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人狼物語 三日月国


170 【身内RP村】海鳴神社の淡糸祭

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[犠牲者リスト]
該当者なし

本日の生存者:糸、宵稚、海音、願以上4名




[ わたくしは "糸"
  繋ぐ者。
  繋がりを見届ける者。

  海鳴とこの土地を繋ぐ者。 ]


 



[ この地には仕来りがありました。
  神社に奉られているのは―――
※※


  数年単位に一度、贄を捧げているのです。
  海鳴に縁のある人間の中から一人が選ばれています。
  と言いましても
  人間側が勝手に決めているだけのこと。
  ですから贄が逃げ出そうともわたくし共は
  追いかけたりはしないのです。


  いつかの昔、いえ、ごく最近のようにも
  感じるある時のこと。
  何のお告げが入れ知恵かは存じませんが
  贄が二人選ばれる年がありました。

  年が近く人間が選びきれなかったのでしょう。
  こちらの世界へ迷い込むのは
  海の呼び声に応えなければなりません。

  こちらに来れる者は
  ”ある意味で”特別と呼べるでしょう。 ]

 



[ さて、贄に選ばれた幼子二人。
  この世界に迷い込めたようです。

  一人は泣いて、もう一人は慰めていました。

  わたくしは彼らに近付き名を問いました。
  この地にいる者は幼子であれど
  言い伝えを知っているはずです。

  現に、一人は理解したのでしょうか


  
「ぼくは、なるみかいと だ」



  一人の幼子は名を名乗りました。
  禁忌を犯す者に年齢は関係ありません。

  何かに気が付いたと感じたのですが
  思い過ごしだったのでしょう。 ]


 




  「ええっ!?そうなんだ同じ名前なんて偶然だね。
   俺も なるみ かいと だよ、それでそっちの君は?」



 




  『それはわたくしに問うているのですか?』



 




  「そうだよ。 知らない人について行っちゃ
   ダメっていわれたから
   名前を知っていれば”知ってる人”、でしょ?」



 




  『わたくしの名は”糸”と申します』




 




  「いと! よろしくね。かいとくんも。
   俺、よいくんと逸れちゃって……
   探しにいかなきゃいけないんだ。」



  




  『”よいくん”を見つけることが貴方の願いですか?』



 



  「願い……?
   ううん、俺は自分でよいくんを見つけるから
   一人で寂しい思いをしてたら
   俺がお歌を一緒に歌うんだ。
   そしたらよいくんは笑顔になるんだよ。
   俺はその顔が大好きなんだ!」


 



  『そうですか。
   早めに見つけ出せると良いですね。


   私は貴方の名前を教えて貰いました。
   そちらの子も。
   もうすぐこの世界から帰れるでしょう。


   
その名前が”本当に自分の名前であるならば”


   また会いましょう。なるみかいと。
   いつか海が迎えに行き、波が連れてくるでしょう。』


 




  「いともかいとくんもまたね。」



 



[ そうして一人の”なるみかいと”は帰りました。
  自らの名を名乗ったこと。
  もう一人のなるみかいとのこと。
  そしてわたくしのことも忘れて。  ]

 




[ もう一人の”なるみかいと”は
  この世界から帰ることなく留まったまま。

   ─────それが意味することは即ち。  ]


 



   さて、
貴方は嘘をつきましたね


   神前での愚行
   この地に祀られている方の荒々しさも
   知らなかったのですか

   神は嘘を嫌う
   浅ましい行為を許さないでしょう
   贄としては失格
   それでいてこの世界から帰ることも出来ず
   貴方の存在はいずれ消されるでしょう

   その前にわたくし共の餌とならぬよう
   精一杯逃げることを忠告しておきましょうか


 



[ この年、一人の存在が消えました。
  贄は不在。
  海は荒れるはずでした。

  けれどもう一人の贄の名前は
  こちらにあり、すでに手に入ったようなもの。

  いつも通りのお祭りを終えられました。

  その生はゆっくりと蝕まれていき
  彼がこの上ない幸せを感じた時
  波が彼を見つけるでしょう。  ]


 




[ 神は悲しみに暮れる人間より
  幸福であるモノを好みます。  ]




 



[ そうですね。
  それこそが妖と神との違い

  ”なるみかいと”は記憶をなくしても
  何かを感じ取っていた。
  底知れない存在と恐怖を。


  だから幸福が駆け引きの材料となることを
  知っていた。調べたのでしょう。
  
  足掻く人を見るのは飽きることはありません。
  変わることのない未来を変えようと……。


  貴方は諦めなかった。  ]

 




  わたくしは、わたくしは淡となることを
  望むしかなかったというのに───……




 



[ 懐かしい話もこれで終わりです。
  偽りの”なるみかいと”は消えました。
  名前も、存在も、誰の記憶にも残らないまま。

  ただ、同じ名前だと信じていた子は
  少しだけあの子の存在を覚えていたようですね。 ]*







[ ───ああ、そうか
     俺は名前を、明かしたのか。 ]







[ 俺の両親は俺が贄となることに
  納得したのだろうか。

  それなのに俺が帰ってきたから
  だからあんなにも驚いていた?

  それから余所余所しくなって……
  幼いながらも親の戸惑いは
  子にも伝わるものだ。


  気付いていながらも聞けなかった。
  俺は臆病だから
  ただ、ただ見捨てられたという事実を
  知るのが怖かった。

  俺はいらない子だと認めたくなくて、
  俺は必要とされたかった。 ]




[ 宵稚が俺を頼ってくれることが嬉しかった。
  彼の歌が俺に元気をくれた、笑顔になれた。
  宵稚の歌に何度も救われた。

  大切だった、守りたかった →

    → それがいつしか執着になり →

       → 愛になり……→欲になった。→

          →             ]




[ 宵稚からも逃げて
  親からも逃げていた。

  上京していつかのこと。
  街中でふと足を止めた。
  CMに使われていた曲が耳に入る。

  彼らしい曲だと思った。
  その曲のことを調べてみたけれど
  大手音楽会社のどこかで見たような
  名前の人の曲だった。

  音楽を齧った程度の俺でも感じる少しの違和感。


  その人の他の曲も聞いてみた。
  ただの興味本位。
  けれどこの曲だけに感じた違和感を
  探りたかったのかもしれない。


  作曲者の好み、特徴はコードを使いからもわかる。
  それでもその時は単に指向変えかと
  深く考えることはしなかった。 ]





[ 俺の音楽フォルダには
  高校までの宵稚の曲しか入っていないのだから。
  俺にはこの宝物で十分だったから

  それから街中で俺が足を止める曲
  決まってそれらはきっと─────────。 ]


 



[ 宵稚の願いを俺は遮った
  目を覆って、思考を隠して
  わからないままでいて欲しかった


  此処では
  此処では願ってはいけないのだから。 ]*


 



[ 俺は君の願いを、幸せを
  決めつけてしまっていたんだね。

  でも、自分がそこに含まれているとは
  思わなかったんだ。 ]