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人狼物語 三日月国


169 舞姫ゲンチアナの花咲み

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サルコシパラ ソーネチカ

【雲】 サルコシパラ



   嫌だと言われても行く。>>2:-15
   その言葉にはいともいいえともいわず
   応えたのは指先の力だけで。

   手をつなぐ彼女を導いて。

         いや、導かれて。


   たどり着いた丘は
   静かな風に揺れて
   微かに泣いているようにも見えた。


(D0) 西 2022/08/22(Mon) 23:28:18

【雲】 サルコシパラ



   「なつかしいですよね。

    ここで初めて貴女を見つけた時には
    本当に驚きました。

    一目惚れは幻想じゃないんだと
    知ることができたんですから。」



(D1) 西 2022/08/22(Mon) 23:28:48

【雲】 サルコシパラ



   過去を指先でなぞっていくと
   サルコシパラは意を決したように

   被っていた仮面を外して
   丘の上に添える。

   そうすればきっと
   サルコシパラの哀愁と慈愛に満ちた
   顔が彼女にも見えるはず。


(D2) 西 2022/08/22(Mon) 23:29:15

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   「ウユニさん。

      僕は…貴女を愛しています。
      今度は…僕が貴女を救いたい。」



(-0) 西 2022/08/22(Mon) 23:29:31

【雲】 サルコシパラ



   その言葉の真意は

   この病気と真剣に向き合ってきた
   彼女にしか伝わらない。

   たとえこの選択が
   彼女の心に傷を残すことになろうとも

   彼女の生の幕を引けるほど
   サルコシパラは大人にはなれなくて。



(D3) 西 2022/08/22(Mon) 23:30:25

【雲】 サルコシパラ




   1歩、また1歩。
   彼女の元へ歩を進める。


         彼女の身体を抱きしめ
         その血の中を巡る毒を飲むために。*



(D4) 西 2022/08/22(Mon) 23:31:12

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   置いて逝かないで。
   そう願う少年のような、愛情に満ちた顔。


   そんな顔で、告げられた貴方の願いは>>-0
   痛いほどに伝わってきて。


  
(-1) alice0327 2022/08/23(Tue) 0:51:35

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



    
「貴方に救われたことはあっても

     
貴方を救ったことなんて、ないわ。


          やめて、そんなこと…
          私は、望んでいない。」


  
(-2) alice0327 2022/08/23(Tue) 0:54:05

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



    
あの人たち家族だった人たちと同じよ……。」



  
(-3) alice0327 2022/08/23(Tue) 0:58:17

【秘】 ウユニ → サルコシパラ

   

