで“気持ち程度に”とつくあたりは、
彼の彼らしいところであるのだけれども。
(-159) 2022/08/29(Mon) 20:16:37