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人狼物語 三日月国


169 舞姫ゲンチアナの花咲み

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視点:


【秘】 ウユニ → サルコシパラ

   

   誰かを犠牲にして生き永らえたところで
   そんな命に、余生に、価値なんて感じない。

 
      
それが貴方の命と引き換えならなおの事。


   
(-0) alice0327 2022/08/18(Thu) 17:46:15

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   貴方を悪魔の選択から守ろうと思うなら
   死ぬまで隠し通し続けるべきだった。
   どんな手を使ってでも、絶対に。


   
そこまでの覚悟を持てなかった私は

   
貴方を信じようとした私は、

   
貴方と違ってどこまでも、弱かった。**


 
(-1) alice0327 2022/08/18(Thu) 17:46:54

【雲】 サルコシパラ



   心に刺さる棘が血を啜る度に
   痛みの感覚が分からなくなっていく。

   いつかその言葉を
   裏切ることになるかもしれないと>>D0

   その苦しみさえ推し量れないのだから。


   
(D6) 西 2022/08/19(Fri) 8:41:05

【雲】 サルコシパラ



   ウユニの手を引いて
   太陽が沈みゆく西へと向かう。

   いつかくる夜明けに怯え、
   伸びていく影を振り切り
   終わりのない道を進む。

   太陽の光に見捨てられたくないと
   嘆く2つの影法師が
   思い出の丘のその先へと足を進め

   辿り着いた街で
   サルコシパラは未来を静かに憂いた。


(D7) 西 2022/08/19(Fri) 8:41:57

【雲】 サルコシパラ



   何かあるのかと尋ねる彼女を横目に
   店先に立ち、すみませんと店主に声をかけると
   中から初老の女性が現れる。


         なんだい。その子がおまいさんが
         言っていた子かい?