    「貴方がそれを選ぶなら……。

        私は今、この場所で終わることを選ぶ。」


  
(-4) alice0327 2022/08/23(Tue) 1:03:11

【雲】 サルコシパラ



   手折られた花は
   平野に放たれる未来を拒む。

   一度折れた根が繋がることはなく
   それでも花の未来を繋ぐために
   自分に何が出来るのか。

   サルコシパラの答えは不幸なのか。

   いや、初めから、幸せに溢れた道など


               なかったはずだ。


(D15) 西 2022/08/24(Wed) 21:34:05

【雲】 サルコシパラ



   「いいえ。僕は貴女に救われました。
    貴女が気づいていなかったとしても

         貴女がいたことで……僕は……。」



(D16) 西 2022/08/24(Wed) 21:34:19

【雲】 サルコシパラ




   望んでいない。>>-2
   救いになんてならない。

   怯えたように後ずさるウユニの望みは
   サルコシパラとは真逆のもの。

   こちらを非難する言葉は>>D10>>-3
   サルコシパラの心を深く抉り
   それでいて、男にとっては愛すべき
   あまりに無力な正論であった。



(D17) 西 2022/08/24(Wed) 21:35:03

【雲】 サルコシパラ




     「えぇ、貴女の言う通りです。

         でも僕らが反対の立場なら
         きっと貴女も、こうするでしょう?」




(D18) 西 2022/08/24(Wed) 21:35:45

【雲】 サルコシパラ




   「僕も貴女も変わらない

      愛した人を守りたいと願う
      無知で無力、自分勝手な、人間だ。」




(D19) 西 2022/08/24(Wed) 21:36:27

【秘】 サルコシパラ → ウユニ




   「けれど僕はそんな人間であることを

             誇りに思っている。」




(-5) 西 2022/08/24(Wed) 21:37:25

【雲】 サルコシパラ



   サルコシパラは歩み寄り
   怯える彼女の前で膝をつくと
   彼女の手を取る。
   最終防衛となるべき脅しに>>-4
   寂しげに笑って。



     「貴女は……僕の生きる意志だ。
      大丈夫…僕はいつでも貴女の傍にいる。」



   ポケットから取り出した箱の中から
   ウユニの薬指のサイズにぴったりの
   指輪を取り出すと取った指先にはめて。


(D20) 西 2022/08/24(Wed) 21:38:30

【秘】 サルコシパラ → ウユニ




「さぁ……怖がらないで。」




(-6) 西 2022/08/24(Wed) 21:40:21

【雲】 サルコシパラ




   サルコシパラは願いに反するように
   彼女の身体を抱きとめて。


         その左目の花へと、噛み付いた。*



(D21) 西 2022/08/24(Wed) 21:41:04

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   「どう、して……
 
        どうして、そんな、……。」



   貴方の言葉に、ほら、また。>>-5
   救われるべきじゃないのに、救われて。


 
(-7) alice0327 2022/08/24(Wed) 23:19:32

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



     「お願い、サルコシパラ……

              やめて……。」


 
(-8) alice0327 2022/08/24(Wed) 23:26:12

【秘】 ウユニ → サルコシパラ



   昨夜、口にしてしまった言葉が頭をよぎる。
   治ったら、ウエディングドレスを着たい、なんて。
   治るはずもないと思いながら言った言葉だったのに。


   
言わなければよかったと思っても、
い。


  
(-10) alice0327 2022/08/24(Wed) 23:33:46

【秘】 サルコシパラ → ウユニ



   あぁ…どうか…赦してほしい。

   その言葉を吐く権利なんてないと分かっているのに。



(-11) 西 2022/08/26(Fri) 0:01:49

【雲】 サルコシパラ



   身をよじるウユニを捕まえて
   サルコシパラはその悲痛な叫びに>>-8
   耳を閉じると、噛み付いた花弁を
   喉を鳴らして飲み込んでみせる。

   愛しき人を身体の一部に取り込む
   ただそれだけのことなのだ。
   それが結果的に己を死に至らしめるだけのことで
   本質は何も変わらない。


   それから倒れ込むウユニを手で支えて>>D27
   サルコシパラはただ目を細めてみせるだけ。


(D33) 西 2022/08/26(Fri) 0:02:27

【雲】 サルコシパラ



   「ウユニさん……
    どうか…自分を責めないでください。

    これは僕が選んだ結末ですから。
    貴女が悲しむことは何も…………。」



(D34) 西 2022/08/26(Fri) 0:02:43

【雲】 サルコシパラ



   激情の渦に飲み込まれたウユニを
   守るようにサルコシパラは手を伸ばす。

   裏切り者だと涙を流す姿に
   心痛まないとは言わないが

   けれど彼女の言葉を否定することは
   サルコシパラにはできなくて。


(D35) 西 2022/08/26(Fri) 0:03:18

【雲】 サルコシパラ



   「ほら、見てください。
    何も症状が出ていないでしょう?

    感染ったからといって
    すぐに死に至る訳じゃないんです。」


(D36) 西 2022/08/26(Fri) 0:04:01

【雲】 サルコシパラ



   花一つ咲かない自分の身体を
   ウユニへと見せれば


     「貴女の苦悩と比べれば
      こんなのは安いものです。」


   そう言って彼女を落ち着かせようと
   その荒む心を宥めていく。


(D37) 西 2022/08/26(Fri) 0:06:24

【雲】 サルコシパラ



   荒むウユニを案じたサルコシパラは
   思いついたようにウユニの瞳を覗いて


     「私の部屋にもうひとつ贈り物があるんです。
      よければ…持ってきてもらえませんか?」


   そんな提案をする。
   丘の上からサルコシパラの自室までは
   数十分でたどり着ける。

   しかし発症のきっかけが分からない以上
   自分が不用意に動くのはあまり得策ではない。

   もしもウユニが渋るのなら
   そのような理由もしっかりと告げるが
   彼女は受け入れてくれるだろうか?*


(D38) 西 2022/08/26(Fri) 0:07:49