12:22:31

人狼物語 三日月国


169 舞姫ゲンチアナの花咲み

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   狭まった視界と、上手く働かない思考のせいで
   貴方に見せてはいけない
手帳

   鞄から滑り落ちてしまったことには気づかず。

 
(-0) alice0327 2022/08/14(Sun) 0:24:26

【人】 サルコシパラ



         夢を見た。


(1) 西 2022/08/14(Sun) 8:03:10

【人】 サルコシパラ




   緑丘の花畑
   隣には顔の見えない誰か


            ウエディングドレスを身に纏い
            手を取る美しい女性。




(2) 西 2022/08/14(Sun) 8:04:09

【人】 サルコシパラ




   その手を取った次の瞬間
   花嫁は薄黒い煙に姿を変えて


         自分の手を、身体を、想いさえも
         食い散らかすように飲み込んでいく。



(3) 西 2022/08/14(Sun) 8:04:57

【人】 サルコシパラ




   「お前達に未来はない。」




         「わたし達に未来はない」




(4) 西 2022/08/14(Sun) 8:05:42

【人】 サルコシパラ




   正体の分からない誰かの台詞が
   脳内で不快な程に木霊して

   ついにサルコシパラは限界を迎えると
   たまらず夢の世界から現実へ
   その意識を引きずり戻すことになった。




(5) 西 2022/08/14(Sun) 8:06:32

【雲】 サルコシパラ



     (………いやな、夢だったな。)

   
(D6) 西 2022/08/14(Sun) 8:07:29

【雲】 サルコシパラ



   せっかく愛する女性と結ばれたというのに
   空気の読めない夢に朝から気が滅入るもの。

   サルコシパラが目を覚ましたのは
   悲劇の露顕からもう少しあとの話で。>>D0

   横へ振り向くとウユニの姿はもう既に
   ベッドの上にはなく。>>D1

   まだ幸福の余韻に浸っていた身体を起こして


       その光景を、目の当たりにしてしまう。>>D5

   

(D7) 西 2022/08/14(Sun) 8:08:05

【雲】 サルコシパラ



     「ウユニ……さん?」


(D8) 西 2022/08/14(Sun) 8:08:41

【雲】 サルコシパラ



   嫌な予感は当たるものとよく言う。
   噎せ返るような心臓の痛みを覚えながら
   サルコシパラはウユニの名を呼ぶ。

   一体何が起こっているのだろうか。
   ウユニの身体に咲く花が昨夜と異なっていることは
   見ればすぐに分かる。

   しかしそのきっかけとなる原因が
   まるで分からないまま。

   ふと床に落ちていた手帳を見つけて。
   何気なしにそれを手に取ると。


(D9) 西 2022/08/14(Sun) 8:09:15

【雲】 サルコシパラ



   そこに記されてあったのは
   いままで知ることのなかった真実だった。



(D10) 西 2022/08/14(Sun) 8:09:58

【雲】 サルコシパラ



     「……っ!」


   サルコシパラは驚きを隠せずに息を飲む。
   しかしそれと同時にウユニのことも心配で。

   混乱する頭をなんとか動かしながら
   座り込むウユニの元へと歩み寄り。


     「ウユニさん……
      大丈夫です。大丈夫……。」


   まるで自分に言い聞かせるように
   小さくなったその身体を抱きしめることしか
   出来ないまま、ウユニが事情を話してくれるのを
   今は待つことになるだろう。*