   女性は二人を見てケラケラと笑い
   サルコシパラはといえば
   女性に被せるように笑いながら


(D8) 西 2022/08/19(Fri) 8:42:57

【雲】 サルコシパラ



   「えぇ、この人が私のフィアンセです。」



(D9) 西 2022/08/19(Fri) 8:43:41

【雲】 サルコシパラ



   と、繋いでいた手を女性に見せる。
   それを見た女性はといえば


               少し待ってな。



   そう言って店の奥に一度戻ると
   持ってきた赤い箱をサルコシパラに手渡し
   サルコシパラとウユニの顔を見て微笑んでいた。


(D10) 西 2022/08/19(Fri) 8:44:05

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



    「ここは私が以前立ち寄ったお店です。

        いつか貴女にこのお店のものを
        プレゼントすることが

            私の密かな夢だったんですよ。」



(-3) 西 2022/08/19(Fri) 8:44:25

【雲】 サルコシパラ



   そう言うサルコシパラは
   まるで未練を果たそうとする霊のように
   赤い箱を自分の懐へとしまう。


     「すみません、病気の事を調べないとと
      いうのはわかっているんですが……

      せっかくなのでデートでも、と。」


   逃れられない現実に一旦目を瞑り
   サルコシパラはウユニの目を見ると
   照れくさそうに笑ってみせた。*

       
(D11) 西 2022/08/19(Fri) 8:45:15

【雲】 サルコシパラ



      そうだ。これが、最後の晩餐だ。



(D12) 西 2022/08/19(Fri) 8:46:48

【雲】 サルコシパラ



   「えぇ。言いましたよ。

      いずれはそうなってもらう、
      そのつもりでいましたから。」



   成就したからこそ言える台詞を
   悪戯な笑みを浮かべて告げる。>>D14>>D15

   違和感をなにか感じとったのか
   どこか鈍い反応のウユニに
   サルコシパラは目を瞑る。

   言わず、触れず
   今だけは互いにそうあって欲しいと願うのだから。


(D23) 西 2022/08/21(Sun) 14:32:34

【雲】 サルコシパラ



   「そんな。
    貴女は何を着ていても綺麗ですよ。」



   歯が浮くような言葉がでてくるのは
   いつかそれを伝えられなくなる日が
   やってくると知っていたからで。


      恥じらうなんて、そんな暇はないのだ。**


(D24) 西 2022/08/21(Sun) 14:32:47

【雲】 サルコシパラ



   「行きたい場所、ですか?」


   男女二人が出かけるスポットは
   大方頭に入っていたが

   その中でウユニがどこを選ぶのか
   そこまではピンときてはおらずに
   手を引かれるままにウユニについていく。


(D25) 西 2022/08/21(Sun) 14:33:22

【雲】 サルコシパラ



   するとたどり着いたのは湖
   風に揺れる水面に映るのは
   左目の花咲みと、過去の投影。>>D20

   まだ彼女に、家族がいた頃のこと。


   湖の中へと入る彼女は
   まるで今から水の中に消え入りそうな
   そんな儚ささえ醸し出して。

   ウユニの話を
   サルコシパラは静かに聴いていた。
   

(D26) 西 2022/08/21(Sun) 14:33:55

【雲】 サルコシパラ



   ウユニの昔の家族の話を聞くのは
   あまり得意ではなかった。

   もちろんウユニに非などなく
   決してそれを悟らせはしないのだが

   仮にも彼女が一度愛した相手達を
   いくら彼女が耐え難い煮え湯を飲まされたとして
   赤の他人である自分に糾弾する権利はない。

   その権利があるのは、ウユニだけ。



(D27) 西 2022/08/21(Sun) 14:34:21

【雲】 サルコシパラ



   しかしそれを理解していてもなお
   湧き出る感情に背くことは出来ない。

   明確に感じた強い怒りのやり場を失うから
   サルコシパラは困り果ててしまう。

   仕方の無いことだと分かっているから
   サルコシパラは何も言えなかった。



(D28) 西 2022/08/21(Sun) 14:34:57

【雲】 サルコシパラ



   だからこそ彼女の過去を
   自分の手でなぞるという行いに
   一種の希望さえ見い出せてしまう。

   水飛沫に舞うウユニに誘われて
   吸い込まれるようにその水面に足を踏み入れ
   楽しげに笑う彼女に、


   「もちろん。」



   そう応えるのだった。


(D29) 西 2022/08/21(Sun) 14:35:25

【秘】 サルコシパラ → ウユニ




   このまま二人で沈んでしまうのもいい。

   そう思ってしまわなかったとは言わない。
   どちらかが死に、どちらかが残される。
   二人で身を投げることと大差なんてない。

   それでもそれを切り出せないのは
   サルコシパラがウユニを家族として



            愛していたからなのだろう。



(-6) 西 2022/08/21(Sun) 14:36:06

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   「ウユニさん。

      このあと、もうひとつだけ
      最後に行きたい場所があるんです。」


(-7) 西 2022/08/21(Sun) 14:36:36

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   ついてきてくれますか?なんて
   今更聞く意味もないだろう。

   そう言って沈みゆく太陽に別れを告げるように
   ウユニに行きたいと告げたのは


           あの日二人が出会った場所。*




(-8) 西 2022/08/21(Sun) 14:37:12

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   この先に待っているのが
   どちらかが残される未来なら
   二人で沈んでしまうのも悪くない。

   そんな思いは、貴方には死んでほしくないという
   我儘に消されてしまう。

   あぁ、でも。
   もし、貴方がそれを切り出していたなら。
   私は悩みながらも受け入れたでしょうね。


              
貴方を愛しているから。


 
(-12) alice0327 2022/08/21(Sun) 17:00:16

【秘】 ウユニ → サルコシパラ

   

   「もう一つ……
だけ……?」



   時間を考えれば、別に不自然でもないそれは
   
どうしてか、私にまた一抹の不安を与えて。


   明日ではだめなのか、とか
   先延ばしを提案することだってできたのに。

 
(-13) alice0327 2022/08/21(Sun) 17:01:26

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   場所を聞いてしまえば、私は断れなくなる。
   
二人が出会った場所。

   
二人の、始まりの場所。


       ―――終わるときに、
       行きたいと思っていた場所だったから。


 
(-14) alice0327 2022/08/21(Sun) 17:02:33

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   「……もし嫌だと言っても、行くんでしょう?」


   困ったように笑って。
   断りもせず、私はまた貴方と手をつないだ。*  

 
(-15) alice0327 2022/08/21(Sun) 17:02:55