(D11) 西 2022/08/14(Sun) 8:12:06

【雲】 サルコシパラ



   ばらばらの鎖が円を成すように繋がり
   点と点が結ばれていく。

   本来なら心地いいはずのこの瞬間が
   いまはただ、恨めしい。

   聞かずとも推測するに十分な情報があっても
   サルコシパラはウユニの口から語られる事を
   望んでいた。

   勇気と信頼を持って、
   自身を受け止めて欲しいと願っていたから。



(D20) 西 2022/08/15(Mon) 21:46:19

【雲】 サルコシパラ



     「…………はい。読みました。」


   その答えは彼女の望みとは真逆のもの
   僅かな望みを摘み取ってしまえば
   零れたのは謝罪。>>D19

   何も語らないその姿に
   サルコシパラは頬をそっと撫でて。


(D21) 西 2022/08/15(Mon) 21:46:53

【雲】 サルコシパラ



   「貴女の病気のことを
    貴女が抱えているものを
    私に教えてくれませんか。

    貴女の病気のことを
    貴女のことを、私には知る義務がある。

      貴女に添い遂げると誓ったのですから。」


(D22) 西 2022/08/15(Mon) 21:47:50

【雲】 サルコシパラ



   あの手記には病気のことが記されていた。

   思い浮かぶの昨夜のこと。
   自分の犯した過ちの断罪などいつでも出来る。
   今はそれどころではないのだ。

   でもその先のことは記されておらず
   彼女の口から直接聞かなければならない。

   サルコシパラは強い決意で
   ウユニの左目の花に触れた。*


(D23) 西 2022/08/15(Mon) 21:50:24

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



    「昨日…貴方に愛されて。
     私はね、とても幸せだったのよ。
   
     今まで生きてきた中で、一番、幸せだって。

     
     …止めたくなかったの。こうなるって、
     予測できないわけじゃなかったのにね。」



   空いている方の手で左目の花に触れた。
   そして、
貴方のせいじゃないと伝えるように

   貴方の頬を軽く撫でて、微笑むの。

  
(-6) alice0327 2022/08/16(Tue) 0:31:14

【雲】 サルコシパラ



   語られていく花の歴史は
   想像していたよりも重く
   共感と呼ぶにはあまりに絶する痛み

   独りで居たいのではなく
   独りになるしかなかったのだと
   そんな叫びに聞こえてならなくて。


   共感とは程遠い理屈としての理解が
   サルコシパラの顔に陰りを見せた。


(D35) 西 2022/08/17(Wed) 10:00:15

【雲】 サルコシパラ



   彼女を受け止めたいと。
   彼女の全てを受け入れたいと。

   青い少年の戯言のような誓いが
   あまりに無力で滑稽であることを
   サルコシパラは思い知る。

   自分が彼女にしてあげられることが
   何も無いことに気づいてしまったのだから。



(D36) 西 2022/08/17(Wed) 10:00:42

【雲】 サルコシパラ



   彼女は答えない。
   あの手帳に続く言葉を。>>D31>>D32

   それはあるけど答えたくないのか
   本当に知らないのか。

   どちらにせよ
   ウユニの言いたいことはなにか。
   手が伸び、語られた言葉が答えだ。>>D34


(D37) 西 2022/08/17(Wed) 10:01:32

【雲】 サルコシパラ



   家族は皆自分を置いて逝ってしまった。
   置いていかれたと嘆いた事がないわけではなく。

   そういう意味では彼女の言うことは正しい。

   このままでは辿る未来が
   いつかの悲劇と同じであることも。


   
(D38) 西 2022/08/17(Wed) 10:02:44

【雲】 サルコシパラ



   いまだ幼かった頃
   かつて小言のように言われた言葉を思い出す。
   独りとなったサルコシパラに浴びせられた同情は
   身勝手に家族を非難する言葉に乗せられて。

   こんな小さな子を捨てて死んでしまうなんて
   なんて酷い家族なんだ、と。

   赤の他人が憶測で家族を語るその様は
   当時サルコシパラの怒りを買うのに十分だった。


(D39) 西 2022/08/17(Wed) 10:05:19

【雲】 サルコシパラ



   「僕の家族に裏切り者なんていない。」



   「私の家族に人を裏切るような人はいません。」


(D40) 西 2022/08/17(Wed) 10:05:48

【雲】 サルコシパラ



   サルコシパラは過去を思い出し
   滲み出たやり場のない苛立ちを引っ込めると

   ウユニの手に、応えた。


(D41) 西 2022/08/17(Wed) 10:06:36

【雲】 サルコシパラ



     「私の家族を悪く言うのは
      たとえ貴女でも、許さない。」



   それがたとえ彼女自身の自己卑下であっても
   家族
を否定されるのはいい気がせず。
   仮面を外した姿のまま


     「私は貴女を信じています。

      私を悲劇の子供と決めつけ情けを口にする
      ような下劣な人々を知っているからこそ
      貴女のような人が、私は好きなんです。」


   そう、己の胸の内を明かすことになる。


(D42) 西 2022/08/17(Wed) 10:07:23

【雲】 サルコシパラ



   「私には、理解者も、家族もいない。
    この痛みを知る人など
    この街には決して居ないでしょう。

    だから私はこの痛みを知る人を
    その痛みを慈しめるような人を
    ずっと探していたんです。

    私が貴女の傍で力になりたいと願うことに
    これ以上の大きな理由など要らないでしょう?」


(D43) 西 2022/08/17(Wed) 10:08:37

【雲】 サルコシパラ



   サルコシパラは伸びた手に指先を絡めて
   それから小さく笑うとウユニの頭を撫でて。


    「この病気の治療法……

     あなたが知らないのであれば
     私は今からでも探すために全力を尽くします。」


   そう言って立ち上がり
   荷物をまとめようとするのだ。


         残された時間は少ないのだから。



(D44) 西 2022/08/17(Wed) 10:10:10

【雲】 サルコシパラ




     「過去がどうであれ
      今の貴女はそれを知っている。

         それだけで……十分です。」


   過去のウユニはあちら側の人間だった。>>D48
   仮にその通りだとしても、今は違う。
   サルコシパラが受け止めるのは過去だが
   信じるのは過去ではなく現在の姿なのだから。

   その言葉が聞ければ>>D49
   サルコシパラは満足気に微笑むのだ。
   安心した、と。



(D53) 西 2022/08/17(Wed) 23:44:09

【雲】 サルコシパラ



   しかし事態は何も進展してはいない。
   唯一判明している対策法は

   彼女の病気を誰かが引き受けること。>>D50


   それは遠回しな
犠牲
であり
   ウユニが望まない最悪な未来。
   それ故に、本来最善であるはずのこの対策は
   選び難い悪魔の選択にほかならない。


(D54) 西 2022/08/17(Wed) 23:44:36

【雲】 サルコシパラ



   となれば選べる選択肢は
   全て最善とも最悪とも遠い
   ズレた折衷案しか残されておらず。


     「もちろんです。
      貴女を独りになんてしません。」


   まるで迫る現実から逃避するかのように
   立ちくらみに揺れる彼女を支えて。
   サルコシパラは外へと出るのだった。


(D55) 西 2022/08/17(Wed) 23:45:12